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Yamareco

記録ID: 718421
全員に公開
ハイキング
白馬・鹿島槍・五竜

地味アルプス 針ノ木古道〜赤牛岳〜水晶岳〜烏帽子岳

2015年09月14日(月) ~ 2015年09月17日(木)
 - 拍手
体力度
10
2~3泊以上が適当
GPS
65:11
距離
50.2km
登り
4,688m
下り
4,786m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
11:03
休憩
0:05
合計
11:08
距離 13.7km 登り 1,363m 下り 1,248m
5:45
82
7:07
225
10:52
10:55
149
13:24
13:25
22
13:47
13:48
185
16:53
宿泊地
2日目
山行
11:57
休憩
0:03
合計
12:00
距離 13.1km 登り 2,194m 下り 926m
5:42
29
宿泊地
6:11
6:12
6
6:27
6:28
174
17:15
27
17:42
宿泊地
3日目
山行
11:18
休憩
0:52
合計
12:10
距離 14.7km 登り 826m 下り 1,064m
5:24
143
宿泊地
7:47
7:48
80
9:08
9:16
40
9:56
10:26
48
11:14
11:16
89
12:45
12:48
59
13:47
13:54
19
14:13
14:14
200
4日目
山行
5:12
休憩
0:21
合計
5:33
距離 8.7km 登り 334m 下り 1,571m
6:04
53
6:57
7:05
51
7:56
8:02
186
11:08
13
11:21
11:22
8
11:30
11:36
1
11:37
ゴール地点
天候 一日目 晴れ
二日目 晴れ
三日目 晴れ
四日目 ガス〜雨
過去天気図(気象庁) 2015年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
扇沢P
コース状況/
危険箇所等
行動時間 毎日12時間くらい
標高範囲 針ノ木で1200m
 赤牛岳で1400m
 水晶岳で400m
 烏帽子岳までで200m あとは下り
合計登行 3200m
気温 小屋の朝で7度 夜の野外は3度
山で会った人 針ノ木峠で5人
 古道で1人
 ダムで1人
 赤牛で10人
 水晶で20人
 烏帽子で20人
登山道の様子 渓谷ダムぞいは梯子高巻き多し
装備 渓流足袋(大好き
山の快適さ 谷歩きは飽きるけれど、水が豊富でいい 雨は困る
お勧め度 北アルプスの地味ルート 残るは不動岳だけ
日帰り温泉 下山してリーガの露天
扇沢でいつも目につく百瀬ダンナ碑
2015年09月14日 05:46撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/14 5:46
扇沢でいつも目につく百瀬ダンナ碑
針ノ木雪渓いつでも雪
2015年09月14日 07:37撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/14 7:37
針ノ木雪渓いつでも雪
2015年09月14日 08:33撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/14 8:33
ここが雪渓の喉で、谷底まで6mの雪 間もなく崩れると思うが
2015年09月14日 08:51撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/14 8:51
ここが雪渓の喉で、谷底まで6mの雪 間もなく崩れると思うが
峠。平へ4時間なんてウソいわんで
2015年09月14日 10:49撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
9/14 10:49
峠。平へ4時間なんてウソいわんで
小屋
2015年09月14日 10:50撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/14 10:50
小屋
薬師岳が見える
2015年09月14日 11:23撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/14 11:23
薬師岳が見える
古道に降りて、合流点
2015年09月14日 13:23撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/14 13:23
古道に降りて、合流点
2015年09月14日 13:30撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/14 13:30
2015年09月14日 14:14撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/14 14:14
針ノ木古道の復活と、船窪のダンナ
2015年09月14日 14:40撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/14 14:40
針ノ木古道の復活と、船窪のダンナ
南沢でトラロープあるが、本気で脛まで渡渉
2015年09月14日 16:31撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/14 16:31
南沢でトラロープあるが、本気で脛まで渡渉
最後のダムに出るところだけ、仮設橋
2015年09月14日 16:44撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/14 16:44
最後のダムに出るところだけ、仮設橋
さて二日目だ。ダムに到着、なんかホットする
2015年09月15日 06:22撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/15 6:22
さて二日目だ。ダムに到着、なんかホットする
こんな木橋階段で上流へへつっていく
2015年09月15日 08:00撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/15 8:00
こんな木橋階段で上流へへつっていく
赤牛、見えた
2015年09月15日 08:23撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/15 8:23
赤牛、見えた
東沢出合いの明るい感じ
2015年09月15日 08:52撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
9/15 8:52
東沢出合いの明るい感じ
秋だから樹林登りでも夏の苦しさなし。
2015年09月15日 10:45撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
9/15 10:45
秋だから樹林登りでも夏の苦しさなし。
半分ほどで樹林上部で。頂上へ続く尾根
2015年09月15日 14:14撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/15 14:14
半分ほどで樹林上部で。頂上へ続く尾根
こんな岩いって
2015年09月15日 16:03撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
9/15 16:03
こんな岩いって
ようやく。
2015年09月15日 17:13撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/15 17:13
ようやく。
その先で寂しく時間切れ。
2015年09月15日 17:55撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/15 17:55
その先で寂しく時間切れ。
三日目。烏帽子から朝日
2015年09月16日 05:29撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 5:29
三日目。烏帽子から朝日
薬師に朝日当たり
2015年09月16日 05:30撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 5:30
薬師に朝日当たり
赤牛も赤く朝日
2015年09月16日 05:33撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 5:33
赤牛も赤く朝日
色づき
2015年09月16日 06:15撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 6:15
色づき
左、水晶岳の三連峰
2015年09月16日 07:03撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 7:03
左、水晶岳の三連峰
高天原見下ろして
2015年09月16日 07:47撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 7:47
高天原見下ろして
水晶カールと向こうに槍ヶ岳も
2015年09月16日 07:57撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 7:57
水晶カールと向こうに槍ヶ岳も
水晶池がすぐそこ感じ
2015年09月16日 07:58撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 7:58
水晶池がすぐそこ感じ
狭い頂上
2015年09月16日 09:08撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 9:08
狭い頂上
東沢源流 向こうは裏銀方面
2015年09月16日 09:19撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 9:19
東沢源流 向こうは裏銀方面
水晶小屋にガール3人
2015年09月16日 10:18撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 10:18
水晶小屋にガール3人
2015年09月16日 10:38撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 10:38
五郎池 やっぱりこの辺高層湿原とカール底の池など
2015年09月16日 12:06撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 12:06
五郎池 やっぱりこの辺高層湿原とカール底の池など
ようやく烏帽子小屋 ヒョウタン池そのわきにテント場
2015年09月16日 17:22撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 17:22
ようやく烏帽子小屋 ヒョウタン池そのわきにテント場
烏帽子小屋
2015年09月16日 17:32撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
9/16 17:32
烏帽子小屋
明日雨模様なのに、夕日
2015年09月16日 18:14撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/16 18:14
明日雨模様なのに、夕日
四日目。小屋の前のイワギキョウ
2015年09月17日 06:00撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
9/17 6:00
四日目。小屋の前のイワギキョウ
ついに初めての烏帽子岳、こんなにかっこういい烏帽子とは
2015年09月17日 06:35撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/17 6:35
ついに初めての烏帽子岳、こんなにかっこういい烏帽子とは
似て非なるドリュ
2006年08月06日 23:14撮影 by  EX-Z57 , CASIO COMPUTER CO.,LTD
8/6 23:14
似て非なるドリュ
水晶ガールとデートした
2015年09月17日 06:42撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
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9/17 6:42
水晶ガールとデートした
烏帽子頂上
2015年09月17日 07:07撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
9/17 7:07
烏帽子頂上
四十八池と不動岳
2015年09月17日 07:15撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
9/17 7:15
四十八池と不動岳
ブナ立の大ブナ
2015年09月17日 10:08撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
9/17 10:08
ブナ立の大ブナ
高瀬の不動吊り橋
2015年09月17日 11:10撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
9/17 11:10
高瀬の不動吊り橋
岩崩れの砂地と向こうにダム
2015年09月17日 11:12撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
9/17 11:12
岩崩れの砂地と向こうにダム
砂運び出すダンプの行列、ダム保全のダンプ街道
2015年09月17日 11:43撮影 by  EX-ZS190, CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
9/17 11:43
砂運び出すダンプの行列、ダム保全のダンプ街道

感想

グレートサミッツ国内編NO150
 地味アルプス散策 針ノ木古道〜赤牛岳〜水晶岳〜烏帽子岳
 台風集中豪雨の後遺症だ。一日だけ晴れてくれればと月曜日に登ることに。針ノ木古道は佐々政則の道だっけか。船窪のダンナが復活整備したとは知っていたが、どうしてまたこんなところに。
 峠までは知った道で、その向こうに降りるとなると、プレッシャーがある。しかもテント泊だし。高度を下げると目の前にどんどんデカくなるのが、小屋のある七倉岳だ。その右に急速に船窪コルが落ち込んで、谷から300mのところまで迫っているようだがね。谷はかなり下の方で、水が出てきた。やっぱり沢歩き。さっさと渓流足袋に履き替えるよ。その先で若者が登ってきた。「烏帽子から降りてきました」と言われて、何のことだか地形の把握ができなかったね。私ダム(平)に行くことばかりだったから。
 その後針の木谷に合流し、登り道を分けて下流に行くと、いよいよ古道の高巻き。復活した道で石ころごつごつの大トラバース。でもきっといいんだよね。小一時間でまた沢に戻り。最後の南沢出合いは脛までの渡渉で、足袋なら問題なしだが、靴だと水没必ず。その先最後の沢横断は木橋がかかって、その手前にテントサイト。北アルプス全山幕営禁止って正気? こいうときどうすればいいの? 翌日も。「じゃ泊まらずに夜通し歩けばいいんですね」っていつも答えるが。たき火跡もある砂地で、ゆっくり平らに寝られる。沢の通行もいいなあって。

 二日目。平〜赤牛
雨だったらダムに避難しようと思ったが、スマホ通じて天気はまあまあ。明け方オリオンなんて見たし。ならば本流を上流に移動しようと。その巻き道も梯子の連続で、関電が毎年修繕費出しているとはいえ、道の保全も大変だ。こんな岩壁の杣道趣味になると、下の廊下マニアの仲間入りになるか。
 東沢の出合いは広々したいところで、晴天で川面がギラギラしていた。その手前ですれ違った人に「あれが赤牛」とそこから見えた。薬師岳の方向だったもんで、聞いて戸惑う。「遠いですよ」と。
 そこで3リットル担いで、実は30年以上前に仲間と上ノ廊下来た以来だ。強烈な勢いの流れ。小屋の前を通ったら「今から赤牛は遅いよ」と小屋の爺さん。それ以上話は進まなかったが、午前9時なのに「ここに泊まれ」という意味だったか。小屋とか爺さんはハザードとしか思えない。ほかにスケジュールできないでしょ。
 赤牛登りでは、対向者がけっこういて、下り専用だね。いや登るから価値がある。半分まで3時間半。そこで樹林限界に出て、さらに3時間半の総計7時間のタイム通りになった。だから夕方に山頂。天気崩れてガスって来た。でもここまで来たら。出来るだけ超えておかないと、雨がくると引き返しって、卒倒する。普通は白ザレなのに、ここは赤ザレだから赤牛だね。自ら登るよりも、他から見た方が存在感がある(槍ヶ岳のように)赤牛もそんな感じの山だ。山頂過ぎて30分先のコルで二日目も仮泊。夜は寒いよ、氷点下じゃないとうだけのことで。雨だけはくるなよ、濡れると必至になる。

 三日目。赤牛〜水晶〜烏帽子
朝焼けが烏帽子から出て、間もなく高曇りだけど、視界は効くし雨もない、幸運だ。ここからは雲上の楽園散歩で、ハイマツ帯よりも上だ。けど水晶岳も遠い。前は黒岳だったように、岩が黒いんだね。槍以北では最高標高というわけで、水晶も名山の一角だけど、信濃毎日の古老記者は「あんなコブ」と馬鹿にしたね。確かに見かけは隣の鷲羽の方が巨大だね。ゴツゴツのほんの少しが頂上で、すぐに下る。その先に水晶小屋。ここまで4時間近くかかって、着いたらランチ。餅入り汁がうまいし、小屋に出ると、水も買うし、ジュースも。針ノ木〜赤牛の目的達成ですでに万感でね。それにここは黒部の山賊の友達(伊藤さん)が経営している小屋で、90歳超えて健在だって。地代裁判で国土省と喧嘩した気骨な人だよ。政府行政とはヤクザみたいなもんでね。
稜線からは、高天原が見えるし、雲ノ平も、水晶池もすぐそこに。見えたからこれで満足して「烏帽子まで6時間」コールに呼応して、私もそうしようと。
 有名な裏銀に出たけど案外空いている。湘南の砂浜のような白ザレを、もう疲れたしのんびり歩くしかないよね。真ん中へんでもっこり上がったような野口五郎は高いだけで名山から外れ。だから低い烏帽子の何がいいのかと、不審半分、期待半分でどんどん下って、するとハイマツと樹林の境目の、ヒョウタン池わきにテント張ってあるの見たとき、ああこのウェット感がたまらないぞ。シラビソ針葉樹の中に青い屋根の小屋。食料も尽きたし小屋泊まりへ。しかし17時の夕食過ぎて、カレーになってちょい遅い。疲れて、遊びすぎるとこうなる証明。でも秋は時間が早いね。7月なんて18時くらいまで外でぶらぶらしている客多いと思ったけど。夕焼けがきれいだったよ。

 四日目。烏帽子小屋〜烏帽子〜高瀬
さすがに運も尽きて朝はパラパラの小降り。どしようかなあと思ったが、同宿の13人ツーリズムが「行く」というし、じゃそのあとからのこのこ麓まででも行くかと空身で。ところで最近やっぱりツアー全盛だよ。引率、集団、格安、他力、安全保証ならば、前の人のお尻でも、小屋の混雑でも平気ですよ。私ダメだ。新穂高からのツアーだって。
 登り始めてすぐにわかったが、間もなく樹林の上に出る。小屋と烏帽子って高度差100mだけなのに、大きな違いがあったね。パラでも視界が良くて、三ツ岳のカールから向こうは4キロ先に赤牛、8キロ先に薬師と展望抜群。そしていよいよ烏帽子とは、このとがったヨーロピアンの岩峰とは何だ、そうだエギーユ・ドリュにそっくりじゃあないか。ドリュの北壁に相当するのが登る一般道側で、西壁はゲッ向こう側で切れて見えない。烏帽子がこんな素晴らしいなんて誰も教えてくれなかったぞ。これであと200m高かったら百名山か。同様に向こう不動岳の大いなるガレ。南沢も相当なガレで。手前烏帽子の田んぼ、四十八池も見える。湿原穏やかなのに、ここが氾濫川の濁りの水源でね。北ア最悪のローカルがここから船窪なのだが、見るだけで今回もパス。次回にね。
 小屋に戻って、わずか往復2時間の烏帽子はかなり満足したね。赤牛から見た時には、カールの烏帽子だけで、三角ピラミッドは見えなかったよ。
 あとはブナ立尾根を下るだけだ。三大急登も下りなら大歓迎で。雨が少し強くガスも濃く、高瀬について、ここはいつでも工事、30年前も工事していたが、タクシー呼んで扇沢まで。ああ3泊4日なんて、10年ぶりくらいの大縦走感激だったね。
 


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ブナ立尾根〜烏帽子岳〜裏銀座〜水晶岳〜読売新道〜黒部ダム
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
2/5
体力レベル
5/5

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