大失敗!遭難寸前の空木岳【池山尾根in 檜尾尾根out】
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- GPS
- --:--
- 距離
- 18.1km
- 登り
- 2,105m
- 下り
- 2,134m
コースタイム
- 山行
- 11:45
- 休憩
- 1:55
- 合計
- 13:40
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
タクシーは事前に予約しました。 現在、池山尾根登山口の林道終点の辺りは工事中です。かなり手前に約10台分の駐車スペースがありますが、駐車スペースは全く足りず、多くの車が路駐しています。 路駐スペースも多くなく、林道は路面もガタガタなので、それなりの覚悟で行ってください。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全体的に良く整備されています。岩場、鎖場等ありますが、アルプスを歩く意識があれば問題ないと思います。 空木〜木曽駒の稜線は、非常にアップダウンが多く、強い体力が必要です。 |
写真
ここからロープウェイまでコースタイムで歩けたとしても、最終には間に合いません。それに、もはやコースタイムで歩ける自信もありません。
避難小屋泊か、ホテル千畳敷に泊まる事も考えましたが、日帰り装備しかなかったので、檜尾尾根を下山する決断をしました。
時間は15時。コースタイムは4時間強。コースタイムで降りられればギリギリ日没前には間に合う計算です。
感想
これまでの登山で、最悪と言ってもいい山行でした。
山を軽く見すぎていたのかもしれません。
ここ10日くらい、軽く咳や痰が出ていたので、登山3日前には病院で薬を貰って飲んでいました。ただ、そんなに酷い感じではなかったので、登山計画はそのまま実行する事にしました。
当日は、運転があるので薬は飲みませんでしたが、運転中に眠気が強くなったので、普段は飲まない眠気覚ましドリンクを飲んで、菅の台駐車場に向かいました。
今回の予定は、池山尾根から空木岳に登り、そのまま稜線歩きを楽しんでロープウェイで下山するコースでした。コースタイムは14時間強、ロープウェイの最終が17時なので、登山開始からの行動時間は12時間。普段の自分ならそれほど問題ないコース設定した。
池山尾根、とてもなだらかな道で、普段なら鼻歌でも歌いたくなるような感じです。ところが、30分もしないうちに大量発汗に加えて、強烈な吐き気が襲ってきました。何とか吐き気を堪えていましたが、限界をこえてしまい、人目につかないところで嘔吐してしまいました。
このまま帰る事も考えましたが、吐いた事で少しスッキリしたので、ゆっくりと山頂を目指すことにしました。
その後は、なだらかな道だったことやペースを抑えて歩いていたことから、体調は少しずつ回復してきました。
しかし、嘔吐したことの影響がでてきます。自分は山頂でご飯をまとめて食べるのではなく、行動食をちょこちょこと食べながら歩くタイプなのですが、胃が食べ物を受け付けないのです。水分以外口にしないまま、山頂を目指しました。
空木岳山頂には、想定よりは若干遅かったものの、この体調の割には順調に到着しました。山頂ではパンを1つ食べることができたので、体調も回復してきていると判断。予定通りロープウェイを目指すことにしました。
これが、大きな誤りでした。池山尾根ピストンか、せめて南駒ケ岳を加えるくらいにしておけば、あんな事態にはならなかったと思います。
木曽殿山荘までは下り基調なので、比較的順調でした。ところが、東川岳の登りくらいから、体調がまた悪化してきます。固形物を食べられなくなってきました。飴とかチョコとかハチミツとか、行動食は沢山ありましたが、やはり力がでません。少しずつ体力が奪われていくのを実感しました。
熊沢岳に着く頃には、15分おきに休憩しなければ歩けないようになってきました。特に登りは、数歩歩くだけで息があがるようになってきました。シャリバテなのは理解しているのですが、胃が固形物を全く受け付けません。山頂でパンを1つ食べた以降は、おむすびを1口食べるのがやっとでした。
それでも何とか檜尾岳に到着しましたが、時は既に15時。ロープウェイまでのコースタイムは2時間40分。今の体力では、コースタイムで歩くことも厳しい状況です。檜尾岳からは200メートル以上下り、300メートル登り返すので、下手をしたら途中で歩けなくなってしまう恐れもあります。加えて、3ℓ以上持参し、更に山小屋で1ℓ買い足した飲み物も残り500㎖くらい。水不足も深刻でした。
近くの檜尾非難小屋に泊まることも考えましたが、日帰り装備なので宿泊も困難です。水場で水さえ得られれば、何とか下山はできるだろうと判断し、檜尾尾根を下山することにしました。
水場の水は細かったものの、時間をかけて2ℓの水を得ることができたので、ゆっくりと下山を開始しました。
下山時はフラフラしている状態でしたが、休み休みゆっくりと下りました。途中、体力不足でボーっとしてしまう瞬間もありましたが、飴やチョコを舐め続け、休憩を多く取りながら、何とか下山しました。
途中、携帯の電波が入ったので、下山口にタクシーを呼び、何とか菅の台の駐車場に戻る事ができました。
タクシーまでは何とか大丈夫だったのですが、タクシーから降りた瞬間に強烈な吐き気に襲われ、その場で嘔吐。車までの50mが歩けず、その場で20分うずくまっていました。
何とか歩けるようになったのでポカリを購入し、車で冷房を効かせて休みましたが、呼吸が荒くなっていて、通常の呼吸に戻るまでに90分以上かかってしまいました。シャリバテに加えて、熱中症も発症していたのだと思います。
予定を優先させてしまい、冷静な判断ができなかったのは、自分の体力を過信していたのだと思います。遭難一歩手前の状況になってしまったのは、猛省です。
これからの登山の教訓にしたいと思います。
最後に、池山尾根で体調が悪い自分を気にしてくれてキュウリの塩漬けをくれた方、檜尾岳で水場情報を聞いたところ、水が足らなければ分けてくれると言ってくれた方には、とても感謝しています。
ありがとうございました。
リックルさん こんにちは!
アララ、体調不良で大変な状態だったようですね!
自分はヘタレなんでけっこう体調不良の時はすぐに山やめちゃいます、この時期は水分量で熱中症などもありしっかり見極めないとですね。
それでもそこまで歩ききってこれたようでお疲れ様でした。
しばらくは静養して次に備えてくださいね!
…翌日、僕は近くにいたんですけどね(笑)
drunkyさん、こんにちは!
…今回は本当に大変でした。
空木岳のピストンだったら、余裕をもって下山できたと思うのですが、東京から長距離運転してきて、タクシーまで利用して、これで帰るのは勿体無いというビンボー根性が、こんな結果になってしまいました。
体力的にはギリギリの判断でしたが、無事下山できて安心しました。
常々、遭難で重大な結果を招かないためには、体力と精神力が大事だと思っていましたが、今回はそれを身をもって実践してしまいました>_<
夏山シーズンはまだ続くので、もっと慎重に山を楽しみます
大変でしたね。無事何とか下山できて良かったですね。 昔は夜行運転日帰りをしていましたが還暦をすぎてからは夜行運転は止め夕方には麓につくようにして体力を温存するようにしています。参考になりました。ありがとうございました。
jr1eeuさん、コメントありがとうございます!
…今回は本当に無事下山できて良かったです
快晴無風の暑さ、3,000メートル近い稜線、厳しいアップダウンが、体調の悪さに拍車をかけてしまったようです。
暫くは「空木ショック」の影響を受けながらの登山になりそうです
ヤマレコは自分の山日記として記録していて、あまり人様の目や拍手を気にしている訳ではないのですが、こんなお恥ずかしい記録が少しでもお役に立てたなら、何よりです。
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