岩木山:百沢から大沢大雪渓、ミチノクコザクラの初物を発見
- GPS
- 06:23
- 距離
- 6.4km
- 登り
- 1,309m
- 下り
- 172m
コースタイム
- 山行
- 5:10
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 6:21
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はなし。大沢雪渓の雪は焼止から種蒔苗代まで厚く残っている。それほど固くはないが、急傾斜なので、アイゼン使用が原則である。万一の滑落停止のため、一応ピッケルを持って備える。 |
写真
感想
弘前には10回近く仕事では行っているのだが、その度に岩木山の姿を見て、都市の象徴になるような山があるのはうらやましいと思った。いつかは登ってみたいと思っていたが、岩木山といえば、岩木山神社−百沢から大沢の雪渓を登って、固有種であるミチノクコザクラを見ることのできる季節でしょう。この先忙しくなりそうなので、ちょっと早いとは思ったものの、週末の天気がよさそうだし、行ってみることにした。今年は例年より雪が少ないし、このところの暖かさで、開花が早まって初物くらい見られるかもしれない。
21日22日は北東北は共に晴れ予報。やや遠いので、前泊か、登って後泊か迷ったが、さっさと行ってしまえと土曜早朝に出ることにした。4時半に仙台を出て、8時半に百沢スキー場到着。スキー場に出ると「登山道」の立札があり、それに従い左手に、さらに立札で樹林帯に入る。すぐに焼止まで2時間30分の標識があるが、そこに2〜3台駐車可能、ナンバーから地元の人は良く知っている。でも、鳳鳴ヒュッテまで誰も見なかったので、タケノコ採りのヒトかも。すぐに七曲で、やや急登が始まる。新緑の中を緩く登っていくが、30分でカラスの休場(550m)、40分で鼻コクリ(600m)、約1時間で姥石(700m)、ここまでは、この処の好天で乾燥した夏道で順調。姥石からは初めて山頂方面が少し見える。その後、850m位から道に泥濘が、上に雪かと思う。その内に、夏道が雪に覆われ木の枝が被って、それをかき分けて進むようになり、非常に歩きにくい。トレースはほぼ無い。雪に埋まっていた枝の跳ね上がりにも注意。1000m以下から雪か、さすがに北の山である。焼止ヒュッテまで、このような状態である。焼止ヒュッテ直前の雪の斜面のトラバース地点で、上に雪上を行くか、焼止を経由して大沢に入るか迷ったが、焼止を経て行くことにする。ヒュッテから樹林帯をトラバースして行くと大きな水音が聞こえる。大沢のすぐ下部が流れている音で、雪渓の下も水が流れているのだろう。大沢の雪面に出ると、標識があり、そこより下部に入らないように竹でX点が付けてある。
いよいよ大沢の大雪渓に入るが、少し上の右に曲がる辺で、この先急傾斜になるのでアイゼンを付ける。雪は全体的には柔らかいが、固いところもあるので今の時期は、アイゼンは必須である。念のためピッケルも持ってきたので、持って進む。雪渓は左に曲がり、右上に岩峰が見えるが、休み休みになってしまい、なかなか標高が稼げない。背後は八甲田がきれいで、その右手には遠く岩手山の片富士の形が見える。今日の出発点の百沢スキー場も良く見え、こんなに登ってきたかと思う。右手に水の流れている所があるが、錫杖清水のあたりか。シュルンドが怖くて近づかず通過する。焼止からかなり掛かって種蒔苗代のすぐ下、枯草の上で休憩、アイゼンは外す。ここから一部夏道が出てくる。ここで、右手の砂礫地にほんの数メートルの範囲で開花したミチノクコザクラを発見した。これは間違いなく今年の初物だ。小ぶりで、濃い紫色の花がなんとも美しい。後は発見できなかった。この辺りに、これからどんどん咲いてくるのだろう。下の種蒔苗代は完全に雪に覆われている。ここから鳳鳴ヒュッテは直ぐ上に見えるのだが、そこへ登るのは、雪渓のトラバースと直登。雪の直登でいきなりヒュッテ前に出る。ここまで誰にも会わなかったし、のろのろ登っていても雪渓で遠くからも誰も見なかったが、鳳鳴ヒュッテからは8合目からの登山客とちらほら会うことになる。ヒュッテから山頂への岩の多い登りは2段になっていて、ヒュッテから山頂は見えない。この登りも雪渓の登高での疲労で、足が進まず、結構時間が掛かってしまったが、山頂避難小屋、岩木山神社奥社に到着した。三角点と三角の鐘にも行ってみる。山頂からの眺望の一番はやはり、津軽半島の平野と海岸線、さらに北海道の眺めだろう。日本海には松前の小島、大島も見える。松前大島(渡島大島)は洋上の山の様に見える。この位置に島があるのを初めて知った。
山頂からの下山は、かなりバテているし、焼止から下の雪道が厄介なので、安易にスカイライン8合目に下ることにする。鳳鳴ヒュッテから8合目までは、最初の数メートルの雪以外は、雪は無く夏道通りである。8号目から岩木山スカイラインのバスで下った。嶽温泉から、さらにバスで岩木山神社へ向かい、岩木山神社に無事下山のお参りをしてから、向かって左側の奥宮参詣道の表示に従って20分登って百沢スキー場に車を取りに向かった。結局、標高180mの岩木山神社から登ったのと同じになった。
今年の岩木山は冬の少雪の割に、その後の気温が低かったらしく、残雪の量はかなり多く、平年並みなのかなとも思う。大沢雪渓も焼止から種蒔苗代まで覆われており、雪も厚い。ミチノクコザクラは初物を見つけたが、まだこれからのようだ。今日の雪渓登高で堪能というか、お腹いっぱいになったので、今年の残雪の山行は、これで締めくくりです。
岩木山とは、仙台からですと結構な遠征ですね。お疲れさまでした。
ミチノクコザクラの鮮烈なピンク、大雪渓の豊富な残雪、東北の山の初夏ですね〜 。
岩木山、30ん年前に、逆行程(なんと、登りで楽)で訪れています。半端ない遠方なので、八甲田とセットで遠征し、限られた時間配分で(八甲田優先)まことに不本意ながら なのですが・・・・。労せず山頂タッチ後すぐ踵を返し、時間に追われ駆け下ったのみです。
でも、大雪渓あたりの景色、頂上付近、かすかに記憶にあります。岩木山に申し訳なく、機会があれば丁寧に登り直したいと思っています。
ミチノクコザクラ、未見で、見てみたいです。中部山岳で見かけるハクサンコザクラも好きな花 ですが、分布域が全く違いますので迷うことはないと思いますが、見た目の違いとかは・・・・ 。小生写真 でみても、全くわかりません 。
コメント有難うございます。
標高差400m、長さ1kmの雪渓は苦しかったですが、楽しめました。
コザクラはサクラソウ科サクラソウ属で、可憐な花が良いところですね。サクラの様な5弁ですが、亜属のサクラソウーユキワリソウ−ハクサンコザクラの順に花弁が細長くなり、切れ込みが大きくなって印象が違うようです。ミチノクコザクラは、ヒナザクラ、ハクサンコザクラと同じ亜属なので、見分けはなかなか難しいようです。他に、ユキワリコザクラ、ヒメコザクラは別の亜属です。ミチノクコザクラの特徴は強烈な濃い紫だと思いますが。ちなみに、ハクサンコザクラの北限は飯豊だそうです。
kyenさん、初めまして!
月末に岩木山に行く予定です。詳細なコースレコ、ありがとうございました。雪渓の角度とか、臨場感のある写真が沢山あって大助かりです。
弘前泊で朝一番のバスで岩木山神社まで行って、百沢コースを往復の計画です。標高差が大きいので、帰路は八合目からバスも選択肢に入れています。
アイゼン+念のためのピッケル、私もその装備で行くことにします。
ミチノクコザクラに会えるのが楽しみです。
何かアドバイスがありましたら、よろしくお願いします。
eagleさん、コメント有難うございます。
近い時期に行かれるのなら、参考になれば幸いです。
岩木山の標高差は結構大変でした。(1400m以上)
プロフィールを拝見したら、私より先輩でベテランのようなので、問題ないと思います。ピッケルは急傾斜なので、あくまで念のためでした。ピックを打ち込めば停まりそうな雪質も確認しました。
百沢コース下部で、ブヨに左手3箇所やられました。1日後から遅延型アレルギー。2日半後現在、水疱を伴う丘疹、最盛期です。ステロイド外用薬塗布で1週間で治るとは思いますが、ご注意を。
百沢からの入山者は少ないので、クマにも注意(鈴など)です。21、22日に秋田の鹿角の山ではタケノコ採りの方がクマに襲われて死亡です。
kuenさん
ブヨと熊、対策用意していきます。
貴重なアドバイスありがとうございました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する