白馬岳(猿倉→大雪渓→栂池)-4歳半2人を連れて
- GPS
- --:--
- 距離
- 15.4km
- 登り
- 1,909m
- 下り
- 1,271m
コースタイム
- 山行
- 2:13
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:13
- 山行
- 8:05
- 休憩
- 3:25
- 合計
- 11:30
- 山行
- 6:26
- 休憩
- 3:39
- 合計
- 10:05
- 山行
- 7:40
- 休憩
- 3:00
- 合計
- 10:40
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 11:45
- 合計
- 11:45
過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
http://www.happo-one.jp/access/parking 八方バスターミナル→猿倉 バス時刻表 https://www.alpico.co.jp/access/hakuba/sarukura/ 栂池パノラマウェイ(ゴンドラリフト)、下り=自然園駅から栂池高原方面 http://www.nsd-hakuba.jp/green/tsugaike/panoramaway.html 栂池→八方バスターミナル バス時刻表 https://www.alpico.co.jp/access/hakuba/tsugaike/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
白馬大池から栂池自然園までは大岩が多く、標高線ではなだらかな場所でも子連れではけっこう時間がかかりました。 |
その他周辺情報 | 登山届けを事前にネットで長野県警に提出したため、猿倉荘で登山ポストを確認してません(見たかもしれないが覚えてません)。 バスターミナルのビジターセンターで宿を紹介してもらった。 すでに夕方5時を過ぎていたため、また朝寝坊をすることを加味して、素泊まりで安い宿(岳栄館)にした。60年以上の歴史がある宿だが部屋はリフォームしてあり清潔な部屋だった。wifiも使用可能。 岳栄館 gakueikan.com/ |
写真
感想
(だらだら長い日記です)
【出発前】
夏期休暇の時期を自分で決めることが出来、今年は7月下旬から8月上旬にした。かねてから行きたかった白馬岳の大雪渓に行くことにした。山レコでは探せなかったが、インターネットで2歳Xか月の子を連れて大雪渓を登った記録を見つけたので4才半の我が家子供たちも大丈夫だろうと判断した。
まずはアイゼンの準備。私は持っていた6本刃の軽アイゼンを20年ぶりに倉庫から引っ張り出した。妻は持っていなかったのでシリコンゴム+チェーンスパイク(小さい刃の11本刃)のタイプのを購入。マイナーorノーブランド製で安いしとても履きやすい(使用感もよかった)。靴サイズ18cmと19cmの子供たちには適切サイズの既製品がなかったため手作りした。
http://www.yamareco.com/modules/diary/15518-detail-124384
【7月28日】
14時半の猿倉行きのバスに乗りたいが白馬八方ビジターセンターの第二駐車場に到着したのは14時20分。ザックにどかどかと荷物をほうりこみ、向かいのビジターセンター前のバス停から14時30分に発車する猿倉行きのバスを逃すと16時までバスが来ない。そのためパッキングもそこそこにビジターセンターに行き、自販機でバスチケットを買い、落ち着く間もなく現れたバ スに乗り込んだ。バス内で落ち着いてパッキングし直したら、車に置いてくべき余計な物がいくつも入っていた・・・。
猿倉荘の左の登山口から登山開始。予定通り(?)、標準コースタイムの倍の時間の2時間で白馬尻山荘に到着。
テント宿泊代は大人1000円、幼児無料。一昔前はどこも500円だった気もするが世間の物価は2倍になってないのに高くなったもんだ。もっとも、白馬には初めて来たので実は20年前から1000円なのかも知れないが。
白馬尻では、なんと雲取山の下山中にお会いしてお話した5歳のN・Hちゃんを含む三世代ご家族に再会。今回平日の登山にもかかわらず前回の山行でお会いしたご家族と再会するなんてかなり低い確率だろう。
子供を連れてトイレに行ったら登山部女子高生達に会い「可愛いー!!」とキャーキャー言われた。もちろん私自身のことではないが我が子が可愛がられても嬉しいものだ♪(親馬鹿)
19時半頃に雨が降りだした。テントの外にグランドシートは使っていなかったのと地面が若干くぼ地になっておりテント内床が浸水してきた。だが、敷いていたとしても水が流れてきただろう。なぜテント(ライトエスパースbyヘリテイジ)の底部が防水素材になっていないのだろうか。ゴアのような透湿性などなくてよいので薄い防水コーティングが施されていればどんなに嬉しいことか。どなたか、後から防水性能を施せる(撥水スプレーではなく)防水スプレーをご存じでしたら教えてください。
テント内の一部は浸水で濡れていたがタオルで水を拭いては外へ捨てるのを繰り返しているうちに雨が弱くなり、テント内の寝る場所を工夫することによりなんとか寝ることができた。翌日の長丁場を心配して2時起きをしたかったが妻の反対にあい3時起床となった。
別のテントからは夜中に女子高生の声がし、「センセー大変です!テントに水が入ってきて寝袋がビチョビチョです!どーしたらいーですかー?!」と、悲痛な内容だがどことなく危機を楽しんでさえいるような明るい声が響いていた。
【7月29日】
いよいよ今日は初めての大雪渓だ。晴れてはいないが幸い雨も上がった。白馬尻小屋からすぐに大雪渓が始まるかと思い込んでいたが、普通の登山道をやや歩くことになった。
いよいよ大雪渓。私以外の3人は初めてのアイゼンを装着し、私も20年ぶりに履き、雪へ踏み出した。想像していたよりも土で雪渓全体が汚れており、また、想像していたよりもデコボコと波打っており歩きやすかった。ビレイ用のシュリンゲなどを持ってきたのだが使う必要はなく、子供のすぐ後ろをピッタリくっついて歩けば十分だった。
ガスってる大雪渓は夏でも寒かったので、子供達にはダウンジャケットを着させた。
の途中の岩島(?)では、昨夜お会いしたN・Hちゃんご家族と再会。
雪渓後しばらく歩いてもどこが葱平(ねぶかっぴら)だか分からず、ちょうど通りかかったグリーンパトロールの方に聞いてみると、その辺り一体を指すとのことだった。
12時になりお昼の休憩を取ったらすぐに子供が寝てしまった。そこへグリーンパトロールがやってきて、そのあたりは落石があるので気をつけて。少し上にある平らな場所の方が安全、と教わったが子供が昼寝を始めたばかりでもう遅かった。それを知っていればあとちょっと頑張ってからお昼にしたのだが残念。
けっこうしっかりお昼寝をしたので、起こしたときはやはり不機嫌だったが泣くほどではなかった。
少し歩くと避難小屋に到着。中を見るととてもこじんまりとしており、そこで宿泊する気にはならなかった。ある意味悩まなくて済んだ。そのあとも杭をコンコン補強したりみんなを見守ったりするグリーンパトロールの方々と共に遅いペースながら順調に登る。見守りありがとうございました。
そして無事に白馬頂上宿舎に到着。なぜ白馬山荘よりも頂上から遠いのに頂上宿舎という名称なのかはナゾ。
夕食は時間があるのでちゃんとごはんを炊いた。少し堅めだったが芯はなくこげつきもせず成功。おかずはミートボールやソーセージ。
この日もまた、7時を過ぎて暗くなったころに雨が降り出したが、短時間でやんでくれた。この晩はアトピーか不潔かで顔や体が痒く、なかなか眠れなかったり、夜中に起きたりしてつらい夜だった。
【7月30日】
(私は)3時半起床。この日は白馬大池までの稜線移動なのでなめていた(が、強い雨風をやや長時間受けたり17時まで歩いたりした、つらい1日となった)。
朝ごはんに、昨夜残したご飯で雑炊を作ったが子供達は寝起きが悪く全く食べられず。炊いた鍋ごとむき出しで運び白馬山荘で食べることにした。
白馬山荘までウチの息子の遅〜いペースであったにもかかわらず、その後ろにつき私達を抜くことを固辞された中高年のグループは、栂池まで行く予定とのことだったが、無事着いたのだろうか。ちょっと心配だった。
白馬山荘のテーブルで子供達はようやく朝食。
白馬山荘からはあいにくガスで視界不良だった。
さらに歩くこと数十分、ようやく白馬岳山頂へ登頂♪ うちの子達もよくやった。すれ違ったり抜かれたりした多くの人達に、4歳で大雪渓から白馬岳に登ったことに驚かれ感心された。みんなが「かわいいねー」「すごいねー」「がんばってねー」などの励ましの言葉をもらえたのも、子供達が登りきることが出来た要因だろう。
ここまで手で運んでいた朝食の雑炊(子供の分)を山頂でようやく食べ終えた。
栂池から来た人にこの先のルートを聞くと、乗鞍岳から先の岩が大きくて大変とのことだったが、白馬岳から三国境へ至る下り道も、うちのチビスケ達にはやや厳しかった。
三国境手前ではうちの子より少し大きい、7歳のN・S君を連れたご家族が登山道側のハイマツで5匹の可愛い雛鳥の雷鳥と母親を発見し教えてくれた。近い年齢の子と話す機会があるとうちの子も楽しい様子。そちらのご家族もこの日は大池までとのことだったので、「また後でね〜」と三国境で挨拶してお別れした。
小蓮華山に到着。そこは鉄剣がつきささっている上、遠くで雷の音が聞こえたから早く立ち去らなきゃ、と思ったけれども昼食休憩で1時間以上ここにいた。
ここから船越の頭を越え2、30分くらいのところまでが一番きつかった。道は全然たいしたことないのだが、風雨がひどく、靴の中など全身びしょぬれになってしまった。そんな中男児には眠い眠いと30分以上大声で泣かれていたが雨がしのげない稜線で寝るわけにもいかないので手をつなぎ無理やり歩かせ続けた。下り道で這い大人の腰高の松のトンネルのようになっているところで雨もほぼ止み空が晴れてきたのでようやく休憩した。女児も、疲れたとか寒いとかいい、体が冷えて唇が紫色になったので、ちょうど上記の休憩地点につき、上下とも着替えた。
17時、ようやく白馬大池のテン場に到着。そこではN・S君が今か今かと待っていてくれた。駆け寄るS君。感動の再会!
また、大池に着く10分くらい前に追い抜かれたソロのお兄さんにも再会。N家は2時間も前、15時頃に到着したとのこと。天気を聞いてみると、全然降られておらず、17時前にようやく大池でポツポツと軽い雨が降り出した程度らしい。出発が2時間早ければよかった、と後悔した。
ソロお兄さんの人柄かうちの子の遠慮なさか、チビ2人とも妙になついてじゃれついていた。
ここのテン場も頂上宿舎と同じく幼児を含め4人とも1人1000円だった。この値段が現在のテン場の相場なのかなあ。
この日の夕食はハンバーグ。スーパーで偶然見つけた室温保存ハンバーグを、食パンや雑炊にせず少し残しておいたご飯とともに食した。また、最後の晩餐(!?)までとっておいたデザートの杏仁豆腐をようやく食べた。うーん、おいしい。
【7月31日】
3時過ぎ。外はまだ暗い。テントから出て空を見ると満天の星空。1日いい天気であってくれればよいのだが。そして、空が明るくなっても快晴の青空!! 尾根歩きの昨日がこんな天気だったらよかったのに。
Nご家族は空身で私達より一足だけ先に出発し、天狗原へ往復するとのこと。
小屋の左から裏へ進み大池を右回りして乗鞍岳に向かった。岩が大きくて、足を滑らしたら大怪我する恐れもあるため大岩エリアが終わるまでしばらくは子供と手をつないで歩かねばならず、非常に遅いペースとなった。なだらかな等高線を見て、池の周りを優雅に散歩するルートかと思ったのだが大間違いだった。
それにしてもいい天気だ。一時は暑くて不快に思ったほどだ。大池にはくっきりと景色が反転して映っていた。優雅に湖畔でバイオリンを演奏する人もいた。
走行するうちに乗鞍岳に到着。どこが山頂だかよくわからず大きなケルンの下で休憩を取っていたのだが、いざ出発となりケルンの裏へ進んだらなんとそこに山頂をしめす標識があった。だだっぴろい山頂だ。
少し歩くと向こうからやってくるN・S君たちご家族に再会した。そして、その先にある雪渓まで一緒についてきてくれた。雪渓までけっこう長い距離だったにも関わらず、S君はうちの子供たちをフォローしてくれた。雪渓に着きお別れするときにはS君のいる上の方へうちの女児が「S君だいすきー!」と大声で伝えていた。微笑ましい♪
さて、その雪渓は歩くルート上にはなく、雪渓の手前の岩エリアを下るルートとなっていた。やがて、韓国人の大集団に会い、そこでも「サンドゥーイン(?)(=双子)」、「イーランセイ(?)(=二卵性)」などいろいろ言われながら可愛がってくれた。
そのあたりからまたも雨が。風はあまりないが昨日よりも強い雨足だ。またもやビッショリ。子供と手を繋ぎ早く歩けない状態で雨を受けなければいけず、苦行のようだった。この間に女児から「眠い、眠い、うわーん」攻撃を受ける。
ある時後ろから抜いていったおじさんがだいぶたってから、私達を心配して天狗原から戻ってきてくれた。そして、妻や子供を天狗原までけっこう長い間サポートしてくれた。世間の優しさに感謝感謝。
ようやく天狗原に到着。歩きやすいことこの上ない。見晴らし台で一休憩。幸運なことにその休憩中は雨が弱くなったのだが、出発する頃にまた強くなった。
ある集団にいたおばちゃんにうちの男児が可愛がられ、手をつないでしばらくの間歩いてくれた。集団とはだいぶ差が開き、そろそろこの辺で、とお別れしようとしたら、女児が「私も・・・」とうらやましがり、さらに1分ほどお付き合いしていただいた。
銀嶺水をすぎてから、自然園まであと10分の標識までの長い間、男児からも「眠い、眠い、うわーん」攻撃を受ける。
そんなこんなでようやく栂池自然園に到着。なんと登山道終点すぐ側には靴を洗う水場がある!都会ってすばらしい(笑)。
お土産屋を軽く見学し、さるなしソフトクリームを食べ、ロープウェイ乗り場へ向かった。やや距離があるので要注意。
16:30の八方バスターミナル行きのバスに乗るためには、ロープウェイを15:45に乗らねばならなかったが、ギリ逃した。ところが幸運にも、自分の前にいた乗客もそのバスに乗る予定で、交渉して15:50の臨時ロープウェイ便を出してもらうことになっていた。タケコブター帽子の息子さんのおかあさん、ありがとう。
ロープウェイ降り場からゴンドラリフト乗り場は、さっき以上に歩くので要注意。
ゴンドラは約15秒に1台運行されている。
ゴンドラ降り場からバス停までもすぐ目の前ではなく200mくらい歩くので要注意。しかも場所も分かりにくい。タクシーの運転手に聞いたら(おそらくわざと)違う場所を教えられた。むっかー。臨時便の交渉をしたおばちゃんがバス停から少し戻り私たちを手招きしてくれたおかげで正しいバス停の場所が分かった。またもやありがとう。
当初はこの日に帰る予定だったのだが、ドライバーである妻が疲れており1泊することにした。ビジターセンターで素泊まりの安い宿として岳栄館を紹介してもらったのだが当たりだった。歴史ある宿だが室内は新しい畳で清潔で、wifiも使え、八方温泉の引き込みもしてあった。ビジターセンターのすぐ近くにはローソンがあり、少し車で走れば、信州に多くあるスーパー「BIG」があった。夕食はファミレス(ガスト)にした。宿に戻ったら宴会しようと思ったのだが疲れてすぐに寝てしまった。
【7月31日】
翌朝、案の定みんなは早起きできず。素泊まりにして正解だった。昨夜の宴会用に買った食材や昨夜コンビニで買ったヨーグルトなどを朝ごはんにした。
白馬駅前の足湯に入ったくらいでとくに観光らしい観光はせず、お土産屋をぶらついて、白馬を発った。
寒い経験は、子供の服装をもっと充実させなきゃという反省になった。また、楽な工程の日でもあなどらず早起き・短期休憩を心がけるべきと反省した。
初雪渓を味わえたし、未踏の白馬岳の登頂も果たしたし、いくつもの出会いがあり、全体としてみれば大満足の登山だった。
こんな小さなお子さんたちと共に、皆さん本当に良く頑張られ、感動しました!
最初、全体の行程タイムを見させて頂き、牛歩登山に驚きましたが、
フォトを見たら、下界で見るよりも、
山の中で見る子供達のサイズ感は更に小さく見え、
なるほど、これなら時間が掛かっても当然と納得し、
子供達の頑張りもさることながら、
ご両親の頑張りも相当なものだったんだろうなぁと思いました
それにしても、一緒に山を楽しんでくれる奥様と子供達、素晴らしいファミリーですね!
こんな素敵なファミリー、憧れてしまいますね〜
ところで大雪渓、今夏は例年になく融雪が進み、まるで景色が違います
こちら、ワタクシの6月のレコですが、まだこの時は大雪渓でした。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-901133.html
6年ほど前の盆にも大雪渓登ってますが、↑のような感じでした。
9月からは立ち入り禁止になってしまっていて、その直前のレコでは、殆ど雪がなくなっており、見たことのない『夏道』なんてのが出現していました!笑
白と青のコントラストが美しい大雪渓、是非その真価を見ていただきたいので、
またお子様が大きくなられたら、是非とも再トライください!
素敵なレコをありがとうございました!
エヴリィワゴンキャンカー化のmessiahでした^^
messiahさん、レコの閲覧のみならず丁寧なコメントまでありがとうございます。また、返信が遅くなり大変失礼致しました。
さて、明日(11/5)山に行こうかなってひさびさにヤマレコを開いたらmessiahさんのコメントを見つけた次第です。
ご紹介のmessiahさんの6月白馬レコを見ました。激はやでビックリです。私はソロでもあんな速度ではとてもとても登れませぬ。
一度しかエブリイワゴンで寝てないkodamachanより
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