【秋空作戦】常念岳〜蝶ヶ岳(三股周回)【甲55.3】
- GPS
- 09:54
- 距離
- 19.4km
- 登り
- 2,197m
- 下り
- 2,199m
コースタイム
- 山行
- 8:47
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 9:53
天候 | 快晴〜晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
三股〜常念岳:急な登りが続く。前常念岳周辺は岩上り。 常念岳〜蝶ヶ岳:常念岳側は岩、蝶槍周辺は樹林帯、蝶ヶ岳周辺はなだらかな稜線。 |
その他周辺情報 | ファインビュー室山 530円 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
濃霧と霧雨に始まった山行は、強風と秋晴れの稜線歩きとなった。標高の層ごとに千変万化の空模様は、まさに秋の空。この佳き日に常念山脈の稜線を歩く。
【序説】
今年は体調と天気の都合で高い山に行けなかった。そういうこともあり、何とかもう一峰2500m超級歩きたいという思いはあったが、季節はもう10月末。雪も降り始めている中、どこなら歩けるか慎重に検討を重ねる。
【山行計画】
昨年空木岳に行った際に強風のため断念した南駒ヶ岳〜越百山周回を軸に考えていたが、予備の山行候補を検討する中で、南信・甲州よりも中信の方が好天を望めることに気づき、以前計画だけ作っておいた常念岳に目的地を変更する。風速予測は17m。
【三股へのアプローチ】
山中に入っていくと間もなく濃霧に包まれる。ライトが霧に当たってホワイトアウト状態になるので、そろそろと車を進める。今回の山行においては三股までの濃霧の中のドライブが最も注意を要した。そのような深山幽谷の駐車場に車がたくさん止まっていてこれまたビックリする。
【霧雨の中の出発】
当初5時発の予定を30分ほど早める。生憎雨が降っていたので若干逡巡したが、服を濡らすような雨ではなく、この後天候が回復することを確信していたので出発する。
三股登山口で先行者2名。彼らに続いていくが明らかに道の様子がおかしい。一旦登山口に戻るとちゃんと標識があった。先行した2人組も戻ってきて蝶ヶ岳へ向かう。
【前常念岳コース】
登山口に「体力の無い人は云々」という看板があったが、闇夜の中、足元に気をつけながら、また、道を見失わないよう気をつけながら歩くことに集中していれば、あまり疲れを感じることなく、気がつけば稜線の端に乗っている。
【前常念岳】
梯子を上れば森林限界。青空の下、大きな岩を一つ一つ上っていく。谷間から吹き上げてくる風は強烈だが、身体のバランスを崩すほどではない。これなら行けると信じて進めば、一時的に風が収まり、常念岳が眼前に姿を現す。
【常念岳】
強風吹き荒ぶ山頂には親子連れ含め意外と登山者が来ていた。無雪期山行ができるギリギリの時期ということで強風と分かっていても来るのだろう。山頂からは360度の展望。西側から北側は御嶽、乗鞍岳、穂高、槍をはじめとする北アルプスの山々と妙高・火打が、東側には大雲海が広がる。眼福眼福。
【常念岳〜蝶槍の稜線】
厚着していても山頂に20分もいれば寒く感じてくるので、稜線歩きに移る。連れがいればそれ以上の進出を断念するような強風だが、断じて行えば鬼神も之を避く。同じ稜線でも常念岳側が岩、蝶槍側が樹林というのは趣深い。途中、ポツポツと対向者あり。挨拶を交わしつつ進む。2592ピーク付近で擦れ違ったのは入山口を間違えていた2人組だろう。
【蝶槍〜蝶ヶ岳の稜線】
蝶槍〜蝶ヶ岳間は稜線がなだらかで一見歩きやすそうに見える。しかしながら実際歩いてみると、風の通り道らしく、穂高方面から物凄い風が吹いてくる。風が目に入ればドライアイになり、口に入れば空気が行き場を失って息苦しくなる。
【蝶ヶ岳】
強風吹き荒れる中でも蝶ヶ岳ヒュッテの周辺は落ち着いた感じだ。さすがに防風処置を施してあるだけのことはある。そこを横目に蝶ヶ岳に立つ。一時的に雲がかかった槍ヶ岳の雲も取れ、東側では八ケ岳の姿がより見えるようになってきていた。コースタイムに8掛けして予定を組んでいたが、出発を早めたこともあり、予定よりかなり早く着いたので、妖精の池まで足を伸ばした。
【下山】
妖精の池から蝶ヶ岳に戻り、一時的に山頂を独占する。これだけ爽快な山行と展望は今年なかなか無かったように思う。今しばらく眼前に広がる大パノラマを眺めていたいという気持ちから山頂付近をウロウロしていたが、やはり下山はしないといけない。名残を惜しみつつ、常念岳を振り返り振り返りガレた山道を下っていく。
【蝶ヶ岳〜三股】
最初こそガレていたものの、前常念岳コースと違って、非常に人の手が入っている感のある登山道。非常に歩きやすい。ここ最近は下りでも気の抜けない道ばかり歩いてきたので、これはありがたい。アルプスでこれだけ整備されているのは燕岳以来のような気がする。
【総括】
強風を押して断行した晩秋のアルプス山行は山に受け容れられて成功裡に終わった。今回の山行は、寒さが日に日に強まって外出するのが億劫になってしまう前に、山の素晴らしさ、気持ち良さを改めて自分に認識させたという点で、今後の布石ともなるものである。稜線から眺めた奥穂高や妙高、火打等、来年こそは絶対に登るぞという決意も新たに、それらの山々に確実に達すべく、日々精進を積み、山行の襷を繋げていきたい。
〜おしまい〜
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