奥穂高岳&北穂高岳(涸沢BCテン泊山行)
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- GPS
- 76:00
- 距離
- 43.0km
- 登り
- 2,894m
- 下り
- 2,889m
コースタイム
- 山行
- 12:48
- 休憩
- 2:34
- 合計
- 15:22
- 山行
- 5:37
- 休憩
- 1:23
- 合計
- 7:00
- 山行
- 8:05
- 休憩
- 2:43
- 合計
- 10:48
- 山行
- 2:52
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 3:41
天候 | 期間中概ね晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
8/13、北穂高岳へ登山中、負傷者に遭遇した。
負傷者を手当する中で、いくつか問題が生じたので、今後の参考とすべく書き出してみた。
遭遇時:8/13、朝8時位?
北穂登山道の、露岩を過ぎた、大きめの石が多いガレ場の始まり辺り。
上から下山者が2名降りてきて、自分達とすれ違う形になった。
先を歩いていた初老の登山者が、足を踏み外したらしく、4m程ガレ場を転落。
大丈夫ですか?の問いに、大丈夫じゃないとの返事。
駆け寄ってみると、負傷者は左側を下にして倒れた状態で、
頭部の左前側から出血し、下に滴下している状態。
本人は痛みで動けない状態に見受けられる。
ヘルメットは持っていたのに、ザックにぶら下げていただけなので、
負傷したのである。
ああ頭部にケガをした様ですねと話しかけながら、
総合ファーストエイドキットを分担している16に持って来てもらう。
頭部は毛細血管が多い上に丸いので、出血は実際より多く見えるそう。
しかし頭蓋骨陥没の可能性もあるので、触れてみないと分からない。
本人が起き上がろうとしたが、そうすると血が服の上に垂れてしまうので、
そのまま横向きになっていてもらう。
手当するのでちょっと待ってて下さいと言いながら、手袋を装着。
★ここでいくつかのポイントと問題。
*話の流れで手当を始めた。
講習で言っている様に、手当して良いか聞くのは、この場合野暮だったと思う。
*手袋は、流れの中で自然に着けることができた。あとで感心されたくらい。
*問題点発生その1:
自分は指の関節が太いので、フリーサイズのビニール手袋が半分までしか入らない。
焦って引っ張ったら、両方共手首の部分が切れてしまった。
結局指半分入った状態で手当を続行せざるを得なかった。
*問題点発生その2:
手袋に血が付くと、ザックや他の部分を触れない。
本当に非常時ならためらってはいけないが、今回は余裕のある負傷だったため、
かえってそういった部分が気になって、触るのにためらいが生じてしまった。
*問題点発生その3:
自分のFAキットなのに、滅菌ガーゼを探すのに手間取ってしまった。
この問題は更に続く。
滅菌ガーゼを傷口に当てて、取りあえず直接圧迫止血。
同行者(と思っていた人)が、こめかみを押さえると間接圧迫止血できますよとアドバイス。
これくらいの出血なら不必要だし、今は間接はやらない方向になっているが、
無用の議論は避けるべきなので、なるほどと頷きつつ形だけやって受け流した。
負傷者本人が、自分のザックの中に水があるので、傷を洗い流して欲しいとの要請。
同行者(と思っていた人)が、ザックをまさぐり水筒を取り出す。
ペットボトルやプラティパスだったらフタのシャワーを使えたと思うが、
吸い口の付いた水筒だったためできず。しかし傷口を洗う事はできた。
★ここでの反省点。
負傷者のザックはすぐに外すべきだった。
負傷者が楽な姿勢になりやすいし、
今回の様に本人が中身を指定する場合にも対応しやすかったと思う。
後から来た人達も心配してくれるが、
結局陥没も無い軽傷だったし、出血も止まってきた為、
どうぞ先に行って下さいと促す。
医療関係者の方ですか?との問いには違いますと即答できたが、
では自分は何者かとか、日赤の救急員の資格所有であるとは、なぜか言いづらかった。
自分の身分は明確にすべきである。
ガーゼをどうやって固定するか、三角巾かネット包帯かを考えていたら、
負傷者本人が、伸縮性のあるタオルを持っていて、
それで巻いておけば大丈夫だと言ってきたので、
同行者(と思っていた人)にザックから取り出してもらう。
しかしそのままではガーゼがずれてしまう可能性もあるので、
サージカルテープ(絆創膏)をFAキットから取りだそうとしたが、見つからない。
結局近くにいた他の登山者が、特大のバンドエイド的なシートを提供してくれた。
出血も止まったので、ガーゼは外してそのシートを貼り付け、タオルで巻いた。
★ここでのポイントと、今回一番の問題点。
*問題点発生:
自分のFAキットなのに、サージカルテープが見つからない。
自分は血だらけの手袋なので、メンバーに見てもらうしか無いが、やはり見つからない。
どんなに充実させたFAキットでも、必要な物が見つからないのでは、無いのと同然である。
*出血が止まらない場合はガーゼの上からシートを貼るが、
今回は止まったし、ガーゼもかなり血を含んでいたので外した。
ただ滅菌ウェットティッシュなどで、もう少しきれいに仕上げておくべきだった。
負傷者はこのまま降りるとの事。ここで同行者と思っていた人が他人と判明。
単独行同士が一緒に降りてきただけらしい。
一人で降りるのにはいささか不安を覚えたが、本人は立ち上がっていたし、
北穂の混み具合を考えれば大丈夫だろうと、その場で分かれる事を決定した。
他の登山者が、涸沢ヒュッテに医療機関があるのでそこに行くと良いとアドバイス。
血の付いたガーゼと手袋は、本人が処理してくれるとの事なので、裏返して外して渡し、
ちゃんとヘルメットを被る様に念押ししてから、自分達の山行に戻った。
★総括。
そもそもヘルメットを持っていながら被っていなかったのだから、
典型的な自業自得としか言えないだろう。
昨年も、丁度同じ夏休み、剱岳のカニのタテバイで、
自分の前をヘルメットを被らずに登っていた人が、突き出た岩に頭をぶつけて負傷。
後ろに倒れてきたら自分も巻き込まれていた。
ヘルメット着用は、今は義務では無いが、岩場の多いルートなら必ず被るべきだろう。
上記したが、せっかくの充実させたFAキットも、必要な物が見つからなければ意味は無い。
自分的に、早急に分かりやすいキットに作り直すべきと痛感した。
ビニール手袋は、フリーサイズではなく、Lサイズを買い直す事で解決する予定。
血の付いた手袋では他の物が触りにくいという問題は、今後対処法を考えるべきだろう。
手前味噌で恐縮ではあるが、
FA講習で血糊を使って訓練した事は大きかったと思う。
訓練していなかったら、例え手袋を着けていても、血を触る事に抵抗はあっただろうし、
そもそも手袋を用意するという発想にも至らなかったかも知れない。
Raityou先生が、今年新設の山の日を絡めた涸沢3泊の山行募集をされていた。
(その時のプラン概要)
・1日目:涸沢に登ってビールを飲む
・2日目:奥穂ピークハント後、涸沢でビールを飲む
・3日目:北穂ピークハント後、涸沢でビールを飲む
・4日目:嘉門次小屋で〆の儀式をする
そういえば、涸沢ー北穂のコースが未踏だったな。
ビールは飲めないけど、炭酸飲料で代用しよう(笑)
前夜含めテン泊4日、、、未知の世界だけど慣れるに越したことはないな。
仕事を忘れてのんびりできそうだー。
ということで参加させていただいた。
前週のMakorinさんとの山行でテン泊のノウハウを教わっていた。
今回はそれを実践して、いかに快適に3泊するかを考えて準備した。
目的
==============================
・中〜長期のテン泊でどんな問題が起こるか知る(特に容姿面)
・星空写真撮影を試してみる(最適なセッティングを模索する)
・山で実際に飯を作ってみる(なんでもアルファ米と言うのもね・・・)
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結論
==============================
・長期テン泊するとひどいヒゲオヤジになる(いっそ普段からヒゲになるかw)
・星空写真は全部失敗(事前のセッティングに問題あり、習ったほうが良いか)
・飯袋でご飯を炊いたら結構うまかった(でも、タンパク質がほしくなった)
==============================
でも目的や結果は別に良い、と思わせるくらい涸沢BCはよかった。
空気が良くて水は豊富。
昼間はピークハントして絶景を眺め、夜は星を見る。
普段、朝に上高地出発だと1日で稜線まで上がるけどある意味もったいない。
時間に追われる生活から解放された4日間だった。
一方、テントの閉塞感に慣れたと言い切れず、あまり眠れなかったことと、
極端な汗かきなのに髪をぼさぼさに伸ばし、最後は髪の毛がワカメになった点は次回対策しよう。
今回、北穂の道中でトレイルから転落した怪我人の手当てをした。
(詳細は先生のコメントを参照)
16が初動から冷静でいられたのはFA講習によるものが大きかった。
でも、バンソウコウ=バンドエイドと誤解しサージカルテープが出せなかったのは失敗。
あらかじめ言葉の意識合わせをしておかないと処置が追いつかない、と感じた。
あと食べ物(タンパク質をどう確保するか)も大きな課題。
でも、〆の儀式のイワナの塩焼き定食はそれを吹っ飛ばすくらい美味かった。
身はホクホク、尻尾やホネはパリパリ
頭からしっぽまで余すところなくいただいた。
次回も忘れずに寄ろうと思ったのでした(笑)
総じていろいろ得られるものが多かった山行でした。
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