船窪ー烏帽子(船窪小屋のご飯を食べる〜💓)
- GPS
- 54:54
- 距離
- 27.1km
- 登り
- 3,275m
- 下り
- 3,268m
コースタイム
- 山行
- 5:41
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 5:50
- 山行
- 7:36
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 7:45
- 山行
- 5:06
- 休憩
- 2:31
- 合計
- 7:37
天候 | 雨のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
高瀬ダム〜七倉登山口:タクシー2100円(100円おまけしてくれることもあり) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・七倉登山口に登山ポストあり。 ・七倉〜船窪 急登。梯子多数。 ・船窪〜不動岳 ガレ場あり。崩落地多数。 ・不動岳〜南沢岳 倒木一ヶ所あり。 ・南沢岳〜烏帽子小屋 ガレ場あり。道が不明瞭なため方角に注意。 ・烏帽子小屋〜濁沢 急登。濁沢の梯子は河川下部にあり。 |
その他周辺情報 | 七倉温泉(600円) |
予約できる山小屋 |
七倉山荘
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
|
---|---|
備考 | 忘れ物 フランスパン 2日目以降の写真は、訳あってコラージュ機能を駆使。見にくく、ごめんなさい。。。 |
感想
wanikoは、単独で七倉〜湯股〜野口五郎〜烏帽子〜高瀬ダム〜七倉を予定していた(本当は七倉〜船窪〜蓮華岳〜針ノ木〜針ノ木出合〜船窪〜七倉が一番行きたいルートだった)。
・七倉は、以前にも行ったことがある
・駐車場が空いている
・悪天候でも湯股温泉でのんびり出来る
・烏帽子のテン場が強風にさらされない
これらを考慮し、上記の竹村新道からの野口五郎〜烏帽子ルートを考えた。
が、出発当日terjeさんと連絡を取っていると、terjeさん一行も七倉を使うことが分かった。terjeさんから「七倉計画してるなら一緒に来なよ」と誘われ、7日の22時過ぎに参加が決まった。
七倉を6時に出発すると、登山口から20メートルほど入ったところに荷台に発泡スチロールの箱が積まれた自転車が置いてあった。登山者が七倉までの山道を自転車で来て、登山口から20メートルもゴツゴツした道をこいだのかと想像するとその労力に驚きを覚えた。
七倉尾根はすぐ急登になり、寝起きの体には少々辛い。だが、terjeさんの友人zさんのお山のお話しは豆知識が沢山詰まっており、その登りの辛さを吹き飛ばしてくれた。
お天気は、午後から荒れる予報であったが、登り初めて1時間も経たない内にポツリと雨が降ってきた。樹林帯のため、まだレインを着る必要はないと足を進めるも、雨足は強くなるばかり。terjeさんとzさんが揃うとお天気が荒れるとか。。。。そのため、レインカバーをザックに掛け、レインウェアを羽織った。
葉はしっとりと濡れ、蜘蛛の巣に着いた水滴は輝きを放つ。美しかった。
木々が濡れたのも好き。土が湿っぽくなるのも好き。雨も美しいと思いつつ足下に目を向けると、そこは木の根だらけ。美しいとばかり思っていられず、足の置き場に注意を払いつつ登る。
鼻突八丁に着くと、そこからは梯子の連続。木の梯子は雨に濡れテカテカ光る。足を置く場所は丸くなっており、切り込みが入ってない。慎重に一段一段登る。
いったい、何個の梯子を登っただろうか。
また梯子、まだまだ梯子と思いつつ登り続けると初めて背後から人の声が聞こえた。
少し広い場所で後ろから来た方に道を譲る。この方たちは、船窪小屋の小屋閉めのお手伝いに来たお兄さんたちであった。
梯子の連続が終わると森林限界に着いた。その頃には雨も上がりレインウェアが暑く感じられた。レインを脱ぐも直ぐに雨が降りだし天狗の庭からの眺望はゼロ。。。
いったいどんなお庭なのか、どんな景色が見られるのか。想像だけで楽しむ。
「天狗の庭から船窪小屋は50分くらいだよ」とお兄さんに教えて貰っていた。あと50分頑張る〜と歩き続けると、小屋が見えた。
小屋は小さな平屋建て。写真で良く目にしていた玄関を見た時は少し感動した。
小屋に入ると、「まずは、お茶を飲んで〜」とスタッフさんがおもてなしをしてくれた。受付を要求するのではないのか〜と思いつつお茶を頂く。温かいお茶は、雨で冷えた体に染みた。レインと靴を脱ぐとお部屋を案内された。お部屋で荷物の整理を終え、囲炉裏のある居間に向かう。受付を済ませ、囲炉裏でくつろいでいると、船窪小屋のお父さんが卵の紙パックを囲炉裏で燃やし始めた。囲炉裏の火は勢いを増し、私たちは燻される。
その煙でZさんは、目がしょぼしょぼ。。。
terjeさん爆睡。
waniko全然平気。
火が強くなったところでお父さんは墨を投入。遠赤外線効果でお部屋はポカポカ。本を読みながら午後をゆっくり過ごす。しかし、ほぼ寝ずにいたwanikoは眠くてたまらない。お部屋に戻り、ご飯ができるまでお昼寝をする。
1時間ほど眠っただろうか。第一順目の夕食の方々の拍手と歓声で目を覚ます。
再度眠ると、今度はwanikoたちが食事に呼ばれた。起き上がり、居間に行く。囲炉裏を囲ったテーブルに並んだおかずは、山小屋とは思えない程の豪勢さであった(写真のとおり)。加えて、小屋閉め間近ということもあり、ビール1本が振る舞われた。wanikoはお酒が好きなので、とても嬉しかった。
おかずの説明があったものの、その量の多さに覚えきれない。ランプの薄明かりの下で、おかずがはっきり見えない。口に入れてからその正体が初めて分かる。そんな夕食は、船窪小屋ならでは。
あまりにもおかずが多く豪華なので、同じおがずが2つあるものは全てterjeさんに1つ分け、ご飯も半分分けた。
が、かぼちゃのスープは美味しすぎた為、おかわりした。他のおかずがなければ、かぼちゃのスープだけで10杯はいけたと思う。もちろん、他のおかずもとても美味しかった。
そして、おかずの説明の時に分かったことが1つある。夕食に振る舞われたブリのたたきは、登山口に自転車を置いてきた方が山の上まで運んで下さったとのこと。その自転車を思い出し、「ブリはあの発泡スチロールの箱に入っていたのか〜」とwanikoは、納得した。が、何故自転車で登山口まで?車でなく?と疑問は今でも残っている。
お腹いっぱいになり、居間の片付けが終わるとお茶会が始まった。
船窪小屋の歴史DVDを見るとお父さんが針ノ木谷出合いを整備していたことが分かった。「私が行きたかった道」と思うとともに絶対に歩きたいと思うルートに変わった。歴史を知って歩くと感慨深いものがあるだろうと今からとても楽しみである。
DVDを見終わるとお父さんの高校生時代の登山の話に移った。60年以上前の登山の話はとても新鮮で、お父さんにはお父さんの登山の歴史があったのかとほっこりした。また、昼間は、無口に囲炉裏の世話をしていたお父さんが、夜になると流暢になることに驚いた。
そんなこんなでお茶会第1部は、お母さんの心温かな言葉で締められた。
第2部は、20年以上も船窪小屋に通い続けるまっちゃんの演奏会。ランプの明かりと囲炉裏の暖かさはまっちゃんの演奏ととても合っていた。力強くも優しい音色にwanikoは涙が出そうになった。全部で5曲だったかな?演奏の合間合間に挟まれるまっちゃんの冗談に笑いありで、あっという間に演奏会は終わった。
(また聴きたいな〜。)
9日(2日目)
嵐の音で目が覚めた。terjeさんに「これ、雨と風の音?」と確認すると、そうだとの返事が返ってきた。
wanikoは、「また烏帽子には行けないのかな…」と少し残念に思いつつ、出発まで様子を見るだろうと期待を捨てずにいた。
選択肢としては、8時までにお天気が回復すれば烏帽子まで行く、回復しなければ船窪のテン場で過ごすor下山の三択であった。
6時に朝食を終え、天気の回復を待ちつつ一時間程眠りに着く。
8時頃、雨は小雨になり「今なら出られる!」と烏帽子に向け出発の準備にとりかかる。
船窪小屋との別れは名残惜しく、玄関で何枚も写真を撮る。礼を伝え、いざ出発。小屋のスタッフさんは、鐘を鳴らし総出でお見送り。烏帽子に向け足を進めるも、小屋を振り返ればいつまでもスタッフさんが手を振ってくれていた。wanikoたちも手を振る。その度に鐘を鳴らしてくれた。
姿が見えなくなるまで見送ってくれる。なんて温かな小屋なのだろうと船窪小屋が大好きになった。
烏帽子までは、船窪岳、不動岳、南沢岳を通る。高低差のある尾根。崩落が激しい尾根であった。「へ?!ここ登るの」と思う斜面を登り、「へ?!ここ渡るの?」と思う道を渡った。こんな尾根歩きは一人だと少々辛い。だが、Zさんとterjeさんが一緒なので心強かった為、安心して歩けた。
小屋を出発しておよそ一時間が経過したころ、船窪岳に到着した。
船窪ピークは少し休める広さになっており、そこで急登の疲れを癒す。
5分ほど休憩し、不動岳を目指す。船窪岳から不動岳の道は、今までにも増して崩落が激しい。「一人ずつ渡れ」と看板があった為、この先に橋でもあるのかな〜と覗くと、両側が切れ落ちた道であった。橋でもないのに一人ずつ?!とwanikoは驚いたが、それが崩落の激しさなのだと理解できた。
不動岳に着くと風は強くなり、休憩するも体温は風に奪われる。風を遮るものはない。一面ガスに覆われ、なんの景色も見れなかった。
不動岳から南沢岳へはの登りも急である。その上、砂地のため地面が柔らかく少し歩きにくい。南沢岳ピークに黄色の山頂を示す標はなく三角点がポツリとあるだけだった。こちらの山頂もガスと呼吸がしにくいほどの強風が吹いていたため、通るだけであった。が、穏やかな日には、ここでコーヒーを飲むととても気持ちがよいだろうと思える頂上であった。
南沢岳から烏帽子分岐までは、約一時間。最後の休憩を四十八池付近で済ませ、烏帽子小屋へ向かう。そのころには、空は高気圧に覆われお天気も回復した。右手には烏帽子岳、左手には8月に登った唐沢岳と餓鬼岳。満足な眺めが広がっていた。いったい、朝の嵐はどこへ行ってしまったのだろうか。
なお、登り下りの激しい縦走路と強風に疲れたため、烏帽子岳は3日目の早朝に空身で登ることとした。
小屋につき、テント場の手続きを済ませる。小屋から4分ほど下った場所にテント場があるため、ビールも先に買っておく。ビールは一本600円のところ、小屋閉めのため一本500円にサービスしてくれた。
ビールを片手に、いや、wanikoはビールを両手に、テン場へ下った。
テント場は事前に調べていた通り、風にさらされにくい場所にあった。また、きちんと区画整理されており、テントが水没しにくいよう、水路も掘られていた。
テントを設営し、食事を終える。就寝前にトイレに行くと、烏帽子小屋のスタッフ(本当は野口五郎小屋のスタッフ)のフミさんが小屋の外で一服していた。
フミさんはとても優しく、今日は冷えるねーから話が始まり、山もいいが下界が恋しくなるなど、フミさんのプライベートなことにまで話が及び大変盛り上がった。
20分ほど、お話しをし「おやすみなさい」とフミさんと別れた。
テントに戻り、terjeさんにお湯を沸かしてもらい、寝る前に一杯飲む。
この一杯を飲むだけで、体がぽかぽかのまま眠りにつける。
夜中には氷点下2度まで下がったようだが、お湯のおかげで、wanikoは一度も目を覚ますことなく朝を迎えられた。
10日(3日目)
テントから出ると目の前に野口五郎岳の姿があった。その姿は迫力がありとても美しかった。やはり、野口五郎岳に登りたい。そして来年はフミさんに会いに行こうと思った。
5時半にテントを出発し、烏帽子岳を目指す。途中に大きな霜柱が多数あり、夜中に気温が下がったのだとそれを見て分かった。今年初の霜柱。その大きさにwaniko一人で大はしゃぎ。夜が明けてしまうため、霜柱にはしゃいでもいられず、ピークへ急ぐ。が、烏帽子分岐手前で朝日が昇ってしまった。。。
ピークで朝日を見ることはできなかったが、雲海から出てきた太陽は、下界での全てのことを忘れさせてくれた。
烏帽子のピークへは、大好きな鎖場を通る。鎖に心躍らせ、岩場を登る。手足の短めなwanikoでも登ることができた。
ピークは狭く、一人立つのがやっと。交代でひとりずつピークを踏む、というかピークにまたがる。
ピークからの眺めは360度雲を挟むことなく、山並みを見ることができた。
いつか歩いてみたい読売新道。赤牛岳。五色が原。剱岳。黒部五郎。歩いたばかりの鷲羽、水晶、唐沢、餓鬼、などなど八ヶ岳も見ることができた。
また、ここでこの景色を見たいと思える場所であった。
30分ほどだろうか。3人だけの時間を頂上で満喫した。
ピークから下り、テン場に戻る。朝食をとり、8時半には撤収、下山開始という行動予定。撤収まではほぼ計画通り。テント場に別れを告げ、小屋の前を通ると烏帽子小屋の主人が卵を燃やしていた。「卵燃やしてる!」とつい口走ってしまうと主人は「食べるか?」と冗談交じり。トイレを済ませ、小屋の前で下山準備をしていると、再度「卵ができるの待ってるのか?!今持ってくるよ」と(笑)。wanikoたちは、「燃やしてた卵頂けるの?!」と喜ぶ。一人2つは食べられるように7つも卵をプレゼントしてくださった。且つジュースも一人1本プレゼントしてくれた。
焼き卵に舌鼓をうち、3人で頬張る。下界では、「焼き卵?('ω')」となるwanikoだが、山の上では「焼き卵!(∩´∀`)∩」とその美味しさにテンションが上がった。
ご主人は、私たちが食べている様子を見て「何十年も小屋をやっているが捨てるものを食べてくれた人は初めてだ」と…。
卵を食べ終わり「ごちそうさまでしたー!」と言うと、フミさんと小屋のお母さんは烏帽子小屋の看板外しに取り掛かるところだった。外す様子を最後まで見届け、一つお願いをした。「この看板を持って写真を撮ってもいいですか?」と。
するとサービス精神旺盛なフミさんと烏帽子小屋のご主人は即快諾。フミさんにカメラを預け、3人で看板を持ち写真を撮っていただいた。
テント泊にも関わらず、烏帽子小屋のみなさんは沢山のおもてなしをして下さった。
気が付くと時間は9時半。フミさん、ご主人、お母さんにお礼を言い、「また遊びに来ます!」とお別れした。
計画より1時間遅い下山開始となったが、卵やジュースをいただけたこと、看板を持って写真を撮れたことは、wanikoにとってとても素敵な思い出になった。
下山に使うブナ立尾根は、随所にフミさんが整備したと思われる階段がある。一段一段高すぎないステップで歩きやすくなっていた。昨晩、フミさんが苦労話をして下さっていたが、その苦労が伝わってくる道であった。
(フミさんありがとー!)
烏帽子小屋から2時間半ほどでブナ立尾根取付場所に付いた。
一時は、烏帽子までの縦走を断念せざるを得ないかと思ったが、無事に縦走を終えられ、大満足。
いつも思うことだが山は、すべてのことを忘れさせてくれる。
そして、自分を自分らしくいさせてくれる。
なんでかなー。今回はそんなことを特に感じさせてくれたお山歩きでした。
誘ってくださったZさん、terjeさん素敵な時間をありがとうございましたー!
船窪小屋のスタッフさん美味しいごはんと癒しをありがとうございましたー!
小屋泊から5日経った今でも燻の香りが地図とレインウェアに残ってます!懐かしの香りです!
烏帽子小屋のご主人、フミさん楽しいひと時をありがとうございましたー!また遊びに行きます(*´▽`*)
コメント
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はじめまして
悪天候での急登と強風を乗り越えて、その後の山小屋の人達の暖かさを
感じられるレポで、感動しながら拝見させていただきました。
ORUTOさん、コメントありがとうございます
本来なら、雨、風の稜線歩きと崩落個所の多さに心折れるところでしたが、小屋の方々や同行者のお陰でその様にはなりませんでした
小規模な山小屋では人の魅力を感じられるのかな〜と思えた山旅でした
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