銚子ヶ峰・野伏ヶ岳
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- GPS
- 11:32
- 距離
- 27.2km
- 登り
- 2,057m
- 下り
- 2,059m
コースタイム
- 山行
- 3:11
- 休憩
- 0:11
- 合計
- 3:22
天候 | 1日目(4/27):晴れ 2日目(4/28):晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
1日目(4/27) 快晴
朝4時までに高速に入ると平日の深夜割引の対象となるので3時20分に家を出た。早く着き過ぎても今日の行程は短いので黒丸PAで1時間半の仮眠を取り郡上八幡で下りた。さらに時間調整のため郡上八幡の郡上城に立ち寄り観光し石徹白に向かった。低気圧の通過が予想以上に早く、石徹白に着く頃には空の雲は完全に無くなった。石徹白上在所集落の一番奥にある白山中居(はくさんちゅうきょ)神社は白山古道である美濃禅定道(石徹白道)の要となっている。神社由来によると景行天皇12年(紀元82年)の創建とあり、杉の大木が林立し神々しさを感じた。境内には除雪された雪が堆く残り、傍らにはザゼンソウとミズバショウが咲いていた。宮川橋を渡り石段を登り本殿に参拝、登山の無事を祈った。
この石徹白に流れる石徹白川は九頭竜川に流れ込み日本海へ注ぐので地理的条件で嘗て福井県大野郡に属していた。しかし昭和33年2つの集落を除き岐阜県白鳥町に編入された経緯を持つ。さらに遡れば江戸時代は郡上藩領であったことから岐阜県との結び付きの方が強かったようだ。美濃禅定道が此処を通っていたのもそうした縁があったからなのだろうか。
2週間前のWeb記事では石徹白大杉登山口までの林道は除雪作業中で通行止めだったとあったが、もう除雪は完了し登山口まで車で行くことができる。しかし周回登山なので車は下山口となる石徹白川の大進橋の傍らの広場に停めて6.1劼領啼擦鯤發い拭小白山谷の奥に野伏ヶ岳が姿を現し期待が膨らんだ。林道は石徹白川に沿って北上し雪解け水を集め流量が多く所々釣り人が入っているようだ。広い河原の先、北の方を見ると今山行の最高峰、銚子ヶ峰(1,810m)も真っ白な姿を見せてくれた。林道を歩くこと1時間10分で大杉登山口に到着した。東屋があり、トイレも備わっていた。登山者よりも石徹白大杉を見に来る観光客が多いようだ。
登りだしは整備された階段で大杉まで続く。石徹白大杉は樹齢1,800年、幹回り13mの大木だが、主幹には緑は既になく、横から伸びた枝幹が元気を保っている状態だった。もう登山道には連続して雪が出てきそうなのでアイゼンを付けて歩き出すとまた夏道となり歩き難いが暫く辛抱すると雪がコンスタントに出てきた。傾斜が一段増す所は「おたけり坂」の難所、「雨宿りの岩屋」辺りも少し急だが特に問題はなし。登山口から2時間で早くも神鳩ノ宮避難小屋に到着した。2週間前は2階から出入りしたとあったが、雪解けが進み2階の出入り口は遥か上で手は届かない。1階入口の雪囲いを1枚づつ外し“小屋開け”をした。玄関先には氷の塊があり細かく砕き取り除いた。箒がきちんと揃っているので床の上下の掃除をしていると、何か小屋番になったような気分だ。
昼食を食べ時間潰しの読書をしていると犬を連れた男性が下山してきた。立ち止まることもなく行ってしまったが何処から来たのだろう? 標高1,565mで周りは雪だらけだが日差しは強く気温はかなり上がっているようだ。展望も良く明日への闘志を燃やし大声で叫んでみても誰も聞く人はいない。17時を回り、やはりと云うか一人っきりで夕食を済ますと18時にはシュラフに潜り込みラジオを聴きながら眠りに付いてしまった。
2日目(4/28) 快晴
4時に起床したが、モタモタしているうちに5時を回ってしまい予定時間を5分遅れて出発した。今日も快晴、雨上がりの昨日よりは若干霞掛っているが、展望に問題はなく気持ちの良い朝だ。今日の日の出は4時56分、そろそろご来光だ。急いで稜線に上がると今、将に山端に日が昇る時だった。白山の神々に今日の無事を祈ろう。振り返るとP1748や銚子ヶ峰がモルゲンロートに輝いている。何という素晴らしさだろう! 白山に繋がる別山の姿は流石に真っ白だ。
昭和33年まで岐阜・福井の県境だった尾根を進み、母御石のあるP1748に到ると今日最終の目的地、野伏ヶ岳や薙刀山など石徹白川右岸の山脈が素晴らしい眺めを見せていた。振り返ると神鳩ノ宮避難小屋が誰も居ずひっそりと佇んでいた。銚子ヶ峰へは所々夏道が露出しアイゼンをガチャガチャ言わせながら登った。雪の部分は早朝のため締まりアイゼンが良く利く。銚子ヶ峰は今山行の最高峰で1,810mの標高がある。薄れかけた山頂標識が立ち此処が山頂であることを誇示しているようだった。銚子ヶ峰を下りP1784に到ると夏道に「つなぎぶしの檜、笠場湿原→」の標識があったが道はない。雪の付いた所から現在の県境尾根へと入った。
全面雪のある斜面は歩きやすくスイスイ下った。1年の半分を雪に覆われて上に成長できなかった“つなぎぶしの檜”の姿を見たかったが一面の雪原で今日もまだ押さえ付けられているようで見ることはできなかった。笠場湿原も一面の雪、広場のような所がそれと察せられた。笠場峠は笠羽谷の源頭にある峠なので「笠羽峠」の方が良いような気もするが・・・。P1615は標高点だが、その次のピークは結構存在感があるのに無名峰だ。昨日山容を見ていて手強そうだったのが願教寺山、山頂部は嶮峻で中途半端に藪が出ているようだ。徐々に近づくがやはり藪に突っ込み急な雪面を這うしかない。一歩一歩確実に足場を固め這い上り山頂に立った。
三ノ峰から流れる福井・石川県境に赤兎山、大長山、少し飛び出し経ヶ岳の姿も素晴らしい。六呂師から経ヶ岳、赤兎、六本檜までは以前に歩いたことがあるが三ノ峰までの2.5卍が繋がっていないのが気になる。其れはさて置き登ったのは良いけど先には進めない。さあどうしよう、答は簡単、戻るしかない。またビビりそうな斜面を恐る恐る下り、おっかないながらも東斜面をトラバースし傾斜が落ち着くとホッと一息つけた。西側から荒々しい願教寺谷が迫ってくる願教寺峠は最低鞍部で、よも太郎山への登り返しとなるが、ずっと雪面で歩き易い。
ただ最後に1箇所笹藪の横断があるがこれも大したことは無かった。日岸山(1,669m)は「ひがんやま」と読むのかと思ったが「ひぎしやま」と読むようだ。比較的なだらかでずっと雪があり問題なく、30分余りで到着した。1峰づつの登下降に疲れてきた。まだ9時前だが小休止を取た。山頂は笹が出て雪はなく休むには丁度良かった。
薙刀山との鞍部は180m下って、160m登る。まともに尾根を行くと露出した笹が煩そうで、二重稜線の右の尾根を歩いた。なだらかで問題はないが稜線への乗り上がりは一寸急だ。薙刀山(1,647m)は今山行初の三角点峰だが標石は雪の下に埋もれていた。雪が無くなると登れないので果たして此の三角点を見た人はいるのだろうか? 薙刀山は北東に真っ直ぐ伸びる顕著な尾根を持ち恐らく此れが“薙刀”を連想させ名付けられたのではないだろうか。北東尾根(敢えて薙刀尾根と言わせて欲しい)を下ると石徹白川の上流で林道跡に出るそうだが相当荒れて危険なようだ。
此処まで来ると野伏ヶ岳は目前、瞳を凝らすと動く姿が、「ヤッホー」とコールするが何の反応もない。3人いるようだ。流石は日本三百名山、連休初日で賑わっているようだ。人恋しさに引きつけられるように先に進んだ。気温が上がり、雪は緩んできたが下りはスイスイ、鞍部は椎高谷の源頭で1,460m、最後の登りは215m急斜面が立ちはだかる。クラックが入り2m程の段差がある。下部をトラバースするか、樹木の混じった藪を漕ぐかの選択だったが、ヒヤヒヤしながら急斜面をトラバースし東側から回り込んで野伏ヶ岳(のぶせがたけ1,674m)に達した。7年前に来た時は雪解けが進み、露出した藪が多く苦労した。おまけにガスで展望は得られなかったので、今回は荒島岳や能郷白山も確認でき、リベンジを果たしたようで嬉しい。ザックを下ろし寛いでいるとダイレクト尾根を登って来た男性が到着した。
前回はこのダイレクト尾根を登ったので、今日の下降は東尾根を通ることにした。傾斜は急だが木が少なく歩きやすい。ダイレクト尾根を見ると4人組が登って来る姿が見えた。暫く下ると眼下に平坦な和田牧場の跡、其れを挟むように大黒山、小大黒山がある。北側には切れ込んだ椎高谷、対面には大日ヶ岳と素晴らしい眺めだ。東尾根をスイスイ下り、標高1,190mで林道跡に達した。雪が覆い真ん中に木が生え分かり難いが其れと察すると一つ続いていたトレースも右に回っていたので確信した。外さないように気を付け、雪の下は川となっているので踏み抜きにも気を付け1厖召蠖覆爐肇瀬ぅ譽ト尾根からの道と合流した。ダイレクト尾根からのトレースは沢山あり、殆どそちらを歩いているようだ。
和田牧場跡は、標高1,100mあり、1年の半分以上を雪で閉ざされ、経営が成り立たず廃業したのではと思い何時頃なくなったのか調べようとしたが、webで探し出すことはできなかった。入口に「拓牧」と刻まれた石碑があり、嘗て牧を拓くという熱い意気込みで経営されたことだろう。此の碑以外建物などは一切残っておらず場内の丘の彼方此方に轍の後だけが残っていた。旧場内に3等三角点その名も「和田」(1,097m)があるはずで探しまわったが終に発見できなかった。下山は林道を辿るが三角点の先の尾根に最近刈払いが行われた登山道がありヘアピンカーブを繰り返す林道を短絡していた。標高が900mを切ると林道の雪は無くなり石徹白大進橋へと帰り着いた。
白山中居神社にお礼参りをしに行くと観光客が大勢来ていた。ミズバショウ、ザゼンソウが人気のようだ。美濃白鳥への県道314号の桧峠にある満天の湯に立ち寄った。訪れるのは3回目だが何時も空いている。駐車場で屋台が出ていたが暇を持て余しているようなのでアマゴの塩焼きを注文した。
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