【第二次日原作戦】天祖山〜長沢背稜(酉谷山・天目山)〜川乗山〜百尋の滝【丙78.1】
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- GPS
- 11:33
- 距離
- 40.6km
- 登り
- 3,459m
- 下り
- 3,740m
コースタイム
- 山行
- 10:32
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 11:34
天候 | 晴れ後曇、陽射しは強くなく、そよ風が吹いて暑くない。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:奥多摩駅(川乗橋でバスに間に合わず。) |
コース状況/ 危険箇所等 |
天祖山の尾根:歩きにくくはないが急な上りが続く。 長沢背稜:道は細いが基本巻き道で平坦。歩きやすい。 天目山〜川乗山:歩きやすい道が続くがアップダウンあり。 川乗山〜百尋の滝:急降下 百尋の滝〜川乗橋:途中、橋が崩落したとかで林道に大きく迂回する。 川乗橋〜奥多摩駅:約3kmくらい。1時間半バスを待つより歩いた方が良い。 累積標高差が3500m位に達しているが、GPSには幾許かの誤差が生ずるため、トレースが起伏のある尾根上に付いたのではないかと思われる。実際のところ、坊主山や七跳山等のピークは通過していない。 |
その他周辺情報 | 酉谷山避難小屋に水場あり。 天目山の一杯水は寄らず。 |
写真
感想
事前の天気予報では思わしくなかった週末。『グレートトラバース2 二百名山一筆書き プロローグ』を見ていたら山に行きたくなり、改めて天気予報を見ると日曜は午前を中心に晴れそうだ。早速、出かけることにした。
早朝奥多摩駅に降り立つと、真っ青な空が出迎えてくれた。東日原行きのバスに乗り込むと、結構席が埋まった。川乗橋と倉沢で若干降りて、多くは東日原まで。
バスを降り立って歩き出すと、まだ陽射しが強くなく、空気もひんやり。これは耐えられそうだ。
【天祖山の尾根】
先の日原作戦において天祖山の尾根が結構急傾斜であることは体感していたので、
焦らずゆっくりと上っていく。尾根の先端に乗ると風が吹き渡ってとても気持ちが良い。尾根に上ってしまえば傾斜も比較的緩やかになり、陽光を受けて輝く緑の中、楽しく歩ける。ただし、天祖山頂までそれなりに距離があるので、あとどのくらいなどと考えてしまうと辛くなる。
もとの天気予報が悪かっただけに雲が早いうちに広がるのではないかと思っていたのだが、天祖山頂下の会所からは富士山の姿を見ることができた。
天祖山頂で休憩をとったところ7月も間近というのに体が冷えるほど。暑過ぎるようなら早めに切り上げようと思っていたが、杞憂だったようだ。
長沢背稜へは一旦梯子坂ノクビレまで降りなければならないが、それほど大きなダウンアップではなく、難所というわけでもない。
なお、ここまで対向者は無し。
【長沢背稜】
長沢背稜は私の大好きな稜線の一つだ。何より静かで落ち着いた感じなのが良い。
天祖山の尾根と長沢背稜の交わる所で独りの山行者と遭遇した後、時折尾根上に登りながら基本は平坦な巻き道を歩む。GPSのトレース上は尾根上のピークを結んでしまっているようだ。その尾根上にも道はあるようだが公的には廃道扱い。ただし、踏み跡がはっきりと残っているので、次来る時には尾根ルートを探索してみよう。今回は起伏のある尾根ルートを歩くことによる影響が計り知れないこともあり、敢えて立ち入らなかった。ただ、尾根上は風が当たってより心地よい山行となったかもしれない。
山腹を巻く正規の道では平坦な一本道が延々と続き、いろんな花が咲いているというわけでもない。変化が乏しいため、飽きたり、つまらなく感じる人もいると思うが、私の場合は、緑と風と木漏れ日の中を歩いているだけで十分楽しい。さらに、草葉の繁茂期であるため地点が限定されるものの、この時期でも滝谷ノ峰ヘリポート等、展望を得られる箇所が彼方此方にある。富士山が昼近くなっても見えたのはポイントが高かった。
酉谷避難小屋の水場は水量が細いと聞いていたが、直前に雨が降ったためか結構な量が出ていた。長々と歩いて来た身には有り難く美味である。ここで十分水分を補給したために天目山の一杯水には寄らなかった。
酉谷避難小屋の辺りまで遭遇者は1〜2名だったが、天目山に近づくにつれポツポツとソロまたはペアの対向者に遭遇する。都合7〜8名か。そして山頂では3名。
さすがに天目山に到達する頃には空を雲が覆ってしまっていたが、それでも奥多摩から秩父の周辺の山々の稜線を見渡すことができた。大岳山や御前山に最近顔を出していないのが申し訳なく感じてくる。
【蕎麦粒山〜川乗山】
天目山から下ることも考えていたのだが、予想以上にサクサク進行したため、もう少し足を伸ばすことにする。
天目山から先は再度アップダウンが発生。蕎麦粒山からの急降下、その後の急上昇の際は「ここで後悔しても遅い」と冗談ながら思ったものの、天目山までの道を遊園地で平地を走る汽車ぽっぽとすれば、天目山以降の起伏ある道はちょっとしたローラーコースターだ。そのくらいの起伏はある。日向沢ノ峰を過ぎた所から踊平まで下る所がこれまた急傾斜で、10人弱のグループが下っているのに追いついたが、その内の一人の男性が相次ぐ急坂下りのため疲労の極に達したのか、落伍して座り込んでいた。
その後のグループの予定や実際の行動は知る由もないが、踊平で休憩をとった後に川乗橋まで続く林道に下っていたら良いなと思う。まさか川乗山まで足を伸ばしたりはしていないだろうが。
川乗山へはそれまで下った分を登り返して山頂に到達。5〜6人の女性グループとソロ女性。女性ばかりなので落ち着かないなあと思いつつ、ベンチに座って軽食休憩。空の雲行きを確認する。川乗山に着くまでは、雲により結構暗くなってきていたこともあり、すわ雨が降ってくるのではないか、雨が降ったら川乗谷への下りは危ないのではないか、しかし雷が鳴るようであれば尾根筋を下るより川乗谷に下った方が良いのではないか・・・等といろいろ思いを巡らせたものだが、山頂で改めて空を眺めてみると、雲が広がったといっても濃淡があり、陽の射しているところ、青空の見えるところもある。もちろん、雷雲の予兆も全く無し。下山まで天気は持つだろうと判断する。とは言っても、降る可能性が皆無というわけでもない。早く降りるに如くは無しだ。
【百尋の滝を経て下山】
私自身が軽装山行者の部類に入り、身なり出で立ちのみでとやかく言われるのが好かないので、実際の行動を見ることなしに云々することはしないが、川乗山頂に着く前から「ちとライトだな」という若者がチラホラと見られた。
どこから湧いてくるんだろうと思っていたが、川乗谷へ下る途中、16時過ぎの曇天下、かなり暗くなった森の中を上ってくる若い男性と遭遇して疑問は氷解。百尋の滝に来たついでに寄ってみようというわけか。なるほどね。
ちょっと言葉を交わした感じでは百尋の滝〜川乗山間の所要時間も知らなそうだったが、16時40〜50分頃には山頂に着いただろう。そこからどこに下ったかは分からないが、ピストンするとすれば今の時期なら日没前には降りられるだろう。雨が降ったり熊が出たり、暗さのために道を踏み外したり間違えたりしなければ。
「無事に降りられるだろうか。ちょっと怖い思いをするくらいが後に繋がってベストだろう。」などと歩きながら彼のことを考え、下の方ではそんなに川乗山への登山心を掻き立てるような宣伝文句でも書いてあるのかと百尋の滝まで下ってみると、単に標識に「川乗山」と書いてあるだけだった。上の方では「通行注意!」等と書いてあるのにね。
と、思いを巡らせていたが、川乗谷の途中、橋崩落による通行止めで林道へ大迂回の警告書きに我に返る。バスの時刻表を見ると非常に厳しい。林道へ出てからは競歩張りのスピードで川乗橋まで下る。走ろうかとも思ったのだが、走ったらハイキングでなくなるという意固地な思い、その根底にはどうせ間に合わないだろうという諦めの思いがあって、結局バスの出発時刻に遅れること9分。バスが待ってくれているわけもなく奥多摩駅まで歩く。これはまあ仕方がない。奥多摩駅までの3kmを体も心もクールダウンさせながら歩く。
最後に街の外れの根元神社に今回山行の成功を御報告し、奥多摩駅に帰着。結局最後まで雨は降らなかった。降ってきたのは鳥の糞のみ。ん。
【総括】
今回の遭遇者の割合は「酉谷付近まで:天目山まで:天目山以降=1:3:6」といったところ。出会った人の総数も20名程度の終始穏やかな山行だった。
夏場の低山は暑いという思い込みを覆す快適さに目から鱗が落ち、最後まで雨を降らせなかった天の恩寵に目を細める。この調子で夏山シーズンを乗り越えられますように。
〜おしまい〜
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