記録ID: 7344418
全員に公開
沢登り
谷川・武尊
谷川岳 一ノ倉沢本谷〜4ルンゼ
2024年10月12日(土) [日帰り]


体力度
4
1泊以上が適当
- GPS
- 14:51
- 距離
- 13.6km
- 登り
- 1,605m
- 下り
- 1,619m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 13:20
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 14:52
距離 13.6km
登り 1,605m
下り 1,619m
5:06
4分
スタート地点
19:58
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※谷川岳ベースプラザは紅葉時期の周辺道路の渋滞緩和のため、2024年10月4日(金)17:00〜10月27日(日)6:00までの間、紅葉時期の周辺道路の渋滞緩和のため週末夜間閉鎖。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
遡行グレード:4級上 ○一ノ倉出合〜幻の大滝 後々の冷えの懸念から極力濡れを嫌い、出合を少し遡行したポイントから右岸の巻き道に入る。踏み跡明瞭、赤布の大盤振る舞いで、さながら登山道の様相。 しばらくの歩きでひょんぐりの滝に達し、テールリッジ末端の対岸にある懸垂ポイント(フィックスロープあり)に到着。先着2Pあり。ここから50mロープを2本つないで斜め懸垂で沢床に降りる。 そこから連瀑帯は際どいトラバース等あるも各自フリーで前進。 やがて沢が開けてくると、眼前に広がるは圧巻のスラブ帯。CS滝も通過しながら大滝までフリーで行く。 ○幻の大滝登攀〜本谷バンド 大滝は規模は小さめながらも積雪・融雪の反復で磨かれた独特の造形は彫刻のよう。 先行Pは既に直登の最中で、せっかくの機会なのでしばらく登攀を観察する。 遠目からも黒光りした流心はいかにも厳し気だが、先行Pのリードは何度かフォールしながらも無事に完投。それを見届けた後、我々は定石の左壁から取付く(検法 その後は斜度のある大スラブ帯に突入。見た目より悪く、フェルトソールなら厳しい登攀を強いられること必至。左から巻き気味に入り、クラックを繫いで大きく右へトラバースすれば、後は快適な岩登りを経て4ルンゼの入り口となるF滝へ。 ○4ルンゼ〜一ノ倉尾根 F滝は左のルンゼから取付き、途中右へトラバースして落ち口上へ。ルンゼを登りすぎ、詰みそうになる。慎重にクライムダウンしてお助け紐を使い際どいトラバースで 沢筋に復帰。 その先CS滝は遠目から厳し気に見えた(実際は普通に直登可能な模様)ため、左に走る垂直の草付きルンゼからフリーで巻くことにしたものの、この選択が見事に失敗。登るほどに手足が無くなり、スタンスは泥で極めて不安定になるとともに斜度は垂直に。墜落しないよう突っ張りながらの厳しい登攀となり、フリーでの取付いたことを激しく後悔するはめに。そこから一登りしたところで、おそらく脱出用の錆まくった懸垂支点を利用して落ち口へ復帰。 4ルンゼはこの先F1からF4までの連瀑ではフリーでは危険なため、ロープを出す。 F1は蛇行したチムニー状のCS滝。ヌメリが酷い。上部のハングCSを乗越して終了。 続くF2は細かいながらも安定したホールドを拾いながら突破。 F3は傾斜の立ったクラック登攀。 4ルンゼの核心部となるF4(右20m検∪橘30m后砲任蓮∪莵Pが通常ルートの右壁に取付いていたため、待機していたが、痺れを切らした同行者が正面壁を偵察。残置も目視できたことから、登攀を煽る。見た目からいかにも厳し気な垂壁に腰が引き気味の私だったが、押しに負け取付くことに。 下部から中段までが特に細かく、ヌメリもありたいへん嫌らしい。リードも相当な緊張を強いられた様子で、何度かA0したとのことだが、これも頷ける悪さ。こちらはフォローのため、やや大胆なムーブを交えながら気楽に登攀するが、中段に差し掛かったところのヌメリにスリップしテンションを掛けてしまう。 中段からは垂直〜被り気味のカンテへ身を投じる高度感抜群の登攀となるが、落ち着いて探ればカチだが有効なホールドがあり、これを繫いで上部へ。リードが構築した終了点にはここから更に悪い垂直の壁を5mほど登って到着。厳しいルートだったが、フラットソールがあればもう少し安全に登れたかもしれない。 いずれの滝でも適度に残置があるが、どれも錆が酷く、またグラつく物もあり、適切な判断の上でカムやハーケン打ちは必須。 ここからF5まで傾斜の立った脆い岩登りになる。念のためコンテで前進。 F5では既にF4の登攀を終えた先行Pが登攀中。時間も押していたため直登は諦め、定石通り右壁から小巻きして落ち口へ。 ○詰め〜下山 源頭に向け脆い岩場を詰めていき、草付きを経て一ノ倉尾根へ向けて背丈超えの笹藪に突入。密度の濃い、下向きに生えた硬い笹藪に覆われた急な斜面では足場の確保が困難なため、両手で笹の束を掴み全力で身体を引き上げる作業を続けること約40分。藪漕ぎにうんざりした頃ようやく稜線の登山道へ達する。一ノ倉岳ピークで記念撮影とシューズの換装を済ませ、休憩もそこそこに早々に発つ。ここから間もなくで日没。田尻尾根を使い暗闇の中の下山となった。 |
写真
離陸から中段までが特に厳しく、登るほどに細かくなってきます。最大の核心部となるランナウト気味の中段で左の爪先がヌメリでスリップし、テンションを掛けてしまいました。リードじゃなくて良かった!
装備
個人装備 |
ラバーソール
|
---|---|
共同装備 |
ロープ50.m×2
カム
ハーケン
無線機
|
感想
クライマーの憧れる日本三大岩壁のひとつである谷川岳・一ノ倉のなかで膨大な雪渓が秋遅くまで残る一ノ倉沢本谷。
岩稜も良いが、寡雪の年の秋に数年に一度、その姿を現すと云われる幻の大滝をぜひこの目で見たい。いや、どうせ見るなら一ノ倉岳まで遡行して詰めあげてみたい。
そんな想いが叶い、行ってきた一ノ倉沢本谷。
ここ最近の週末は大概雨に見舞われていたが、迎えた当日は予報通り見事な秋晴れ。
青空に映える雄大な一ノ倉の岩稜は圧巻の一言で、これを見るだけでも価値があるというもの。
遡行は決して楽ではありませんでしたが、一ノ倉沢は終始期待を裏切ることなく、厳しさもありながらも楽しさを実感しながら遡行できました。
しかし沢登りはつくづく体力勝負と改めて実感。
当初は翌日に南稜も予定してましたが、想定以上に疲労したため、連戦を断念しました。
いつでも、誰とでも来ることが出来る場所ではないだけに、特別な時間を提供してくれた一ノ倉沢と仲間に感謝。
お気に入りした人
人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:192人
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する