甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根
- GPS
- 28:25
- 距離
- 16.4km
- 登り
- 2,416m
- 下り
- 2,401m
コースタイム
05:15 尾白川渓谷駐車場⇒ 05:40 黒戸尾根への分岐⇒ 07:10 笹の平横手白須分岐⇒ 09:15 刀利天狗⇒ 10:00 五合目小屋跡⇒ 11:15 七丈小屋(昼食) 11:30⇒ 12:25 八合目御来迎場⇒ 13:45 甲斐駒ヶ岳山頂 14:00⇒ 14:50 八合目御来迎場⇒ 15:20 七丈小屋(宿泊)
19日
05:30 七丈小屋⇒ 06:10 五合目小屋跡⇒ 06:45 刀利天狗⇒ 08:10 笹の平横手白須分岐⇒ 09:15 黒戸尾根への分岐⇒ 09:40 尾白川渓谷駐車場
天候 | 18日 天気晴れのち曇り 19日 晴れ 山梨県韮崎市 18日 最高気温31.5℃ 最低気温22.8℃ 19日 最高気温32.6℃ 最低気温22.0℃ |
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過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
山梨県北杜市の国道20号線を諏訪方面に進み、白州中学校東交差点から西方向に入りました。案内板に従い尾白川渓谷駐車場に車を置きました。海の日を入れての三連休のためか、早朝にもかかわらずほぼ満車の状態でした。 トイレを済ませ、軽い準備体操をしてから出発しました。竹宇駒ヶ岳神社の横を通り尾白川に架かる吊り橋を渡り、尾白川渓谷の尾根道を登って行くと、やがて尾白川渓谷の尾根道から甲斐駒ヶ岳黒戸尾根登山道に入りました。急な登り坂を過ぎると、緩やかな登山道になり尾根に出ました。再度急な登りになり笹の平分岐に着くと横手登山口からの登山道と合流し、広葉樹林の中に笹が一面に生えていました。 さらに登って行くと崩壊した所があり、登山道から水の流れる音が聞こえました。「八丁登り」と言われている長い登りが延々と続きました。前屏風ノ頭を越えると細い尾根になり「刃渡り」の岩場になりました。転落防止の鎖が設置されていましたが、緊張感もなく通過できました。樹林帯に入りクサリ場やハシゴを登って行くと、祠が二つある「刀利天狗」がありました。黒戸山を巻いて緩やかな登山道を進んで、五合目小屋跡に下がりました。さらに下がるとコルになり、木製の祠や石仏が屏風岩の岩壁の下部にありました。コルから横に進むと長いハシゴがあり、屏風岩への登りになり、ほぼ垂直に架かるハシゴや急勾配のクサリ場を越えて今晩の宿泊予定の七丈小屋に着きました。 小屋前で早々と昼食を済ませて、水場で水を補給して甲斐駒ヶ岳の山頂を目指して出発しました。 七丈第二小屋横に架かるハシゴを登り、テント場の脇を通り登って行きました。やがてダテカンバやハイマツ帯のなかの登りになり、大きな石碑と崩れた石の鳥居がある八合目御来迎場に着きました。 ハシゴやクサリ場が続き烏帽子岩の横を登って行くと、大己貴命をまつる駒ヶ岳神社本社石祠がありました。近くでは雷鳥が砂あびをしていました。 北沢峠からの登山道と合流して砂礫の道を登って標高2967mの甲斐駒ヶ岳山頂に着きました。 山頂には威力不動尊がまつられている石祠と一等三点があり、20人程の登山者が山頂で写真撮影などをして登頂を喜びあっていました。あいにくのガスで期待した展望には恵まれませんでした。しばらく休息したのち山頂を下がり、宿泊する七丈第二小屋に向かいました。 19日の4時頃起床し小屋の外へ出ると青空がのぞいていました。 テント場に行くと15〜20張りのテントがあり、雲海の向こうに上がる日の出を見ることができました。 天気が良く、下山するには惜しい気持ちになりました。体力、気力ともに充実していたので再度山頂を目指す誘惑に駆られましたが、持参した食糧で朝食をすまし黒戸尾根登山口に向け下山を開始しました。 刃渡り付近では、昨日登って来た時には見えなかった八ヶ岳方面の展望を見る事ができました。 慎重に歩みを進め予定した午前中に、出発地の竹宇駒ヶ岳神社の尾白川渓谷駐車場へ到着しました。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
登山教室で教わっていた頃、ようやく南アルプスに登る体力ができ登山の知識が備わり始めた私に、同期の登山歴が長い先輩から「黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳へ登らないと本当の意味での甲斐駒ヶ岳へ登ったことにならない」と、言われました。その時には何を言っているのか、登山経験が少ない私には皆目意味がわかりませんでした。でも、この一言は数年を経た今でも耳から離れることはありませんでした。
昨年、知り合いの先輩が黒戸尾根ルートを経て甲斐駒ヶ岳へ登頂したことを知り、ルートの状況などを教えていただきました。道標など少ないもののわかりやすいルートで決して無理をしないでもと登頂できると思い、今シーズンこそは単独での甲斐駒ケ岳登山をするチャンスだと思いさっそく計画しました。
もちろんヤマレコで皆さんの山行記録を参考にさせていただいたことは言うまでもありません。
例年梅雨明けは20日ごろですので天候に不安が残りましたが、この時期を逃すと猛暑の中の登山となりかなり体力を消耗する恐れがありますので取りあえずは現地に向かいました。
未経験の標高差の山行であるためか興奮してなかなか寝付けず、十分に睡眠時間が採れないままに登山口の尾白川渓谷駐車場に到着すると、天気は晴れ、無風状態と登山には絶好のコンディションでした。
甲斐駒ヶ岳山頂までの標高差は約2200m。
初めて体験する標高差のうえ日本3大急坂を越えるので今日の明るいうちに山頂に登れるか不安がよぎりました。
かつて登頂したことのある聖岳の行程をイメージしながら登りはじめました。
登り始めの樹林帯は、格段きつい登りとは思いませんでした。しかし、しばらくすると昨夜の睡眠不足がたたり登山中に睡魔が襲ってきて途中二回ほど小休憩の時に座って数分ウトウトと目を閉じ浅い眠りをしてしまいました。
五合目小屋跡を過ぎると、急勾配の岩場に階段やクサリが架かり通過に緊張したのか眠気は一気に払拭されました。
当初計画していた時間より尾白川渓谷駐車場を早く出発出来たために七丈小屋には一時間ほど早く着くことができました。体力的、精神的にも夕刻までに甲斐駒ヶ岳山頂を往復する事ができると判断して、七丈小屋を出発しました。
あいにくガスがわいてきて、七丈小屋付近からの展望は得られませんでした。
明日の早朝に微かな期待をし、歩みを進めると御来迎場からはガスの切れ間から甲斐駒ヶ岳の急峻な岩壁があらわれて、高山の雰囲気を味わう事が出来ました。
宿泊した七丈小屋では今季はまだヘリコプターによる荷揚げが出来ていないために、食事が付かない素泊まりになりました。事前に北杜市観光課に電話をして、七丈小屋の情報は得ていましたのでコンビニで購入したオムスビなどで空腹を満たすことにしました。七丈第二小屋では寝具付きの宿泊者は小屋の奥、寝袋を持参した私は入り口付近でした。石油ストーブに大きなヤカンで湯を沸かして、いつでも宿泊者がお湯を利用出来るようになっていました。ところが夜中はこのストーブが暑く、小屋の配慮を無視するかのように一部の窓を解放して就寝しました。ビールやインスタントのカップラーメンなどが販売されていましたが品薄でした。
小屋の水場は別棟の七丈第一小屋の前にあり、冷たくて大変美味しい水が豊富にありました。この水が一番のご馳走で五臓六腑に染み渡りました。トイレは洋式の水洗トイレで、科学的処理をしているのか臭いも無くとても清潔でした。山小屋のトイレは、いつも気になります。小屋泊まりの登山を計画する時は、トイレの設備が良くきれいなトイレがある小屋に泊まるように計画しています。
19日は天気が回復し、そのまま下山するには体力も回復し気力も充実していたので再度山頂を目指そうかと誘惑に駆られましたが余裕をもっての下山が安全だと思い、下山を開始しました。
昨日は早朝の甲斐駒ヶ岳山頂は、晴れていて360度の大パノラマを楽しんだと下山してくる登山者から聞きました。
今回の体験から甲斐駒ヶ岳からの展望を楽しむには、七丈小屋に泊まり翌日の早朝に山頂を目指す計画がベストのようです。七丈小屋から甲斐駒ヶ岳山頂へは約2時間で登れるので、晴れている確率はかなり高いと思われます。
山行前に十分な情報収集をしたつもりでいたのですが、不十分で大きな反省点の一つです。
遠い昔に山岳信仰の修験者が切り開いた古道、黒戸尾根を登る当初の目標を無事に達成する事が出来、今回も楽しい山行でした。
藪ノ湯 元湯鈴木旅館
住所:〒408-0307 山梨県北杜市武川町柳沢3972-66
TEL:0551-35-2525
駐車場:30台無料
泉質:ナトリウム・カルシウム塩化物泉 アルカリ性低張性鉱泉
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