明神岳東稜〜滝谷クラック尾根
- GPS
- 56:00
- 距離
- 28.4km
- 登り
- 2,442m
- 下り
- 2,459m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
無事下山。
最近フリーばっかりで怖かった。やっぱり山は怖い。
何度か辞めようかとも思ったけれど行ってきました。
午前一時。沢渡温泉に到着。
手前の駐車場で満場という看板に一瞬驚かされたが、何時もの第三駐車場は空いていた。
ターミナルへの階段近くに駐車して、物音に気を付けつつパッキング。
一度背負ってみて、重い。
カムとヌンチャクを少し間引いてまた背負う。
重い・・・。
しかし、もう減らせる要素もなく仮眠に入り朝を待つ。
バタン、バタンと車の扉を閉める音で目が覚める。
朝食にパンと甘いコーヒーを食べようかと思ったが先にターミナルへ上ってからにしようとビニール袋を手に下げて出発。
バスの出発まで20分ほど。トイレなどを済ませて待っているとタクシーの乗合に声をかけられる。4人で1人1050円。片道だけで考えると悪くないので、乗り込む。
五時の釜トンネル開門を待ち、5時半には上高地を出発する事が出来た。
ほぼほぼ上高地発のトップバッターとして明神館まで歩く。
天気は良好。
明神館から橋を渡り、右折するが、信州大の施設を素通りして、5分ほどして引き返す。
他の人の記録にあるような看板は無くなっていた。
生簀の先にひょうたん池と書かれた看板があり、明確な道を辿っていくと、一般道よろしくペンキの丸印があって迷わない。
絞の南東壁を横目に道を辿ると、水溜りみたいなひょうたん池が現れて一休み。
続いて踏み跡を頼りに尾根筋を辿る。
草付きの少し滑りそうな狭い尾根を進んで、傾斜が出てくると藪を手に絡めたり、ハイマツの枝を掴んで高度を上げていくと、第1階段が現れた。
中央のリスにハーケンが連打してあるが、夏道はその左手のブッシュの階段。
そこを登ると再び藪漕ぎが続き、上部バットレスが現れてそのまま登り始めるが、思いの外にホールドも乏しく、靴もよく滑るので、カムで支点を取ってから壁の中でクライミングシューズに履き替える。
ロープは出さずに、スリングやヌンチャクでその場その場で確保しつつ右のフェイスに逃げた。安全第一。
そこからはまた藪漕ぎで、何度かの微妙な岩場をクライミングシューズのまま過ぎて主峰山頂に到達した。
他の人の記録通り、なんてことは無いガレた山頂は取り分け写真を取る対象もないが、前穂と奥穂が同時に見えるのはここからの景色だけだろう。
しばらく何も口にしていない事に気がついて一息入れると、前穂はパスして紀美子平まで行こうなどと呑気に構えて縦走を始める。
一回の懸垂下降などを交えて前穂を目指すが、どうやら巻くことは出来ずに、山頂を経由する必要があるようで、仕方がなく進む。
久しく3000メートルの世界から離れていたせいか、呼吸も荒く、呼吸を止めずにリズムに気をつけて進む。が、遠い。
全装のまま前穂山頂に立つが、奥穂は遥か遠く、紀美子平までの下りも思いの外に難しく、ヘトヘトになりながら紀美子平まで降りてきて休憩。
前穂の山頂にはテント用の下地が作ってあるが少し前にテント毎吹っ飛ばされて亡くなった方もいるので泊まる気にはならない。
力尽きて適当に岩の上で横になって十五分程の仮眠。
いつの間にかガスが増えてきた。
前穂から奥穂までは北尾根以来だが、南陵を登った時の南陵の頭からの微妙に長い距離が記憶にあり、南陵の頭を目指すが、中々に遠い。
結局、意外と山頂直下にあった南陵の頭から少しして山頂へ。
今回の最高到達点とも言える奥穂高岳だが記念撮影の人達の合間を縫って写真を撮って素通り。流石に六度目の奥穂にそれ程関心もない。というか疲れた。
もしかして一番登っている山かも?
穂高小屋まで下る人の後を追って、テン場を確認するとまだまだ余裕があり、空いているらしい事を確認しながら、穂高小屋に到着。
ヘリポート横の棚にツェルトを張って一息つくとビールを食らって初日を終えた。
すぐ横にテントを張っていた方と話をさせて頂いて、世代も近く、穂高から見える西面側の夕焼けや雲海を堪能しつつ楽しい時間を過ごした。
そして夜は寒い。
2日目。心が少し揺らぐ。ツェルトにシュラフカバーで夏服、ユニクロダウンという装備に中々の風でツェルトは半分潰れかけた状態で、中々に寝付けずに夜明けから出発が遅れる。
今回は4日分の食事もあるので、1日レストも考えたが何とか五時半には出発。
疲れが溜まっているようなら北穂で一泊するのもありだな。とか少し前までには考えられない発想で自分を騙して歩く。
涸沢岳からの北穂までの道のりは記憶以上に難しく、これが一般ルートかと疑う程で、やはり国内最高峰の縦走ルートなのだと改めて認識しつつも思っとより手間取った事に焦りつつ南稜のテン場に到着。
不要な荷物はデポして北穂小屋から少し下って、キレットより一段上くらいに✕印が連打してある場所へ進むと例のB沢入口のマークを発見し、ガレたルンゼを降りる。
噂通りにガレていて、ガレ場が苦手な僕はかなり苦戦しつつ下っていく途中。半畳くらいある岩を越えて一歩踏み出した時にその岩が動いて足を挟んで、一瞬肝を冷やしたが、運よく怪我もなく両手で岩を退けた。
クラック尾根の取り付きは昔のバンドが崩壊しているので北穂小屋の小屋番がフィックスロープを整備してくれているらしく。わかりやすいが、懸垂下降地点と思われる場所からはバンドまで右斜めに降りなければならない。直下に降りると教蘢度の危うい汚い岩場を登らなければならない。案の定ハマって登ってルートに復帰する。
綺麗なバンドに出て左手にハーケンが打ってある岩場を見上げて、てっきりここに↑クラックのペンキマークがついているものだと思っていた僕は、あちこち見て回ったが見つからずに、簡単そうな草付きの階段を登ると、右に回り込んだ側面にペンキマークを見つけた。言われなければわからないレベルのマークだったが、何とか正規ルートにいる事を確認してほっと一息。
元薜焚爾魯蹇璽廚禄个気覆い隼廚辰燭、噂通りかなり脆い。久しぶりのガバがガバじゃない山の岩場に冷や冷やしながら進む。
このルートは何処でも登れそうな岩壁にあるルートなので、かなり道に迷う。
踏み跡やハーケンが打ってあると思い取りつくと、脆さは顕著に現れて、ホールドをかなり慎重に選びながら進む。
ハーケンは古く、恐らく落下に耐えられるものは半数以下。要所ではカムを使用するがカムが効くようなクラックはもれなく浮いていて、ロープを出していても結果的に支点がとれないならとフリーで進む。
旧メガネのコルからのフェイスを一段越えると直上出来るように見えるが、ハーケンが見当たらないルートを右に巻いて見ると側面の微妙なスラブとルンゼがあった。
ようやくジャンケンクラックに着いて、ロープを出して右のワイドに取り付く。
最初と中間と出口に打たれたハーケン以外もなく、ワイド登りで登り終える。
このルート唯一の快適な岩が終わると、再び脆いルートを登る。
ルートの選択肢も多く、尚且つ間違えると脆いので、何度かの一か八かをこなしてなんと無くルートに戻るが、最後まで自信なく稜線に出ると北穂小屋のすぐ後ろに出た。
すっかり廻りはガスっていて少し雨がぱらつきそうなのを見て装備をザックにしまう。北穂のテン場に泊まる事を検討していたが、暖かいところで寝たい欲求が勝ち、涸沢まで降りると雨が振り始めたので、ツェルトで雨もしんどいので、横尾まで降りてツェルトを張った。
横尾は晴れていてその判断は正解だったらしく、暖かいテン場で残った食料を二食分平らげて眠った。
朝はのんびり起きてのんびり上高地を目指して歩く。
今日はゆっくり風呂に入って休もう。
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