高尾山口ー陣馬山ー北高尾山稜ー高尾


- GPS
- 32:00
- 距離
- 28.4km
- 登り
- 1,664m
- 下り
- 1,689m
コースタイム
20:20 高尾山口駅
20:40 6号路入り口
20:50 遭遇
21:10 沢入り口
21:30 高尾山
22:10 小仏城山
22:30 小仏峠
22:50 景信山
23:50 底沢峠
6月4日
00:00 明王峠
00:20 陣馬山
01:00 明王峠
01:30 堂所山
02:20 関場峠
02:30 三本松山
02:40 三本松山標識(標識はこちらについています)
02:50 大嵐山
03:10 湯の花山、つつじ平
03:20 黒ドッケ
03:30 杉の丸
03:45 新道標
03:50 小ピーク
04:00 空中図根点.5
04:10 狐塚峠、小下沢分岐点
04:10 林道と接触、
04:10 板当峠、林道沿いの周辺案内図
04:20 板当山
04:40 高ドッケ
05:00 杉沢の頭
05:10 富士見台、城山方面分岐
05:20 熊笹山
05:50 唐沢山
06:00 地蔵峰
06:20 中央自動車道高架下
06:40 京王線高尾駅
過去天気図(気象庁) | 2016年06月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
電車
エスケープルートとして、高尾ー陣馬高原下、高尾ー小仏の各区間を走るバスを利用することができます。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
踏み跡はどこも比較的単純で、標識も整備されており、標識を一つ一つ確認しながら踏み跡を丁寧にたどれば道迷いの心配はほとんどありませんが、ところどころ木の根が飛び出していたり、ぬかるんだり、斜面が砂地で滑りやすいなど、転倒の危険はあります。特に北高尾山縦走路はやせ尾根や急斜面のトラバースも多いので転倒が命取りになる場合も無きにしも非ずです。慎重に歩きましょう。 高尾山口ー登山口 改札を右へ曲がり、ケーブルカーの駅方面へ向かいます。市街地です。 自然研究路6号路 よく整備されてますが、露岩や濡れた土の上を歩く箇所もあるので、岩に躓いたりぬかるみに足を取られたりして谷に落ちないように気をつけます。 高尾ー城山 高尾山山頂の富士山側展望台の脇(西側)に裏高尾縦走路の看板があります。以降もみじ平等の巻き道や相模湖へ降りる道などあるので標識を確認しながら歩きます。道は快適です。 城山ー小仏峠 山頂小屋の北側から登山道に入ります。序盤の下りで踏み跡が広く少しちゅうちょします。柵代わりに張られているロープに沿うとルートファインドが楽です。途中迷い込みやすい分岐があります。防火用水のドラム缶が目印(?)です。そこは左側のはっきりした道を選びます。なお直進でもこと小仏峠に降りられそうですが、藪こぎを伴いそうです。 小仏峠ー景信山 小仏峠からの取り付きはたぬきの後ろのお地蔵様のある岩壁の左側です。標識で確認しましょう。少しだけ太ももに効く急登があります。 景信山ー陣馬山 景信山山頂の茶屋の北側(頂上三角点に向かって右側)へ登山道が続きます。途中いくつかの小ピークを越えていきますが、巻き道を使って楽することもできます。底沢峠、明王峠、奈良子峠等から相模湖方面へ下ることもできます。このように枝道はありますが、陣馬山への遊歩道は広くてしっかりしているので安心です。どちらかというと整備されすぎていて逆にたまに出ている木の根で転ばないように気をつけます。 陣馬山ー堂所山 陣馬山から引き返し、明王峠を少し景信山側に進んで、夕焼けふれあいの里の分岐(地図および標識あり)を堂所山方面へ道をとり、木の根の多い斜面を登りますと、堂所山への標識のある小ピークへいたります。小ピークから堂所山までは100 mほどです。 堂所山ー関場峠 高尾ー陣馬ハイキングコースに比べると、登山者はかなり減ると思われますが、案外踏み跡はしっかりしており、ところどころ広い遊歩道にさえなっております。ここからの道は草が覆いかぶさってますがが道はしっかりしています。 関場峠ー高速道路高架下 踏み跡は所々薄くなりますが、標識は整備されているのでバリエーションルートを狙う登山者以外は道迷いの心配はないと思います。分岐点は富士見台までは富士見台・城山方面を、富士見台以降は高尾駅方向を目指します。登山道はところどころ小ピークを登りつつも基本的には下り道で、砂気味の急斜面が滑りやすくなっております。たぶん天候に関係ないか、砂が乾燥している晴天時のほうが滑ると考えられます。かなり急斜面の上のやせ尾根を歩くので、絶対転べませんから慎重に歩きましょう。北高尾稜線は高速道下から関場峠方面へ縦走するほうが安全かもしれません。この場合基本登りが続くので体力は消耗するでしょう。 高架下ー駅 市街地を中央線に沿って駅まで歩きます。 |
その他周辺情報 | 水場は、高尾山頂に水道と自販機があります。また小下沢に水場があるようです。 |
写真
装備
備考 | 雨具、手袋、ヘッドランプ、コンパス、食料(おにぎり3個、黒砂糖、レモン飴、水(飲み物込みで3L)、スマホ 地図「高尾山・(景信山、陣馬山)登山詳細図」 (守屋益男、守屋二郎編、吉備人出版) |
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感想
入梅前に高尾山徹夜ハイクをしようと決めた。幸運にも日帰り出張で、かつ早めに仕事を切り上げて直帰することができたので、ハイキングシューズに履き替え、ザックを背負って都内へ向かい、新宿から京王線で高尾山口へ急いだ。
スーツパンツに見える黒いズボンは実は山パンツであった。ワイシャツ、スーツパンツとハイキングシューズ、ザックの組み合わせはかなり変に見えたと思う。
調布くらいまではかなり込んでいた京王線も北野で高尾山口方面へ乗り換えると乗客は激減した。さらに高尾駅で中央線乗換え組の乗客が降りてしまうと、最後の一区間はほとんど無人となった。ワイシャツを脱いで山シャツに着替ええると、ほどなく京王線高尾山口駅に到着した。
8時半少し前だった。最近高尾山口駅に温泉ができたため、夜でも駅の近所は温泉施設の明かりがともっているし、入浴客もそこそこいたようだが、自分はお風呂には背を向けて高尾山方面へ歩いた。先行者がひとりいたが薬王院方面へ行ったようだ。自分はケーブルカー駅前で頭にいつものごとくタオルを巻き、ヘッドランプをつけ、出発した。
高尾山山頂までは愛用の6号路を使った。途中沢沿いに歩くところが心地いいのだ。もっとも夜中に水音を聞きながらハイキングするのは少し怖くもある。今夜は月は出ておらず月夜の夜行性ハイキングを楽しむことはかなわなかった。
6号路で前回オレンジ色の目玉に遭遇した。今回も再会できないかと考えながら歩いていたら、期待にたがわず前回と同じようなところで目玉に遭遇。お互いに相手の出方を伺って対峙した。そのおかげで相手の正体が多少わかった。おそらく狸である。撮影を試みたのであるが、自分のヘナチョココンデジでは闇夜しか移らなかった。
目玉との再会を喜ぶことができたが、前々回発見した固定ロープは今回も発見できないまま、沢に入りちょっとした急登(階段)を登って高尾山に9時半ごろ到着した。今回初めて水道があることを発見した。これなら水をここで汲んでも良かった。しっかり水を飲んで裏高尾重走路へ突入した。
今回月が出ていないためヘッドランプを消すことができなかった。たまに星空を確認するために消す程度だった。西に輝く木星に導かれた。若干のアップダウンに息を切らせた。途中トレランナー1名とすれ違った。過去何回かの徹夜ハイクで初めて夜間に人とすれ違った。先方はもっと驚いていたかもしれないが。
城山に到着した。ヘッドランプが見えないが人の気配がするがいつまでもやってこないと思っていたら、茶屋ののぼりがはためいていたのであった。やれやれ、天狗様に道中の安全を祈願して小仏峠へ急いだ。徹夜ハイクゆえあまり撮る写真がない。そこで今回はこトボケ峠もとい小仏峠の狸様を一人ずつ撮影し、景信山にチャレンジした。小仏峠からの暫くはちょっと急な登りが続くのだ。そのごほうびか、景信山からの東京方面の夜景は美しい。茶屋裏、山頂標識の前で夜景の写真を撮り、陣馬山を目指した。
まだ全行程の6割強か。しかし景信山から陣馬山までの道のりは距離の割にはつらく感じない。今回は少し気味の悪い経験をした。一つ目は明王峠であった。明王峠で熊ベルがリーンと鳴るので、こんばんはとあいさつしたが、誰も来ない。そちらへ少し歩くと背後で熊ベルがリーン、わかってしまえば茶屋の風鈴ということなのだが、トレランナーとすれ違ったあとなので人がいて当然と思っているところにいないと、あまり良い気持ちではない。
ついで、奈良子峠を過ぎてから巻き道をひとつ過ぎたところで、ストックを持った先行者がいるのでこんばんはと声をかけたら、立ち木であった。
そんなあまり気持ちの良くない経験(しかし多少は覚悟の上)を乗り越えて、何とかお馬様の彫刻に着いたのが12時25分。結構がんばったが、これは復路の北高尾山稜縦走路をのんびり歩こうという目的であった。
陣馬山山頂で、星明かりに浮かび上がる富士山を期待していたが、かなり雲が出ていた富士山どころか丹沢のシルエットを見るのがやっとの状態であった。かなり風の強い晩で、6月といえどもたちまち冷え込んできたので早々に出発することにした。朝早いうちに下山できるであろう。
まずは堂所山を目指した。ここまでは2、3度歩いていた。途中二組目のトレランナーとすれ違った、今回は2名で1パーティーであった。一晩のうちにこれほどのハイカー(ランナー)と会うのは、徹夜縦走を開始した一昨年の暮れから初めてのことであった。いままで冬季中心だったのが、かなり暖かくなってきたことが関係していたのだろうか。
そして、オレンジの目玉にも遭遇。陣馬山山頂から下るところで例によってこちらの出方を伺うオレンジ色の一対の目玉と対峙した。もう写真が取れないことはよくわかったから、しばらく見つめあってからハイキングを続行した。
堂所山への分岐は往路でも通過したのだが、復路で初めてキイチゴとグミを発見し、おいしくいただいた。疲れているときにすっぱいベリー類は有難かった。堂所山に元気の元をご馳走になって、いよいよ北高尾山稜へ突入である。まずは関場峠を目指した。
こちらの山域はかつて小下沢林道から逆沢林道を経由したことがある。その際、堂所山から関場峠へ向かう最初の下り口を間違えて引き返したこと、逆沢林道の入り口を通り過ぎてしまって戻ったこと、逆沢林道の終点から正規の道(地図によると道は悪くないらしい)から外れてしまい、夜明け前の薮こぎの末に景信山へ通じる稜線の道に合流したことから、こっちのほうは道間違えしやすいという印象が刷り込まれていたが、今回は堂所山からの下りの踏みあとは明瞭で、下りの急な部分が若干あっただけで、簡単に関場峠まで歩くことができた。
関場峠からはいくつもの小ピークを踏みながら下山していった。最初は三本松山を通過した。地図によると、三本松山山頂と、山頂標識とは少し離れているらしい。標識の立て間違えなのか、地形図的に三本松山が双耳峰であることによるのか。おそらく後者ではないか?
今回のお楽しみのひとつは二つのドッケ、黒ドッケと高ドッケという聞きなれない地名(?)を通過することであったドッケというのは「とがった所」という意味らしい「突起」という言葉が僧や受領からもたらされ、時代とともになまったものか、それともドッケという言葉のほうが古くからあって、突起という言葉が当てはめられたのか。などと想像をほしいままにしつつ縦走を続けた。残念なことに薮山の夜間ハイクの場合自分が立っている場所の地形はわかるがそれほど見通しが利くわけでもなく、ドッケがとがっていたかどうかははっきりとはわからなかった。
ここで3組目のオレンジの目に遭遇した。斜面を下ってしまえば良いのに彼は自分の左前方100mほどの距離をいつまでもがさごそと歩いていった。
関場峠からの下山路は登山道が少し砂地気味で、斜面がきつくなるとところどころ滑っていやらしかった。尾根筋がかなりやせていたり、急斜面をジグザグに降りたり横切ったりするところでずるっと来るとドキッとする。本来ならばペースを上げたいところなのだが、安全第一だからそうも行かない。また地図を片手に持っているためにバランスを上手に取れないことも歩くことの障害になり、ペースが落ちた。大嵐山、黒ドッケあたりはあまりペースが上がらなくて少々焦り気味であったので、狐塚峠で林道と接触したときには、もうゴールは間近と安心した。しかしぬか喜びだった。地図的にはまだ復路行程の2/3程度だった。ゴールの高尾駅は地図の本当の右端だ。
有難いことに狐塚峠あたりからは薄明が始まり、ヘッドランプ頼りの縦走から解放された。しかしまだ太陽を見るほどではなく、コースの前方にある高ドッケがのしかかるように立っており、あれを越していかなければならないのか、できれば巻きたいななどと考えながら歩いた。実際に歩いてみると、下りで転倒に気をつけて歩くことに比べると、登りの肉体的な付加は心配したほど大きいものではなかった。
その高ドッケを通過したとき小峰は朝日に燃えていた。朝のハイキングのごほうびだ。足許の登山道や杉林がモルゲンで赤く美しかった。
倒木をくぐったり乗り越えたりしながら、さわやかなハイキングを楽しみつつ、チェックポイントの富士見台に到着した。陣馬山で雲が出ていたから、富士見台といっても実際に富士山は見えないだろうと大して気体はしていなかったのだが、木立の途切れた展望台からはっきりと富士山が望めたときには「すげえ」と声を出してしまった。茨城県北在住者には、富士山のありがたみが大きい。
このあたり眺望は必ずしも良くないのであるが、ところどころ高尾山の稜線が拝める。熊笹山から見る高尾山、高尾山から派生する尾根筋(北尾根だろうか?)が美しかった。
当初は富士見台から城山のピストンを計画していたのだが、もう5時近い。7時には下山したいから城山はあきらめ、このまま下山を続けよう。相変わらず急な下りに慎重になる箇所も少なくないが、圏央道のトンネルの上を通過し、お地蔵様に出会えたときには、ここまで何度と無く滑ったにもかかわらず一度も転ばなかったことを感謝した。
そして縦走の終盤、今回の縦走出始めて固定ロープの張られている斜面に遭遇した。もうひと用心で3点支持で下降し、ひと歩きして最終チェックポイントの中央高速高架下を通過すると登山道の終点となった。ここで今回4人目のトレランナーとすれ違った。
あとは市街地だ、トレランナーよろしく時々走ったりしながら地図の本当に端っこにある高尾駅へ急いだが、途中の神社仏閣で無事の下山を感謝することは忘れなかった。神社でも寺でも、全部山の神様に通じていると思い込むのは日本人らしいか。また中央線踏み切り付近で高尾山方面に手を合わせ、天狗様と狸様にも無事を感謝した。
そういえば小仏峠の狸は3匹。今回遭遇したオレンジの目玉も3組。もしかしたら自分が見ていたのは小仏峠の狸の化身だったのか。などと妄想を楽しみながら、朝の高尾駅に急いだ。
北高尾山稜は下りは結構気を使うので、次回機会があれば、高尾駅から道を逆にたどり陣馬山を目指してみたい。
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