奥秩父主脈縦走
- GPS
- 104:00
- 距離
- 58.6km
- 登り
- 4,427m
- 下り
- 3,454m
コースタイム
- 山行
- 3:40
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 4:50
- 山行
- 10:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 10:10
- 山行
- 9:20
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:20
- 山行
- 7:30
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:30
天候 | 五日間とも晴天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰りは瑞牆山荘から増冨の湯 益富温泉から韮崎駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
積雪が非常に少なく、あるところでも20センチ程度だった。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
ザック
アイゼン
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
|
---|---|
備考 | 体調なのか、アルファ米などの炭水化物を食べる気になれず、大量に余った。 |
感想
冬季奥秩父縦走
雲取山を軸に歩くことが多い。もう、数えきれないほどこの山に登った。
この山が、ずーっと西まで山が繋がっていて、五日間くらいかけてずーっと歩いて行けると言うことを知って、やりたいなーと、ずーっと思っていた。
過去に2回、冬季の縦走を試みて、大雪による時間切れが一回と天候不良での下山が一回。去年のGWに初めて金峰山まで行けた。
この年末年始、飛行機が取れずに帰省できないことを言い訳に、またこのルートを歩くことにした。またかと、自分でも思うくらいだったのだけれど、好きなので仕方がない。
12月30日、ホリデー奥多摩1号で奥多摩に向かう。新宿から一本なので寝ていけるので好きだ。奥多摩についてすぐ、8時32分発の鴨沢西行きのバスに乗り込む。珍しく座れる。
やっぱり雪がないからか、思ったほど登山客は多くない。
九時過ぎに鴨沢バス停で下車。全然寒くもなく、雪もない道を登る。
午後13時前、七ツ石山。14時頃奥多摩小屋幕営地到着。翌朝にそなえてビールを買って飲んで寝る。晩飯は魚肉ソーセージを炒めて鰹節をかけただけのものだけ。
12月31日
初日でまだ身体が慣れてなかったのか、明け方に寒く感じ、すぐに起きられなかった。寝袋でグズグズ。
なんとか起きたのが六時過ぎ。この日は笠取小屋まで行かなければならないのだから、大遅刻だ。七時過ぎ、テント撤収で出発。
夜間に少し雪が降ったらしく、地面がうっすら白くなっている。富士山が昨日より美しい。たまに白いものが空から落ちてくる。
小雲取山の辺りから、木々がちょっと樹氷になって見える。おそらく日が昇るとすぐ消えてしまうんだと思うけど、美しくて何度も写真を撮る。
八時過ぎ雲取山登頂。時間が遅かったからなのか誰もいない。
チラッと写真だけ撮って、三条ダルミへ下りていく。雪は全く無い。
まるで春山みたいな。
狼平も少しも雪は無く、切ないほどただの原っぱのままだ。
一昨年は、この時期にドカ雪が降って、ワカンを履いてここを歩いたのだ。あの時は、ラッセルが苦しくて苦しくて北天のタルまでしか行けず、そこでビバークしたのだった。同じ時期なのに、今回は本当に雪がない。
11時、北天のタル。このあたりから、少し雪が現れ始めて嬉しい。
昼前に飛龍権現に到着。今回は飛龍山は巻いた。
禿げ岩からは奥秩父の山々が見渡せるが、どこにも白いものは見えず、木々が青々としている。日当たりがよく、禿げ岩の上でボンヤリしてしまう。
ここから将監峠、そして唐松尾山と笠取山。ここから更に五時間。5時を過ぎると思う。この二山は巻こうと、この時点で思った。
2時20分、将監峠到着。
予定通り唐松尾山と笠取山は巻いていく。谷に崩落地が何か所かあり、ちょっと怖い思いをする。
5時30分、ヘッデンをつけて笠取小屋到着。
ここまでまったく雪が無い行程だった。
幕営の申請をし、ビールを買い、幕営。
セブンイレブンのソーセージを炒めてビールを飲み、年越しの蕎麦をゆでて食べて就寝。
1月1日元旦
明けましておめでとうございます。今年もテントの年越し。
昨日頑張って歩いたから、今日は十時間とか歩かなくていいつもり。場所の問題かテントに身体が慣れたのか、昨日ほど寒さは感じず、四時過ぎには起きられた。六時出発。
昨日はあまり真面目にやらなかった。ピークをひとつも踏まなかったのだ。今日は、好きなルートなので少し嬉しい。
暗い中歩き出す。雁峠を越えた後、燕山付近で初日の出を見られるかな、見られるものなら見てやりたいな、との心づもり。雁峠も雪は無い。雁峠小屋で中にヘッデンの灯りが動いているのが見え、ここ泊まれるんだ?泊まる人いるんだ?と、初めて知る。
燕山への登り。
振り向くと、向かいの笠取山のむこうがゆっくりと明るくなっていく。その右に、富士山が見えた。ここから富士山が見えたのは初めてだ、見事な景色だ。歩きながら、振り向くたびに色彩が変わっていく朝の富士山を、何度も写真に撮った。
そして、6時55分。笠取山の稜線からまばゆい光が漏れた。
初日の出。
今年がいい年になるといいなと、手を合わせる。電波があるようなので、このあたりの光景を、家族やら親しい友人やらに送る。
7時7分、燕山登頂。
8時33分、古礼山登頂。
このあたりから雪が現れ始めた。凍った根っこが歩きづらいため、このあたりでアイゼンをつける。温度計を見てみると、気温はマイナス10度を下回っている。ついでにテルモスのお湯を飲む。
雪は少しずつ増えていったが、雁坂峠に近づくにつれ、また減っていった。
9時48分 雁坂峠到着。
雪はまったくなく、初夏のようだ。ベンチに座ってアイゼンをはずした。
下から男性が一人上がってきた。今年初めて会う人間なので、「あけましておめでとうございます!」と声をかける。向こうも、「ああ、おめでとうございます」と応じてくれた。
雪が無いので行けるかと思い、アイゼン無しでここまで上がってきたのだと言う。持って来てもいないとのことだった。ちょっと驚く。
10時51分 雁坂嶺登頂。頂上にはうっすらと雪。このあと、破風山への登りがきつい。雪というよりツルツルの氷が出てきて、またアイゼンを装着。すごい急登でくたびれた。
12時15分 東破風山登頂。
下りてまた登り返して、
12時51分 西破風山登頂。
行動食を食べる。このあたりの開けた岩場が気持ちよく、暖かく、好きだ。
13時40分 破風山避難小屋通過。
ここから甲武信への登りが厳しい。雪はあったりなかったり。休み休み登る。行動食を食べる。ところで、山と高原地図、スマホのアプリを使っているのだけれど、この辺で「雲取山」から「金峰山・甲武信ヶ岳」に範囲が変わる。地図を入れ替えると、自動的に新しい地図でもルート記録がスタートする。ちょっとすごいと思った。
15時25分 甲武信小屋到着。幕営。
くたびれた勢いでビールを二本買う。雪はあるけれど、溶かして水にできるだけのまとまったものがないので、水も購入。1リットル100円だったか、50円だったか。
山影にあたるので寒いのだろう、ちょっとテントの外に置いておいて、いざ飲もうとすると、ビールがシャリシャリ言うので驚いた。凍りかけていたのだ。
トマトスープを作り、それに輪切りにしたソーセージを入れ、食べた。餅も焼いた。
1月2日
5時37分起床。今日は国師ヶ岳・北奥仙丈ケ岳を経て大弛小屋が目的地。
ココアとウエハースの朝食で出発。アイゼンをつける。
7時12分、甲武信ヶ岳山頂。毎度のことだけれど、富士山がきれいすぎて、写真を何枚も取ってしまう。そして下る。雪は、去年のGWの時よりは、あるか。それでも、あったり無かったり。国師ヶ岳までが異様に長く感じ、まだか―まだかーと、思う。途中何度か休み、テルモスの甘いコーヒーと行動食を食べる。
国師ヶ岳の最後の急登が、前は登っていてとても楽しかったんだけれど、今回は途中でバテた。前回より雪が多いことと、食事でさっぱり炭水化物を食べてない事など、関係するかもしれない。今回アルファ米を食べる気になれず、一口も食べなかった。
13時24分、国師ヶ岳。前回は天気がとてもよく、山頂でずいぶん長く過ごした。今回も同様で、岩に座り込み何度もテルモスのコーヒーを飲んだ。
ちょっと下り、ザックを雪の中のベンチにデポし、北奥仙丈ケ岳に向かう。
13時45分、北奥仙丈ケ岳。
去年のGWの時より、このあたりは雪が多い。それでも暖かく、春のように感じてしまう。
14時23分、大弛小屋まで下りる。この日は小屋番は下界に下りているらしい。幕営料を指定のポストに入れ、「ビール無いのか―」と嘆きながら、幕営。
ここで、初めて幕営地で大量の雪に出会えた。今までに比べたらちょっと多いというだけだけれど。ゴミ袋一杯に雪を詰め、それを溶かして水を作った。今回初めてだ。今日が最後の幕営なので、ガスも最大限に好きなだけ使う。魚肉ソーセージをトマトスープで煮て、生姜と大蒜を絞った。これに春雨を入れて食べた。温かい夜だった。
1月3日
2時54分起床。
早く起きて、できれば9時くらいのバスで増冨温泉に行き、早い電車で帰宅できればなーと、思った。練馬の居酒屋で馬刺しを食おう―と、思ったのだ。贅沢したい、新年出し、と。
でも、朝御飯は、コーヒーとクッキー。今回、異常なくらい食が細い。米を食べていない。大丈夫か、おれ、と思う。炭水化物は行動食のバーとかウエハースとかでここまで歩いてきてる。ウインナーなど、たんぱく質や脂質は食べたい感じ。炭水化物は、米も麺類も食べたくない。なんだろう。そのせいで今回、なかなか荷物が軽くならない。
あと今回、象足を購入し、初めて持って行った。ただの防寒具と思っていたが、それだけでないことが分かった。冬は、足にすごい汗をかき、一日歩くと靴下が濡れるほどになる。これを、以前は靴下を替えていたのだけれど、今回はテントの中で象足を履いて過ごした。そのまま寝た。すると、濡れていた靴下が体温で一晩で渇くのだ。その分象足は臭くなるけれど。このやり方で、靴下一足で5日間過ごした。
閑話休題。
4時04分、出発。ここからは雪の道。雪を踏みしめ踏みしめ歩く。今までで一番雪が多い。
朝日岳に向かっての登り。まだ真っ暗。去年のGWは日の出に合わせて登れた朝日岳頂上付近の岩場を、今回は真っ暗なまま通過した。前回、ここは気持ちが良かったのでもったいなくも思う。
5時13分、朝日岳山頂。
止まらず、そのまま通り過ぎる。
急坂をおり、また登りへ。鉄山に差し掛かる頃、空が白んでくる。
6時を過ぎ、金峰山への登りになる頃、周りが見通せるほど明るくなってきた。青い空に白い雪がとても映える。
左手奥が明るい。そしてその方向には雄大な三角形もある。前方正面に振り返ると緩い斜度の向こうにごつごつした岩が見える。もうとても頂上が近く感じる。
風この五日間で一番強い。バラクラバを初めてつける。
ここを歩くのは三度目だけれど、気持ちがいい。風が強くて強くてとても寒いのだけれど、心がひきつけられるような気持ちのいい斜面に、自然に歩む速度が速くなる。息を切らせながら、山頂に身体が引き寄せられる。
6時54分、金峰山登頂。ほとんど日の出と同時だ。
凸みたいな形をした、巨石文明の名残のような岩に、とても親近感を感じる。ネットや書籍などでよく見るからなんだけれど、実際に見るのは今回でまだ三回目だ。
鳥居をくぐって、二礼二拍手一礼をぎこちなくする。
この五丈岩が神様ならば、初詣、だろうか。
7時10分過ぎ、下り始める。
9時のバスはもう間に合わない。11時。急がば回れ、ゆっくり行こうと、ゆっくり下りる。
雪は大日岩につく前に無くなった。
9時50分、富士見平小屋到着、通過。
10時半ごろ、瑞牆山荘到着。
11時25分のバスを待って、益富の湯に下山、お風呂で旅の疲れを流した。
雪を踏みながら静かな奥秩父を歩きたかったのだが、まったく雪が無く、少々白けた。
こういう時もあるとは思うけれど、今後も温暖化が進むのなら、こういう冬が増えるのだろうか。大弛から金峰山までは、見事だった。あそこだけ、もしかしたら、何度も歩きたいかもしれない。
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