榧の木尾根より鷹ノ巣山を経て岩尾根へ
- GPS
- 07:58
- 距離
- 12.5km
- 登り
- 1,440m
- 下り
- 1,375m
コースタイム
- 山行
- 6:45
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 7:37
天候 | 曇時々晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
久々の鷹ノ巣山を未踏のネズミサス尾根から登ってみようと準備していたものの、準備にぐずぐずしてしまい、最寄りの駅で乗るつもりだった電車が出るのを目の前で見送る事になってしまった。
止むを得ず次の電車で間に合う奥多摩駅発のバスを探すと、峰谷行きのものがあった。榧の木尾根コースは距離が長くて体力の無い自分には難しいと敬遠していたが、今日は曇りながら天気は安定していて(しかも夜になるほど晴れる)、日も長くなっている。快晴では無いので寧ろ長い尾根歩きもやりやすい。榧の木尾根なら途中で断念してもエスケープルートはある。地形図もあるし、下りは経験済みなので下調べも不要だ。条件が揃った。ただ本当に鷹ノ巣山まで辿りつけるかは不安だった。
峰谷行きのバスは他に5名程で、シーズンの日曜日にしては随分少ない。峰谷で一人降りて、水が500mlのジュース一本しか無い事に気がついた。いつもは家でペットボトルに水道水を詰めてくるのだが、今日は最初に日原川に寄るのだから、まずい水道水をわざわざ持って行かなくてもと思って空のボトルしかなかった。登り口の先に神社があったはずだが、手水があったかは覚えていない。幸い近くの茶屋に自販機があったので、高いアクエリアスを一本だけ買った。
倉戸口からはバス停から一旦山とは反対の奥多摩湖に張り出した岬の先に向かい、そこから集落の中を真っ直ぐ登る。以前冬の頃にここに降りてきた際、茂みに熊らしいものを見かけた場所だ。
登り始める。神社に寄ると手水鉢が乾いている。蛇口を開いても全く出ない。諦めて進んだ。道は整備されているが、のっけからきつい。九十九折れと直登をただ繰り返す。たまに巻き道で息をつく。女の湯の方のルートは更に急勾配だが、こちらも遜色ない。歩幅を出来るだけ小さくしてペースを落とした。
1時間を越した頃にルートが真北を向き、岩肌が見えてきた。倉戸山山頂に着いた。先は長いが、全体の標高差で言うと約1200mのうち半分まで来たことになる。倉戸山からは地形図には出ていないが少々下って進む。北を目指して尾根の天辺を進めば問題はないだろう。道も安定していているので、今度は歩幅を大きく取り、ペースを上げて時間を節約する。
天気は悪くなるどころか晴れ間がさしてきた。これは今日天気予報を理由に山を諦めていたら後悔しただろう。この辺りになると緑もまだ若々しい。エゾハルゼミの合唱が聞こえてきた。だらだらとした登りが再度きつくなり、道が尾根の西を巻くようになったところでノボリ尾根との分岐にたどり着いた。榧の木山山頂の側だ。距離で見れば鷹ノ巣山まで約半分のところまで来たことになる。完登が見えてきた。再び下りに転じる手前で鷹ノ巣山自体も見えてきた。
榧の木山手前は蝉時雨と鳥の合唱で、喧しい程だった。日当たりはいつも良く、風もよく通り、人はいない。彼らにとっては存分に過ごせる場所なのかもしれない。
地図を見ると後少しで水根沢からの道と合流する。そこから先は知った道だ。石尾根との合流地点までそれなりの勾配が続き、そこからは一旦平坦になる。巻き道と別れて偽ピークを登って最後の急登だ。それなりに疲れてはいるが、体力はまだある。時間も11時になった頃で、余裕だ。今回は問題なく行けるだろう。
山を一人で登っていると、色々と妄想してしまう。食い意地が服を来たのが自分という人間なので、畢竟食べ物のことが多い。今日もたまにはちゃんとしたものを鷹ノ巣山山頂で食べたいと思い、早朝にチャーハンを作ったところ、「今食ったほうが絶対美味い」と思ってそれを朝飯にしてしまったのが遅れた原因だ。そのせいで昼はまたコンビニの菓子パンだ。今日はもう暑いし、山頂の涼しい風でざるうどんを食ったらどんなにか美味かろう。山頂で冷えたざるうどんを食うにはどうしたら良いか。茹でうどんは湧き水に浸すとして、ツユは袋に密閉して麦茶の氷を詰めた魔法瓶に同居させたらどうだろう。そのツユをコップに入れ、薬味も用意してうどんを入れてすする。言う事はないだろう。
そんな妄想をして何故か昨日飲んだウイスキーの味を思い出している頃に、石尾根との分岐点に着いた。その先で先生らしき人を先頭にした外国人の学生の一団と出会った。今日初めて出会った登山者だ。
石尾根のこの辺りの草原風景は気に入っている風景の一つで、仕事で疲れた時等に山の事を考えて思い出すのは大抵ここだ。広々とした草原に涼しい風が吹き、ツツジが揺れている。雲量は多いものの富士山はしっかり見える。この間低山で富士山が見えるところを探してきたが、そう言えば鷹ノ巣で見えなかった事はあまり記憶にない。
最後の急登をこなすと、鷹ノ巣山山頂は流石に数組の先客がいた。12時前だ。松の木陰で昼飯にした。いつもの通り目の前に榧の木尾根、入奥沢、浅間尾根が広がる。大寺山の仏舎利塔も峰集落も輝いて見える。コンビニパンもジュースも大した味ではないが、今登ってきた長大な尾根を見ながら食べていると、それなりに美味く思えてくる。先程まで妄想していたうどん等なら更に感動するのかもしれないが、食べ物以外の条件がここまで揃っていると、あまり美味すぎるのもひょっとすればバランスが悪くなるかもしれない。でももう正直飽きた。
下りのルートを考えた。一番好きなのは水根沢だが、既に自分としては長い距離を歩いているので、短い方が良いだろう。浅間尾根が短くて楽だが、5時台にしかバスが無いので問題外だ。岩尾根なら2時47分発があるが、2時間ちょっとで降りられるとは思えない。その次は16時17分と間が空いているので、岩尾根をゆっくりと降りる事にした。
岩尾根の下降はいつもの通りだったが、ヒルメシクイノタワに着くまでに結構な失敗をした。道上に木の根が浮き上がっているのを視認したにも拘らず、右のかかとを引っ掛けてしまい、勢いよくこけた。丁度そこから3m強が崖になっており、下手をしたらその下のテラス状のところに叩きつけられていたかもしれない。危ないので折ってしまおうかとも思ったが、自分の手では無理だった。通る方は気をつけて下さい。
のんびり下りても時間は充分にあるので、日原川まで下りて軽く水を浴びた。素足をつけたままにするにはまだ早かった。
この間鷹ノ巣から離れていたので体力に不安があったが、未踏だった長距離のコースをこなす事が出来て充実した山行だった。これで鷹ノ巣の一般登山路でまだ登りきっていないのは石尾根だけになった。
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