両神山(天理岳〜八丁尾根の日帰りハードコース、やや冠雪)
- GPS
- 08:07
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 1,743m
- 下り
- 2,009m
コースタイム
<タクシー>西武秩父駅07:28〜08:16日向大谷口
(両神山荘の犬、ポチと戯れる)
08:22登山開始〜両神山荘駐車場右脇を下り、奈良尾沢峠方面へ
08:54奈良尾沢峠道合流点
10:12天理岳(1083.6m)10:18〜天武将尾根
12:29主稜線に乗る(前東岳)
12:53両神山・剣ヶ峰(1723m)〜昼食休憩
13:20休憩後、山頂出発
13:30前東岳
13:41東岳(1660m)
13:59龍頭神社奥宮
14:10西岳(1613m)
14:15行蔵峠
14:41鉄塔跡
14:44八丁峠
14:50八丁トンネル方面、坂本方面分岐
15:26大岩(祠、テーブルイス(坂本まで2.8km)の表示)
(この後、間違えて一旦車道に出てしまい、すぐ戻る)
16:12山ノ神(?)祠
16:20車道に出る(バス停まで0.8kmの表示)
(ショートカットルートへ、と農家の脇、墓を通り過ぎどんどん進むも、橋がないため対岸にあるバス停に行けず。しかし戻る時間もない)
16:29川を強引に渡るしかないと決断。約3m下の川床へ降りる(足場の土砂が崩壊し滑り落ち土だらけにw)渡渉し、対岸の道路に這い上がり、、、
16:30坂本バス停着
坂本バス停16:30〜17:03小鹿野町役場17:16〜17:56西武秩父駅
西武秩父駅18:25〜<特急ちちぶ>〜19:46池袋
天候 | 快晴〜午後から晴れ〜曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
●下山後・・・坂本バス停〜(小鹿野町役場)〜西武線「西武秩父駅」 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●初っ端の日向大谷口から登山道へ取り付く部分は、両神山荘駐車場の右側にある下るところを降りていき、間もなくして左手・山側に立っている赤い「鳥獣保護区」の看板のところを左斜めに上がっていく、が正解です。そこを間違って通過すると若干荒れた社が左手に見られますが、それが見えたら行き過ぎです。 ●奈良尾沢峠分岐から天理岳〜前東岳までの「破線ルート」ですが、愚直に尾根上を歩く、岩があっても楽をしようと横にまわらず尾根上を歩く、、、と心がけていると、それほど迷わないと思います。1箇所、岩が高すぎて「こりゃ無理だ」と思い右手の細い踏み跡を辿った際、かなり危険でした。多少ボルダリングを嗜んだ事があったので、その時の経験がいきたか。。。この尾根上は、1〜2箇所を除いて「道迷い」しそうなところは余りなかったです。ただしアップダウンのキツさは噂通りでした(苦笑)。 ●一番迷いやすいかもしれないのは天理岳から先へ進む部分か。南峰の祠が先にあって、左手に進むと北峰の祠があります。そのまま先に行くのではなく、来た道(南峰の方)に戻りながら注意していると、右下の方に赤テープが見えます。かなり急降下する格好となります。 この尾根ルート全般、必ずしも迷いやすい箇所全部に付いているわけではありませんが、赤いテープの目印は常にウォッチすべきです。 ●この日は新しい雪が薄く積もっていました。特に天理岳以降です。途中までは尾根の北側斜面だけに雪が積もっているような状況でしたが、徐々にルートが日陰になっていくと山道に雪がのこっているため、雪上を歩くことになります。天理岳から主稜線までは、ただでさえ歩きにくいところに雪が加わり、相当スピードを落とさざるを得ませんでした。 ●歩きづらいエリアの歩き方、特に登りは、他のサイトで読んだ覚えがありますが、立ち木、根っこ、岩を掴みながら登っていく、という感じになります。必ず片手はどこかを掴んでいる状態にして、両足だけが地面についている状態を作らないように心がけました。持参していなかったこともあり結局軽アイゼンは履かなかったのですが、あの雪の状態では効果は期待できなかったと思います。 ●八丁峠から坂本までの沢沿いルートは、日が当たりにくい箇所なので最後の方を除き殆どの時間雪の上を歩きました。雪がなくなった箇所でも、ここは元来山の上の方から水が染み出てくるのか?それとも雨が降った後だったからか、枯葉や石が濡れていて常時滑らないよう注意が必要でした。あと渡渉の回数も多いですね。 |
写真
感想
今回の山行を決めたのは、ヤマケイの「埼玉県の山」を購入して読んでいて、面白そうだと思ったからです。ただ本書には日向大谷口〜天理岳の周回ルートしか書いていなくて、天理岳から主稜線までのルートには触れていませんでした。
そこでネットで情報収集を、とヤマレコで「天理岳」と検索すると2件しかヒットせず。ネット全般で検索したところ、2008年12月のこちらの記録
http://outdoor.geocities.jp/himalaicus2/yamaseireki/2008/tenridake/tenridake.html
が大変参考になりました。
全体のルートをプランニングする際、せっかくだから一番ハードにwと思い、両神山・剣ヶ峰から北上して帰りは鎖場で有名な八丁尾根ルート〜坂本 を第一候補に、途中迷ったり時間をロスしてしまった場合は、おとなしく表参道ルートで日向大谷口に戻る、と2パターンを用意していました。ネット上で情報収集してみて、日帰りで天理岳と八丁尾根ルートの両方をつかった記録は殆どありませんでした。果たして・・・
これまで日曜日の山行が多かったのですが、今回は翌日の疲れなどを考慮し土曜日に設定。ところが、、、
金曜夜の仕事が押しに押して、年に2、3回しかないエンドレス・モードに(涙)。午前3時20分、やっと仕事が終わってタクシーで千葉県の自宅へ。何せ、最寄り駅を4時半過ぎに出発する始発電車に乗らないと、計画が総崩れですから。でもこの時点では半分諦めていました。
ところが道がすいていたこともあってか、特に急かしたわけではありませんが、タクシーの運ちゃんが調子よく飛ばしてくれて、何と30分弱くらいで自宅に到着。当然、風呂になんか入るつもりもなく、帰るなり急いで身支度をして、ギリギリの時間に自宅を出て、何とか始発電車に飛び乗りました。結局一睡もせずに。。。
さて、第一候補ルートを実現させるためには、1分でも早く登山口に着きたい、しかし公共の交通機関=電車+バスだと日向大谷口スタートが午前10時頃になってしまい、坂本の最終バス=16:30に間に合う自信はそれほどない。ということで、私の基本ポリシーから逸れてしまいますが、西武秩父駅からタクシーを使う計画にしました。これだと8時半ころスタートできます。8,450円かかりましたが、1時間半の差はデカいです。
タクシーで登山口に着くと、民宿・両神山荘のワンちゃん(ポチ)が出迎えてくれました。いや、ただ歩いていただけですが。あまりにかわいいので、写真とったり頭をなでたりしていたら時間が過ぎてしまうので、もっと戯れたかったのですが歩を進めました。
登山口から奈良尾沢峠方面へのルートにとりつく方法は、前述のサイトで写真付で解説されていたので参考になりました。ここにこそ赤い目印とか表示票が欲しい、という最初の登り分岐には何もありません。コース状況の欄にも書きましたが、赤い「鳥獣保護区」の看板が目印になります。
その後はひたすら尾根歩き。時々赤テープもあり、それほど迷いやすいとは思いませんでした。先月「和名倉山」を2回連続で経験した甲斐があり(笑)だいぶ不明瞭ルートに慣れたかもしれません。木々の間からになりますが、見晴らしも良好。天候も昼ごろまで快晴でしたし、最高の山行日和でした。
標高を上げていくにしたがって、右手(北側)の斜面の雪が濃くなってきました。ただ前半は歩く箇所に雪はかぶっていません。尾根が東西方向に伸びているので、南側はよく日が当たるからでしょう。
天理岳の直下部分が若干わかりにくいかもしれませんが、鎖が目印です。鎖で垂直に登れば天理岳・南峰です。天理岳から先へ進む際の注意点はコース状況に書いた通りで、かなり「下りる」感じになります。赤テープがあれば正解です。
天理岳から主稜線までの区間、ここはハードです。コース状況にも書きましたが、まず第一にアップダウンの繰り返しが激しい、そして追い討ちをかけるのが歩きにくさ。雪がなかったとしても、乾いた枯葉等で結構滑りやすそうでした。雪があったので、まったく時間が稼げず、じっくり歩を進めます。アップダウンが激しく足場も滑りやすい、、、直線距離では大したことないのですが、この区間で心をかなり削られましたが、折れはしませんでしたw 目の前に主稜線、前東岳が見えてくると「あと少しだ」と元気が出てきます。
主稜線に出ると、日が当たらないからそれまでより明らかに雪量が増えました。ただ新しい雪なので軽アイゼンは不要かな。頂上では日向大谷から表参道ルートで登頂した何人かと話したのですが、みなアイゼンは使わなかったそうです。下りは履こうかな、と言っていた人もいますが。それ以前に、私がこの日軽アイゼンを携帯していなかった点はマズかったですね。結果論から、どうしても必要な状況ではなかったから良かったものの。事前の情報収集で、このくらいの雪があることを把握できておらず、先週の毛無山、2週前の和名倉山での「思ったより雪がなかった」印象が強かったため判断をミスりました(反省)。時期=12月中旬 を考えたら携帯すべきでしょう。
頂上で話した地元(川越在住)の方の話だと、5日くらい前に平野部で雨が降った際、山の方を見たら白くなっていたから、その時降ったんじゃない?とのことですが、私の感覚では、その後、、、前日、二日前くらいに再度降ったような雪の新しさでした。
主稜線に出てから両神山の剣ヶ峰は25分ほどであっさりと。風の音がごうごうと聞こえるものの、頂上は風の通り道ではないからか、まったく影響はありませんでした(結局、このゴウゴウ鳴る風を浴びることは下山するまでありませんでしたが)。
山頂からは、雪化粧して日光に反射した富士山も見えました。ここで昼食をとりながら時計を見て「よし、八丁尾根いける」と思い、あまり長居せず食べ終わるとそくそくとスタートしました。
東岳まではあっという間でしたが、西岳までは鎖場の連続で若干ハードでした。が、天理岳から主稜線までの、あの歩きにくさと比べれば、鎖がある方がよっぽど楽でして、ペースは上がりました。
エアリア地図の標準タイムを当てはめると、坂本バス停が17:10着なので40分稼げばよい計算でしたが、八丁峠あたりでその分を稼ぐくらい順調でした。
八丁峠から下りにさしかかるところで、北の斜面だからか今までで一番雪が深かったように思います。幸い比較的新しい踏み跡があって、それをトレースしていくだけで、歩きにくくはなかったです。事前の情報通り、所々道が「弱く」て崩落しかかっていたりするので、注意しながら下りました。八丁峠と坂本の中間地点くらいの大岩の直後、方向表示が紛らわしくて(私にはどうも車道へ行け、に見えてしまったのですが)間違えて車道に出てしまいましたが、車道に出るのはもっと坂本に近付いてからだろっとすぐ気付いて引き返しました。
今回、買ったばかりのGPSロガー(Holux M-241)を初めて使ったのですが、その部分が見事に記録されていて恥ずかしいw
大岩から先も、、、長い!行けども行けども道は続きます。しかも、もう雪はないのですが、何箇所かで道がやせ細っている、あと渡渉の回数も多くて意外と時間がかかってしまいました。
最後の最後、車道に出て坂本バス停へ向かう0.8kmばかりの道は、車道を道なりにいけば簡単に付きますが、エアリア地図にはショートカット(近道)が記されており、何となく車道を行かず近道をトライ。時間的にも大丈夫だろう、と。事前の情報収集で「迷ってしまって結局戻ったりで時間をロス。素直に道なりに行っておけばよかった」という記録がありましたが、正しいルートの説明にあった農家の脇を通って、墓地も通過したので「楽勝だろう」と思ったら、、、川を挟んで対岸にある道路、そこにバス停があるのですが、川に橋が見当たらず、バスはもう来ているのに行けず。時計の針はもう16:27ころを差していたので、戻ったらまず間に合わない、何とかせねば、、、と思い、「おーい、バス待ってくださーい、今行きますからー」と声をかけ、意を決して強引に川を渡ることを決断。約3m下の川床へ降りるも、足場の土砂が崩壊し滑り落ち土だらけに(汗)。リュックがクッションになったので無事着地し、水量は多くない川を渡渉し、急いで対岸の道路に這い上がり、、、
16:30ちょうどに坂本バス停にたどり着きました。GPSのログに、橋がないところで川を渡った部分がちゃんと記録されていて、我ながら笑ってしまいました(汗)。
バスは坂本が始発で小鹿野町役場でいったん下車し、西武秩父駅行きを待ってそれに乗り換えます。坂本から小鹿野町役場まで、乗客は私1人でした。坂本の登山口もあまり利用されなくなったと聞きますが、バスも利用者が少ないと廃線になってしまうんじゃないかと少し心配になったりも。
朝8時半から16時半までちょうど8時間、初冬の奥秩父を堪能しました。
恐らく今年最後の山行かな。
普段、山行の後は下半身だけが集中的に疲労を抱えるのですが、今回は全身痛。それもそのはず、立ち木や根っこ、岩を掴みながらの急登やら、鎖場の連続で上半身も相当使いましたからね〜。
こっちにコメント書くのは初めてですw
相変わらずアドベンチャーしてますな。
鎖場の写真コメで「雪山用手袋を持参せず、滑り止め付軍手だったのは失敗だった」ってあるけど、やっぱ寒すぎってこと?今度、行者ヶ岳いくんだけど、素人考えで鎖は素手の方が感触つかみやすい気がするけど冬はダメかな?教えてsaiko先生 !
こちらではお初です♪
行者ヶ岳って、忘れていましたが10月に私、行っていますね。
記憶では、丹沢尾根縦走を通じて、鎖場は2〜3回くらいで、腕力で支えないとマズい、ってことはなかったので好天なら素手がよいと思います。
私はこの日、無謀にも雪で濡れた鎖に軍手で臨んで、軍手が濡れて冷たくなって、、、途中から軍手を脱ぎ捨てましたw
雪山とか低山でも真冬とかでかなり低温で、手がかじかんで素手だと厳しい場合は、雪山用の手袋装備(インナーにウール系の薄手、その上から完全防水のオーバー手袋、滑り止め素材あり)でよいと思いますよ。
私の場合、11月頭に行った雪の北岳はそのようにして、雪も鎖も平気でした。
bjj_saikoさんこんばんは
はじめまして
昨日、天武将尾根に行ってきました。
大変参考になりました、ありがとうございました。
やはり、天理岳の下りで迷いました。
おそらく沢筋の山ノ神方面への道があるのでしょうね。
しかも、赤テープばっちりでした……。
リカバリーしましたが、ルートファインディングは大切ですね。
そして、bjj_saikoさんの健脚と体力に拍手です。
心が折れた前東岳への登りの後で、八丁峠方面のアップダウンは私には無理でした。
参考になりました。ありがとうございました。
>>seizanryoさん
コメントありがとうございます。
私もこのコースを選んだ際に参考になる情報が少なかったので、お役に立てて幸いです。
&完登お疲れ様でした。
この季節、雪の具合はどうでしたか?私の時よりカチカチでしたかね。
記録を拝見しましたが、ポチと一緒に行かれたんですね。超うらやましい!私もいつかは・・・
ここをヤレば、秩父槍ヶ岳の左回りは問題なくイケると思いますよ。
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