由良ヶ岳《関西百名山》
- GPS
- 05:19
- 距離
- 10.1km
- 登り
- 787m
- 下り
- 788m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
西舞鶴でJRの特急列車から北近畿タンゴ鉄道に乗換えた。1両編成の列車がトンネンルを抜けると車窓左手に由良川が見えて来た。川沿いに河口に向かって走り、長いプレートガーター橋の由良川橋梁で日本海に注ぐ河口を渡った。非電化の上路式橋梁なので線路の上に構造物は一切なく絵になる風景だ。列車は橋上で減速し女性車掌の案内放送が入った。無人の丹後由良駅で降り由良川沿いの石浦集落へと向かった。
田圃の中でコンパスの使い方を練習しながら長閑な里を進んだ。由良川沿いは森鴎外の小説「山椒大夫」の舞台で石浦集落の南側には屋敷跡がある。石浦コースは殆ど歩かれていない道で登山口らしきものはなくコンパスの示す方向へと進んだ。今日のミッション1に「石浦登山道をルートファインディング」を設定したが期待通りのほぼ廃道状態が予想された。やがて集落が途切れコンクリートの道が笹で覆われ出した。地図にある様に分岐もあり意を強くする。
コンクリート舗装が途切れ完全山道となると藪は益々濃くなり、所々茨が混じる厄介な道となった。「東由良ヶ岳」三角点のピークの東麓を南にトラバースし谷筋に描かれた登山道に乗ろうとするが踏跡は益々怪しい。杉林となって下草が少なくなると藪漕ぎも苦にならない程度になった。急斜面のトラバースに危険を感じたので三角点峰から東に伸びる尾根に取り付き立ち木を手懸りに急斜面を這い上がった。稜線に達しても正規の登山道らしきものは見つからなかった。ミッション2は「4等三角点『東由良ヶ岳(585m)』を探す」で、登山道は北側を巻いていると云う噂だったが微かな踏み跡を辿って行くと一番高い所にあった。時刻は13時19分、石浦集落から三角点まで2.1劼瞭擦覆道に2時間も掛ってしまった。展望のないピークで昼食休憩を提案するが東峰山頂まで行こうと云うことになり、小休止の後北北東に歩を進め20分で由良ヶ岳東峰(648m)に到着した。
山頂には虚空蔵菩薩の祠があるが遮るものがなく風がまともに吹き付けてきた。脱いでいたジャケットを羽織り遅めの昼食を摂った。三つ目のミッションに「大江山を山座同定」を設定している。コンパス講習を行って東南東にどっしりと横たわる大江山を同定した。1週間前の岳連行事で雨の中登ったことを思いだす。そして皆が気になっていた東にあるきれいな円錐形の山も序でに同定すると、若狭富士と呼ばれる青葉山であることが分り、初心者にとってはコンパスの威力を分かってもらえたようだった。
休憩後は北北西へと進み西峰との鞍部で由良コースが分岐した。このコースはしっかり整備され地図なしでも登れるハイキングコースだ。登り返して暫く行くと南側から林道が上がって来て終端部が広場になっていた。東屋や案内板があり、それによると上漆原からの林道だが車は走れないようだ。途中に北側の展望が広がる展望台があるが山頂を目指してもうひと登り、由良ヶ岳西峰(640m)は3等三角点「由良ヶ岳」があり主峰とされ、ご丁寧に「最高峰」との標識まであるが、実は東峰のほうが高い。東由良ヶ岳三角点の標高585mを東峰の標高とする文献もあるがこれは明らかな間違いで等高線も西峰より1本多く640mの標高線が描かれている。古い地図にある648mの標高が記されそれが正しそうだ。
西峰の山頂からは日本三景の天橋立を俯瞰することができた。松原の砂州が阿蘇海を区切り特異な風景を示している。しかし見えるのはこの方向だけで東峰の展望には遠く及ばない。行程をチェックしてみると石浦コースの難路で時間を食って40分程押している。下山は嶽コースを計画していたがこちらも石浦コースのような難路が予想され帰りの列車に間に合いそうになく、一番確実な由良コースを下りることに変更した。そうすると時間が余るので先に続く道を“探検”、ザックをデポし刈り払いされた道を少し行ってみようと云うことになった。嶽コースかとおもっていたが南東に進んでいる。どんどん下ると分岐があり「←林道、東峰→」の指導標があった。上漆原への林道のようで「東峰」方面へ進むと来るときに通った林道終点に達した。
周回して西峰山頂に戻って来ると雲が多くなってきた。それでは嶽コースの道は? と探してみると草に覆われた踏み跡があり、「これか!」と納得した。列車の時刻まであと1時間10分、丁度いい。ザックを背負い由良コースの下山に掛った。整備はされているが結構急斜面で洗掘が進み、スリップしそうな箇所もあった。七合目には一杯水と看板があり分岐して水場があるが、今日は不要で確認には行かなかった。荒れた林道が交差し高度を下げ樹林帯を飛び出すと登山口に達した。「由良ヶ岳山の案内所」と看板の上がる小屋があり、由良地区公民館館長名の登山証明書が置いてあったので1枚づつ貰った。ナンバリングが打たれてNo657となっていたので、此れが今年の登山者数と云うことになるようだ。
丹後由良駅への道には閉鎖された国民宿舎や宿泊施設が侘しげで湿原の茅原から振り返ると由良ヶ岳が見えるが北側からの姿は余り良くない。駅へ近道をしようと畑の畔を歩くと行き詰まり、またまた藪漕ぎズボンに沢山“お土産”を貰ってしまった。列車の10分前に丹後由良駅に到着し、西舞鶴、綾部で乗換え山陰線の特急で京都に戻った。駅で21時過ぎまで反省会を行い楽しい1日が終わった。
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