[荒川大崩壊地]悪沢岳(荒川三山)《三伏峠》鳥倉[わるさわ]
- GPS
- 32:00
- 距離
- 37.6km
- 登り
- 3,790m
- 下り
- 3,790m
コースタイム
9:40ゲート
10:10登山口
11:55三伏峠12:10
12:50烏帽子岳
13:45小河内岳
(ガスガス)
15:16板屋岳
15:54高山裏避難小屋16:00
(雄大なカールを見上げながら)
18:03荒川前岳
18:13荒川中岳
18:15中岳避難小屋
1日目行動時間8:35
10.8.22(日)
おはようございます!
5:30中岳避難小屋
6:00悪沢岳6:35(最高!!)
7:10中岳避難小屋7:30(お世話になりました)
7:45荒川前岳(大崩壊地!すんげぇ!)
9:40高山裏避難小屋
12:00小河内岳
13:32三伏峠13:50(三伏でいっぷく)
15:30登山口
16:00ゲート(歩いた歩いた)
2日目行動時間10:30
天候 | 10.8.21(土) 曇り 10.8.22(日) 晴れときどき曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
第2駐車場に停めてしまいました。 かなり離れていて帰りは自分と勝負です(笑) 1000円&夏休みのため、帰りの中央道の渋滞激しく。 小淵沢―韮崎。勝沼―小仏邸。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・登山ポストは鳥倉登山口第1駐車場にあります。 ・烏帽子岳から板屋岳にかけては崩壊地の縁を歩くところがあります。 ・荒川北側カールの下部は低木の枝が意外と気になります。 ・荒川前岳はご覧のとおりです。 |
写真
感想
●初の山小屋泊は3000メートルで●
○大崩壊地を見下ろして何思う。○
やっと重い腰をあげてみました。
南アルプス南部へ進出です。
最近、崩れというものに興味を持ち始め、
地図にある「荒川大崩壊地」ってどんなものなのか?
観てみようと思いました。
当初は椹島から荒川三山、赤石岳をまわる計画でしたが、
三伏峠からのルート途中にも崩壊地があるようですし、
みなさんの記録を読んでみて、このルートを選びました。
8月21日(土)
朝、すでに遅い時間になってしまいました。
小渋ダム土砂が溜まっているのかな?とか
林道へ上がっていくと、1961年に起きた大西山の大崩落あとが生々しく感じました。中央構造線、南アルプスの宿命なのでしょうか。
鳥倉林道登山口の第2駐車場にすでに5、6台停まっていたので、
これでは満車かな?と思って、停めてしまいました。これは下山時困りました。
三伏峠を目指して登り始めましたところ、途中のぼせたのか、鼻出血というアクシデント。
なんとか復活して、三伏峠を目指します。
かなりの人出でした。すでにすれ違う人たちも。みなさん塩見岳へ行かれるのでしょう。
三伏峠でも色鮮やかなお花がいっぱいでした。そういえばこの時期に登ったことがなかった。
いつも初秋から動く男でした(笑)
お花畑にはギリギリ間に合ったというところです。
三伏峠からすぐに崩壊地が現れます。ガスがかかって下が見えないだけに怖い。
でも赤石山脈の姿というものにすぐに触れることができました。
烏帽子岳までは、三伏峠小屋泊まりの方たちとすれ違ったりしましたが、
烏帽子過ぎると、結局そこから高山裏小屋まで、誰ともすれ違わなかった。。
小河内岳を越えると、樹林帯に入ります。ガスもかかって、人とも出会わないし、道標もないし、展望もないピークをいくつも越えていきました。
そんなときに支えになったのは、崩壊地の風景。アホですね。
薄暗い、見ごろを過ぎたお花畑はときに不気味ですねぇ。
小河内岳から高山裏小屋まではけっこうメンタル的にしんどかったです。
時刻も思っていたよりも遅くなっていて、こうなったら高山裏小屋にお世話になろう!
支えになっていたのは、これがほんとうなのかもしれません。
そうして高山裏小屋に到着しました。16時前。
外で休んでいると、小屋の中からご主人とお客さんの会話がもれ聞こえます。
座り聞きしちゃいました。
「まだ6時くらいまで、何人か三伏からひょっこり来るもんだよ」
YAMAPによると荒川前岳までは2時間40分。
これは中岳避難小屋でも同じことを考えているかな?
アホな拡大解釈と、カラダに聞いて出発。
出てすぐの水場が重宝します。ここは冷たい。
高山裏と前岳の標高差は約700mだとすると、どこで急になるのだろう?
そうです、前岳のカール下部に到着です。
おお〜〜
雄大。
これを登りきれ!
下部は低木の枝が何度かチャージしてきます。キレてはいけない。
樹林を抜けると、前岳と対峙。カールを登ります。
上昇気流がガスを下から上へ。
雲越しに西日が傾いてきています。
そうして前岳の向こう側、大崩壊地の縁に到着!
向こう側はガスってます。雰囲気が出ています。
ここから前岳までは、慎重に進みます。進むときは、右を見ない。そりゃそうです。
危ない縁は、黄色ペンキで迂回されていました。
「荒川前岳」の標に到着。
えっ!!土台が若干浮いてますよ。
それにしても、3068メートルという山頂から思いっきり崩れているなんて…。
ガスが濃くなり、暗くなってきました。先を急ぎます。「荒川中岳」写真撮って通過。
中岳避難小屋に到着。18:15分。ギリギリですね。
ご主人食事中でした。すみません。
じつは前岳迂回路を造った方もいらっしゃいました。私2人目の通行者ということです(笑)。
でも、崩壊はかなり進んでいる。浮いていた標も、そう遠くないうちに…!
そこからヘリコプターの話になっていきました。
話の合間にカレーライス作っていただきました。とても美味しかったです。
なるほどヘリコプターの世界。
ほかにお客さんはお一人いらっしゃいました。19:30消灯。
3000メートルで寝るなんて。
夜中トイレに起きた。ガスは消えていた。月光が眩しく夏でもあるし満点の星空とはいかなかったが、
夕方観えなかった、悪沢岳を照らしていた。
幻想的でした。
3000メートルは気流が複雑。
風がたたく戸の音、パターン化されていない。
そんなこと思いながら寝入った。
熱帯夜なんて忘れてしまった。
初めての小屋泊は忘れられない思い出となりました。
8月22日(日)
4時45分起床。
ようやく富士山と対面。
朝日が届くと周りの山々がくっきりしていく様に感動です。
仕度して、とっとと悪沢岳へ出発します。
鞍部の稜線は意外と幅が狭いのに驚きです。若干冷たい風が心地よかったです。
30分ほどで山頂です。
もうパノラマもパノラマ。山頂も広いし。すごい山です。
デジカメのメモリ入れ替えて、再度登りたいと思う(笑)
先に登っていた、同宿の方とお話させていただきました。
赤石から百間洞で泊まり、聖岳から聖沢に降りられるそう。
ガスがかかる前に赤石へと向かわれました。たぶんかからなかったと思います。
そうしていると、千枚小屋から第1組が登頂されました。
尾鷲から来られた方々で、いろいろお話させていただきました。
たぶん赤石小屋泊ではなく、椹島まで降りられたと思います。健脚な方々でした。
ミニトマトとおにぎりご馳走になりました。トマトおいしかった。
山容、天気、展望素晴らしく、会う人会う人と話したくなる気持ちがわかりました。
小屋へ戻ると、早くも荒川小屋から団体さんが到着したとのこと。
ご主人も外へ出てお迎え。うれしそうな表情が印象に残ってます。
そこを出発いたしました。
また泊まりたいと思いました。
さて大崩壊地。晴れ渡って、麓までその崩れ様を惜しげなく露に!
今度は下から観てみたい。小渋川ルート?
“幻の前岳”なんてことにならないでほしいのだが…。
カールを降り始めると、高山裏小屋泊の人たちが続々と登ってきました。
最初にすれ違ったのは、前岳の危ない稜線上で、失礼ですが結構なお歳と思しき元気な女性お二方。
5時発で3時間で登って来られました。この先の危ない箇所をお知らせしました。
カール、青空の下だとさらに気持ちがいいもんです。
高山裏小屋を過ぎると、昨日同様すれ違う方が極端に少なくなります。
高山裏から板屋岳は300メートル差あります。けっこうきつい。
板屋岳を越えると、稜線が西に折れ、展望が開けます。
あれは?
小河内岳小屋?
かなりの距離を感じてしまった。
そして、大日影山たちを越えたら、小河内岳の壁が…。
前小河内岳、烏帽子岳と続きます。塩見岳を見せてくれたので助かりました。
なんとか塩見帰りのみなさんで賑わう、三伏峠到着。
学生のパーティー到着。夏山っぽい賑わいでこれまたいいもんですね。
登山口までは木で造った梯子類は皮が剥けているので、何度滑ったことか!
雨後などとくにどうぞご注意下さい。
駐車場は第1に限ります。ほんとうに早く着くか。下山者の後狙いか。です。
静かな南アルプスを満喫しつつ、デカい悪沢岳。
そして“山は崩れるもの”を感じる奥深い山行でした。
次は赤石・聖。
デカさなら負けないぜ間ノ岳(白峰三山)。
なにを!キュウトな黒戸尾根再チャレンジ。
仙丈カールもお忘れなく!
♪紅葉のオッベリスク〜(山と渓谷表紙だ!)
仙塩尾根だと?まだ早いわい!
秘境!光
南アルプスが好きです。はい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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vottiさん、こんばんは。
もしかしたら高山裏避難小屋からカールへのトラバース
道の途中ですれ違った方でしょうか。
遅い時間だったことと、前岳から下ってきて初めて
すれ違った方だったため、覚えています。
カールの登りは爽快でしたね
(カール大好きなので)
このルート、今もしみじみと思い出して、また
行きたいなあと思っています
コメントありがとうございます。
youtaroさんの悪沢岳山行記録に返信させていただきました。
youtaroさんの記録の写真がきれいですね。
私、この山行のためにデジカメのメモリを買ったのに、セット忘れてしまって、今日日32MBしか撮れないという大チョンボをやらかしてショックです
それに前岳の定点観測もあるので(笑)
私も荒川岳は行きたいと思っています!
今後も参考にさせていただきます!
vottiさん、こんばんは。
8月のレポですが、拝見していてとっても懐かしく思い出しましたので、コメントさせて頂きます
bikihanakoもまったく同じルートを今年の7月に歩きました。その時の大崩壊地の迫力たるものや、、、今でも前岳手前の半分崩落した登山道(う回路ができる前でした)を思い出すと、お尻がモゾモゾしておっかなくなってきます。お恥ずかしいお話ですが、ビビり屋のbikihanakoだと思ってご容赦下さい
vottiさんの感想にある「夜中トイレに起きた。・・・」以下の文章、本当にすばらしいと思います。bikihanakoも、あの中岳避難小屋、あんなに感動的なロケーションの小屋はないと思います。本当に幻想的な夜空が広がっていたのだろうと、目に浮かんできます
こんなことを書いていると、夏が待ち遠しくて仕方なくなってきました 夏山は良いものですね。
bikihanako
荒川三山山行記録にコメントいただき
たいへんうれしいです。
マニアックなのか、訪問数の少ない頁なので
たいへんお恥ずかしい限りです。
bikihanakoさんの記録を参考にさせていただいたことを忘れていました。
とてもとても日帰りで行けるところではありません
あらためて感服いたしました。
椹島以外から入るとなると?
という感じで鳥倉から行くルートがあるんだなぁ。
とbikihanakoさんの記録を見つけたのでした。
お気に入り登録してます。
それにしても、すごいです。
7月はガスがかからないのですねぇ。
今度は7月に行きます
いやあ、崩壊地のふちの怖さのところをとくに共感できてうれしいです
中岳避難小屋。
すばらしいですねぇ
南アルプスでは最も高い位置にありますので!
夜中のことを思い出しました。
写真に収めていなくても情景を思い出せます。
また行きたいです。
ほんとうにおっしゃる通りです。
是非こんどは一泊されてみてはいかがでしょうか
bikihanakoさんのルートのおかげか、
当初は荒川小屋まで行く予定をあきらめ、中岳避難小屋に変更したようなものです
夏以降の山行が半端ではないですね!
夏の記録が次ページまで行っていて失念していました。
飯能から秩父まで道理で行ってしまうはずです。
>夏山が待ち遠しい
おっしゃる通りです!
記録を参考にさせていただきます。
これからもよろしくお願いいたします
votti
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