初秋の裏岩手山連峰縦走路『岩手山の夕日は紅葉より紅く染まった…』(岩手山〜鬼ヶ城〜三ツ石山〜大深山〜嶮岨森〜諸桧岳〜八幡平)【百】
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- GPS
- 52:40
- 距離
- 40.2km
- 登り
- 3,198m
- 下り
- 2,271m
コースタイム
- 山行
- 6:18
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 8:03
- 山行
- 11:03
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 12:22
天候 | 9/24(土)晴れ時々曇り 9/25(日)晴れ 9/26(月)晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー
キラキラ号(8300円)タクシー(6300円) 経由地:八幡平バス停(路線バス)田沢湖(宿送迎)国見温泉森山荘(泊)=秋田駒ヶ岳登山口 |
その他周辺情報 | 国見温泉 森山荘(1泊2食)9330円(入湯税込・朝食→弁当) http://www.morisansou.com/ |
写真
感想
〜岩手山の夕日は紅葉より紅く染まった…〜
――――――――――『一日目』――――――――――
9月24日(土)
馬返し登山口〜岩手山(お鉢めぐり)〜不動平避難小屋(泊)
夜行バスなので眠れるか心配だったが、思ったより眠れてひと安心。
眠っていたら盛岡に到着していたのでなんだか遠くに来た感覚がしないまま登山開始。
今年はロングが単独だったので、お嫁ちゃんとちょいロングを計画。
白山と最後まで迷ったが、吟味した結果、岩手・秋田の山へ初上陸。
リッチにタクシーで馬返し登山口へ、これも二人なのでなせる業で登山口の駐車場はさすが百名山といった感じのにぎわいです。
『どのあたりから紅葉するかね?』
今思えば紅葉の状況を直近のヤマレコを参考にしていたのだが、この手の情報はFBの方がより直近で多くの情報をとれるのかもしれない。
ルートも歩きやすく、旧道からは先ほどまでいた登山口が見えるほど開けた景色が広がっていて解放感のある独立峰のように感じる。
下もよく見えるが、上も変に見通しが利くので登っていてやや気が遠くなる。
○合目の標柱をたよりに、八合目が近づくと非対称の台形が見えてきて、ほぼ同時ぐらいに立派な八合目避難小屋周辺も見えてきた。
周辺にはたくさん人がいて、よく探さないとベンチの空きがみつからない(^^;)
ここでお昼をとり、食事用の水も補給する。
立派な避難小屋の室内を見学しに行くと、半分程度埋まっていたこともあり少し先の不動平避難小屋を使用することにする。
不動平避難小屋も1階は隙間にお邪魔するような感じだったので、2階を覗いてみる。誰もいないので掃除して端に寝床を確保する。
夕日には少し早かったが久しぶりのお鉢めぐりに向かうと、山頂は風は強くまったりするという雰囲気ではない中時計回りでお鉢巡りをすると、鬼ヶ城、茶臼岳から延びる屏風尾根が目立っていた。
お鉢の中で昭和二年と記載のある立派石柱があることに驚きながらお参りをすませ小屋に戻る頃にはだいぶ日も傾いてきていた。
小屋に戻ると、1階の皆さんのディナーの香りだけでもご飯がたべれそうな良い香りに食欲をそそられながら我が家の食事支度をする。
トイレから戻ったお嫁ちゃんが興奮しているのでついて行ってみると、鬼ヶ城が何とも言えない色に染まっていた。
いつの間にかガスも消えており風もおさまっていた、少し歩くと開けた場所があり、鬼ヶ城と岩手山から延びる尾根の間に夕日と雲海が広がっていて、それはなんとも言えない色に…
『ここまで紅い夕日は初めてだね』
うっとりすることしかできなった。
1日目の最後に今回の縦走がここで終わっても十分満足だと思える事が幸せでした。
――――――――――『二日目』――――――――――
〜三ツ石山は紅葉も人も凄かった…〜
9月25日(日)
不動平避難小屋〜〜大深山荘
昨夜は小屋の皆さんも7時過ぎに就寝で、出発する時間も似ていて、準備もしやすかった。
外はガスが濃くて、朝一お鉢めぐりをしようとしていた人は残念がっていた。
歩くのに支障はなさそうなので予定どおり発、少し上がると鬼ヶ城の稜線に取り付く、下から見ていたとおり険しい箇所もあり慎重に進んでいく。
どのように岩手山が見えるか楽しみだったが、なかなかガスがとれない。
遠くが見えないなら近くの紅葉でもと見渡していると、しばらくして一気に明るくなってくる、ガスの中と青空では紅葉も大違いで、岩手山と屏風尾根がよく見えるようになり御苗代湖や黒倉山を地図と見合わせる楽しみが増える。
切通しで休んでいると、団体さん達がやって来て挨拶を交わすと、七滝から入って日帰りで岩手山を焼走りで抜けると聞き驚きました。
岩場も終わり、気持ちのよい稜線歩きに入るとまもなく網張組と次々にすれ違うようになり、こちらから岩手山を目指す人も多い。
地熱地帯ということで何度も地面を触るがピンとこない、そうこうしている内に地熱の影響らしい泥濘が激しくなり非常に歩きづらい。
稜線にでるとそうでもないが、少し樹林帯に入ると、『やばぁ』なんて言いながら泥濘を歩いてる(^_^;)
大松倉山ピークでお昼をとりながら、三ツ石山からの方とお話すると山頂付近の紅葉と人混みがすごい事になっていると聞き、楽しみ半分、過酷なすれ違いを覚悟して三ツ石山へ向う。
途中三ツ石山荘では予想以上の人で、覚悟をゆうに超えていた(^_^.)
今夜ここに泊る予定だったら、時間の使い方が難しかっただろう。
三ツ石山までは何度挨拶したかわからない程たくさんの人達とすれ違い、満員電車到着直後のホームを逆走している感じだったが山頂は無人駅のようだった。
ガスと風が強いのでなかなかまったりとはいかないが、確かに色づきは素晴らしくてこの縦走で一番の紅葉だと思えた。
大深山荘までまだあるので、あまりゆっくりもしてられなく歩きだすと面白いように風はやみルートが遠くまで見通せる。
たおやかな稜線は素晴らしく嬉しくなる。
小畚山まで歩きやすく、途中に湿原なんかもあり振り返ると三ツ石山山頂の巨岩は、金峰山の五丈岩のようで特徴があり面白い。
前方を見ると大深岳から源太ヶ岳への稜線が屏風のようにそびえ、大深岳までの九十九折りの登りがくっきりと見えている。
余りにも明瞭なので二人で数をかぞえて、登っている時に勘定があうか答え合わせをしながら登った。(結果:下部がみえていなかったらしく少なく勘定していた^_^;)
なかなかの登り返しだったが、意外と歩き易くときおり振り返ると懐が深く色づく小畚山に励まされながら登りきり、本日の登りが終了した事にまず一安心。
途中、水場への分岐があったので経由して小屋に向かう事にしたが今思うと小屋から往復した方が良かったように思える。
沢が最初に目に入ってきたので沢水なのかと思ったが、そんな事はないと切り込み隊長に先に行ってもらい、OKサインが出ているので私も向かうとうわさ通りの水量で、すぐにプラティパスがいっぱいになる。
大深山荘の扉を開けるとすでに二人が休んでいて遅く到着してしまい申し訳なった。
私達も早々に食事をすませ、明日に備えて眠る事にする。
――――――――――『三日目』――――――――――
〜山中で動けなくなる恐ろしさ〜
9月26日(月)
大深山荘〜八幡平
2階の窓を開けると視界が悪くなくないので、外に出ると月が見えている。
昨日の朝はガスが長い時間残っていたので、期待してしまう。
このところ晴れる日が少なく野菜の高騰などが騒がれている中で、雨に降られていないだけでも幸せなのかもしれない。
嶮岨森までは高低差少なく歩きやすい道を1時間程度でピークに到着する。
眺望のきく気持ちの良いところだなぁ…
なんて思ってる矢先に急に気分が悪くなり何度も吐いてしまった。
長い事、山を歩いてるがこんな状況は初めてで、何かウィルス性のものなか、食あたりなのか、色々考えるが食事は基本的に同じものをシェアして食べていたので考えにくかったが、あらためて思い出すとひとつ私だけ食べたものがあり、おそらくそれが原因なのだろうと考えられる。
もう吐くものがなくても、吐き気はおさまらず普段から吐くことはないので正直驚いた。
数回にわたり吐き続けた後、横になると多少楽で少しするといつの間にか眠ってしまったようで、聞くと30分程度は眠っていたらしい。
八幡平までは少し距離があり近くの大深山荘に引き返そうか迷ったが、眠ったせいなのかだいぶ楽になってきたので、先に進む事にした。
山頂で風があり、眠ったせいもあるのか、今度は寒気がひどく、着れるものをすべて着て歩きだす。
鞍部まで行けば、体感温度もだいぶ上がるだろう思いゆっくり歩くと吐き気はおさまり体も徐々に温まり始めてきたように感じた。
前諸桧岳まで登り返しが少し堪えたが、ここでも少し横になり体を休めながら、だましだまし八幡平をめざして歩く。
諸桧岳までは高低差が少なく体への負荷が少ない状態なら歩いている方が血が廻り良くなりそうな気がするのでゆっくり歩く。
一時はどうなる事かと色々考えたが、だいぶ落ち着き天候も見方してくれ周りを見渡すと、歩いてきた縦走路が遠くに見える岩手山に続いている。
秋田駒や乳頭山、きっと森吉山らしきもの見えていて、最後の最後に本当に良いフィナーレを向かえることが出来きて幸せだった。
私のせいで2〜3時間はロスしてしまい、バスの時間が差し迫ったので、畚岳に登る事や八幡平を散策する事は出来なかったが、また面白い山行を計画して出直す事ができればと思う。
時間がないのでロードが長く感じ、百名山バッチを買い、カレーとうどんは10分で完食しバスに飛び乗る。
有名な温泉地を経由しながら、田沢湖までの長い道のりが八幡平の奥深さのようなものを感じる事ができた。(途中トイレ休憩があるぐらい)
田沢湖にバスが定刻より遅く到着した為、明日の行動食をコンビニで補給してから宿の送迎にと思っていたが、すでに宿の方が迎えにきてくれていました(^_^.)
お願いしてコンビニによってもらい、国見温泉の昔ばなしなど聞かせてもらいながら宿に到着すると、そこは風情のある山奥の宿で二人共とても気に入った。
電気も自家発電だそうで、部屋に炊事場があり誰かのお宅にお邪魔しているような感じで念願の温泉は緑色で珍しいらしく、少し入っただけで本当に温まる。
混浴の外湯を楽しみ、温まりに内湯に入り地元の方とお話していると、自宅から15分程度に温泉がいくつかあるのに、1時間かけてここに通っているそうです。
そんな話を聞くと、ますますご利益がありそうな気持ちになってくる(笑)
食事は山菜が中心で、ずっとこのような食事をしていたら身体の中から綺麗になるんだろうなぁ…と普段の食生活を反省。
おかみさん(おばあちゃん)が食事の時にテーブルまできて色々お話してくれ、物語にでてくるような宿での時間だった。
食事をしていた場所は山小屋の談話室のような感じで、連泊しているドイツ人のご夫婦もいて、立ち寄り湯の皆さん+(一匹)と話をしているのが楽しくて、明日の用意がなければもっとゆっくりと出来たかと残念でした。
お世話になった宿の方に最後お礼とおやすみなさいを言うと、この周辺地図を頂き、鳥瞰図のようで見やすくこれもまた嬉しかった。
八幡平
日本百名山(52座目)
↓秋田駒ヶ岳に続く…↓
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-969623.html
――――――――――最後に――――――――――
〜テントからツエルトへ〜
いつもテントなので久しぶりの避難小屋は色々を周囲に気を使うかなぁと思っていたが、そんなこともなく2日共に2階を使用したので人目をきにしないでいれたのも良かったです。
施設も清潔でサンダルも備え付けがあり、今回も念の為テントを持参していたが、このような場所がいくつかあるのであればテントでなくツエルトの方が適切ではないかと…
また今回体調を崩してあらためてわかったことでだが、コンディションが悪くなると当たり前にできた事がものすごく大変になると実感した。
山頂でみるみる寒気がひどくなり、とにかく着れるものをすべて着ようとした時に、普段シェルの中にダウンを着るのが通常なのだが、今着ているシェルをいったん脱いでダウンを着て、またシェルを着るという作業がものすごく嫌でならなかった。
以前読んだ『トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか』で亡くなった方達はダウンなどの防寒着を持参したのに、着用することなく低体温症で亡くなった事を思い出した。
吐き気がやっとおさまったのもつかの間、ものすごい勢いで体が冷えていく中でザックの奥にあるテントを取りだし包まる事なんて到底できない、頭はそうした方が良いと理解しているが、体がそれを受け入れない。
ツエルトなら雨蓋からだして、ザックカバーのような感覚で使用できるのではないだろうか、何を持っていくかも大事だがどのようにパッキングするかも大切な事なんだと勉強になった山行でもあり味わい深い3日間となりました。
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