74.妙高山「愛を掲げて」
- GPS
- 10:14
- 距離
- 12.5km
- 登り
- 1,547m
- 下り
- 1,538m
コースタイム
- 山行
- 9:13
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 10:09
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
燕温泉〜山頂までは序盤はコンクリートで舗装された道を通りますが、ウォーミングアップには充分過ぎるほど大汗をかきました。胸突八丁はその名に恥じないほどの急勾配の坂が続きます。鎖場は集中して越えましょう。山頂直下の岩場はペンキマークを見逃さなければ問題はないと思います。 山頂〜黒沢池分岐〜麻平〜燕温泉は急勾配の下り坂が続き、特に黄金清水から麻平までが長く感じました。河原の湯にある吊り橋を見た時「長かったー! 終わったー!」と思いました。 |
その他周辺情報 | 登山バッチは登頂済の火打山も含めて、燕温泉街のときわやさんにて購入しました。 登山後の温泉は駐車場に着いてから着替えてから黄金の湯を利用しました。他に河原の湯がありますが、さすがに登山が終わってから行き直す脚力がなかったです。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
ゲイター
日よけ帽子
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
ロールペーパー
携帯(スマホ)
時計
タオル
ツェルト
カメラ
ポール
充電器
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感想
第74座「愛を掲げて」
時間があれば、この稿を読む前に火打山の稿を読んで頂ければありがたいと思います。今回の登山は、あの時の思いもあります。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-56168.html
幌尻岳登山から一ヶ月が経過しようとした8月中旬、もうこりごりだと思っていた山に登りたいという気分になった。今回登ろうと思ったのが妙高山。
この山には浅からぬ因縁がある。
2009年の初夏、高谷池ヒュッテから黒沢池ヒュッテ、大倉乗越を通って、黒沢池分岐から妙高山へ登ろうとした時、大倉乗越を越えて、向こうに長助池が見えるなぁ〜と思った刹那、僕はここから滑落して遭難してしまったのだ。そういうことがあって、妙高山のことについては僕の心の中で封印していたのだ。
先月、難しいと言われた幌尻岳登頂に成功して、自分に自信を持った今だからこそ、心の中にある封印を解く時ではないかと思った。最初は遭難した時のトラウマをぶっ飛ばす意味で、2009年の時とほぼ同じ笹ヶ峰から入山するコースを考えたが、遭難した場所を通った時にトラウマが発動して怖気づいてしまうではないかと思って、燕温泉から入山するコースを選んだ。このコースだと、遭難場所を通らないので、新たな気持ちで挑めると考えてこのコースに決まった。
家族も、以前遭難した山に登ることを難色を示したものの、遭難場所は絶対通らないことを強調して説得。何とか説得することが出来た。当初は8月20日〜21日に登る予定であったが、家の事情で断念。翌週の27〜28日は天候が悪い予報が出てまたもや断念。9月3日〜4日はいい天気予報だったので、ここで登ることを決定。山頂アタック日は降水確率が低い3日に登ることにした。
8月31日をもって、2年間に渡って働いて来た老人養護施設が建物の老朽化のため閉鎖。僕はすぐ近くにある別の老人ホームに9月1日に異動となった。別の場所に新しい老人養護施設が建てられて、入所者の引越しなど、この週はトレーニングは全く行えていなかったし、登山の準備も進められなかった。出発日である9月2日の夕方に登山用具をクルマに積んで、20時頃に自宅を出発した。
登山口である燕温泉の駐車場に着いたのは3日の1時半頃か。数時間でも仮眠しようと試みたが、全然眠れないまま、4時に朝食を食べたり、身支度やストレッチを済ませて、4時45分頃に燕温泉を出発した。
最初はコンクリートで舗装された登り坂を登って行った。その舗装された道はやがて、人一人が通れるほどの狭さになって作業小屋に着いた。そこに水場があったので、その水を飲んで再び出発。程なくして山道に入った。
北地獄谷麻平分岐を過ぎると、「胸突八丁入口」の銅板が見えた。さらに進むと「胸突八丁」の銅板も見て、「いよいよだ。ここが頑張りどころだ」を思って、胸突八丁に挑んだ。
胸突八丁はその名に恥じないほどの、大きな岩がゴロゴロした急勾配の坂で、疲れながらも、7時20分、天狗平に到着。ここで一本を立てた後、光善寺池、風穴を通って、鎖場へ向かって登って行った。この辺りも通過した胸突八丁に負けないほどの難所ではあったが、弱気になることなく登ることが出来た。
鎖場手前の急勾配の坂のあたりで、鎖場を通過するのに邪魔なポールやサコッシュをザックに収納して鎖場に向かった。急勾配の坂を登り切ると大きな岩の鎖場に到着した。まず20〜30メートル上に直登すると今度は数メートルトラバースするのだが、足跡が窪んでいるので、不思議と落ち着いて通過出来た。通過して遠くを眺めていたら、乙見湖が見えた。この景色を見て少しは落ち着けた。
登山道は森林限界を越えて、溶岩帯の岩場に変わっていた。ペンキマークを見逃さないようにして登って、9時20分頃に妙高山山頂に到着した。2009年にたどり着けなかった山頂に7年の歳月を経て、ようやくたどり着けた。山頂からは火打山や噴火活動が活発な焼山。北アルプス方面に目を移すと、白馬三山、その向こうには剱岳も見えた。
ここから下山となるが、ここからも簡単ではなかった。急勾配の下り坂は思いの他に苦戦した。このあたりで両太ももが痛いと感じるようになったが、コースタイム通りに黒沢池分岐に到着。そこから長助池に向かった。
長助池の周りは数個の池塘からなっており、その向こうの山の中腹を通る登山者の姿が小さく見えた。この辺りが以前、僕が滑落した場所であった。ここのどこかに、救助時に放棄した先代のポールやスポーツタオルが土に埋まっているはずであった。
僕は、長助池から、滑落した場所をしばらく眺めていた。今思えば、ようあの場所から生還出来たなと思った。
長助池を過ぎてしばらくしてから急勾配で岩がゴロゴロした登山道で苦戦した。特に黄金清水から麻平までが長く感じた。この辺りを通っている時間は13〜14時頃で日没までには充分間に合って焦ることもなかったのだが、何か雰囲気が16〜17時頃の日没間近な感じがして、降り方が雑になって転倒を何度も繰り返した。無理もない。登山を始めて8時間を超えていたので、不眠に加えて疲労も大いにあった。
眼下に茶色に塗られた吊り橋を見た時、「終わったー! 長かったー!」と思った。吊り橋の下に河原の湯があるそうなので、行ってみたら入浴者で一杯の状態だったので断念。一旦、燕温泉駐車場まで行って登山を終わらせることにした。燕温泉の駐車場に着いたのが14時55分頃で、登山時間は約10時間と意外と悪戦苦闘した。
すぐさま、汗で濡れた服を着替えて、ここから近い露天風呂である黄金の湯に入ることにした。こっちの方が浴槽が男女別になっている上に、入浴者が少なかったので、ここで入浴することに。お湯加減はちょっと熱く感じたが、温泉に入るために頑張ったので、こうして温泉に入れて良かったなぁ〜と思いながら湯船に浸かっていた。
そして、何とかこの登山が成功出来て良かったなぁ〜と思った。
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