松高ルンゼからの奥又白池
- GPS
- --:--
- 距離
- 20.5km
- 登り
- 1,009m
- 下り
- 1,004m
コースタイム
- 山行
- 5:31
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 5:56
- 山行
- 3:34
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 4:05
天候 | 1日目 曇り 2日目 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
上高地までバス 往復2050円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【松高ルンゼ】 雨上がりの沢はとにかく滑る ガレ場は落石注意 【中畠新道】 地図上では点線ルート 急勾配、倒木あり |
その他周辺情報 | 朴ノ木 宿儺の湯 割引券で500円 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
1/25
000地形図
ガイド地図
コンパス
筆記具
ライター
ナイフ
飲料
ティッシュ
バンドエイド
タオル
携帯電話
計画書
雨具
防寒着
スパッツ
手袋
ビニール袋
替え衣類
シュラフ
シュラフカバー
ザックカバー
食器
水筒
時計
日焼け止め
非常食
アイゼン
ハーネス
環付きカラビナ
カラビナ
テープスリング
ヘルメット
お酒
おつまみ
ATCガイド
カム
デイジー
テントマット
ツェルト
コンロ
ガスカートリッジ
コッヘル(鍋)
ファーストエイドキット
カメラ
車
|
---|---|
備考 | SONYのマクロレンズとCANONのレンズ間違えて持ってきてしまった |
感想
ここんとこ数年のパターンとしては、夏の週末は登山、10月くらいからは岩場でボルダリングだった。
先々週からは小川山、岐阜の笠置へとボルダリングに出かけ、もう登山用具は使わないと思っていたが、突然HDが山に行こうと言い出した。
今年は天気が悪くなかなか登山に行けず、なんとなくボルダリングモードにシフトし、気がつけば二ヶ月ぶりの登山だった。
松高ルンゼ。
最初は高松(タカマツ)ルンゼだと思って調べていたが、パソコンで検索しても何も出て来なかった。
マツコウと読む。
改めて調べてみてもほとんど記録は無く、HDの持ってる本、北アルプスのルートを網羅している日本登山大系にも乗って無かったようだ。
二年前、中又白沢を登ったけど、その隣のルンゼになる。
いつものように金曜日夜出発、あかんだな駐車場は登山シーズンピークを過ぎてたから満車にはならないだろうと思い、岐阜県側の阿房トンネル手前に車泊した。
ここはトイレもあり、屋根まである。
しかもトイレは暖房がきいてて洗面台は温水まである。
いつものように晩酌して12時頃就寝。
6時半に起きて、あかんだな駐車場に向かう。
天気は雲り。
着いたら、今までみた事ないくらいの車の少なさに驚く。
朝食のおにぎりを食べ、支度を済ませ、7時50分のバスに乗った。
バスを待つ人も登山者らしい人は少なかった。
上高地着、いつも人がたくさんの河童橋も少なめ。
山を見ると上の方ははガスがかかっていた。
明神の手前で、年配の男性に声をかけられ、奥又白池に行くと話すと、人のあまり行かない所が好きだと思われたのか、奥丸山をすすめられた。
前からHDが行ってみたいと言っていた山だった。
笠ヶ岳や穂高が見渡せて景色がいいそうだ。
男性は社長さんで、最近心臓の手術を受け、医者に止められてるけど山歩きに復帰したらしく、この辺りを歩いてるだけと言い明神館の前で別れた。
かなり山が好きな方の様だ。
その前に、軽装で上高地から9時過ぎ出発で穂高まで行くと言う外国人がいたので、会ったら行くなと注意してくれと言われた。
結局それらしき人には合わなかったけれども。
前日、標高の高いところでは雪が降ったらしい。
徳沢で飲み水の他に1リットルずつ水をソフトボトルに補充して、おにぎりを食べて休憩して出発。
新村橋を渡り、しばらくなだらかな道を歩くと分岐に到着。
岩に赤いペンキで矢印が書いてあり、ここから涸沢へのパノラマコースと中畠新道に分かれ、さらに松高ルンゼの分岐でもある。
ルンゼの取り付きに着くと、沢は前日の雨で結構水が流れている。
HDの見つけた数少ない記録の写真ではこんなに流れはなかったみたい。
少し私は不安だったけど、行けるところまでは行こうという事になった。
ヘルメット、ハーネス、ガチャを準備して登り始めた。
一つ目の滝は右を巻いたが、岩が相当濡れていてとにかく滑る。
それから小さな滝を右へ左へいくつも超えた。
ずっと先頭を行かせてもらっていたが、一度HDと左か右かで意見が分かれたりした。
小さな滝だけど、滝壺を横切ったときにズボンが結構濡れた。
ホールドとスタンスが少ないところでは、岩に溜まった泥を掘り出してホールドを探した。
ホールドもビッタリ濡れてるし、足は滑るし、手をかけ足をかけてムーブを起こそうとするけど、もしつるっと滑ったら数メートル滑落という場所ではかなりもたもたした。
ボルダリンググレードだとしたら8級くらいだとHDは言う。
その通りだと思うが、びびってなかなか登れない。
「滑る、滑る!無理無理!」
なんて言いながら確実なホールドを探して必死に登った。
草付の草をつかんで登る事もあったが、枯れててブチブチとちぎれてなんとも頼りなかった。
フリースの袖もビショビショになった。
一時間くらいたっても数十メートルくらいしか進んでなかった。
HDは終始余裕。
取付きから、ちゃんと数えてはいないけど、20個以上の滝を超えた。
ときどき藪漕ぎもして、ガレ場になったら、沢が二俣に分かれていた。
左の方はガスってて上の方は見えなかったが、右の沢の右岸をトラバースして沢をまたいだら登山道に出た。
とはいっても地図上では点線の中畠新道である。
結局ロープは一度も出すことはなく、松高ルンゼ制覇。
終わってみればところどころ怖かったけど楽しかったし、達成感もあった。
一応、私に取付きから全部ルートファインディングさせてくれたHDに感謝。
結局大した距離でもないのに、取付きから登山道合流まで2時間15分もかかってしまった。
中畠新道に出ると、結構悪い急登が続いた。
ガスっていて景色はあまり見えないが、ここを越えたらもしかしてと思えるところに来たら、HDが先に道を譲ってくれた。
景色が開け、奥又白池が見えた。
ガスってるけど、神秘的。
別天地。なんだか感動。
ここに来たのは二度目で、二年前中又白谷から登って以来だった。
あのときは、Nさんと3人で奥又白池と前穂の素晴らしい景色を前に結構長い事山談義して、いつかここでテン泊したいね、と話していた。
そしてこの場所はこの日私達の貸切だった。
寒くてガスってたけど、ビールで乾杯して宴会を始めた。
寒いのでシュラフにくるまって、石のテーブルの上におつまみと酒をおいて飲んでいたが、暗くなってきたのでテントに入って食事した。
持って来たワインも焼酎も全部飲んでしまったので寝るしかなくなった。
テントでうたた寝していたが、ふと目が覚めると空が晴れていて、回復傾向の天気予報で期待していたが、やっと星が出始めた。
テントの外に出ると、今年見た中で一番の落ちてきそうな星空だった。
天の川もくっきりと見え、流れ星もいくつか見た。
HDは流れ星を撮ろうと何度もシャッターを切っていたが、冗談みたいに全くタイミングが合わなかった。
写るときはどの写真にも流れ星が写っていることがあるという。
朝、とてもいい天気だった。
霜柱が立っていたのでかなり冷え込んだみたいだけど、私はモンベルの2番のシュラフとカバーにくるまって足の裏に貼るカイロを貼って寝たので、超冷え性の私でもあたたかく寝ることができた。
前穂もきれいに見え、池の周りを一周して、山の下の方を見ると雲海だった。
もっとここにいたい気もするが、朝ごはんを食べ、出発した。
中畠新道を下って行くと、突然前に人が立っていたので思わず、
「うわっ!びっくりした!」
と言ってしまった。
失礼なことをしてしまったが、謝って挨拶した。
昨日から自分達以外に人の気配をしばらく感じていなかったので、自分の反応にも驚いた。
それからも合わせて3組登山者に会った。
奥又白池は意外と人気のコースのようだ。
中畠新道からときどき自分達の登った沢を見る事ができたけど、昨日と様子は全然変わっていた。
乾いてて、水量も少なく快適そうなので、ワングレードは違うんじゃないかとHDは言った。
そして昨日はガスで見えなかったが、最後二股に分かれていた沢の左側は数十メートルそそりたった岩壁だった。
「これは登れないね。」
と二人で話した。
中畠新道とパノラマコース分岐で、年配の男性に声を掛けられた。
奥又白池に行きたいそうで、道を聞いてきた。
中畠新道への取り付きは、分岐から緑のプレートが岩に貼り付いている岩を登っていく。
あっちですよ、と指を指して説明しているのだけど、分岐の赤いペンキの目印の岩のそばから左の方へのびている踏み跡を行きたがる。
やっとそちらに向かってくれたのだけど、私たちも歩き出して何度も振り返ってみるが、数十メートル先なのになかなか取り付きまでたどり着かず、途中で休憩してる。
もう10時を回っていたし心配になった。
二組中畠新道に入っているので大丈夫だろうと思ったが、あのペースではかなりの急登なので、一体いつ奥又白池にたどりつけるのかわからない。
心配だったけど、私たちは上高地に向かった。
途中お腹が空いたので明神館で天ぷらうどんと牛丼を注文し、HDに飲んでもいいよ、と言ったら、本当に嬉しそうにビールを飲んだ。
一番搾りありますか?とお店の女性に聞いた時、それ何ですか?とかえってきたのにはびっくりしたが、説明したら、ああ、キリンですねと言った。
飲まない人にはわからんもんなのね。
二ヶ月ぶりの山歩きで翌日はすっかり筋肉痛になった。
HDは相変わらずなんともない。
紅葉もすっかり終わっていたが、人の少ない上高地、静かな山はすごくいい。
寒いけど、雪が降る前のこの時期に行くのはありだな。
上高地の紅葉は終わりかけだったけど、平湯あたりでは見ごろだった。
登山はまた来年。
今年はあまりいけなかったのが残念だけど、楽しみはまだまだ尽きない。
追記
二ヶ月前に登山靴がビショビショになり、そのあとは乾燥剤などでカラカラに乾かしてはいたけど、履いたときに二人とも違和感を感じていた。
きついのである。
歩き始めは相当歩きにくさを感じていたが、徳沢に着いた頃にはほとんど元に戻っていた。
登山靴は絶対中を濡らさない方が良いと思った。
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