鉢盛山《日本三百名山》
![情報量の目安: S](https://yamareco.org/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
![都道府県](/modules/yamainfo/images/icon_japan_white.png)
- GPS
- 06:59
- 距離
- 24.2km
- 登り
- 1,234m
- 下り
- 1,234m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
前日乗鞍岳下山後、松本市役所波田支所に向かった。予め申請しておいた黒川林道の鍵を受け取り今日の宿泊地、島々の林道入口に向かった。この日はシュラフを持って来るのを忘れたので、林道の奥の登山口まで行ってしまうと標高が高く寒いのではと思い標高800mの此の地点にした。
朝4時過ぎ。ヘッドライトをハイにして車が入ってきた。おっ役場の人が言っていた「もう一人」のようだ。朝食を済ませ12劼旅川林道を進んだ。舗装路が途切れダートになるがまた舗装路となり駐車場に到着した。思った以上に広い駐車場だ。標高は1,490m、実は此処に平成21年まで六兵衛小屋があったが取り壊されてしまい今はない。先行したはずの車はいない、さらに先まで入ったようだ。
登山準備を整え林道を進むと左手にハト峰への登山口標識があるが、笹藪で道形は全く認められなかったのでそのまま進むと少し先に鉢盛山への登山口があった。これは黒川を高巻き鉢盛山に北尾根から登るルートだが平成18年の豪雨で通行止めになってしまった。今日は波田支所が指定している黒川林道の終点まで行って林道あきんど平支線を歩くルートを行く。
400m程歩き黒川林道終点に達すると、筑豊ナンバーの乗用車が止められていたが、もう出発しているようだ。180°折り返すようにしてゲートの閉ざされた“あきんど平支線”に入った。道はしっかりしていて幅も3m以上ある。等高線の詰った山なので林道は斜面に沿うように付けられ折り返してはまた斜面に沿って進む。標高1,700m位に達したところで北方の展望が開け、折しも朝焼けに輝く穂高連峰から槍ヶ岳の姿を見ることができた。林道支線を4.2匚圓と分岐点に達した。登山地図には暫定登山口と書かれているが此処まで一般車は入れない。
分岐の先は、ハト峰の西山麓へと続いているが、鉢盛山へは折り返すように分岐する林道の枝線に入り、3回折返して波田避難小屋に達した。冬支度のままで窓は板で塞がれ、扉は上半分が覆われている。開けてみると中は小奇麗で快適に宿泊することができそうだ。標高は既に2,050m、長かった林道歩きも此処までで稜線の登山道となった。深い笹原を切り開いた道で迷いようがない。途中に4等三角点「東沢」がピーク性のないところにある筈だが、往復とも発見することはできなかった。
標高2,210m辺りで朝日村の岳沢入尾根登山口からの登山道が合流した。鉢盛山林道が平成18年の豪雨で不通になり今は通行できない。市村界尾根をやや南に外れ鉢盛坂新道で核心部の登りとなった。10坪ほどの広場は「権現の庭」と名が付けられ鉢盛山避難小屋に達した。プレハブの古い小屋でこれも板で覆われ薄暗い。周りは草生して殆ど近づく人もいないようだ。山頂までは100m、5分の表示があり、ひと登りで鉢盛山(2,446m)山頂に到着した。
1等三角点「鉢盛山」を中心にその周りを囲むように四方に向いた祠が4つ鎮座し山頂を守っていた。展望は中央アルプスなど一部が見えるだけで余り良くないが、北西方向50mの所にマイクロウェーブ反射板があり開けていた。此処から乗鞍岳はすぐ近くで美しい山容を見せてくれた。昨日歩いた硫黄岳からの稜線を目で辿ると感慨一入だった。少し南に目を転じると御嶽山も存在感を示していた。素晴らしいのは西方面だけではなく北アルプスもまた圧巻だ。焼岳から穂高・槍、後立山の方まで見通せる。中でも穂高・槍は近くて素晴らしい。東京の友人が今日登っているはずだ、もうキレットは越えただろうか。
筑豊ナンバーの主には結局会えなかった。ハト峰に行ったのかそれとも山屋ではなく釣師だったのかなと考えながら来た道を引き返した。岳沢への分岐の辺りで登ってくる女性と遭遇、会話を交わすこともなくすれ違ったが3人目の人だろうか? 波田避難小屋に戻りハト峰への縦走路を探すが笹藪が深く道形は全く見つけ出すことが出来ない。全く道のない3厖召蠅離▲奪廛瀬Ε鵑梁海稜線の藪を漕ぐのは躊躇われ無難に山麓の林道を行くことにした。林道の分岐まで戻って、あきんど平支線を先に進んだ。等高線に沿うようにして付けられているが若干のアップダウンはある。避難小屋から5劼領啼司發でアキンド平への分岐に達した。
アキンド平はハト峰(1,971m)との鳩胸三角点峰(1,941m)との鞍部で林道から50mほど入った所にある。しっかりした指導標がありハト峰、鉢盛山を示していたが、地形図に描かれた大船沢へのルートは示されていなかった。アキンド平は深い藪の中で、標識の示す方向にも明瞭な道はなく、笹原に微かな踏跡を探しアキンド平を抜けると一寸安心できる踏跡になった。樹林の途切れからは直線距離5劼糧猜に鉢盛山を見通すことができた。そして足元を見ると花期を過ぎようとするマツムシソウが頑張っていた。
コーヒーは諦め白湯で喉を潤しパンを齧る。やはり暑い時期でも暖かいものは体を癒す。駄じゃれじゃないが「ホッとして」下山に掛った。林道に飛び出すと後はもう長い長い林道歩きで黒川林道終点に達すると、さっきすれ違った女性が筑豊ナンバーの車の横に椅子を出し寛いでいた。なんだこの車の主だったのか! 車到着後しばらく車内で仮眠していたので、歩き始めたのは私より後だったそうだ。暫く会話して駐車場へと戻った。それにしてもこの山、歩行距離は実に24.9劼肪し、その内18.4辧74%が林道歩きという有難くない状況だった。でも山頂からの素晴らしい眺めを得られ最高だった。
この後は林道“走り”で竜島温泉に立ち寄ることにした。黒川林道入口からは2卍の所にある。しかしアクシデントはこの後に起こった。林道入口から約5劼涼賄澄道の真ん中に大きな岩が、今朝入ってくるときにはなかったのに山に登っている間に落ちてきたようだ。落ちていた太い木を梃子代わりに差し込むがポキリと折れてビクともしない。道幅は3m程しかなく谷側は絶対無理、山側はどうだろう大岩の周りの岩を人力でどかせる応急“土木工事”で通路を開き山肌に大きく乗り上げぎりぎりで通過することができた。軽四輪の小ささと4WDの威力が如何なく発揮できホッと胸を撫で下ろした。しかし待てよ。筑豊ナンバーは普通車、これは絶対に無理だ。助けるにもあの岩は人力の及ぶ処ではなく、救助は行政に任せるしかない。携帯の通じる林道入口まで進み波田支所に一報し対処を依頼した。
後のことが気になるが、予定通り竜島温泉へと向かい温泉を楽しんだ。筑豊ナンバーはどうしただろう。やっぱり気になる。波田支所に鍵を返しに立ち寄り、状況を聞くと直ぐに手配し、今救助に行っているとのことだった。マスコミ報道で公務員のマイナス面ばかり目立つが大多数の公務員の皆さんは頑張っている、ありがとう!
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する