いろいろあって熊にも遭遇・びっしょり・くたくた奥穂と前穂
- GPS
- 19:54
- 距離
- 27.3km
- 登り
- 2,043m
- 下り
- 2,035m
コースタイム
- 山行
- 2:31
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 2:50
- 山行
- 5:20
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 6:02
- 山行
- 8:15
- 休憩
- 2:15
- 合計
- 10:30
2日目:霧・風・ときどき雨
3日目:濃霧・断続的な強風と雨、岳沢以降は断続的な土砂降りと雷
天候 | 晴れ→濃霧・断続的な雨と強風→土砂降り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※徒歩コースはらくルートで作成したが、通行止め区間があり計画通りで歩けない区間があった。直近の山行記録を見なければいけないなと痛感した。 1日目 ●上高地〜横尾:梓川左岸は通れないので河童橋を渡り右岸の散策コースから歩き始めた。明神で左岸に渡るがそれ以降多少のアップダウンがあるが、全体としては平坦で歩きやすい。 2日目 ●横尾〜涸沢:登山道になり、途中、河原の工事をやっていて少し迂回路を歩くところがあった。 ●涸沢〜ザイテングラード取り付き:ゴロゴロした石の上を歩くので少し歩きづらい。 ●ザイテングラード〜穂高岳山荘:上りで利用する分には、注意して歩けば問題ないと感じた。(下りの登山者が転倒?して救助隊が出動していた。) 3日目 ●山荘〜奥穂高岳:山荘を出てすぐに壁のような場所を登るのでビックリした。慎重に行けば問題ないと思うが、小屋の人によるとこの辺りで滑落する人もいるとのこと。山頂まではごろごろした岩の上をあるくので、浮き石に注意して白○印と×印を外さずに進めば山頂に到着する。 ●奥穂山頂〜紀美子平:登りよりも下りで利用する方が大変そう。鎖場があったり傾斜も強く気が抜けないところがある。 ●紀美子平〜前穂高岳 往復:今回、一番山登りをしたなーと感じた場所。一般道だが基本岩登りで気を抜けない場所がいくつもあった。奥穂とは違い山頂は広々としていた。 ●紀美子平〜パノラマ:奥穂〜紀美子平以上にスリリングな場所が多かった。下って行くと垂直に鉄梯子をのぼり左に回り込み大岩をさらに左から回り込む手前でミスをして左に下ってしまい登り返した。 ●パノラマ〜岳沢小屋:ゴーロや板状の岩の下り、くさりやハシゴなどがあり気が抜けない。板状の箇所は左側(登りなら右側)の灌木との境目を降りたが足がかりもあり怖くはなかった。 ※小屋の手前に熊出没で閉鎖中のテント場がある。その手前の笹の間の登山道で左に転倒してササに突っ込んだのだが、右のササ藪で寝ていたらしい?60〜70僂らいの熊がいて、「グォッ!」といううなり声?(どちらかというと「ビックリしたー」といった感じの声で、威嚇ではなかったが)とともに立ち上がった。3mくらいの至近距離だった。非常に良くないことではあるが、こちらもぼーっとしていて(この頃になると集中も途切れがちでだった)、あちらも、何が何だか分からないでいるように感じて、くまさんをちらっと見た後、セオリーには反するがそのまま静かに背を向けて進んだ。ぼーっとしていたのか不思議とまったく怖くはなく、バックで転ばずに歩く自信も無かったのでそうしたのだが、トラブルにならなかったのは、ただただ幸運だった。 ●岳沢小屋〜上高地バスターミナル:小屋で休憩がてら熊の報告をしてから上高地目指して歩き出した。特に危険な場所は無いのだが、断続的な土砂降りや雷があって水びたしの道や滑りやすそうな石に注意しながら歩くのは疲れた。コースタイムは長くなかったので軽く考えていたが、エネルギーが残りすくなくなっていたのに加えて悪天での下りは、集中が途切れがちで足も限界近くになっていて、今回の山行では最も長く感じた。 上高地の到着点(岳沢に行こうとする人なら登山口にあたるところ)は河童橋からやや離れた場所で、河童橋に降りるものと勝手に思っていたのでガッカリしたが、まさに自業自得。 |
写真
装備
個人装備 |
帽子
サングラス
半袖BR
長袖シャツ
長ズボン
グローブ/雨用グローブ
靴下
登山靴
スパッツ
ヘルメット
行動食
非常食
ハイドレーション
カップ
カッパ上下
ダウン上
ザック・ザックカバー
地形図
ヤマレコアプリ
GPS
腕時計
スマホ
予備乾電池
モバイルバッテリー
コンパス
筆記具
ヘッドライト
ファーストエイドキット
処方薬
レジ袋
歯ブラシ
靴紐予備
日焼け止め
座布団
Tペーパー
タオル1枚
大ビニール袋(防水用)
ナイフ
替えグローブ
レスキューシート
保険証
雷センサー
小屋泊セット(インナーシーツ
アイマスク
耳栓
薄手ズボン
シャツ
清拭ペーパー)
くま鈴
|
---|---|
備考 | 今回、準備段階に惰性があった。 悪天候にガッカリ感が出てしまい、行動全体が”いいかげん”になった感じだ。2日目に横尾山荘(たぶん)でヘッドライトを紛失したのもそのためと思う。 |
感想
今年初めての百名山で、不安と期待の中で天気の良い日を選んだつもりが、遠方の台風の影響で悪天候になってしまい、やや気が抜けた状態での山行になってしまった。
3日目が今回の山行の佳境で、奥穂高岳は歩きづらさなどはあったが淡々と登れた。予定外ではあったが一応調べてあったので前穂高岳に登ったが、これが今回一番登山をしたなという感想を持った。また、前穂登山と共に紀美子平以降の下りは、今回の山行の核心部分だった。多くの人が登りで岳沢〜奥穂高岳コースを利用するのが納得できた。重太郎新道の上りは長く疲れるだろうが、下りのリスクは圧倒的にザイテン経由の方が少ないだろう。ザイテンから上高地は長くて飽きるだろうけど・・・。悪天候で眺望は無く、奥穂からの下りはただただ安全に注意して下ったのだが、晴れていればとても感動したに違いない。下りですれ違った登山者がこんな天気なら熊もでないでしょうから良いですねと言っていて、私はどうかな〜?と言ったのだが、岳沢のテント場前の登山道で転んだ拍子に熊が3mの距離で立ち上がり接近遭遇することになるとは思わなかった。人慣れした熊がいるのは聞いていたので、あえて熊鈴は鳴らさずに歩いたがそれでも出合ってしまった。攻撃を受けなかったのはただただ幸運だと思う。
岳沢からの下りはひじょーに長く感じたし、土砂降りの雨(時々雷鳴)で最後は頭以外(頭はヘルメットとカッパで濡れなかった)はずぶぬれとなった。これじゃバスやタクシーにも乗れないと閉店間近の上高地インフォメーションセンターに頼んで着替えをさせていただき、人心地が付けた。使用料100円、係の人は更衣室と呼んでいたがあまりその雰囲気は無かったが、とにかく助かった。営業終了間近にもかかわらず貸していただき係の人には感謝感謝である。着替えができたのは〇馨屋お泊まりセットでズボンやシャツをもっていたこと。大量の濡れものをしまえる、強くて大きいビニール袋を持参していたこと、である。ビニール袋はいざというときの防水用に持っているのだが、今回はザックカバーだけで済ませていたので、使うことができてホント良かった。
※下りを歩いている時はげんなりしていたのだが、ふり返ってみると良かったなーと思えることがあれこれある。”缶昌海鯑Г瓩燭海函△まけで前穂に登れたこと。J羚盂抻柿饉蠢阿里花畑と一瞬の夕日。け穂高岳、紀美子平、重太郎新道 それぞれの下り道。イまさんとの接近遭遇と幸運。Τ拌小屋からの長くて修行のような下り(自己への戒めとして)。
※驚いたこと:\省羚盂戮泙覇破やジャンダルム往復予定の人が結構いたこと(中高年の人も含む) 高校生か大学生の3人組が、私が恐る恐る下っているのを尻目に高速で下って行ったこと。しかも靴はズック靴(トレラン用?)のように見えた。ちょっと間違えて落ちればケガではすまない場所ばかりだ。若いというか、運動能力高いな〜というか、怖さ知らずというか言葉が無い。これまた私の数倍の速度で下って行った人がいたが、その人は私と似たような年格好だったが、思い返してみると2日目に登山道の整備をしていた人だったようなので、山小屋の人か何かだろうと勝手に想像している。慣れているとはいえ重太郎新道しかも雨で濡れている場所をポンポン降りていったのには、うらやましくは無いがビックリしたし、多少、分けてほしいと思った(笑)
※ブランクが何ヶ月もあったので不安だったが、一応安全に踏破できて、ちょっとだけ自信回復になった。
【2024.07.28追記】
★ 熊との遭遇まとめ:4月以降、熊とは3箇所で、カモシカは2箇所で出合っている。特に今回は、3mの超接近遭遇だった。何もなく済んだ理由を素人なりにまとめておく。
理由 遭遇した時点で、お互い興奮状態にならなかった。熊さんについては以下すべて想像です(笑) -1 私は登山終盤で歩くことに集中していたもののやはりボーッとなっているところがあり、熊が現れても特別恐怖や戦闘態勢にはならなかった。また、熊と対したときには、大声をだしたり、こちらから威嚇したりして熊を興奮させないことを肝に銘じていて、大声をあげないこと、俊敏な動きはしないことが自然とできた。-2 一方、熊はどうも寝ていたところを私が転倒して起してしまったようで、「グォッ!」という声も出たが、それは威嚇や興奮したときの声と言うよりも「ビックリしたー」という感じだった。また、表情も戦闘態勢に入ったという感じではなく、観察している様に見えた。
理由 あえて鈴は鳴らさないで歩いていていたが、その効果・可否は不明。ただ、人慣れした熊がいると聞けば、今後も鈴はならさないだろう。どういう熊なのかなるべく情報収集をしたい。
理由 たぶん最近テント場をあらしている問題個体だろうが、親離れしてあまり経っていない熊で(体調も60〜80僂らい)、まだ、自分の強さや戦闘経験がすくなくて襲う(戦う)よりも様子見を選んだのではないか。
理由 熊と対面したときにやってはいけないことの一つに、相手に背を向けることがある。今回、私はそれは分かりつつも、「僕は君とけんかをするつもりはないよ〜」という雰囲気を伝えた方が良いような気がして、後ろ向きで歩いて転んだりして熊を刺激しないほうがよいと直感で、静かに前向きにその場を離れることに賭けた。ボーッとしていたが、それでも瞬間、そういう判断をした。しかし、そうすることのメリット(想像だが、熊が覚醒して興奮状態になる前にその場を離れられるかも)、デメリット(襲ってこられたときに無防備だし、そもそも背を向ける行為が熊の闘争本能を刺激するかもしれない)を考えると、やはり、傾斜のある登山道を後ろ向きに歩くリスクは小さくないが、相手の目を見て=熊の動きを抑制?、静かに後ずさりした方がよかった様な気がする。
★ シリオの靴:シリオの名前は昔から知っていたが、なんとなく2番手のような気がして手を出さないできた。私の足形は典型的なエジプト型だが、日本人の足形に合わせて作りましたという宣伝文句の靴を含めておおくの登山靴がギリシャ型やそれっぽい印象が強い。今まで、モンベル、スカルパ、スポルディング、アゾロなどを履いてきた。現在はスカルパとアゾロを履いていてまぁまぁなのだが、長距離を歩くと必ず親指の爪が痛くなり内出血してしまう。その他にも足裏の皮膚が厚くなってしまうなど不都合があったがこういうもんだと諦めてきた。今回、お店でシリオのPF431を見て妥協のない(笑)エジプト型だな〜と思い、購入して今回の山行で履いてみた。靴の中までびしょ濡れになったが土砂降りだったし水たまりにつかりながら進まざるを得なかったので、防水性能や耐久性などは評価できないが、600gのこの靴でも岩場の立ち込みや岩角上の通過、滑り止め性能などでスカルパやアゾロなどと比べても遜色ないと確認できた。また、山行後の足のダメージも最小限で爪へのダメージや余計な足裏の皮膚への負担もなさそうで、私にとっては現状最適な登山靴だと分かった。シリオのカタログには、マウンティニアリング向けの区分にPF431、その上のレベルにPF630というのがあり、私の登山ではPF431で十分な気もするが630も含めて評価してみたい気持ちになった。
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