地味アルプス 針ノ木古道〜赤牛岳〜水晶岳〜烏帽子岳
- GPS
- 65:11
- 距離
- 50.2km
- 登り
- 4,688m
- 下り
- 4,786m
コースタイム
- 山行
- 11:03
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 11:08
- 山行
- 11:57
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 12:00
- 山行
- 11:18
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 12:10
天候 | 一日目 晴れ 二日目 晴れ 三日目 晴れ 四日目 ガス〜雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
行動時間 毎日12時間くらい 標高範囲 針ノ木で1200m 赤牛岳で1400m 水晶岳で400m 烏帽子岳までで200m あとは下り 合計登行 3200m 気温 小屋の朝で7度 夜の野外は3度 山で会った人 針ノ木峠で5人 古道で1人 ダムで1人 赤牛で10人 水晶で20人 烏帽子で20人 登山道の様子 渓谷ダムぞいは梯子高巻き多し 装備 渓流足袋(大好き 山の快適さ 谷歩きは飽きるけれど、水が豊富でいい 雨は困る お勧め度 北アルプスの地味ルート 残るは不動岳だけ 日帰り温泉 下山してリーガの露天 |
写真
感想
グレートサミッツ国内編NO150
地味アルプス散策 針ノ木古道〜赤牛岳〜水晶岳〜烏帽子岳
台風集中豪雨の後遺症だ。一日だけ晴れてくれればと月曜日に登ることに。針ノ木古道は佐々政則の道だっけか。船窪のダンナが復活整備したとは知っていたが、どうしてまたこんなところに。
峠までは知った道で、その向こうに降りるとなると、プレッシャーがある。しかもテント泊だし。高度を下げると目の前にどんどんデカくなるのが、小屋のある七倉岳だ。その右に急速に船窪コルが落ち込んで、谷から300mのところまで迫っているようだがね。谷はかなり下の方で、水が出てきた。やっぱり沢歩き。さっさと渓流足袋に履き替えるよ。その先で若者が登ってきた。「烏帽子から降りてきました」と言われて、何のことだか地形の把握ができなかったね。私ダム(平)に行くことばかりだったから。
その後針の木谷に合流し、登り道を分けて下流に行くと、いよいよ古道の高巻き。復活した道で石ころごつごつの大トラバース。でもきっといいんだよね。小一時間でまた沢に戻り。最後の南沢出合いは脛までの渡渉で、足袋なら問題なしだが、靴だと水没必ず。その先最後の沢横断は木橋がかかって、その手前にテントサイト。北アルプス全山幕営禁止って正気? こいうときどうすればいいの? 翌日も。「じゃ泊まらずに夜通し歩けばいいんですね」っていつも答えるが。たき火跡もある砂地で、ゆっくり平らに寝られる。沢の通行もいいなあって。
二日目。平〜赤牛
雨だったらダムに避難しようと思ったが、スマホ通じて天気はまあまあ。明け方オリオンなんて見たし。ならば本流を上流に移動しようと。その巻き道も梯子の連続で、関電が毎年修繕費出しているとはいえ、道の保全も大変だ。こんな岩壁の杣道趣味になると、下の廊下マニアの仲間入りになるか。
東沢の出合いは広々したいところで、晴天で川面がギラギラしていた。その手前ですれ違った人に「あれが赤牛」とそこから見えた。薬師岳の方向だったもんで、聞いて戸惑う。「遠いですよ」と。
そこで3リットル担いで、実は30年以上前に仲間と上ノ廊下来た以来だ。強烈な勢いの流れ。小屋の前を通ったら「今から赤牛は遅いよ」と小屋の爺さん。それ以上話は進まなかったが、午前9時なのに「ここに泊まれ」という意味だったか。小屋とか爺さんはハザードとしか思えない。ほかにスケジュールできないでしょ。
赤牛登りでは、対向者がけっこういて、下り専用だね。いや登るから価値がある。半分まで3時間半。そこで樹林限界に出て、さらに3時間半の総計7時間のタイム通りになった。だから夕方に山頂。天気崩れてガスって来た。でもここまで来たら。出来るだけ超えておかないと、雨がくると引き返しって、卒倒する。普通は白ザレなのに、ここは赤ザレだから赤牛だね。自ら登るよりも、他から見た方が存在感がある(槍ヶ岳のように)赤牛もそんな感じの山だ。山頂過ぎて30分先のコルで二日目も仮泊。夜は寒いよ、氷点下じゃないとうだけのことで。雨だけはくるなよ、濡れると必至になる。
三日目。赤牛〜水晶〜烏帽子
朝焼けが烏帽子から出て、間もなく高曇りだけど、視界は効くし雨もない、幸運だ。ここからは雲上の楽園散歩で、ハイマツ帯よりも上だ。けど水晶岳も遠い。前は黒岳だったように、岩が黒いんだね。槍以北では最高標高というわけで、水晶も名山の一角だけど、信濃毎日の古老記者は「あんなコブ」と馬鹿にしたね。確かに見かけは隣の鷲羽の方が巨大だね。ゴツゴツのほんの少しが頂上で、すぐに下る。その先に水晶小屋。ここまで4時間近くかかって、着いたらランチ。餅入り汁がうまいし、小屋に出ると、水も買うし、ジュースも。針ノ木〜赤牛の目的達成ですでに万感でね。それにここは黒部の山賊の友達(伊藤さん)が経営している小屋で、90歳超えて健在だって。地代裁判で国土省と喧嘩した気骨な人だよ。政府行政とはヤクザみたいなもんでね。
稜線からは、高天原が見えるし、雲ノ平も、水晶池もすぐそこに。見えたからこれで満足して「烏帽子まで6時間」コールに呼応して、私もそうしようと。
有名な裏銀に出たけど案外空いている。湘南の砂浜のような白ザレを、もう疲れたしのんびり歩くしかないよね。真ん中へんでもっこり上がったような野口五郎は高いだけで名山から外れ。だから低い烏帽子の何がいいのかと、不審半分、期待半分でどんどん下って、するとハイマツと樹林の境目の、ヒョウタン池わきにテント張ってあるの見たとき、ああこのウェット感がたまらないぞ。シラビソ針葉樹の中に青い屋根の小屋。食料も尽きたし小屋泊まりへ。しかし17時の夕食過ぎて、カレーになってちょい遅い。疲れて、遊びすぎるとこうなる証明。でも秋は時間が早いね。7月なんて18時くらいまで外でぶらぶらしている客多いと思ったけど。夕焼けがきれいだったよ。
四日目。烏帽子小屋〜烏帽子〜高瀬
さすがに運も尽きて朝はパラパラの小降り。どしようかなあと思ったが、同宿の13人ツーリズムが「行く」というし、じゃそのあとからのこのこ麓まででも行くかと空身で。ところで最近やっぱりツアー全盛だよ。引率、集団、格安、他力、安全保証ならば、前の人のお尻でも、小屋の混雑でも平気ですよ。私ダメだ。新穂高からのツアーだって。
登り始めてすぐにわかったが、間もなく樹林の上に出る。小屋と烏帽子って高度差100mだけなのに、大きな違いがあったね。パラでも視界が良くて、三ツ岳のカールから向こうは4キロ先に赤牛、8キロ先に薬師と展望抜群。そしていよいよ烏帽子とは、このとがったヨーロピアンの岩峰とは何だ、そうだエギーユ・ドリュにそっくりじゃあないか。ドリュの北壁に相当するのが登る一般道側で、西壁はゲッ向こう側で切れて見えない。烏帽子がこんな素晴らしいなんて誰も教えてくれなかったぞ。これであと200m高かったら百名山か。同様に向こう不動岳の大いなるガレ。南沢も相当なガレで。手前烏帽子の田んぼ、四十八池も見える。湿原穏やかなのに、ここが氾濫川の濁りの水源でね。北ア最悪のローカルがここから船窪なのだが、見るだけで今回もパス。次回にね。
小屋に戻って、わずか往復2時間の烏帽子はかなり満足したね。赤牛から見た時には、カールの烏帽子だけで、三角ピラミッドは見えなかったよ。
あとはブナ立尾根を下るだけだ。三大急登も下りなら大歓迎で。雨が少し強くガスも濃く、高瀬について、ここはいつでも工事、30年前も工事していたが、タクシー呼んで扇沢まで。ああ3泊4日なんて、10年ぶりくらいの大縦走感激だったね。
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