【登り納めのラッセル敗退】塩見岳&小河内岳
- GPS
- 33:55
- 距離
- 50.3km
- 登り
- 4,413m
- 下り
- 4,437m
コースタイム
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 6:38
- 山行
- 11:05
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 11:22
- 山行
- 6:13
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 6:35
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
天候 | 26日:曇り 27日:風雪 28日:風雪 29日:風雪 30日:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
毎年年末はどこにいくか迷うのだが、今年は南アルプスの塩見岳から悪沢岳を繋ぐ計画を立てる。
なかなか長丁場の計画、今年はまぁまぁ雪が降っているというが、果たしてどうなることやら。
26日 三伏峠小屋へ
寝坊をかましながら深夜割ギリギリで中央道を快走し鳥倉林道の冬期ゲートまで。
うっすら雪が積もっているが問題ない。車が1台だけ停まっていた。
えっちらおっちら準備して出発、長い鳥倉林道を歩いていく。長いとはいえは一昨年歩いた畑薙からに比べれば全然ましで二時間半ほどで登山口に到着。
よくよく考えたら塩見もちょうど10年ぶりくらいと感慨深い。特にきつい登りはないが長期山行の重量感に軽くやられながら4時間弱で三伏峠小屋に到着。
さて冬期小屋と思うと中から小屋番の方が出てくる。???
まったくの下調べ不足で三伏峠小屋は年末年始は営業しているとのこと。
そんなこんなで一瞬迷ったが小屋に泊まることに。暖かいお茶やお芋をいただいたりしてほっこりする。
初日なのでキムチ鍋。量もたっぷりで美味しい。
天気展開は芳しくはないが、明日は塩見にアタックをかけることにしてほかほか布団で沈。
27日 風雪の塩見アタック
天気は可もなく不可もなく。ロングアタックなので明るくなる1時間前を目安に5時30発。
三伏山からは下方面の街の明かなんかも見えていて視界が効いていそうな感じだが、向かう方面はどっぷりガスの中。
ほどなく明るくなってからも灰色の空の下、樹林内を歩く感じだ。うっすらトレースも見えるがスノーシューで踝〜脛ラッセルくらいが続く感じ。
本谷山を越えて長いトラバースをこなしながら標高を上げていくと、いよいよ樹林外となり、風も強まってくる。
塩見小屋からはアイゼンかと思っていたが、存外雪は多く場合によっては太ももまで埋まるところもあるため、スノーシューで引っ張ることにする。
地吹雪でまつ毛が凍ったりするも行動に支障のでるような風ではなく、スノーシューのまま一つ目の鎖場を越え、西峰への直上部に向かうトラバースの手前でアイゼンに変える。
雪はあるものの、鎖はしっかり出ているためトラバースや直上部も特に問題なく登っていける。西峰への頂稜に出るとさすがに風雪が強く少ししんどい。
そんなこんなで西峰に到着。こんな天気だし時間も微妙なので東峰はカット。
鎖場なんかを慎重にこなし、スノーシューを回収したあともしばらくアイゼン。
小屋の手前くらいでスノーシューに戻して、小屋自体はスルーして樹林内までもどってほっと一息。
帰りは楽ちんとはいかないのが塩見のロングアタック。本谷山・三伏山、それぞれしっかり登り返しで息も絶え絶え。昔、成人式時期に会の10名くらいでアタックしたが、よくいけたもんだ。
三伏峠小屋に転がり込むと1パーティお客さんがいらっしゃった。
いろいろ談笑してほっこり。三伏峠小屋は規模感や小屋番の方の人柄も含め、とてもアットホームでいい雰囲気だ。
今日は水づくりをして、ドライフーズの晩御飯を食べて沈。
天気展開は微妙な感じで雪も降り続く中だが、明日は目指す方へ進んでみることにする。
28日 悶絶ラッセル
今日も今日とて灰色の空の下、暖かい小屋を後にする。
昨日は左に行った分岐を今日は右にとって悪沢岳方面へ。
早速烏帽子への登りに差し掛かるのだが、なかなか雪は深い。うまく夏道をとらえられれば膝下くらいだが、それを外すと太もも以上。尾根上近くは尾根上近くでブッシュの中にずぼっと落ちることもある感じで、悶絶が長いこと続く。
やっとこさ烏帽子山頂手前で稜線に乗ってラッセルがなくなるが、まぁまぁの風雪。
2時間半もかかってようやく烏帽子岳山頂。一息ついてゴーグルなんかも出してとりあえず先へ進んでみることに。
樹林外でラッセルがなくなったかと思いきや、前小河内との間のコルで標高を下ろすと樹林とともに再びラッセルが復活。まじか。
またしても腿ときおり腰のラッセルに苦しめられる。夏道もなかなか捕まらない。
再度の悶絶で前小河内までも2時間半かかる。
風雪も強まる中、小河内までもちょいちょい深雪に阻まれながら1時間半かけて辿り着く。ここまで6時間半で想定のコースタイムの倍以上かかっており、消耗も激しいため、小河内の避難小屋に転がり込む。
建て替わったばかりというだけあってなかなか立派。
テントを立てたり防寒具を着込んだり、暖かいものを飲んだりしてホッと一息。明日以降について相談。
明日も今日と変わらない天気、明後日はチャンスという感じ。明日は行動できるだろうがラッセルが今日も変わらず、明後日の悪沢の稜線を目指す日についても半分以上が今日と同じようなラッセルを強いられ、その翌日はまた天気が崩れる展開。
ラッセルでコースタイムが読めないなか突っ込むと、予備日の関係もありハマる可能性が高いということで、悩んだ結果、明日1日小屋で停滞して明後日の晴れ間で稜線を歩いて帰ることにする。相変わらずの力不足に悲しくなる次第だ・・・。
停滞が決まればだらだら過ごすだけ、FMラジオが入るのでなかなかいい感じだ。
水づくりなどをして、長期山行のごちそうペミカンカレーを食べる。うまい。
29日 停滞
予定通り停滞。天気は昨日と同じ。
存外寒くなく朝までゆっくり寝て、ブランチに棒ラーを啜る。
日曜日でおなじみの安住紳一郎の日曜天国や山下達郎のサンデーソングブックなんかを聞く。2024年カラオケランキングなんかを聞いて年の瀬を感じる。
夕暮れにトイレがてら外に出ると富士山であろう山の影と街の明かりが見える。
予定通り明日は晴れそうだ。
30日 晴れた稜線に引き返し
今日も今日とて棒ラーを啜り支度をして小屋の外に出ると富士山方面は赤く燃え、その上に深淵のような濃紺の空が広がる。いわゆる最高の朝だ。
こんなに天気が良くて見えてもいるのに引き返すのが本当に悔しいが判断は間違っていないと思う。
小河内岳へ登り返し3日前にガスガスの中登った塩見岳、一昨日ラッセルに悶絶した稜線、目指すはずだった悪沢岳の稜線を望む。5日目にしてようやく見れた絶景だ。
ひとしきり堪能して三伏峠へ向かう。トレースはところどころ消えているが視界もあるので夏道をしっかり捕まえられるとラッセルがだいぶ楽。
戻るにつれて塩見の陰に隠れていた白峰三山が姿を見せてくれる、その向こうには甲斐駒地仙丈ケ岳。ここ数年の年末年始では一番の白さではないだろうか。
微妙なラッセルと登り返しに少しうんざりしながら烏帽子岳に辿り着くと人の姿が。
ラッセルに苦しめられながらも景色を拝みに来たそうだ。これ以上ラッセルをすることはなさそうだと一安心。
見納めとなる稜線をしっかり眺めて下る。トレースはばっちりで快速だが、ときおりバランスを崩して派手にこけたりもする。
三伏峠小屋で小屋番の方に敗退したことを伝えたらとはひたすら下ろすだけ。
今日の晴れ間の陽気のためか下の方は雪が溶けていた。
鳥倉林道を下ろしていくと今朝までいた小河内に稜線と悪沢の稜線、どちらも望むことができた。改めて悔しく思え、とりあえず夏でもいいからリベンジしてやろうという気になった。
そんなこんなでゲートに停めた車まで。今日天気が良かったのもあって多くの車がとまっていた。
帰省のためか家族連れでにぎわう温泉で汗を流し、飯田でトンカツと蕎麦でお腹を満たし京都への帰路に着いた。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する