【夏休みその1】大武川〜鳳凰三山


- GPS
- 26:11
- 距離
- 38.0km
- 登り
- 4,256m
- 下り
- 3,695m
コースタイム
- 山行
- 3:41
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 3:42
- 山行
- 22:49
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 23:49
- 山行
- 8:34
- 休憩
- 1:55
- 合計
- 10:29
天候 | 11日:晴れ 12日:晴れのち曇り時々雨 13日:晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー 自家用車
夜叉神峠下山後は甲府駅へバス、日野春にJRで移動しタクシーで車まで |
コース状況/ 危険箇所等 |
大武川のアプローチの林道が途中崩壊していて懸垂下降が必要な箇所あり 堰堤を越えて沢に下りるところはトラロープやハシゴがあり、ノーザイルで下ろせる |
写真
感想
お盆は奥利根周辺の沢を目論んでいたが台風が来たことにより北日本が天候不順になり難しい感じになり、日ごろの仕事の疲れもあってモチベーションもダダ下がり。
なんとか気を持ち直して南アルプスで計画を練り直し。
甲斐駒と鳳凰三山の間に突き上げる大武川を詰めて、地蔵岳からマイナー山の離山におりて石空沢上流部を下降というルートを目論む。こっちも天気は安定しないがどうなることやら。
8月11日 ダラダラと入山
計画を立てたものモチベーションを上げきれず、韮崎で美味しいお蕎麦を食べて昼過ぎからの入山。
篠沢キャンプ場の奥の林道を2キロ弱走った林道ゲート手前の駐車場に停めて入山。
真っ昼間なのでとにかく暑い。
ハチの巣が目だつ朴の木橋を越え、支流をまたいだ先くらいで林道終点となるが、そこからスリット堰堤を越えるまでの道がなかなかの荒れよう。
崩壊地のトラバースならまだしも、完全にスパッと崩れて10mにも満たないが懸垂が必要な箇所もある。引き返すことになったらえらいことだ。
記録ではスリット堰堤を越え沢中に下ろすところでも懸垂というものもあったが、トラロープとハシゴが設置されていて苦労はしなかった。
とりあえず、やっとこさ沢中に辿り着いて頭から水を被って生き返る。
早速、磨かれた花崗岩の美しい渓が迎えてくれる。
ツルツルなのもあって登るのは難しいので巻きがメインとなる。
この沢の巻きで総じていえることだが、踏み跡自体は分かりやすが南アルプスらしい脆い土質のため歩きにくいのと結構大きい浮石もあったりするのでそのあたりは注意が必要だ。
巻きからは連瀑が見えてなかなかの迫力。一旦滝がとぎれてからトイ状2段が出てくるがこれも左岸から巻いて、続く大岩に隠れる滝は右岸から巻いて進んで行く。
そのあとはいい感じのナメ滝を楽しみながら越えていきカラ沢出合へ。
遅く入山したので時間的に今日はここまでだが、翌日先に進んでみてから思ったが、大武川屈指のというか沢中泊のなかでもよい泊地。
広いナメのなか空も開けていて薪集めも苦労しないという素晴らしい泊地。
さっそく焚火をしてのんびり。グダグダしてしまったがこれができただけでも来た甲斐があった。本当に癒される。暗くなってからは満天の星空が広がり、せっかくだからと持ってきた花火で遊ぶ。あぁ夏だ。そんな思いに駆られながら眠りにつく。
8月12日 ヘトヘトの早川尾根
今日は昨日の遅れを取り戻すべく、仙水峠まで詰め上がり早川尾根小屋を目指す。
早速連瀑帯が始まるのだが、昨日と同じく巻きに入る。
横手滝なんかも見えてすごい沢だなとも思うが、巻きばかりだとどうもという感じもある。
横手滝から上は、美しいナメが続き、ちょうど朝陽も差し込みテンションがあがる。
途中ウォーターシュートで涼んだりしながら楽しんで進んで行く。花崗岩とエメラルドグリーンの水が織りなす美しさは何度見てもよい。
そんなこんなで進んで行くと行く先に摩利支天がドドーンっと聳える。このかっこいい摩利支天を望みながら進んで行けるのはこの沢のハイライトかもしれない。
少し荒れ気味になってきた沢の滝をちょいちょい越えていき摩利支天前沢へ。
この先に六町ノ滝は続くらしいのだが、先を急ぐので沢本にあるとおり、摩利支天前沢の右岸に入る最初の支流を詰めていき鞍部をのっこして本流に戻る。落石などに気をつける以外は特に難しさはない。
あとは荒れ気味の沢のゴーロ歩き。2110m付近を見定めて右岸のガレから樹林帯へ登り詰めていく。
シラビソ林の急斜を登る感じで藪漕ぎはないが結構上の方まで踏み跡を捕まえきれず少々歩きにくかった。上の方でテープを目印に踏み跡を捕まえて仙水峠まで。
ここで電波が入るので天気予報を見ると明日の午後から崩れて明後日も雨予報。
ちょっと未知性のある下降に入るのは難しい天気展開となっているので、今日は予定通り早川尾根小屋を目指して、明日は夜叉神峠へ抜けることにする。
さてひと息ついたものの仙水峠の標高は2246mで目指す早川尾根小屋の前にあるアサヨ峰はほぼ2800mで550mも標高上げる必要がある。
なんだかんだここまで沢中7時間動いてきたのでなかなかヘビーだが頑張るしかない。
高校生のときに歩いて以来20年ぶりとなる早川尾根に歩を進める。
アサヨ峰前衛の栗沢山で一気に500m上げる。曇り空になってきたとはいえ滅茶苦茶暑く、蛇口の開いたようにドバドバ汗を流しながら登っていく。
栗沢山に辿り着くと怪しかった稜線にガスが懸かるようになり、アサヨ峰手前ではとうとう雨が降り出した。
そういえば20年前に来た時もアサヨ峰はガスガスだった気がする。相性が悪いみたいだ。
幸いなことにしばらくすると雨は止んだが、体力的にしんどくなってきてことに股ずれも重なり、ちょっとしたアップダウンにひぃひぃ言いながら早川尾根小屋に辿り着く。
テントも10張り程度で、小屋泊客はいないという静かなところ。そそくさとテントを立て、小屋で炭酸飲料にありつこうとするもあえなく売り切れ。しかし交渉の末、割戻しタイプのカルピスを買うことができた。乾いた体にピース、めちゃくちゃうまい。
そんなこんなで晩御飯を食べ、先日の小屋泊に際にもらったアミノバイタルで回復を図り沈。
8月14日 夜叉神へエスケープ
今日は午後から崩れる予報だが、テントから出ると星が見えている。
いつもどおりに棒ラーメンを啜って出発。
広河原峠、白鳳峠と歩いているうちにガスに覆われてしまったが、高嶺を登っていくうちにガスが薄くなり、右手のガスの中から雄々しい北岳が姿を現しテンションがあがる。
鳳凰三山側から見る北岳はバットレスが望めてやはりかっこいい。
青空の下、高嶺で少しのんびり休憩して景色を楽しむ。
白根三山、仙丈ケ岳、甲斐駒が姿を現し、遠くには富士山や八ヶ岳、奥秩父を望むことができる。
ひとしきり堪能して鳳凰三山へ歩を進める。
前来た時も思ったが地蔵岳の登りに差し掛かったとたん、地質が花崗岩の砂礫になるのはなかなか不思議で、この地質になるとタカネビランジが姿をみせるようになる。
離山も見えたが結構下に下ろしていく感じだ。
赤薙ノ沢の頭から地蔵岳もといオベリスクにアタック。地蔵は今回が3回目だがオベリスクも1回も登ったことがないので、期待して登ろうと思って突端近くまでいったがかつてあった残置がなくなっており敗退。あれま。
気を取り直して観音方面に進むが、だんだんガスが湧いてきて景色はあんまりという感じ。ホウオウシャジンやホソバトリカブトなんかを愛でながら観音・薬師を越えていく。今回のルートの最高峰である観音だけでははごろもミカンや昨日のカルピスを飲んだりして後半への英気を養う。
薬師から先を歩くのは初めて。薬師岳小屋・砂払山を越えるといよいよ花崗岩地質も終わり、樹林内へ。シラビソの中を歩いていくと南御室小屋へ。なんかポツっときた気もしたが、持ちこたえてくれている空にせかされるように苺平・杖立峠を越えて夜叉神の小屋に辿り着いたた登山口まであとひと息。下山パワーを発揮して、14時台のバスの20分前に下りきることができた。
やってきたバスに乗り込み、甲府駅へ。そこから電車で日野春駅に戻り手配したタクシーでなんとか林道を進んでもらい車まで戻ってこられた。
明日は山は天気は悪く、後半も台風の影響で関東以北はどうかなという感じの中、風呂・御飯・宿の同時確保を目論み石和温泉の健康ランドへ向かうのだった。
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