北岳〜間ノ岳〜農鳥岳 白根三山テン泊縦走
- GPS
- 49:20
- 距離
- 23.1km
- 登り
- 2,456m
- 下り
- 3,085m
コースタイム
天候 | 晴天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
|
写真
感想
出発前日まで仕事が非常に詰まっており、残業・残業の毎日。
前日だけは定時で上がらせてもらい、食糧と資材調達に。
ホームセンターにて丸棒を切断してもらい、山行用の麺伸し棒とした。
mi-to師匠がステーキを仕込んでくるらしいので、自分もバラ牛肉(国産)を購入、肉うどん用に調理を行う。
仕込やパッキングで11時を廻り、さらには後輩より事故を起こした報告があり、良く眠れない・・。
3時には起床し、冷蔵物を詰め込んで再度パッキングを行う。
3時30分過ぎ、mi-to師匠が到着。今回は私のクラウンワゴンによる移動。
4時前には上越南インターを通過することができた。
ここで師匠より衝撃の告白。数日前より仕込んでおいたステーキ肉が家族に消費されたらしい・・。
代わりに家族用に仕込んでおいたチャーシューを持ってきたらしいが、その落胆ぶりは大きい。
韮崎を抜け、南アルプス市へ突入。
芦安温泉駐車場へは7時前に到着。
トイレがある市営3駐車場へ。このトイレ、ペーパーもしっかり置いてあって綺麗です。
さすがに平日、車はまばらな状況で閑散としている。
準備をして少し上のバス停へ。どうやら先に乗り合いタクシーが出発しそうなのでそちらへ。
どちらも片道1100円なので同額。早い方へ乗っていけばいいでしょう。
師匠の分と2500円を出して300円の釣りを受け取る。
早く出発してくれればいいのに、バスに乗る人が少なそうなのでバスを出したくないらしく、待たされる・・。
数十分揺られて登山口着。ここで運転手にお釣りを間違えたと800円請求される・・。
一人1200円だからと言われ、寝ぼけていたので支払ってしまったが、明らかにおかしいと不満をもったままのスタートになってしまった。
さて0826に広川原を出発。日本第二の山、北岳を目指す。
この登山道は足の大きさ程の石がゴロゴロ落ちているのだが、庭石に良くあるような綺麗な緑・青・茶色等のツルツルした石が多く、思わず拾ってしまいそうだった・・。
今回は初のテント三泊縦走、食糧も満載につき、ザックが重い・・。こんなに重いものなのか・・?
正直、身の軽い小屋泊者やデイパッカーに抜かれる度にぬぬぬ・・という感じだ。
0930沢横で10分程休憩の後、出立。
1100二俣へ到着。
ここにはチップ制バイオトイレが設置されている。
ここで昼食を取ることになり、仕込んで来た肉を取り出す。
さらに下敷き状のまな板、包丁、伸し棒を準備。
昨日の内に練っておいたうどんを取り出し、「手打ちうどん」の制作。
水分が多かったか、少々ベチャッとしていたが、これを茹で上げ、自分作成の牛肉煮込みと師匠の味付玉子をトッピングする。
これがまた絶品で旨い!!
粉的には三人前の量打ったので、多かったかも・・だが味は絶品だった。
腹も満たされたことなので、再びザックを背負い歩みを進める。
二又から北岳を見上げると、そんなに遠いのかな?という印象だったが、廻り込んでゆくルートだからか、中々近づかない。
1238、1323と二回ほど十分休憩を入れる。
当初の計画では、北岳を越え、北岳小屋のテントサイトに宿泊する予定だったが、師匠より、
師匠「北岳で御来光見たい?俺はそんなに興味無いけど・・」と聞かれ、首を縦にふる。
ということで、北岳手前の「北岳の肩の小屋」で本日の山行終了。
さっそく受付をして、ビールで乾杯。
喉を潤したところで、富士山の見える側にテントを設置。
私のGOLITE SHANGLIRA-1は前回の白山で倒壊したため、今回は長めのペグでしっかり固定、ついでに石で抑えた。
さらに今回はモンベル スーパーストレッチダウンハガー#5とイスカ ゴアテックスシュラフカバーを導入。
試しに入ってみると、今までの寝袋とは違うことを実感する・・、暖かい・・。
日が暮れるのも早そうなので、早速夕食の準備。
夕食のメインは師匠のお手製チャーシュー丼。
早めの小屋食を終えた登山者達が暇を持て余し、外に出てきているので結構目立つ。
食べ終わったところで、持ち込んだ中力粉に湯と塩を入れ、練り合わせる。
明日用のうどん粉だ・・。
ここで、どうも食糧が多いのは二人とも相手の分まで余計に持ち込んでいることが原因と思われた・・。
今日の調理対決 肉うどん VS チャーシュー丼はがっぷりよっつの引き分けといった感じだった。
片づけをすませ、8時前には就寝。
空には雲がかかっていて、本当に御来光が見えるのか?と不安を覚えながら床に着いた。
うぉー、良く寝たなぁと時計を見るとまだ23:38・・。驚いてテントから首を出して空を見上げると、一面の星空・・。
以前モンゴルの遊牧民のゲルに泊まった際には、「俺の実家の方がすげぇ・・」と感じた私だったが、さすがに標高3000mの星空は大迫力だった。
少しでも寝なきゃと強引にシュラフに入り寝なおす。夜中に猛烈に気温が下がったのは星空が出たからなのかな・・?
4時起床、テント内でシュラフとカバーをたたみ、ザックへ。
銀マットをくるくるとたたんでこれもザックに突き刺す。(そろそろいいマットが欲しいのだが、価格が高くて手が出ない・・。)
外へ出てみるとじゃっかんガスがかった感じ・・。御来光はみれるのか!?
朝焼けに浮かび上がる富士山を見ながらテントをたたみ、肩の小屋を後にする。(0500)
この頃には大分明るくなってきたので足元が怖いということは無かった。
残念ながら北岳登頂前に太陽が昇り切る・・。でも3000mオーバーからの朝日は美しい。
頂上にいよいよ近づくと、太陽と逆側に円形の虹が現れる・・。
ピークに上がる師匠。
師匠「ブロッケン現象だ!」
自分の位置からだとそのようには見えないのだが、自分も頂に上がると、虹の中に影が現れ、自分の動きに合わせて動く・・。
二人で手を上げたり下げたり、バタバタしてみたりと大騒ぎ・・。
自分はブロッケン現象ということで、「ベルリンの赤い雨!」と心の中で叫びながらチョップしてみたのは秘密だ・・。
かなり遊んでから北岳山頂にて朝食&コーヒー。
師匠も初めてのコンデンスミルクを溶いてのフルーツグラッセをいただく。
見た目は鳥の餌みてぇだなと思っていたが、これがうめー!。
今回はコッヘルを持ち込めず、代わりに持ってきたのが耐熱の軽量カップ(うどんの水を量れる)だったのでこいつで朝の一杯。
ガスは見てる間に消えゆき、前方に本日向かう間ノ岳、農取岳方面の尾根線が姿を現す。
うーん、すごい光景です。
0625北岳山頂を出発し、高度感のある岩道を北岳山荘方面へ向かいます。
上からは近く見えましたが、なかなかつきません。
0713に北岳山荘に到着。
山バッジを購入し、トイレをお借ります。
ここは立派なバイオトイレが整備されています。
現在改装工事中のようで、職人さんが打合せしていました。
こんな所で作業ができて最高だな・・とは思ったものの、山が嫌いだったら地獄だな・・と思い直します。
師匠一服の後0736に出立。0807には中白根山頂に到着。
休憩もそこそこに再びザックを背負います。
今日は農鳥を越えて南大沢まで行く予定なので時間に余裕がありません。
北岳とはまた山様が異なる間ノ岳は、なんだかガレた岩が積み重なったような姿です。
振り返る北岳も、前方の農鳥も、遠方の北アルプスも綺麗に見渡せ、大パノラマ眺望が楽しめました。
間ノ岳を過ぎ、農鳥小屋への下りで足・肩に疲労を感じてきました。
ガレた岩で足元が不安定です。
農鳥小屋方面から登ってくる登山者ともすれ違いましたが、師匠と共に
「ここは登りたくないな・・。」という感想です。
下りの途中、まるで血で書いたようなおどろおどろしい文字で「ノウトリ」の文字。
まるで「脳みそ」を奪われるような恐怖感・・。
ネットによると農鳥小屋の管理人さんは厳しい方で、15時以降の小屋着には怒りをあらわにし、ものすごい剣幕でまくしたてるとのこと。
その真贋は定かではありませんが、それを演出しているのはこういった文字かもしれません・・。
さて、農鳥小屋到着。
付近に座っていた強面の親父に「こんちわ」と声をかけて受付に向かうと、「受付に御用のある方は係員に声をかけてください」とのこと。
どこだどこだとうろうろすると・・、強面親父「俺だ。何か?」・・。
一瞬引きましたが、バッジと水を購入すると普通に話してくれました。
農鳥親父「どこまで行くんだ?」
師匠 「南大沢小屋まで・・」
農鳥親父「結構ここから遠いぞ。途中にはテン場ねぇからな。」
師匠 「やっぱり無いですよね。」
農鳥親父「ねぇ。ねぇんだが、結構ルール違反でテント張る輩がいる」
敵意丸出しだ・・、が師匠がすんなりと目的の小屋名を言ったので安心したようだ。
小屋を後にして農鳥登山。
ガレた急登で結構辛い思いをする。
西農鳥山頂にて小屋でかったビールで乾杯。
昼はしっかりと摂るつもりであったが、南大沢へ下る時間を考慮してライトミールのみとした。
さらに農鳥を過ぎ、南大沢方面へ下り始める。
農鳥山頂を含め、絶好のテン場が点在し、農鳥親父の言っていたことが分かる。
しかもそのポイントにはあのおどろおどろしい文字で「ゴミステルナ」などと書かれているのだ・・。
下り3時間の予定だったが、重量ザックが思いのほか辛く、泣きが入る。
師匠は靴の中で足が動くらしく、痛恨の横歩き。
私にいたっては、筋肉がいくことを利かなくなってきたので後ろ歩きも入れる。
1530、そろそろ小屋が見えるかなというところで遠方に赤・黄・黒の建物が見えた。
やったーと思って近づくと、色とりどりの葉っぱ・・、これには二人で絶句する。
1600手前でようやく南大沢小屋に到着。
正直、今日の行程辛い・・。とはいえ、肩の小屋から農鳥小屋では物足りないだろうし、難しいところなのだ・・。
小屋についてテントの受付を済ませ、ビールで祝杯。
谷間なので暗くなるのが早そう・・、なのでテント設営。
豊富に余っている食材で夕食とする。
取り急ぎ、昨日練っておいたうどん粉で手打ちうどんを作成していると、後から到着された方々が、小屋に「うどん下さい」と頼んでいた。
小屋「それは昼メニューだからもう終わりだよ!」と断られていた。
ここで振る舞い王mi-toが降臨・・!!
「あるよぉ・・!」で有名な「HERO」に出てくるマスターばりに
mi-to「もうすぐうちの職人が手打ちうどん作りますよ。いかがですか?」などと発言。
小屋飯を終えてでてきた方々が「手打ち!?手打ちうどん打ってるよ。この人!」などと大騒ぎになる。
スープの湯の余裕が無かったのでボンカレーを温めてカレーうどんにして振る舞う。
するってーと、当たりめや焼酎などをお返しにいただく。
みんな同じ難所を歩いてきたので、話があうのだ。
やんやと騒いで皆さん就寝により我々も後片付けをしてテントへ。
明日は帰るんだなと少し寂しい気持ちで床に就いた。
この日はさすがに疲労していたのか、ぐっすりと5時まで起きず。
とりあえず体を起こし、寝袋等を収納。
テントはとりあえず乾かし、朝食を食べてから畳むことにする。
朝食はオラのパスタ(カルボナーラ)とmi-to師匠のホットケーキ。
昨晩振舞った方々に挨拶される・・。
みんな早く出発するようでちょっと寂しい。
韓国人パーティと一緒に行動していたパーティが写真撮影するということでカメラマンを頼まれた。
すると、一人また一人とカメラを持ってきて「私も、私も・・」ということで、足元に8台のカメラが並んだ・・。
でもって1台につき2枚の16連射。高橋名人ばりだ・・。
しかも「韓国では、「ウィスキーッ!」と言ったらみんなで「チーズッ!」と言って写真を撮ります」なんぞと言われるものだから、そのとおり実行する。
我々も下りの準備をして下山。
ここからは沢沿いの涼しい山道だった。
一部分分かりづらく川のほうへいってしまいそうな部分があります。
途中の休憩小屋にらくがき帳があったので、見てみると
「農鳥小屋の親父を仕留めてくれる優秀なハンターを募集!」などと書かれていてちょっと受ける。
発電所前で警備のおっちゃんと談笑してバスに・・、広河原へ移動。
さらにタクシーで駐車場着。
帰りは「南プス食堂」なる店をみかけ、Uターンして入店。
やきそばが旨かった・・。
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