白馬岳 猿倉→栂池 雨とガスとライチョウと


- GPS
- 28:51
- 距離
- 15.9km
- 登り
- 1,999m
- 下り
- 1,375m
コースタイム
- 山行
- 5:27
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 6:28
天候 | 1日目 曇り時々雨 2日目 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
行きは猿倉までタクシー相乗り 帰りは栂池高原までゴンドラ、八方までバス |
コース状況/ 危険箇所等 |
特筆すべき危険箇所はないが、天狗原への下りは岩地獄で神経を使う |
写真
感想
「遅れてきたお盆休み」山行です。昨年は家族で富士山に行きましたが、今年は単独です。行き先は、北岳と白馬で迷いに迷った末、初日の天気が多少はましのようだった白馬へ。行くと決めたからには、早朝2時出発で気合十分で乗り込みます。
八方の第2駐車場では、タクシーの運転手さんが、バスの出発時間前に相乗りを募っていました。片道1000円と、バスより70円ほど高いですが、多少なりとも時間の余裕ができるに越したことはないので、活用することにします。
猿倉から白馬尻小屋までは、林道のち登山道の、ウォーミングアップ程度の登り。(といいつつも、標高差300mほど登ります)白馬尻から少し先で、いよいよ雪渓への取り付き地点です。今回は、皆さんのレコ等を参考に、チェーンスパイクを使ってみました。装着、脱着の簡便さはもとより、実際に歩いてみた感触も、全く問題ありませんでした。とはいえ、チェーンスパイクは刃が短いので、傾斜がもっと急だったり、雪が腐って滑りやすかったりといった環境では、ちょっと恐いかもしれません。
8月20日時点では、雪渓上を標高差500mほど登ってから秋道に取り付きます。雪渓上は、風が吹くと涼しいを通り越して肌寒いぐらいです。歩幅を自分で調節しやすい分、岩が多い道よりも、雪渓の方が個人的には楽に登れる気がします。しかし、恐いのはやはり落石。左前方の杓子岳方面から、カラカラ、カラカラ、という音が頻繁に聞こえます。今回は幸い大きな落石はありませんでしたが、ガスで視界がきかないときなどは、特に恐いですね。
秋道に取り付くと、稜線に向けて突き上げるような一気の急登が続きます。落石危険、止まるなとの表示があちこちにありますが、そう言われても足が止まってしまいます。雪解け水が登山道を流れているところも多数。防水のシューズは必須です。さらに進むとようやく村営頂上宿舎が見えてきます。まるで天国に続くかのようなお花畑の中を歩きますが、息も絶え絶えでなかなか花に目をやる余裕がありません。
何とかたどり着いた頂上宿舎で一服した後、本日の宿、白馬山荘に向かいます。稜線に出ると、白馬三山はもとより、剱、立山、毛勝三山、そして槍ヶ岳までの展望が一気に開けました。予報が悪く期待していなかったので、これだけの眺望が望めれば上出来です。後立山から望む剱は、やはり存在感が違います。誰しもが憧れを抱くのにふさわしい山だと実感させられます。
急登で痛めつけられた足に鞭打って、ようやく山荘に到着。受付を済ませた後、ザックをデポして山頂までピストンします。山頂まで登る間に、剱などは雲の中に姿を消してしまいました。証拠写真を撮って早々に山荘まで引き返します。
山荘の混み具合は、平日のためか、布団1人に1枚は十分確保できる状態でした。食事は先着順ですが、来た人は待ちなしで全員入れたようです。雨が降ってきて夕日も見えないので、消灯時間まで、談話室の漫画やらを読んでまったり過ごします。
翌朝起きてみると、外は雨&深いガス。ご来光は全く期待できません。GPVの予報でも、1日中本降りの雨っぽい。待っていても状況が好転しそうにないので、朝食を済ませてすぐ、雨具を着込んで出発することにします。幸い風はそれほどでもありません。
何も見えない白馬岳山頂を通過し、三国境、登り返して小蓮華山へと進みます。時々雲が薄くなると、これから歩いてゆく稜線が姿を現します。稜線上を縦走してるんだなという実感がわいてくる瞬間です。日帰り山行でいける範囲だと、こういう景色にはなかなか簡単には出会えません。泊まり山行だからこそ味わえる、ぜいたくだと思います。
今回雲間から見えた景色の中で、特に目をひいたのが、雪倉岳です。何ともたおやかで美しい山容に、一目ぼれしてしまいました(笑)いつかは行きたい山が、また増えてしまいました。
降り続く雨の中でも、楽しい稜線縦走を満喫し、白馬大池に到着。ここからは、岩ゴロで歩きにくい白馬乗鞍岳を乗っ越して、栂池まで一気の下りです。ここで、ガスがさらに濃くなって、景色は何も見えなくなりました。
こうなってしまうと、あとの楽しみは、ガスが濃いときに現れやすいというライチョウ。実はここまでの間も、小蓮華山の近くや雷鳥坂でそれっぽい鳴き声を聞いていたのですが、結局は出会えずじまい。今日は天気もライチョウにも縁のない日なのかな、などと考えながら歩いていたら、いきなりすぐ目の前にライチョウの親子が出現。丁度ライチョウのことを考えている瞬間だったので、ビビリました。さらに、白馬乗鞍岳山頂を過ぎたところで、今度は別のライチョウにも遭遇。まさか短時間で2度も見られるとは。幼いヒナを、はらはらしながら見守っているお母さんの姿が何ともけなげです。ライチョウたちが、絶滅の危機を乗り越えて、いつまでもその姿を見せてくれるよう願いたいものです。
白馬乗鞍を過ぎて、天狗原までの下りは、岩が多く下りづらい、疲れる道です。雨で滑りやすいときは、余計に神経を使います。転倒したら、自力下山不可能な重傷を負いかねません。天狗原から先、栂池自然園までも、決して足元がよいとはいえない、歩いていて長く感じる道のりでした。ともあれ、降り続く雨の中を、何事もなく無事歩き通せてほっと一安心です。
雨などで大変でしたが、色々と印象に残る思い出も多かった山行でした。次は、今年行けなかった北岳(白峰三山?)か、好天時の白馬岳リベンジか、はたまた一目ぼれした雪倉岳か、気が早いですが、来年の夏休みに向けての楽しい悩み(?)が増えそうです。
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