峰の松目から直で赤岳山荘に下山を試みるも途中で断念して、美濃戸から硫黄岳と峰の松目をピストン(危うく遭難するところでした、反省)
- GPS
- 18:30
- 距離
- 16.7km
- 登り
- 1,516m
- 下り
- 1,519m
コースタイム
- 山行
- 15:24
- 休憩
- 3:03
- 合計
- 18:27
天候 | 晴れ後曇り、山頂は爆風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
車高の低い車は通行できません。通常の車でも、下回りをぶつけないようにかなり気を使って走ります。 自分も当日はエクストレイルで行きました。行きは大丈夫でしたが、帰りに一度だけ床下をガツンとぶつけました。 下回りを目視で確認しましたが、幸いなことにオイルバンにはヒットしていなくて無事でした。 雪は圧雪状態でしたので、スタッドレスのみで行けましたが、降雪直後とかはタイヤチェーンがあった方がいいと思います。 場合によっては、美濃戸口から歩いた方がいいと思います。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
★赤岳山荘~堰堤広場★ 通常の林道ですが、一般車は通行できません。たまに小屋のスタッフの車が通ることがあります。 途中に2ヶ所ヘアピンをショートカットする道がありますが、その場合は、スリップ転倒しないように足元に注意した方がいいです。 ★堰堤広場~赤岳鉱泉★ ここからいよいよ本格的な登山道です。 よく整備されていて歩きやすいですが、凍結していて滑りやすい所もありますので、足元には十分注意して歩いた方がいいです。 ★赤岳鉱泉~赤岩の頭★ 大同心沢とジョウゴ沢に架かる橋を渡って少し行くと、急登が始まります。 ここは厳冬期でも登山者がたくさん入るので、足元は雪が踏み固められていて歩きやすいですが、上部は風が強い事が多いので、防風防寒対策は念入りにしておいた方がいいです。 ★赤岩の頭~硫黄岳★ 森林限界の上になるので、風が諸に吹き付ける場所です。当日もかなり風が強い状況(大体風速15m/sくらい)でした。 またガスってくると、ホワイトアウト状態で進行方向が分からなくなる可能性もあります。 実際昨シーズンの冬に道に迷って遭難した登山者がいたので、不安がある場合には引き返した方がいいです。 山頂に向かうトレースが結構ありましたが、途中吹き溜まりで雪深い所もあって(膝上くらいの深さ)そこで断念した人も多くて、山頂まで続いていたトレースは、途中ですれ違った登山者一人分のトレースだけでした。 ★赤岩の頭~峰の松目★ 赤岩の頭の山頂まではトレースがありましたが、そこから先はノートレースでした。 今年の初めに来た時もノートレースでしたので、厳冬期に峰の松目に行く登山者は皆無だと思われます。 もし行く場合は、ラッセル覚悟で臨んだ方がいいです。 自分たちが行った当日は、膝上くらいまでの深さの雪がありました。 鞍部まではツボ足で下りて、鞍部でワカンを装着して登りましたが、かなりの急登があります。 途中一部が迂回するようにロープが張られていました。下りで転倒すると、たぶんそのままかなり下まで落ちるので、かなり慎重に歩いた方がいいです。 また峰の松目のピークは、眺望がないので、特段な理由がない限り行かない方がいいと思います。 ★峰の松目~赤岳山荘★ 峰の松目のピークの先は、緑のロープが張られています。 雪がない時期に、ここから赤岳山荘に直接下りた方がいて、レコにも残っていたので下りようとしましたが、途中でシャクナゲの藪に阻まれて、あえなく撤退しました。 あの薮では雪がなくても行けそうにない感じでした。戻るにも相当体力を使いましたし、一つ間違えば遭難してもおかしくない状況でしたので、特段の理由がない限り行ってはいけない場所です。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
ネックウォーマー
毛帽子
靴
ザック
ザックカバー
アイゼン
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ヘルメット
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感想
今年から山登りを始めた後輩が、冬山を始めるにあたって、冬山装備は何を揃えればいいかを自分に聞いてきたり、本人も自分なりに色々調べて、冬山用登山靴、アイゼンやワカン、手袋やゴーグル、ゲーターなどの冬山装備をいろいろ買い揃えていて、着々と冬山に行く準備をしている様子。
冬山用の登山靴を買うにあたって、どこに行くのか聞かれるから、取り敢えず八ヶ岳の天狗岳に行きますと言っとけば大丈夫と伝えておきました。
実際に初めての冬山に連れていくのは、八ヶ岳の天狗岳か硫黄岳がいいかなぁーと思っていたので…。
聞けば、冬山に行くのはもちろん初めてで、雪道の車の運転もほぼ皆無の状態。
自分は自分で、ヤマレコ上の地図に峰の松目から赤岳山荘の駐車場に直接下りている足跡がたくさん付いていて、前からそこがずっと気になっていました。
今年山登りを始めたばかりで、雪山にも行ったことのない後輩を連れてそこを歩くのは如何なものかと思いましたが、後輩は若い頃、海上自衛隊にいたことがあり、(陸上自衛隊ならもっと良かったけど…)メンタルはたぶん強いだろうからというのと、何回か一緒に山登りに行っていて、どのくらい体力があるかもある程度は分かっていたので、赤岳山荘から硫黄岳と峰の松目のピークを踏んで、直接赤岳山荘に下りることにしました。
天気は概ね晴れで、風も稜線に出るまでは強くなくて、歩いているとTシャツにウインドブレーカーだけでも少し汗をかく状態。
赤岩の頭から先は、さすがに風が強くなりましたが、それでもこの時期にしては弱い方。
ただ所々雪が吹き溜まっていて、その手前で引き返している登山者もたくさん見受けられ、硫黄岳山頂までは、途中ですれ違った登山者が付けたと思われるトレースがあるのみでした。
硫黄岳山頂では、予想通りの爆風でしたが、天気も良くて冬の絶景を後輩に見せてあげることができました。
赤岩の頭まで下りてきて峰の松目に向かおうとすると、なんとトレースがあったので、ラッセルを覚悟していた自分は、ラッキーと思ってツボ足で向かったら、なんとそのトレースは赤岩の頭の山頂までで終わっていて、そこから先はノートレース😱
やっぱりこうなるよなぁーと思って、そこからラッセル開始。
途中の少し平坦になった所で、ワカンを装着。
途中の急斜面に四苦八苦しましたが、なんとか峰の松目のピークに到着。
問題はそこから先で、自分が前から気になっていた所が緑のロープを超えて、直接赤岳山荘の駐車場に下りていくのですが、下りていきたい方向は薮々状態で進むのが困難な状態。
やや右の方が少し開けていて、そっちなら下りて行けそうな雰囲気でしたが、あまりそっちに下りていくと全くの方向違いで、それこそ山中で彷徨う事になるので、ある程度下りたら左に行くようして行きました。
がしかし、段々と藪も濃くなっていき、ハイマツやシャクナゲの木をなぎ倒して木の上を歩く感じになっていき、元々深雪のラッセルで時間がかかっているのに、更にペースダウン。
周りを見渡せる所にでて周囲を見渡すと、まだまだ暫くは薮が続く感じだったので、そこでギブアップ😱
これ以上進むと、本当に遭難してしまうと思い、かなり時間が遅くはなるけど、素直に元来た道を辿って戻ることにしました。
まぁー万が一に備えてツェルトや予備のヘッドライトや電池、行動食や非常食も多めに持ってはいたのですが、自分はともかく後輩は大丈夫かなぁと心配でした😨
がしかし、そこは自衛隊で鍛えられていただけあって、こういう非常時にはその時に苦労した経験が役に立つのか、思っているよりもメンタルは大丈夫な感じ。
自分はというと、とにかくこのシャクナゲの薮々から早く抜け出したい一心でしたが、トレースがある分藪から抜けるも早くて、あとは自分のトレースを追って、峰の松目のピークに早く着きたいなぁーと必死で戻りました。
峰の松目のピークに着いた時は、既に夕方5時半を過ぎており、当然辺りは真っ暗。
体力的にもだいぶへばっており、特に後輩の体力の消耗はかなり激しかったのですが、とにかく歩いて戻るしかないので、一休みしてから再び行動開始。
さっき登った急斜面をまた下りるのかと思うと、かなり憂鬱ですがそんなことは言ってられないので、転倒しないように慎重に歩き、無事にオーレン小屋への分岐に到着。
ここから赤岩の頭まで登り返せば、あとは下るだけなのでへばった体に鞭を入れて登ります。山頂が近くなると強風が体を叩きつけるので、心が折れかけますが、こんなところで立ち止まったら一気に低体温症になってしまうので、そのままなんとか赤岩の頭まで歩きました。
7時過ぎには赤岩の頭に着ければいいなぁーと思っていましたが、実際には7時半も過ぎていました😨
後輩も疲労困憊でペースが上がらず、後ろからちゃんと来ているか確認しながら歩いてきましたが、あまり待っている時間が長いと、今度はこっちが体が冷え切ってきて危険な状態になりかねないので、ある程度風が避けられるところまでは先に進みました。
赤岩の頭で待つこと10分余りで、後輩も無事に到着。
そのまま赤岳鉱泉まで下って、後輩には今いる場所と、下山が遅くなる旨の連絡をするように指示しました。
自分はLINEで妻や山仲間に連絡を入れたりしてますが、自分のヤマレコのアカウントとパスワードを何人かに教えてあるので、いまココというアプリを使えば、たとえ電波が通じなくても携帯の電源さえはいっていれば、自分の現在位置がリアルタイムでわかる状態にはあるので、ログが動いてさえいれば、取り敢えず生きていることは分かってもらえるかなぁと思いながら歩きました。
しかしながら妻から途中でログが動いていないとLINEが来ましたが、電波状態が悪いので返信できずにいました。
ただ駐車場まで歩くしかないので、ひたすら歩きましたが、途中の堰堤広場前で夜10時半過ぎに、後ろが急に明るくなって、後輩にしては随分早いなぁーと思ってみたら、なんと歩荷さんが空荷で下りてきました。
こんな夜遅い時間に人が歩いてくるなんて全く想像しなかったので、かなりビックリしましたが、それは歩荷さんも同じだったと思います‼️
無事に駐車場に到着したのは、夜中の12時頃でだいぶ遅くなってしまいました。
ケガもなく無事に下りてこれましたが、一つ間違えば遭難してもおかしくない状況だったので、大いに反省する山行でした😱
バリルートや一般登山道を外れる山行は、やはり危険を伴いますし、冬山では尚更そうですので、少なくとも山登り初心者を連れて、自分がまだ行ったことのない冬山のバリルートを行ったことがそもそもの間違いでした。
体力的にはかなり消耗してへばってしまった後輩でしたが、メンタルは意外にもそうでもなかったのと、ケガ無く無事に下りてこれたのが、せめてもの救いでした。
また家族や友人たちには、かなり心配をかけてしまいました。どうもスイマセン🙇
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