屋久島 宮之浦岳〜白谷雲水峡
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- GPS
- 33:18
- 距離
- 23.2km
- 登り
- 1,614m
- 下り
- 2,352m
コースタイム
- 山行
- 9:03
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 10:33
天候 | 1日目:曇り チラッと青空 2日目:快晴 ぶら下げてた温度計では、出発時の朝方で10℃切るくらい、昼間も15℃くらいでした。あまりアテにならない温度計ですが、二日間概ね暖かかったです。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー
船 飛行機
鹿児島空港⇔鹿児島港(リムジンバス) 鹿児島港→屋久島安房港 屋久島宮之浦港→鹿児島港(高速艇ロケット) 18日:安房の民宿→淀川登山口(タクシー 6600円) 19日:白谷雲水峡→湯之河温泉の民宿(バス) |
コース状況/ 危険箇所等 |
道標もあり、整備されています。 ちょっとした岩場もありますが、ロープがあります。 |
写真
感想
いつか行ってみたいと思っていた屋久島へ、思い切って行ってきました。
1日目は高速艇「ロケット」で安房に入りました。20℃を越える気温とハイビスカスの花が、南の島に来たことを実感させてくれます。民宿で、2日目の朝・昼2食分のお弁当の手配をお願いすると朝4時に民宿へ配達してもらえます。2食で1040円だったかな。
2日目、5時に予約していたタクシーで、民宿から淀川登山口へ。登山ガイドをしていたこともある運転手さんが、屋久島のことや注意点などいろいろ聞かせてくださいました。「若いんだから、永田岳もいってごらん」若いんだから? そう、まだ夜が明けてなくて車内が暗かったのです(笑) そこは自己申告せずに黙って聞いてました。約50分で淀川登山口着。登山届を出し、運転手さんに「気つけてね。自分のペースで歩けばいいから。パンでも食べなさい」とアンパンをいただいて出発しました。
歩きだして15分ほどすると、少しずつ夜が明けてきました。ほんとに屋久島にやって来たんだなぁ…
淀川小屋で朝のお弁当を食べると、再び歩き始めます。花之江河あたりからしだいにガスが濃くなってきました。黒味岳分かれにつく頃には雨がぱらついてきたので、ザックカバーをし、ザックをデポして黒味岳へ寄り道。岩場が多く、途中でストックもデポしました。はっきりした登山道は横へ横へ歩くばかり。ふと見ると、上に向かう細い道?にもテープ発見。これで直登できるんじゃ?と上がってみたものの、何かの観測設備のある所へ出てきてしまい、また戻って登山道へ。そんなことをしたり、ガスの切れ間を狙って写真を撮ってるうちに、けっこう時間がたってしまいました。
再び縦走路に戻ります。いろんな奇岩や次に向かうピークが見えるのだろうけど、ガスで隠れていたり、ガスが切れても今ひとつ私にはどこがどこなのかわからなかったり。それでも道ははっきりしていて迷うことはありません。
遠景が見えない中、栗生岳を過ぎるとサーッとガスが切れ、今から向かう宮之浦岳が見えました。景色に励まされながら登頂。山頂ひとり占めです。黒味岳で時間のロスもあったので次に向かいます。のんびりしてると小屋に着く前にヘッデン装着になってしまう。
ヤクシカに出会ったり、晴れ間が見えたりで、ついついカメラを出してしまいます。日が暮れる前には新高塚小屋に着けるかな?不安もあるけど、しっかり屋久島を味あわないともったいないし。
どうにか4時半ころ新高塚小屋到着。その時点では10人もいなかったかな。シュラフやマットを広げて少し休憩したら、テン場でもあるデッキで食事の用意を。
まずは「三岳」で乾杯。ふだんは芋焼酎は飲まないのですが、ここはやっぱり三岳でしょう。チーズ鱈をつまみながらちびちびやってたら、投石の岩屋あたりで少し話したソロの若い女性が声をかけてくださいました。新潟の方でした。そこへ、また岡山から来られてるソロの男性もお話に加わり、山のお話を。幸せなひとときです。
マナーの悪い人もいなくて、ゆっくりと山の夜を楽しめました。8時にはほぼ皆さん就寝。ヤクシマヒメネズミに食料を荒らされないよう頭上に張られたロープに食料袋をくくりつけます。アイマスクと耳栓をして、夜間の冷え込み対策にダウンを着てホカロンを貼ってシュラフにもぐりこみました。
でも、思った以上に暖かい夜で、1時ころに暑さで目が覚めたほどです。朝4時には他に起きてる人もいたので、私も外へ出てみました。すると、頭の上は降るような満点の星。寝る前は曇ってて星は全然見えなかったのです。ヘッデンを消してうっとりと見ていました。流星群かな、流れ星も。
6時半頃、小屋を出発。快晴です。高塚小屋を過ぎ、縄文杉へ。うーん、うまく写真におさまらない… この辺りから、ツアーなどガイドさんと上がってくるグループが多くなってきました。ウィルソン株に到着。なかなか♡の形に撮れません。難しい〜。ウィルソン株を過ぎると、ますますガイドさん付きグループが増えてきました。あちらは上り、私は下り。上りが優先なのはわかります。でも、8人とかのグループが3つも続き、先頭のガイドさんが当然って顔してこちらを待たせるのはどうかなぁ? 先に行かせてくれるガイドさんもおられますが。臨機応変に対応してもらいたいものです。
大株歩道が終わり、トロッコ道の始まりです。でもこれが長いっ! 途中でちょっと飽きてきます。そして、今回最大のピンチが訪れました。楠川分かれの少し手前にきれいなバイオトイレがありました。昨日山に入ってから、小屋のトイレか携帯トイレだけだったので、バイオトイレでペーパーまで備わっているのに感激です。トイレをすませて、さあ出ようとしたら、なんとドアの鍵が開かないのです。鍵をかける時は特に違和感もなくできたのですが。どうやっても開きません。山の中では問題なく過ごしてこれたのに、なんでこんな文明の利器にこんな目に遭うねん!! 私ももはやここまでか。携帯も圏外だし。ふと見上げれば壁の上の方に小窓が。トイレの上に乗り、外を見ると水場に一人の男性が。「すみませーん! トイレのドアが開かないんです!」と救助要請。男性が「え!? 本当ですか?」と外からドアをガチャガチャしてくれましたが開かず。「思い切りやってみますから、離れててください!」バーンバーン!! 無事ドアが開きました。「ありがとうございます!もうダメかと思いました。恩人です!」「いやいや、開いてよかったです」絶望のどん底から這い上がってきた気分です。
冷静に考えれば、そこは白谷雲水峡または荒川登山口に下る人、縄文杉に行く人、下りてきた人が通るところなのです。それでも気が動転して「もうアカン…ここが私の最後の地か…」と人生の終わりを悟ったpapi-leoでした。
気分を落ち着けて再び歩きだします。辻峠から太鼓岩へ。もう絶景です。残念ながらどれが何のピークかわからないのですが、それでも「よう歩いたなぁ」と感無量でした。
その後は、いよいよ白谷雲水峡ゾーンへ。実は「もののけ姫」はあまり知らないpapi-leo。でも、屋久島に来たい!と思い続けていたのは、この「苔むす森」を見たかったから。苔好きにはたまらない景色です。
のんびり白谷川沿いを管理棟へ向かって歩きます。「白谷雲水峡管理棟のあたりは問題なく携帯がつながるので、タクシーを呼べます」とネットで見たことあったのですが、auだめでした。仕方なく4時10分のバスまで待ち、バスを乗り継いで今夜のお宿へと向かいました。
屋久島での最終日は、レンタカーで島を反時計回りにドライブしました。景色のいいところで停まったりしながら、のんびり過ごしました。ここでまた私らしい失敗が発覚。ズボンの左ポケットに車のキーが。ん?右にも鍵らしきものがあるぞ。朝、チェックアウトした民宿の部屋のキーでしたΣ(゜д゜lll)ガーン 幸い、宮之浦港でレンタカーを返却するので、また民宿の前を通ります。電話して「必ず3時前にはお返ししますので(^^;)」と伝えると「いいですよ。送迎に出てるかもしれないので、カウンターに置いといてくださいね」とのこと。
他にも直接山とは関係ないけど、あー⤵ってなるような失敗がありました。内緒です。我ながら、こんな性格でよくぞ無事に下山できたなぁと感心するほどです。
最後になりましたが、安房で泊まった民宿HEART LAND HOUSE、宮之浦空港近くで泊まった民宿湯之河、どちらもとても気持ちよく過ごせました。タクシーやバスの運転手さん、ドライブのアドバイスをくださったレンタカー会社の方、トイレのドアを開けてくださった男性、里で道を教えてくださった方、出会った屋久島の方皆さんに感謝したいと思います。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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はじめまして、papi-leoさん。
お天気に恵まれた屋久島トレッキング、きれいな写真がたくさんですね!
この時期の登山者の数ってどんな感じなのでしょうね・・・
いつ行ってもひとつとして同じ表情がないような屋久島の印象がありますが
出来れば少しでもヒトが少ない時期に行きたいものです^^;
屋久島、きっとまた行きたくなりますよぉ〜
コメントありがとうございます、asariさん。
1日目はガスが多かったのですが、あらためて振り返ると、お天気に恵まれた2日間でした。
私はテント泊をしたことないので、テン泊装備を背負って歩くなんて無理〜と、
人の少ないこの季節を狙ったつもりです。
体育の日を境に登山者ががくんと減るとネットで見たし、タクシーの運転手さんは「11月に入ったらガクッと減る」と言っておられました。
実際に、淀川登山口から縄文杉までは人が少ないなぁと思いました。
登山もいいけど、人もいい屋久島。
すでにまた行きたくなっている私です(笑)
サングラスはとっても自然ですよ〜
papiさん、こんばんは〜。
サクッと憧れの屋久島ですか!!
さすが、行動的サブリーダーですやん
人生の終わりも悟られた素晴らしい屋久島の旅だったんですね(笑)
いやいや、「苔むす森」を目の当たりされたご気分はいかがでしたか?
日本最南端の百名山
宮之浦岳へのチャレンジ!!おつかれさまでした。
またの出逢いを楽しみにいたしております
全然、サクッとじゃないですよ。
行こうか行くまいかえんえんと悩んで、一大決心してやっと飛行機その他の手配をしたのが1週間前です。
樹齢○千年とか難しいことはわかりませんが(わからんのかいっ)、
森の息づかいを感じながら静かに歩いた二日間でした。
人生の終わりを悟った事件は
「気持ちよく送り出してくれた家族へ感謝しなさい」と、
神様からのメッセージだったかもしれません。
○十年の人生や家族の顔が走馬灯の如く、頭の中を駆け巡りました
明日のサブリーダーは、メンバーの中でひとりかけ離れて経験値・山力が低い私が務めるという不思議な構成です。
会長曰く「SLはケツから歩くんや」とのことですが、置いてかれないようついていくのに必死になりそうです(笑)
papiさん、憧れの場所を一人で堪能。お天気もよくて、素晴らしい山行だったんですね
私は一人で初めての場所を歩いていると、充足感というか万能感というか、自分充分!
papiさんも同じように感じて歩いてこられたんじゃないかしら?とレコを拝見しながら思っていました。
公共交通機関で泊を伴う山行を一人でプランニングから、というのは決して楽なことではないですよね!(私はいつも大変です。)
場所が遠く、日数が多くなるほど、予測される問題も増えますし。
でも、自身の能力や好みにこれほど正直なプランというのはないわけで、とても贅沢なことだと感じます。
何はともあれ、たくさんの良い思いでと満足感とともに、無事帰阪されて何よりです。(トイレ事件、「あら、まぁ!
neko-obabaさんでもお泊まり山行のプランニングにはご苦労されているのですか。
いつも、さら〜っと行かれてるとばかり思ってましたが、やはり舞台裏はそうはいきませんよね。
何人かとワイワイ行く山も楽しいし、どなたかが企画して連れて行ってくださるのも、正直楽だしうれしい。でも、ひとりで一から考えるのはしんどいけど、達成した時の充足感がハンパないです。
neko-obabaさんなら、よぉくご存じですよね
トイレ事件…我ながら「私らしいな」と納得してしまうのはナゼかしらん?
飛行機やら宿やら予約したりとか計画を立てるのが苦手なので、その行動力と計画力に拍手です。
自分なんて、大型連休でも宿決めるのは1日前とか(笑)
トイレの鍵故障は焦りますよね
自宅のトイレでも鍵壊れて閉じ込められた時誰もいなくて焦りましたから
いえいえ、私、計画力は著しく欠如しております。
行くならこの日程かなぁと有休だけ申請したものの、いっこう行動に移せず…
1週間前に飛行機・高速艇・民宿・タクシー・レンタカーと一気に予約したものの、
屋久島に着いてからとんでもないミスが発覚したり。
トイレはほんまに焦りました。
こんなきれいなバイオトイレでなくてもいい、ペーパーなんてなくていい、久しく汲み取りをしていないハードなトイレでもいいから鍵だけは故障してないトイレがいいです
一瞬、数か月後にそのトイレの個室内で白骨化した状態で 発見される自分を想像しましたよ
papi-leoさん こんばんは。
遅いコメントです。
行きたくて長年思っていたところに行けておめでとうございます。
自分達も行きたいと少しは思っているのですが、今はこのレコで行った気分になってます。屋久島のレコアップしてくれて嬉しいです。
感想の文章読んで、二人で大笑いです(すいませんでも涙が出そうです、すいません)
運転手さんへの反応、バイオトイレのことユーモアあふれる文章、火花に
も負けませんね。じっくり見させて貰います。
80,81より
乾杯、ありがとうございます。
私のレコで、少しでも屋久島気分を味わっていただけたらこの上ない喜びです。
屋久島=トイレの鍵が壊れてる と印象づけてしまったら屋久島の皆さんに申し訳ないです。申し訳ないけど、鍵は直してほしいです。
行く前に心配してたのは、
〔造錣此▲吋や病気をせず完歩できるだろうか?
⊂屋に出没するヤクシマヒメネズミが、シュラフに入ってこないだろうか?
➂よく聞く、小屋での心霊現象とかに遭遇しないだろうか?
この3点でした。➂はクリアし無事朝を迎え、,砲弔い討發曚箸鵑桧汰瓦覆箸海蹐泙撚爾蠅討て油断していた矢先の事件でした
旅の落とし穴はどこにあるかわかりません。80,81さんもお気をつけください
こんばんは♪
屋久島のレコ埋もれてましたのを見付けました(^^;
クックックッ!(笑)
パピレオさんは完全に笑いの星のもとに生まれて来てますよね(^^)
最後を覚悟したのがトイレだなんて…。
でも充実した濃いい〜山旅になったのは間違いないようですね!
一人じゃないと味わえない事を全部経験出来た感じですね。
私も一人屋久島経験したいな〜♪
自分でもトイレで何かが起こりそうな運命は感じますね。
町石道の帰り、道の駅九度山のトイレで、それとは気づかず子ども用トイレで用を済ませたこともあったしねぇ
アルプスも行ったことない、ソロでの営業小屋も未経験なのに、ちょっと飛びすぎたかしら?
cocoperiさんは一人屋久島と言わず、ぜひ娘ちゃんと行ってきてよ~
子どもにも大きな経験になるよ!
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