初3000m級登山、雲の合間から諦めていた絶景が
- GPS
- 12:58
- 距離
- 15.1km
- 登り
- 2,212m
- 下り
- 2,050m
コースタイム
- 山行
- 6:16
- 休憩
- 1:47
- 合計
- 8:03
- 山行
- 4:06
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 4:28
5時20分頃到着したところ、タクシーはすべて出発済みでバスは乗れそうな最後の何人かと確定。要するに甲府発広河原行きバスに、なんとか潜り込ませるのが現場バス乗車案内人の役目のようです。たまたま、第三駐車場に最後の一台で駐車できました。たまたま、バスも最後の一人だったようでラッキー。
バスは甲府から乗車した人で座席は満席。なんとか立って乗車できました。甲府から乗ってきた人でも乗車口脇でしゃがみ込みながら寝ている人がいるくらい混んでました。バスは約30人位載で2台で運行してました。バス道中ではバスの方が道のこと、南アルプスのことなど観光案内をしてくれるので、雲に隠れた山しか見ることができなかった車内で、なんとか地元のことを知ることができたのがよかったかも。
広河原バス停に着くとすでにバス券発売所に長蛇の列が。今乗ってきたバスの人びともどんどん並びます。帰りのバスの予約可と焦りましたが、北沢峠行きバス乗車券販売とか。芦安からバスで来た人の半数以上が北沢峠に行くようです。
吊り橋を渡り北岳方面に行く人は30人はいなかったのではないでしょうか。登りはじめこそ、8人くらいの列になっていましたが、皆さん体力差があるので1人、3人とグループ単位で散らばるようになり、ピークが近づくにつれ静かな登山を楽しめるようになりました。
左俣コースは昨日までの雨のおかげか、渓流が流れる沢周辺など白、黄色、紫などきれいな花が咲き乱れ花畑を登っているみたい。汚れがありわかりにくい雪景が現れるなど嬉しいコース。途中できれいで冷たい沢水で手顔頭などを洗え、気分のリフレッシュできるのが嬉しい。
勘違いで八本歯ノコルからしばらく登らないと、トラバース道に出られません。勘違いのため尾根登りが精神的にチョットきつくなりました。トラバース道はそれほど高低差がなく斜面を横に進みます。岩場も丸太などで足場や手すりがしっかり作られているので、安心。さらに、黄色、白、紫など高山植物が花盛りで、とても楽しめました。
途中で尾根からの景色が見たくなったので、横に100m弱移動すれば景色が良さそうな尾根道に出られるような分岐があったので同じ所に行く尾根道に変更。ガスガスだったので、まったく景色は楽しめません。
午前中に小屋に到着したので、まだテントを撤収している人がいるにもかかわらす、好きな場所にテントを設営できたのがとても嬉しい。同じような時間に到着したらしいお隣さんに、テント設置についてアドバイスをもらいながら設営。適当な大きさの石が多く、吊り綱張に困らないし、ペグも土によく入り楽でした。
テント設営が終わってもまだ昼前。北岳往復しても3時間位のようなので、北岳を訪れることに。小屋裏の尾根道を北岳方面に道をゆく。雲に覆われすぐ先の尾根しか見えない雲の中を進む。ピークが見えるたびにそこまでと、何回か思いながら歩くので時間の割に辛い。
ただのピークの割には人が溢れているところが見え、山頂だとしれた。北岳山頂に立て札があるが、すぐ横の岩はもっと高い。地図を見ると標高が並んで二つ書かれていて、立て札がある方が50cm位低いよう。なんで、高い方に山頂の碑立て札を立てなかったのだろう謎だ。
初めての3000m越え山頂到着記念のため、ガスで真っ白な背景に北岳の看板入りで写真を撮っていただきました。その後、急に雲が晴れ山頂一帯に陽が照りつける。もう一度、先ほどの方とは違う方に山頂記念写真を撮っていただきました。座ったり、話した30人くらいの人びとが、あまり期待できない雲の急展開で隣の山々が見えるのを期待して、現場で時間を潰されてます。私も10分位一緒に雲の切れ目を期待していましたが、あっさり諦めそそくさと北岳山荘まで下山。
周りの景色が見えなくても、生まれて初めて3000mを越えるところに来て、歩いているだけで妙にうれしい。
山小屋の自動販売機でビールを買うと同時に、サッと雨が降ってきました。テントに潜り込みビールに口をつける。真っ白な景色をみながら眼下に見えるはずの景色を想像しながら飲むビールは美味しい。
4時でチョット早いが、夕食。標高3000mでも、プリムスのノーマルガスで問題なく火を使うことができることが確認できました。
夕食後、外は雲が多く時々雨がぱらつくのでテントの中で横になってしばらく様子をうかがっていると。テントの外が急に明るくなるではないですか。カメラを持って外に出ると、ちょっと青空が見えてもすぐにまた真っ白。でも雲が薄いのがうかがえます。
オッ。雲の間から富士山が。写真を撮ろうとすると、すぐに山裾から上がってくる雲に隠されてしまう。テント場から尾根に出て、やはり雲空けを願う人たちに混じり、しばらく空を見ていると、またもや富士山が。今度はしっかり見えます。さっそく、峠の黄色いわが家と富士山の写真をパチリ。これが撮りたかったんです。
しばらくすると今度は農鳥山方面の雲がはれ夕日に照らされた山々が青空に浮かびます。またしばらくすると、雲に隠れていた北岳がクッキリその姿を現しました。夕日を浴びて輝く山頂と緑色の高山植物。昼頃の真上から照りつける太陽と異なり、横からの光が山域の岩肌、高山植物をより立体的に浮き出してくれ、写真を撮ると自分が最高のカメラマンになったような写真が撮れます。撮り忘れてはいけないと何枚も同じような写真を撮っています。
このころになると、テントと山小屋にいたほとんどの人が尾根のあちらこちらで素晴らしい景色を楽しんでいました。これは日帰りでは見られない景色。これが見たくてこちらでテント泊をしたのです。
夜の星空も期待していましたが、ガスがかかってきてしまいきれいな星空を見ることができませんでした。あれだけ美しい景色を見せてくれたのだからまあ良しとしよう。そして一晩中テントを揺さぶる大風が吹き続けていました。尾根付近での強風にテントがどこまで耐えるかわからなかったので、怖かった私はいつ飛ばされても良いように、ズボンやハードウェハを着たままで寝ていました。よく考えると、ブーツを履いてなかったので、テントが飛ばされたら動きがとれなかったでしょう。
翌朝3時30分頃、天気予報を確認すると昼頃雨の模様。テントから外を見るとオリオン座が見え、甲府市らしい町の灯も見えます。雨の中で山歩きをしたくなかったので、間ノ岳に行くのはあっさりあきらめ、北岳経由で下山することに。私が朝食を食べている間にすでに出発する人が。複数の天気予報を確認すると10時〜14時に雨の確率が非常に高く印象を受けました。雨中を間ノ岳まで歩く勇気が無かったので、降り始める前に広河原バス停に到着することを決定。
急いで後片付けをし、濡れているテント撤収。だんだんと明るくなるので、ヘッドライトがなくても忘れ物がないかの確認ができました。昨日知り合った方の小屋での朝食が5時と聞いていたので、挨拶をしようと小屋に行きました。小屋内は朝食をとる人で大混雑でとても見つけることができず挨拶はあきらめました。残念。
ちょっと薄暗い午前5時頃、出発。出発してしばらく歩いているときれいなブロッケンが。昨日はうっすら見えたブロッケンが今朝はかなりハッキリ。自分の動きをまねするのが面白いですね。
尾根に出ると北岳、仙丈ヶ岳も見えます。このまま北岳山頂に着くまで見え続けてくれと、普段は信じてない神様にお願いしながら北岳を目指します。しばらく歩いていると周りは真っ白。北岳山頂も真っ白。北岳肩の小屋も真っ白。小太郎尾根分岐位から雲が晴れてきます。
時間に余裕があるので、当初のコースとは全く異なる草すべり、白根御池小屋経由で下山することにしました。
このコースが思ったよりずっと続く急傾斜の上に、木根、石段、階段がそれぞれ段差が大きく下山時にヒザに響きます。もちろん登山時にこのコースだったら音を上げそう。某老人ツアーの団体がこのコースを上がってきましたが、みなさん無事に登られたのだろうかと心配しながら、感心もしてしまいます。
初めてのコースで時間も想像がつかず急いで下山したので午前9時30分頃広河原バス停前到着。北岳肩の小屋で広河原発12時45分のバスを目指していましたが、途中でそれより1本前の10時20分のバスに乗れるかもと急いだ結果もありますが。
逆に早すぎたか。バスの発見窓口に行こうとすると、タクシーの案内人がタクシーに乗れますよと、声をかけてくれます。お願いしますと答えると、よし最後の一人が決まったのですぐに出発しますとの答え。ラッキー。下山してバスを待たず、しかもゆったり座れて芦安まで行くことができました。これでバス代より50円高いだけとは。
残念なのは、芦安温泉とはいいながら、日帰りで利用できそうな看板を出した温泉が見当たらないこと。Yahoo!ナビに聞いても、日帰り温泉の検索が一時的にできないようだし。なんとかナビで出てきたかまなし温泉へ。
天候 | 曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
Yahoo!カーナビで行き先設定をする時、設定場所がわからなかったのでバス停の設定場所を芦安温泉白峰会館に設定したところ、無事バス停到着。 芦安バス停付近の駐車場に駐車しようとすると、係の人が出て空いている駐車場に誘導してくれました。 駐車場から午前5時50分のバスに乗るためにバス停に行くと、バスに先行してタクシーは全部出発してしまったとのこと。速く出発したい人は始発バスの1時間くらい前にバス停到着すると早く広河原に行けるかもしれません。 また、バスが無くてもバス停を訪れると、バスはなくとも乗り合いタクシーで9人になると出発してくれるので便利そうです。 広河原バス停から芦安温泉へは、バスがなくとも9人集まるとタクシーが出てくれるので、バスの運行時間内ならば安心して下山できそうな予感が。 バス代+マイカー規制協力金=1130円、広河原から芦安バス停までは1200円でした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
崩落やコース階段が壊れるなど危険ヶ所はありません。 ・八本歯ノコル 沢の脇を登りだんだん急になるので大変になったなという印象より穏やかな登山道を歩いているうちに、いつの間にか急傾斜斜面を登るようになったので急傾斜のイメージは強くありません。八本歯ノコル付近は梯子付近は急傾斜なのですが、ごまかされて急な気が薄れました。 ・草スベリ 帰りに利用しました。階段が多い石ころが多い急傾斜を上る道で、登りで無くて良かった。某呂個団体が高齢者登山で登りで利用していましたが、私は登りにも使いたくない急傾斜登山道でした。 ・トラバース道 写真などで岩場にへばりつくような道が映っているので覚悟していたのですが、道幅が広く、手すりも階段も完備されているので危険ではありませんでした。さすがに写真の岩に張り付く道に到着した時は覚悟しましたが、八ヶ岳の権現だけ付近の岩場より遙かに安全でした。 ・北岳山荘吊尾根分岐 尾根道は景色が良く歩きやすいと思っていましたが、移動するだけならばトラバース道の方が高低差がなく歩きやすかったです。GPS軌跡にも出てますが、尾根道とトラバース道は近いところでつながっているので、そこでルートを替えると歩きやすいかも。実際私は道を選んでました。 ・芦安から白根御池小屋 思ったより傾斜が急で、道にある根が歩きにくい位置にあに歩きにくかったです。登りに使用しなくて良かった。 |
その他周辺情報 | 「かまなしの湯」 山梨県甲斐市西八幡4268-6 055-276-1151 市外者大人800円。 レジャー温泉施設を期待していましたが、芦安温泉にはその手の温泉が見当たらないので、中央高速道路昭和ICに行く途中にある「かまなしの湯」を訪れました。 甲斐市が運営しているような少しくたびれた建物、温泉施設。 運動公園に隣接しているので、運動公園で汗をかいた人が利用するための施設かもしれません。 泉質は鉄分が多いためか深赤緑色でした。 つぎは利用しないかもしれません。 パンフレットを見ると管理者は山梨交通株式会社。とても民間の施設には見えませんでした。 |
写真
装備
個人装備 |
調理用食材
ストーブ
ガスカートリッジ
コッヘル
保温ポット
ライター
地図(地形図)
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
カメラ
救急セット
双眼鏡
ポール
テント
グランドシート
シェラフ
シュラフカバー
タープ
チェーンアイゼン
サンダル
|
---|---|
備考 | サンダルは又を指で挟むビーサンではなく、指全体を包み込むサンダルの方が岩だらけの山肌を歩く時に指を痛めない。 枕がなくて寝にくかったが、サンダル着替えなどを枕にすれば良かった。 |
感想
初3000m級の山、高山病の虞れ、初高地テント泊で覚悟してました。
結論はマァ結果オーライ。
自分の靴下からの臭い匂いに悩まされた前回から反省で、今回は下着と靴下の着替えを持参。長袖Tシャツは前回に引き続きMont-bellだけでしたが、今回は予備にpatagoniaのキャブリーンを持参。1日目と2日目に着替えました。個人的には、キャブリーンの下着の方が汗を吸い、早く乾燥してくれるので匂いもせずべたべたもせずで好みだとわかりました。
また、今回は交換用靴下に交換したおかげでテント内で靴下の臭いに悩まされることはありませんでした。ただし、長袖シャツやアンダーパンツも汗だくだったので、シュラフの内側から攻めてくる高校運動部内の汗臭さは存在しました。撲滅するには、シャワーを浴びることができないので、下着交換しかないでしょうか。
さらにテント設営後に付近を歩くために愛用のビーチサンダルを持参。ビーチサンダルでは足の親指が石に当たったり、踏ん張りが利かないのでよれたりして安定しませんでした。次回からは指をカバーするようなサンダルを用意します。
また今までは作業ズボンだけでしたが、初めて登山用パンツを購入したので使用しました。薄くて、パンツにジッパーが付いてるので車のキーやスマートフォンを落とさない安心感が素晴らしい。やはり専用製品だと納得。
昔は気にかまわない枕が必要なことを痛感。枕を持って行くのはばかばかしいので、次回からはサンダルや着替えなどを枕にしようと思いました。
歩きながら時々ハイパーベンチレーションをしたり、水分補給を続けていたつもりでしたが、テントを張りながら若干の頭痛が。更に寝る時にも若干の頭痛が。数回のハイパーベンチレーションをおこなうことで、しばらくすると頭痛が無くなりました。やはり軽い高山病だったのでしょうか。
夜中はズット強風が吹き続き、テントは揺られっぱなし。テント強度がわからず一晩中飛ばされる恐怖で安心して眠れませんでした。思っていたよりテントは丈夫なもので周囲のテントも全く問題ありません。思っていたより風に強いんですね。
初日の夕方と二日目の早朝共にたぶん生まれて初めて山でブロッケンを見ることができました。
pancho2さん レコ興味深く拝見させていただきました、とても具体的で、参考になります、ありがとうございます。
8月23・24日で、北岳山荘宿泊で行く予定でしたが、この台風で中止にします
テント担いで登る勇気が無いので、、、。
機会を狙っていきますので、参考にさせていただきます。。
でわ、、また、レコ楽しみにしてます
muttyann
muttyannさん、こんにちは。
相変わらず精力的に山歩きなさってますね。
山行きの参考になったようで、うれしいお知らせありがとうございます。
夏は暑いので涼しそうな標高2000m以上のところを一泊以上したいのですが、なかなか天気が安定しませんね。今回もむりやり一泊しましたが・・・。
お互い事故にならないよう、山歩きを楽しみたいですね。
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