新春の南アルプス《甲斐駒ケ岳〜仙丈ケ岳》
- GPS
- 320:00
- 距離
- 37.0km
- 登り
- 3,280m
- 下り
- 3,280m
コースタイム
時間はデジカメから記入。
◆到着時間◆ ◆場所◆ ◆出発時間◆◆所要時間◆◆コースタイム◆
12月31日金曜日
戸台河原駐車場 11:17ーーー0:54ーーー1:10
12:11 第二堰堤 12:26ーーー0:35ーーー1:20
13:23 角兵衛沢案内板 13:36ーーー0:10ーーー0:10
13:46 熊ノ穴沢案内板 13:46ーーー0:24ーーー0:20
14:10 赤河原分岐 14:33ーーー2:02ーーー2:15
16:35 大平山荘 16:41ーーー0:17ーーー0:15
16:58 北沢峠長衛荘 06:45ーーー1:54ーーー1:20
1月1日土曜日
08:39 仙水峠 08:40ーーー1:58ーーー1:30
10:38 駒津峰 10:45ーーー1:35ーーー1:10
12:20 甲斐駒ヶ岳 12:33ーーー2:49ーーー2:55
15:22 北沢駒仙小屋 15:23ーーー0:15ーーー0:10
15:38 北沢峠長衛荘 06:50ーーー2:03ーーー2:00
1月2日日曜日
08:53 滝ノ頭五合目 08:53ーーー1:26ーーー1:00
10:19 小仙丈ヶ岳 10:33ーーー1:22ーーー1:00
11:55 仙丈ケ岳 12:17ーーー2:06ーーー2:40
14:49 北沢峠長衛荘 07:25ーーー0:11ーーー0:10
07:36 大平山荘 07:37ーーー1:00ーーー1:20
08:47 赤河原分岐 08:47ーーー1:38ーーー1:30
10:25 第二堰堤 10:40ーーー0:44ーーー1:10
11:24 戸台河原駐車場
天候 | 12月31日 晴れ時々曇り 1月1日 曇りのち雪 1月2日 快晴 1月3日 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
100台以上停めるスペースがあります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山届は戸台の河原の駐車場と、北沢峠長衛荘にあります。 ◆駐車場〜第二堰堤 戸台川に沿ってダム工事用の車道を歩きます。 危険なところはありません。 ◆第二堰堤〜赤河原分岐 途中までダム工事用の車道を歩き、先は河原を歩きます。 赤河原分岐まで全部で10か所くらい丸太やハシゴを使って渡渉するところがあります。 川に落ちないように。 2時間以上の河原歩きは相当疲れます。 ◆赤河原分岐〜北沢峠長衛荘 今までのなだらかな河原歩きとは違い、いきなり九十九折の急登になります。 途中、なだらかな登りになり、太平荘から北沢峠まで急登。 ここからアイゼンを履きました。 ◆北沢峠長衛荘〜仙水峠 初めからアイゼンを履いて歩きだします。 北沢駒仙小屋〜仙水小屋までは、沢伝いに砂防ダムを幾つか超える登山道。 仙水峠手前の数百メートルは岩が露呈しています。歩きにくく非常に危険です。 この付近は遮る物もないので風も強いです。 ◆仙水峠〜駒津峰 仙水峠から駒津峰までは急登です。歩き始めたら樹林帯に入り風も収まる。 この辺りでも積雪は1m以上あると思います。 新雪で雪質が締まってる雪ではないので、ズルズル滑って歩きにくいです。 下りも同様です。 ◆駒津峰〜甲斐駒ケ岳 ここから山容は一遍します。駒津峰から見た甲斐駒ケ岳の斜面には大小たくさんの 岩が張り付いて見えます。 あそこを登るのかと思うと、腰が引けてしまう感じでした。 駒津峰から一旦下り、そこから登り返します。 大きな岩を乗り越える場面が多々あり、登り甲斐のある山です。 山頂は風がかなり強く、早々に下山開始です。 ◆北沢峠長衛荘〜滝ノ頭五合目 はじめからアイゼンを履いて出発します。 九十九折の急登です。 樹林帯は風もなく穏やかです。 ◆滝の頭五合目〜小仙丈ケ岳 森林限界を過ぎると風が強くなるが、小仙丈ケ岳付近から風は弱まる。 山頂直下の急登は雪が崩れて歩きにくい。 ◆小仙丈ケ岳〜仙丈ケ岳 眺めのいい稜線を登る。 一部痩せ尾根なので滑落に注意。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
明けましておめでとうございます。
年末年始は慌ただしくしており、落ち着いた正月を迎えることはできませんでしたが、
皆様は如何でしたでしょうか?
今年もよろしくお願い致します。
さて、年末の31日から1月の3日まで、甲斐駒仙丈に行ってまいりました。
冬の南アルプスのこの山域はアクセスが悪く、行くのに一日を要し、時間の取れる
正月位しか行けるチャンスがないので行きました。
戸台の一番奥の河原に駐車場があり、そこに車を停めて、いざ出発です。
しかし、ここは河川敷なので災害や事故、盗難にはそれなりの覚悟が必要です。
その代わり、駐車場代は無料です。
歩き始めはダム工事用の道路を歩きます。
暫くすると谷間の向こう側に雪を被った山が現れます。右から双子山、駒津峰と
甲斐駒ケ岳です。
第二堰堤を過ぎると、石がゴロゴロしている河原を歩きます。
小さな渡渉もいくつもあります。
そこにはアルミ製の梯子が掛けてあったり、丸太だったり、ピョーンと飛び越えたり
全部で10か所はあったでしょうか。
2時間以上も河原を歩くと、ホント飽きてきます。
もっと、アクセスが近ければいいのでしょうが、しょうがないですね。
赤河原分岐を過ぎると、いきなり急登になります。八丁坂です。
そこでアイゼンに履き替えてひたすら登ります。1時間も歩くと緩やかな上りに変わり、
ラスト20分でまた急登です。
宿泊は長衛荘です。伊那市が経営している小屋で、収容人数は110人でわりかし
きれいです。
小屋番の若いご夫婦は一生懸命働かれていて、とても気持ちが良かったし、
ご主人は話好きで好感度が良いです。
料理も、手作りのお正月っぽいものを用意してくれていたり、お酒のサプライズも
ありポイントが相当高いと感じました。
元旦の初登りは甲斐駒ケ岳です。
当初、仙丈ケ岳の予定でしたが、例年小仙丈ケ岳が風の影響をもろに受けるので、
天候の回復を待って、本日は甲斐駒に変更になりました。
事実、仙丈ケ岳にその日に登られた方は、小仙丈ケ岳手前で敗退してきましたから、
この判断は正しかったと思います。
甲斐駒の手前の駒津峰の森林限界を過ぎた辺りで、強い横からの吹雪に合い、
駒津峰で引き返すかと思ったけれど、奇跡的にも風は弱まり、雪も落ち着いたので
甲斐駒へアタック開始です。
しかし、駒津峰から見る甲斐駒は岩で荒々しくなっていて、「どこをどう登るんだろう?」
と、いった感じでしたが、駒津峰から一旦下り、そこから登り返しますが、登山道は
ちゃんと判るし、岩を乗り越えたりして意外に面白い山でした。
穂高のザイテングラートに似ていると思いました。
風が弱まったとはいえ、山頂近くではさすがに寒いです。周りの景色はガスって
いて良く見えませんし、早々に下山開始です。
下りは滑りやすいので、更に慎重に下ります。
駒津峰と甲斐駒のコルに六万石という巨大な岩があるのですが、そこから見た駒津峰の
登り返しはぞっとしました。
駒津峰から、仙水峠までは急な下りです。
新雪の雪が崩れていますので、滑りながら下りるといった感じで少し怖かったです。
1月2日は仙丈ケ岳への登頂です。
昨日の策が功を奏して、本日はピーカンです。
とは言え、小仙丈ケ岳の森林限界を過ぎたら相当の風が吹いています。
しかし、天気がいいので全く問題ないです。
小仙丈ケ岳直下は、ゆきが締まっていないので雪面が崩れて、ステップがズルズルと
下がってしまいます。
八ヶ岳だと雪を踏むと「キュッキュッ」という音なのですが、南アルプスのこの辺り
だと「ギュッギュッ」という音です。
踏んでも固まらない雪で、サラサラしています。
不思議です。小仙丈ケ岳の頂上に立つと、風が殆どありません。
それに、昨日とはうって変って景色も最高でした。
昨日登った甲斐駒が振り返るとでーんと鎮座しています。
実に格好いい山容で、岩がゴツゴツしていて、日本の山ではない感じです。
見た目は甲斐駒が男性で、仙丈ケ岳は女性といったところでしょうか。
甲斐駒の左右に鋸山とアサヨ峰。その右には鳳凰三山。
地蔵岳のオベリスクまで見えていました。
遠くには富士山。そのすぐ右手前には北岳、間ノ岳、農鳥岳。中央アルプス、乗鞍岳
くらいまで見えました。北アルプスと八ヶ岳は見えませんでしたので、きっと天候が
悪かったのでしょう。
小仙丈ケ岳からは稜線上を歩きます。トレースはしっかりついているので、迷うことは
絶対ありませんが、一部細尾根があるので滑落だけは絶対に避けたいです。
さすがに仙丈ケ岳は風がかなり強かったです。しかし、天候は最高です!気分も最高!
この時期、これだけの天候は10年来無かったそうですから、いかにラッキーだったか
と言えます。
夏季なら、北沢峠までバスが通ってますので、甲斐駒も仙丈ももっと身近になるの
でしょう。
また、この時期のウエアのレイアリングですが、やっと固まってきたので紹介します。
0℃〜-5℃
キャプリーン3+R1か、キャプ4+R1
―5℃〜―10℃
キャプ3+R1+R2若しくは、キャプ3+R1+アウター
―10℃〜―15℃
キャプ3+R1+R2+アウター
―20℃〜
キャプ+R1+R2+アウター
―10℃〜―15℃と―20℃〜とでは一緒のようですが、暑い時はアウターのチャック
類を開けて温度調整していますし、寒い時は閉めれば、私の場合大丈夫でした。
また―15℃でもアウターを脱ぐこともありました。
事実、駒津峰では気温は―20℃で風は相当強く、更に標高が高く、風が強く更に
体感温度も低かったであろう甲斐駒でも全く問題ありませんでした。
本来、汗っかきのようで、今まで過剰な冬装備でかえって汗で濡れて、それが
冷えるという悪条件だったようです。
今まで温度計は持っていなかったのですが、これからは持って、体温コントロール
を心掛けたいと思っています。
onsenさん
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくです!
―20℃〜もキャプ3ですよね。
とすると、行動時はキャプ3+R1+R2でアウターを羽織るかどうかは状況判断てな感じですかね。
ちなみに風さえそんなになければキャプ3+R3ハイロフトでも大丈夫なような気がしますがどうでしょう?
kanemaru
kanemaruさん
明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。
山行記録やっと書き終わりました。ふぅ〜
時間かかり過ぎでした〜
山に入って一週間近く経ってるから、記録も埋もれます〜(笑)
キャプ3+R3ハイロフトでも悪くないと思いますが、体温調節が難しく
ないですかね?
因みに私のR3はしばらくは使わないつもりです。
でも、レイヤーが上手くいったんで、すごく嬉しいです。
onsen♨
onsenさん
こんにちは
仙丈、甲斐駒とお疲れ様でした。
いや〜スゴイですね・・・
記録がとても詳細で分かり易いです!
10月に仙塩尾根を歩いていたのでリアルにこの辺の情景が目に浮かぶようで興奮しながら拝見させてもらいました。
それにしても夏でもアプローチが遠い・・・と感じてしまう所ですが冬はとんでもないですね
確かにお正月休みに一大決心で南アルプス!ていうのは最適かも知れませんね
青空に真っ白な仙丈カール・・・この景色私も実際見てみたい、そう強く思いました!
onsenさんの素晴らしい山行記録、また楽しみにしてます
Utundu
Utunduさん
おぉぉ〜・・仙塩尾根歩かれたのですか?
やはり、テン泊だったのでしょうねー
凄いですね〜
仙丈から見た尾根は、S字状にカーブしてて、きれいに
雪が被っていて、女性が横たわっているイメージでした。
仙丈の夏のカールも素敵なんでしょうね。
また、北岳も間ノ岳も南アルプス全てを含めて、行ったことが
ないので、今度は機会をみて行ってみたい山域だと思いました。
山行記録を褒めて頂いて本当に有難うございます。
Utunduさんの山行記録も覗きにいきますね。
ヨロシクお願いします。
onsen♨
onsenさん
今年も宜しくお願い致します。
雪山大好きな方から羨ましがられるような、お正月を過ごされましたね。
天気予報で山は30日から2日まで大荒れと流れていましたので山に行かれる方の心配をしていました。
元旦の初登りをは仙丈ケ岳から甲斐駒に変更されて正解でしたね。
頑張って登って山頂まで登れなかったらガッカリですもの。
それにしても2時間の河原歩きは飽きちゃうと云うより
凄いですよ。
写真を拝見していて雪山の美しさと厳しさをつくずく感じました。
無事下山されて良かった〜!
年頭から縁起の良い山行でしたね。
sumikoさんmanabuさん
明けましておめでとうございます。
確かに年末年始「大雪が降る」「大寒波襲来」と狼少年的に
マスコミ各社報道してましたね。
そうとは知りつつ雪山に突っ込んで行ったのは事実ですし、
冬山に対して逆に少し余裕ができたのか、ダメならダメで、
「その場で引き返せば良いや感覚」で登りましたので、
そういうところが成長した所ではないでしょうか。
アプローチは短いに越したことはないですが、その山域
に入るまでの間、色々なことを考えながら思いを馳せるのも
それはそれで良いなと思った南アルプスでした。
ところで、sumikoさんと、manabuさんにとって、良い年を
迎えることができたでしょうか?
私なりには、大好きな山にどっぷりと浸った一年の始まり
だったので、これ以上の幸せはありませんでした。
今年も安全で楽しい登山を目指して、自然と対峙
できれば、これ以上のことはないと思っています。
そして、お二人にどこかの山で偶然にも出会えたら、
それはそれで素敵なことだと、このヤマレコに感謝したいと
思います。
また、ご両人ととっても、更に輝いた一年でありますよう、
心よりお祈り申し上げます。
今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
onsen♨
明けましておめでとうございます。
大晦日から新年早々本格的な冬山登山ですか、凄いですね〜。
私はアイゼンを持っていますが、いまだにまだ履いて歩いたことがありません、勿論、私が行く山は高くてもせいぜい雲取山くらいなので雪が積もっていても履くのが面倒なこともありますが使わなくても済んでしまうからです。
アイゼンを履いたらどんな感じなんでしょうか。
メリット、デメリットなどありましたら教えてください。3千メートル級の雪山なんかでは必須でしょうね。
今年も宜しくお願いいたします。
lizhijpさん
明けましておめでとうございます。
私が人にあれや、これやと教える程の技術は持ち合わせてはいないのですが、
素人なりの意見を言わせて頂きますので、サラリと聞き流して下さい。
私のアイゼンは12本爪のグリベルのワンタッチを使用しています。
メリットは
アイゼンを付けて歩くと登りでも下りでも、トラバースでもしっかり
グリップしてくれるので、安心して歩くことができます。
新雪などの滑りやすい雪では、キックスステップで登るとたいがいの雪は
削れて、或いは固ってグリップがしやすくなって更に登りやすくなります。
高所の稜線上などの風の強い登山道では、雪が固まって氷状になって
いる所や、雪が解けてそれが凍った所などは特に威力を発揮します。
基本的に、接地面が多ければ多いほどグリップ力が増しますので、
アイゼンの歯が全部雪面を捉えるように歩くことが、安定した歩き方
だと言えます。
また、同じ理由でアイゼンの歯は10本以上、できれば12本が良いと思います。
歩き方はその雪面によって何種類かあるのですが、ここではそれを言葉に表現
するのが難しいので止めておきます。
デメリットは、
まず、アイゼンの爪が5センチほど靴の裏側に付いているので、その分
身長も5センチ高くなるとお考えください。
特に下りは普通に歩いてしまうと雪や氷、叉は石や木などに引っかけて
転ぶ恐れが非常に高くなりますので、意識して膝を高くして歩きます。
(足踏みか、行進をする状態だと思って下さればいいかと思います)
同じ理由で、ズボンの裾やスパッツを引っかけてしまう確率も高く
なりますので、左右の足の間隔をこぶし1個分は空けて歩くようにして
転倒防止を心がけます。
もし、危険箇所で転ぶとなると、致命的な事故に結び兼ねないので、
更に小股で慎重に歩くことなどが要求されます。
また、アイゼンの脱着時間に手間取ると、体が冷えたり、山行時間も減り
ますので、特に装着する時間を短縮できるようにしておいた方がいいと
思います。
その際、素手で鉄などを直接触ると皮が剥がれてしまうなどしますので、
手袋をつけて作業できるよう、普段から訓練する必要があります。
それと、一番大事なのはアイゼンはピッケルと一対で使わないと意味がないと
思います。
アイゼンは滑り止め。主にピッケルは滑落停止の道具として使います。
何だか、とりとめのない話になっていまいましたが、言いたい事が少しでも
伝わったでしょうか?
lizhijpさんにとって、素晴らしい1年でありますよう、心より
お祈り申し上げます。
今年も宜しくお願い致します。
onsen♨
判りやすい説明でなんとなくイメージができました。
固くなった雪や凍りついた所では威力を発揮しそうというかアイゼンを履かないと滑落しそうで危ないですね、手袋したままで装着は練習が必要そうです、それと滑落防止のピッケルが対なんですね、なんとなくなるほどと納得しました。
低山の雪道はよほど凍った道で無い限りキックステップで登り降りできるし、ストックがあればなんとかなるので、周りの人達がアイゼンを履いてる時でもあまりアイゼンの必要性を感じていませんでした(雪国育ちなので子供の頃長靴でよく裏山に登って遊んでいたからかも)が、本格的な厳しい冬山登山では必須アイテムということですね。
もし、もしそういう所に登るようなことになった場合の心得としてこのことを肝に銘じておきます。
ありがとうございました。
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