(ほぼ)雨中の裏剱縦走 (室堂〜剱沢〜仙人新道〜雲切新道〜阿曽原温泉〜欅平)
- GPS
- 76:45
- 距離
- 32.3km
- 登り
- 3,828m
- 下り
- 5,641m
コースタイム
10日:真砂沢ロッジ7:30 - 9:00二俣9:20 - 11:46仙人池ヒュッテ
11日:仙人池ヒュッテ7:00 - 8:50仙人温泉9:30 - 13:30仙人ダム - 14:50阿曽原温泉
12日:阿曽原温泉6:20 - 8:15折尾大滝 - 9:13大太鼓 - 12:37欅平
天候 | 9日:雨 10日:雨 11日:雨のち晴れ 12日:曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2010年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:欅平(トロッコ)〜宇奈月(富山地鉄)〜魚津(JR)〜越後湯沢(上越新幹線)〜東京 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■コース状況: (室堂〜別山乗越) 一旦200m下って500mの登り返し 特に問題なし (別山乗越〜真砂沢) 剱沢雪渓の通過ルートは時期により危険箇所が変わるので剱沢小屋で情報入手のこと 逆コースの場合は真砂沢ロッジで (真砂沢〜仙人池) 二俣までは沢沿いの悪路 二俣からは仙人新道の急登だがよく整備されている (仙人池〜仙人温泉) 沢沿いに下る 沢の横断時に滑らないよう注意 (雲切新道) 仙人温泉から一旦登って一気に黒部川まで降下する 急勾配の痩せ尾根で滑りやすく慎重に下りるべき (阿曽原温泉〜欅平) 崖に沿って作られた狭い水平歩道を数時間歩き続けるので、気を抜かないように最後まで確実に ■温泉: 宇奈月温泉に何箇所か日帰り可能な旅館、ホテルあり |
予約できる山小屋 |
剱澤小屋
|
写真
感想
一年前に2010年の最大目標に掲げた、裏剱を巡り黒部欅平へ下りるコースをE社のツアーに参加して歩く。
1日目:
室堂までバスで入り、剱沢を下って真砂沢ロッジまで。
天候は最初から雨。雷鳥坂を登る足取りも重くなる。
ただ、雨の中でも見下ろす室堂平の紅葉はきれい。
別山乗越まで来ると、この天気なのに剱岳の頂上まで良く見えるだけでなく後立山方面も微かに見えている。
これだけで来て良かったと盛り上がるメンバー多数。
昨年新しくなった剱沢小屋で昼食休憩をしてから1日目の核心剱沢雪渓を下りる。
雪渓に取り付くまでも岩の多い悪路を進むので気が抜けない。
下りるに従って周囲の景色も徐々に変わり、本峰頂上が見えなくなる代わりに滝や谷が次々に現れる。
1時間余りで雪渓に下りる場所に着き、アイゼンを装着して雪渓左岸寄りを下る。
30分ほどで雪渓を離れ、左岸を再び30分程歩いて真砂沢ロッジに到着。
小屋は混んでいてザックを外の小屋に置かねばならず、雨の降る中かなり不便な思いをした。
翌日には小屋閉めということで食事もかなり質素、且つ食堂が使えず各部屋での夕食となった。
2日目:
仙人新道を登り仙人池ヒュッテまで。
この日も朝から雨でテンションの上がらないまま7時半にロッジを出発。
大規模なブロック崩壊を起こしている剱沢雪渓を見下ろしながら岩を越え、沢を越えて二俣まで下る。
頭上を覆っていたガスがこの辺りで少しずつ上がっていき、時折り日も差すようになってきた。
大休止の後、仙人新道の急登にかかる。
苦しいが、左方に三の窓雪渓が次第に大きく見えてきて、深い山に分け入っている感覚が高揚してくる。
紅葉に染まるピークを4つ越える頃、谷を挟んで仙人池ヒュッテが見えてくる。
せっかく晴れかかっていた空も小屋に着く頃にはまた雨に変わり、期待していた仙人池からの八ツ峰の眺望はお預け。
荷物を置いてから雨の中を池の平へ出かける。
平の池周辺は山肌が見事に色づき、これでガスが晴れて剱が背景にあれば素晴らしいのにと惜しまれる。
前日真砂沢ロッジに泊った沢山の客がそのまま移ってきたのでヒュッテは今年最高の入り、ということでまたもザックは部屋におけなかったが、強力な乾燥室があったのは助かった。
客が多すぎて手が回らない事情から夕食はカレーだったが、人気のおばあちゃんが出てきて各テーブルを回って挨拶をするので宿泊客は大喜び。
一緒に写真を撮りたいという沢山の客の要望にいつまでも応えるパーソナリティには人気も成程と感じさせられる。
3日目:
雲切新道を下り、黒部川沿いの阿曽原温泉まで。
晴れの期待も空しく、またしても朝は雨がぱらつきガスが八ツ峰の姿を遠く隠す。
(ほんとはこのサイトにある写真のような光景を期待した → http://www.tate-yama.com/yama/tsurugi.htm )
諦めておばあちゃんに見送られながら7時にヒュッテを出発。
先ず仙人谷沿いに二度三度と沢を渡りながら仙人温泉まで下る。
女性陣がここで温泉に入るのを待つ間にガスが次第に上がり、前方に後立山の一角が見え始めた。
少し下って橋を渡り、仙人温泉の源泉横を通って雲切新道の登りに入る。
100mほど登った雲切新道の最高地点で休憩していると、8時過ぎに仙人池を出てきたというトレランの人が追い越しざまに見事に晴れ上がった池と八ツ峰の写真を見せてくれて一同ガックリ。
アッという間に変わる山の天気とは言え、あと1時間待っていればと悔やむことしきりだが仕方がない。
雲切新道は間違いなく今回の全コースの中の核心部である。
黒部川に向かって800m急降下する道は終始痩せ尾根で岩が多い上に滑りやすく、終盤には長い梯子もあって体力と気力を消耗する。
最高地点から2時間以上かかって黒部川との合流地点の河原に辿り着いた時にはほんとにホッとした。
仙人ダムを通り標高差100mあまりを急登して水平道に上がり、1時間ほどで阿曽原温泉に着く。
早速5分程下った河原にある露天風呂へ入りに行く。
浴槽の隣にあるスノコの上で衣服を脱ぎそのまま浸かる。
15-6人入るといっぱいの風呂だが、うわさ通りいいお湯だった。
小屋はこの日も定員を越え、食堂も寝室になるのでそこに寝る人は食事の間はほかの部屋で待機という有様。
夕食はやはりカレーだった。
4日目:
水平道を15km歩いて欅平まで。
4日目にして初めて雨具を着けなくてもよい天気。
阿曽原温泉を6時20分に出発して水平道へ急登する。
岸壁に付けられた細い通路を安全確保のワイヤーを手にしながら延々と歩く。
ガイドからは歩行中の写真撮影を止められている。
折尾の滝で休憩した後1時間ほどで大太鼓。
通過するのにそれ程の怖さはないが、少し遠くから人が通るのを見ていると怖い。
この前後から欅平は見えているのだが、なかなか近づかずだんだん歩くのに飽きてくる。
何回かの休憩をはさみ大太鼓から3時間でやっと欅平の駅に着いた。
沢山の観光客と、口にした立ち食いうどんで下界へ戻ってきた実感が湧いてくる。
宇奈月へのトロッコ列車から見る風景も、これ以上の景色を4日間も見続けた目には大きな感動を与えない。
ほんとに疲れた。
晴天の日に仙人池に映る八ツ峰を見るためにもう一度行くか、と言われると今はすぐに答えられない。
しかしそれを除いても、変化に富むルートを楽しく充実感に溢れて歩いた素晴らしい山行だったと思う。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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記録読ませていただきました。
仙人池でご一緒でした(沢山の人でわからないですけどね)。私は室堂から来て、またピストンしましたが
あの日は雨で本当にうんざりさせられましたが、私はまた行こう、行って仙人池に映る裏剣を必ず...という気になりました。
今年はばあちゃんに会いに行ったということにしておきます(苦笑)。
今週末に下の廊下〜水平歩道を行く予定です。阿曽原も混みそうですが、この時期仕方なしと覚悟して行ってきます。
同じツアーにいた人から「1日で室堂から歩いて来て、また室堂へ戻ると言う人がいる」と聞きましたが、sakura0725 さんのことだったのでしょうか?
ほんとにすごい健脚ですね。
でもあの朝はやっぱり6時頃にヒュッテを発たれて裏剱の姿は見れなかったんですね。
8時半頃にはガスもすっかりなくなって池に映る美しい八ツ峰が見えていたということでとても残念です。
来年までに「もう一度行こう」という気力が回復するかどうか…
下の廊下、紅葉も見頃になるだろうし楽しそうですね。
ぜひレポートを上げてください。
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