白馬岳 猿倉から大雪渓→鑓温泉周回 / のんびりぜいたく山行!
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- GPS
- 56:00
- 距離
- 20.4km
- 登り
- 2,370m
- 下り
- 2,357m
コースタイム
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 7:10
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 4:05
- 合計
- 11:50
- 山行
- 4:55
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 5:00
天候 | 初日:快晴→ガス 二日目:晴れ→小雨 三日目:晴れ→ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
小雪渓滑落者あり注意。アイゼン推奨。 鑓温泉小屋上部にクサリ場あり。岩が滑りやすいので通行注意。 鑓温泉から下部は足元の崩れやすい狭い道。滑落注意。 |
写真
感想
以前、義妹を連れて日帰りで西穂独標へ行った時、「次は山小屋に泊まってご来光とかの写真を撮りたい」と言っていた。機会があったらどこか連れて行ってやるのもいいかなと思っていたのである。
そして今回夫婦で連休を取り、大キレットあたりに行く計画を立てていたのだが、義妹も休みが取れそうだと言う。かと言ってさすがに大キレットに連れて行くのは無謀すぎる。それほど難易度が高くなくて、山小屋の評判がいい場所と言う条件で燕岳か白馬岳あたりがいいなと考え、ひるねと相談のうえ白馬大雪渓で雪渓歩き・白馬山荘スカイプラザでディナー・白馬三山縦走・白馬鑓温泉で湯ったりというプランを立てた。さて喜んでくれるだろうか。
義妹を迎えに行って日付が変わる前に大阪を出発、多賀SAで柿の葉寿司などを購入、いつもなら東海北陸道から高山経由で長野へ向かうところを今回は北陸道方面へ向かい、福井・石川・富山・新潟といつもはあまり行かない県を経由して糸魚川より長野へ。早朝に白馬村に到着。
白馬岳は北アルプスの北部に位置し、長野県と富山県にまたがる標高2,932mの山である。山名は春になると雪がとけて代掻き馬の形に岩が黒く露出することに由来する。なので読み方は「しろうまだけ」なのであるが、山の名前に特にこだわりを持たない人はみんなフツーに「はくばだけ」と思っている。そもそも麓の白馬村からして「はくばむら」だし頂上にある小屋は「はくばさんそう」だ。そりゃ知らん人は「はくばだけ」だと思うよなあ。ちなみに山の先輩であるオレの父も「はくばだけ」と読むのであるが。
猿倉の駐車場に車を置く。ド平日にもかかわらず満車に近い状態。さすが人気の山域である。
猿倉荘で登山届を出し、コースの状況の説明やら注意やらを受けて出発。しばらくは林道を歩き、1時間ほどで白馬尻に到着。白馬尻から少し上がるといよいよ白馬大雪渓。軽アイゼンを装着し大雪渓へと踏み出す。
大雪渓の上は涼しくて歩きやすい。こりゃあラクチンだと思っていたら徐々に傾斜がきつくなりはじめ、登っても登ってもゴールに着かない急斜面の雪中行軍となる。
雪の上には大小の岩が転がっており、それらはすべて上の方から落ちてきた落石であるらしい。雪の上では落石は音もなく落ちてくるので、歩行中も休憩中も常に上方を気にかけていなければならない。中にはダイニングテーブルくらいの大きさのある岩もあるのだが、ところでそんな岩に思いっきり寄っかかって休憩しているオッサンが時々いらっしゃったりするのだがアレは大丈夫なのだろうか。安全上問題はないのだろうか。
大雪渓をようやく越え葱平(ねぶかっぴら)という場所へ着く。シロウマアサツキという葱の仲間がたくさん生えていることからこの名が着いたそうな。食えるかどうかは知らない。
左上方に杓子岳の天狗菱を見ながら登ってゆく。途中で昼食タイムにする。多賀SAで買った柿の葉寿司美味ぇ。
小雪渓のトラバース。横切るだけならアイゼンいらんのではと思っていたが、結構傾斜がキツく思ってたより高度感がある。一度足を滑らせたら下の方までノンストップだろう。なるほどアイゼンいりますわ。
小雪渓を過ぎて避難小屋も過ぎると、お花畑の中を登って行く。景色はメルヘンちっくだが身体の方はだいぶキツい。涼しかった雪の上が恋しい。はるか上の方に頂上宿舎が見えるが、歩いても歩いても近づかない。上から下りてきた人が「頂上宿舎、生ビール売り切れてるよ」と教えてくれる。今その情報いるかぁ?
果たしてようやくたどり着いた頂上宿舎は生ビールはおろかコールドドリンクさえ2杯しか出せない有様であった。もっと頑張ろうよ頂上宿舎。そんなんだからいつまでも白馬山荘に客取られるんだよ頂上宿舎。
14時にクタクタで白馬山荘に到着。受付を済ませ荷物を置いて早速展望レストラン「スカイプラザ」へ。プハーッ、生ビール美味ぇ〜。
今日はガスが上がってきているので白馬岳登頂は明日の朝にして夕食までゆっくりすることに。夜を徹して高速を爆走した疲れが今頃出たのかグーグー寝る。
そしてお待ちかねの夕食の時間に。スカイプラザでディナーですよ!
せっかくだからワインを注文。出てきた料理はどれも美味。ポタージュスープに生ハムサラダにメインはビーフシチュー。デザートまでついてる。なんというリッチな夕食であろうか。ゴージャスプレシャスシャルウィーダンスといった感じである。
すっかり満足。しばらく小屋の前で夕日の写真を撮ったりしてから部屋に帰って就寝。夜中に一度目が覚めたので外に出てみると満天の星空だった。
2日目。ちょっと早く目が覚めたので「星空を撮りたい」という義妹と一緒に外に出るが、すでに空が白み始めていて思ったような写真は撮れなかったようだ。
なので少し早いとは思ったが先に山頂に行ってご来光を待つことに。後で思えばこれは大正解で、後から後から続々と山頂に登山者がご来光を見にやってきたが、我々は一番いい特等席でご来光を拝むことができたのだった。
朝メシを食い、スカイプラザでホットココアを飲んでからゆっくりめに白馬山荘を出発。昨日は大雪渓であんなに日焼けするとは思わずに日焼け対策を怠ったが今日は稜線歩き、日焼け止めもしっかり塗ったぜ!しかし歩き始めてわりとすぐにガスが上がってきてあまり太陽は顔を出さなくなってしまった。
まずは杓子岳へ向かう。杓子岳は巻道がついていて、山頂を踏まずにトラバースしていく人も多いらしい。我々はせっかく来たのだからと登頂することに。巻道の分岐から山頂へ直登する道はガレガレのザレザレで非常に歩きにくい。そんな苦労して登った杓子岳であるが、360度のガスにより得られた展望はゼロであった。
続いて白馬鑓ヶ岳へ。元々はただ単に「鑓ヶ岳」という名前であったようだが、
槍ヶ岳と区別するためかはたまた白馬三山の一角としての地位を強調したいがためか白馬の名を冠して呼ばれるようになった。「しろうまやり」か「はくばやり」かは議論のわかれるところであるが、山頂の標識には「はくばやり」とアルファベットで記されている。こちらも例にもれず展望なし。晴れていれば絶好の白馬岳展望スポットであったのに。
白馬鑓から下りてきた我々は少し足を伸ばして天狗山荘へ向かう。昨夜白馬山荘で相部屋だった夫婦が「天狗山荘の食事は美味しかった」と言っていたので、せめて昼メシでもと片道30分の寄り道をすることにしたのである。
天狗山荘から分岐に戻る途中で雨が降り始める。さらに雷鳴までもが鳴り始める。雷鳴はずっと遠方で響いていたのであるが、山の中で聴く雷鳴は本当に怖い。自分が自然に対して何もできないちっぽけな人間であることを痛感させられる。本来なら花咲き乱れる休憩適地である大出原も「杓子岳登らんかったらよかった」「天狗山荘行かんかったらよかった」と後悔しながらさっさと通り抜けたのであった。
幸いにも雷雲は山の上にまで影響を及ぼすことなく、雨もそれほど激しく降ることもなく止む。クサリ場も無事に通過して雪渓の上まで出ると眼下に鑓温泉小屋が見える。ようやくもうすぐ念願の雲上の温泉に入れる。
ところが好事魔多し、後ろから追いついてきて一緒に下っていたおっちゃんが段差から下りる時に勢いが着きすぎて足を踏み外し崖へ投げ出されてしまった!
何とか登山道直下にしがみついて下の方に滑落はせずに済んだようだが、崖はザレザレの砂礫の急斜面で、自力で這い上がることは不可能どころか今にも崖ごと崩落して10メートルほど下にパックリと口を黒く開けた雪渓と崖の隙間に飲み込まれていきそうだ。近くにいたオレと義妹はすぐさま駆け寄っておっちゃんを確保、おっちゃんの進行方向にある石礫を取り除いて崖下へ落とし、ザックと腕を持ちながら這い上がるのを補助した。どうにか無事におっちゃんは登山道へと復帰、骨折など特に大きなケガはないようだがかなりフラフラになっているので小屋まで着かず離れず見守りながら一緒に行く。
そんな予想外の事態は起こりつつもなんとか鑓温泉小屋に到着。受付を済ませ荷物を置いて早速温泉へ。
温泉はテン場や登山道から丸見えの豪快な露天風呂。最初は一瞬躊躇するが、オッサンたちが丸出しでザバーザバーと入浴しているのを見ていると恥ずかしがっている方がアホのように思えてくる。ちなみに混浴だが女性専用の時間帯以外は露天風呂にはオッサンしか入っていなかった。
ともかくこんな山の上で温泉に入れるなんて信じられない幸せではある。ロケーションも相まって湯は最高に気持ちいい。まあ日焼けの跡が沁みて悲鳴を上げたりもしたけれども。
鑓温泉小屋は定員150名ほどの小さな小屋で、狭いからか宿泊者同士の距離も近く夕食時なども会話も弾み非常に楽しい時間となった。白馬山荘みたいなスタイルもいいがこういうのこそ山小屋の醍醐味だよなあ。
3日目の朝。露天風呂でご来光を迎える。
朝メシを食って猿倉へ向け下山開始。足元がザレて崩れやすく狭い崖沿いの道が多くけっこう気が抜けない。また雪渓のトラバースも出てくる。これまたアイゼン推奨。
コースタイムより大幅に遅れて小日向のコルに到着。地図には「白馬三山の眺めが良い」とあるが、ガスってて何も見えやしない。初日の朝に麓から眺めておいてよかった。
小日向のコルから九十九折りの道を下ると比較的歩きやすいなだらかな下り道。と思っていたらいきなり林道との分岐に出た。
鑓温泉から約5時間、猿倉に戻ってきた。かき氷美味ぇ。
その足で大町山岳博物館に立ち寄って今日の宿である葛温泉高瀬館へ。露天風呂広くて気持ちいいけど虫が多くてまいった。料理は美味い。
次の日は黒部ダムに立ち寄る。以前来た時に購入した黒部氷筍ビールがすこぶる美味かったのでまた買おうとwktkしながらやってきたのだが、全く売っていない。一体何があったのかと調べてみたら何年か前にメーカーが廃業したようだ。しょっきん〜。
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