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Yamareco

記録ID: 113871
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
剱・立山

憧れの剱・仙人池

1990年08月22日(水) ~ 1990年08月27日(月)
 - 拍手
hagure1945 その他1人
GPS
128:00
距離
32.4km
登り
2,896m
下り
4,679m

コースタイム

8月22日 池袋23:00 西武バスで富山へ 
8月23日  富山6:00-6:30室堂8:45-9:00雄山11:30-12:15御前小屋15:30
8月24日御前小屋7:00別山7:45-8:00 御前小屋8:30-8:50黒百合のコル9:50-10:15剣山荘
剣沢11:30雪渓終わり尋12:15-12:30真砂沢ロッジ
8月25日 晴れ
真砂沢ロッジ6:10へずりの先の河原6:55-7:00二股7:15-7:45 大窓の踊り場8:45二つのコプの手前 9:10-9:20二のコプの間9:40-9:50小屋が見える地点10:20仙人池ヒュッテ10:55-12:55池の平小屋13:25-13:30 池の平13:45-14:15 仙人池ヒュッテ15:20
8月26日 晴れ
仙人池小屋5:55沢出合い6:10-6:15仙人温泉小屋7:30-7:45 第二の沢の出合い8:20-8:30 黒四分岐 10:05阿曾原小屋10:20-11:10 平道取りつき11:40-11:50大滝12:50-13:00欅平が見える地点 13:40-13:45志合谷トンネル14:15-14:20下りにかかる15:35 橇平16:20-16:31宇奈月17:50-20:11 
富山21:21-2230
8月27日 池袋 5:00
天候 晴れ
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
コース状況/
危険箇所等
この記録は21年前のものとなった。特筆すべきことは仙人池から阿曽原への道である。沢沿いの道が崩落などにより通行止めとなり、仙人温泉から尾根筋の道に帰られたことであろう。この新しい道は今年歩くかも知れないが、途中に3段の梯子があるとかで、以前より油断できない道に思える。
予約できる山小屋
仙人池ヒュッテ
剣山荘
称名の滝をバスから見る
称名の滝をバスから見る
弥陀ケ原をバスで室堂に向う
弥陀ケ原をバスで室堂に向う
室堂到着。あいにくのガスで風景がない
妻と立つ室堂の原は真白にて霧雲(ガス)の覆いて肌寒きほど
2
室堂到着。あいにくのガスで風景がない
妻と立つ室堂の原は真白にて霧雲(ガス)の覆いて肌寒きほど
一ノ越へ向かう
2002年08月16日 18:09撮影
8/16 18:09
一ノ越へ向かう
一ノ越の中間辺りかな
寒々し光景にある立山の山道歩む妻の愛しく
1
一ノ越の中間辺りかな
寒々し光景にある立山の山道歩む妻の愛しく
あいにくの天気、肌寒いくらい。
あいにくの天気、肌寒いくらい。
一の越に到着、眺望なし。
一の越に到着、眺望なし。
立山に登る
2002年08月16日 18:09撮影
8/16 18:09
立山に登る
初めての立山に来て雨降らば悲しくなるよ妻をおもうに
初めての立山に来て雨降らば悲しくなるよ妻をおもうに
立山の山頂に到着、しかし、雨が降り始めた。
2002年08月16日 18:09撮影
8/16 18:09
立山の山頂に到着、しかし、雨が降り始めた。
風も有るのでロープを用意した。頂上本殿にもお参りした。
立山の頂上本殿祈れども雨風さらにつよまる気配
風も有るのでロープを用意した。頂上本殿にもお参りした。
立山の頂上本殿祈れども雨風さらにつよまる気配
稜線を風と向き合いながら大汝山に。立山最高点。
立山の神の嫉妬かこの風雨ロープに託す愛の絆を
稜線を風と向き合いながら大汝山に。立山最高点。
立山の神の嫉妬かこの風雨ロープに託す愛の絆を
少しずつ緊張してきた顔だ。3000の稜線で、初めての体験。ここから先は予想以上に厳しい状況になり、御前小屋までは必至だった。
少しずつ緊張してきた顔だ。3000の稜線で、初めての体験。ここから先は予想以上に厳しい状況になり、御前小屋までは必至だった。
翌日の朝、靄の小屋の前から剱がうっすらと見える。
2002年08月16日 18:10撮影
1
8/16 18:10
翌日の朝、靄の小屋の前から剱がうっすらと見える。
室堂の霧が上がっていく。
室堂の霧が上がっていく。
今日は天気は良くなりそうだ。
室堂に朝霧残り明けきらず冷気のなかに赤光をまつ
今日は天気は良くなりそうだ。
室堂に朝霧残り明けきらず冷気のなかに赤光をまつ
立山と御前小屋
大日岳と白山
右下は地獄谷かな
右下は地獄谷かな
朝日きて白山山頂付近明け染めて室堂の原まだ暗し
朝日きて白山山頂付近明け染めて室堂の原まだ暗し
剱岳ほのあかりに包まれて聖者の如くあらわれり
剱岳ほのあかりに包まれて聖者の如くあらわれり
2002年08月16日 18:09撮影
8/16 18:09
日の出でて山に息吹きがふきこまれ大地の鼓動つたわりつ来る
日の出でて山に息吹きがふきこまれ大地の鼓動つたわりつ来る
剱岳が豪快な姿を現す。今日はいけるぞ。
剱岳が豪快な姿を現す。今日はいけるぞ。
白山は朝日を受けてなおさらに白く輝く山なりゆく
2002年08月16日 18:10撮影
8/16 18:10
白山は朝日を受けてなおさらに白く輝く山なりゆく
2002年08月16日 18:10撮影
8/16 18:10
立山三山
2002年08月16日 18:10撮影
8/16 18:10
立山三山
立山に日の当たり来て息する如く輝きはじむ
立山に日の当たり来て息する如く輝きはじむ
雨風と戦い歩いた稜線は静まり返って我を見下ろす
2002年08月16日 18:10撮影
8/16 18:10
雨風と戦い歩いた稜線は静まり返って我を見下ろす
2002年08月16日 18:10撮影
8/16 18:10
白山は遠くにありてその手前大日岳も大き塊
白山は遠くにありてその手前大日岳も大き塊
剱岳をバックに
眺めていると山頂を強い風がふいているように見えて、剱岳への登山は危ないと判断して、今日は剱沢を下ることにした。
2
剱岳をバックに
眺めていると山頂を強い風がふいているように見えて、剱岳への登山は危ないと判断して、今日は剱沢を下ることにした。
天気が回復したので別山まで登りかえした。
2002年08月16日 18:09撮影
8/16 18:09
天気が回復したので別山まで登りかえした。
別山にて
別山に立ちて我見る立山は三つの峰の黒々發
別山にて
別山に立ちて我見る立山は三つの峰の黒々發
大日岳
2002年08月16日 18:09撮影
8/16 18:09
大日岳
日の当たる弥陀ヶ原を一望す夏の名残の緑色濃く
日の当たる弥陀ヶ原を一望す夏の名残の緑色濃く
剱岳と後立山連峰
剱岳と後立山連峰
後立山、中央に白馬かな
後立山、中央に白馬かな
白馬三山、唐松、五竜、鹿島槍とつらなる
白馬三山、唐松、五竜、鹿島槍とつらなる
いつの日か後立山峰々を歩くと思う青空にみて
いつの日か後立山峰々を歩くと思う青空にみて
黒百合のコルへ
歌にきく黒百合のコルは青き空花をくわえし吾にあらねど
2002年08月16日 18:09撮影
8/16 18:09
黒百合のコルへ
歌にきく黒百合のコルは青き空花をくわえし吾にあらねど
目の前をオコジョが走り遊びおり夏の日差しの黒百合のコル
目の前をオコジョが走り遊びおり夏の日差しの黒百合のコル
おしよせる雲剣の峰に湧いて遠く見送ればさらば青春
歌にきく黒百合のコルは青き空花をくわえし吾にあらねど
おしよせる雲剣の峰に湧いて遠く見送ればさらば青春
歌にきく黒百合のコルは青き空花をくわえし吾にあらねど
黒百合のコルから見上げる剱嶽岩を鎧える山の姿か
堂々と青空に立つ剱岳八峰攀じしわが青春
1
黒百合のコルから見上げる剱嶽岩を鎧える山の姿か
堂々と青空に立つ剱岳八峰攀じしわが青春
剱岳白雲頂飛んでいく晴れてはおれど風は走れる
剱岳白雲頂飛んでいく晴れてはおれど風は走れる
前剱を衛兵にして剱岳
前剱を衛兵にして剱岳
おしよせる雲剣の峰に湧いて遠く見送ればさらば青春
ふきでる汗に若者が仰いだ剣岳かわらぬままに陽にかがやく
おしよせる雲剣の峰に湧いて遠く見送ればさらば青春
ふきでる汗に若者が仰いだ剣岳かわらぬままに陽にかがやく
2002年08月16日 18:09撮影
8/16 18:09
雪解けの水に手を浸す妻との馴初めを問う郭公の声
雪解けの水に手を浸す妻との馴初めを問う郭公の声
笑い声あげて夏の雪渓アイゼンの爪鳴らし濃い影が下る
笑い声あげて夏の雪渓アイゼンの爪鳴らし濃い影が下る
笑い声あげて夏の雪渓アイゼンの爪鳴らし濃い影が下る
笑い声あげて夏の雪渓アイゼンの爪鳴らし濃い影が下る
雪解の水に光がはねる微睡めばこころははるか頂きを踏む
雪解の水に光がはねる微睡めばこころははるか頂きを踏む
振り向いて源次郎谷見上げれば雲のぼりゆく剱稜線
振り向いて源次郎谷見上げれば雲のぼりゆく剱稜線
FACの合宿で長次郎の雪渓を詰めて、雨宮さんと后Ν犬離灰襪ら八ッ峰を登り、剱山頂に立った。
八ッ峰に挑みし攀じる青春のハーケンの音かすかに響く
FACの合宿で長次郎の雪渓を詰めて、雨宮さんと后Ν犬離灰襪ら八ッ峰を登り、剱山頂に立った。
八ッ峰に挑みし攀じる青春のハーケンの音かすかに響く
剱岳初登頂せる物語長次郎谷の雪渓深し
剱岳初登頂せる物語長次郎谷の雪渓深し
革命歌唄ったころの血のながれ体内にひびく剣沢の轟音
革命歌唄ったころの血のながれ体内にひびく剣沢の轟音
青空に流れる雲に剱岳見つつ雪渓君と下れば
青空に流れる雲に剱岳見つつ雪渓君と下れば
単身の山番がかたる里の家妻のこと子のこと寂しい夜は
灯消えて星辰図頭上にひろがれば深い静寂にしずむ
単身の山番がかたる里の家妻のこと子のこと寂しい夜は
灯消えて星辰図頭上にひろがれば深い静寂にしずむ
 (仙人尾根)
人生の苦しみをみな背負うのか木の根にすがり登る道
1
 (仙人尾根)
人生の苦しみをみな背負うのか木の根にすがり登る道
小窓の王と三の窓の頭か?
    長歌 仙人新道を登る
劒沢の 水音離れ、仙人池への 道に 取り付く。痩せ尾根を、木の枝にすがり、足をかけ、黙々と 登る。晃通とせる 景色もなく、額に垂れる 汗を拭き、木の間を 抜ける 風をまつ。
一息入れる 場所もなく、ひたすらひたすら登る、胸つきの尾根道 仙人池が 写し出す、劒岳の、気高い姿、一目見るためと言い聞かせては また登る。
突然、樹木が切れて、三の窓の雪渓と 八シ峰の 岩峰、眼前に現れる。ああこれが、夢にみた光景と、思えば 胸は高鳴って、|歩一歩に力が込もる。
息切らし、汗ふき拭い、仰ぐ空。どこまでも青く、下界のこと何一つ 思い患うこともない。大自然の なかに、私は小さい。山深く 菅める空と 濃い緑、大地が歌う 賛美歌を聴く。
仙人峠に到る時F緑の稜線に、夏の日ざしを 受けて 光る赤い屋根、憧れの 小屋を見る。コバルトの空に、そびえる岩峰を、笑顔で眺める。二十余年の 歳月を経て、いま憧れの山に、私は来た、妻と来た。

     反歌
蝉鳴きやむ日仙人の榛む池に登り来て山靴の夢かなう
小窓の王と三の窓の頭か?
    長歌 仙人新道を登る
劒沢の 水音離れ、仙人池への 道に 取り付く。痩せ尾根を、木の枝にすがり、足をかけ、黙々と 登る。晃通とせる 景色もなく、額に垂れる 汗を拭き、木の間を 抜ける 風をまつ。
一息入れる 場所もなく、ひたすらひたすら登る、胸つきの尾根道 仙人池が 写し出す、劒岳の、気高い姿、一目見るためと言い聞かせては また登る。
突然、樹木が切れて、三の窓の雪渓と 八シ峰の 岩峰、眼前に現れる。ああこれが、夢にみた光景と、思えば 胸は高鳴って、|歩一歩に力が込もる。
息切らし、汗ふき拭い、仰ぐ空。どこまでも青く、下界のこと何一つ 思い患うこともない。大自然の なかに、私は小さい。山深く 菅める空と 濃い緑、大地が歌う 賛美歌を聴く。
仙人峠に到る時F緑の稜線に、夏の日ざしを 受けて 光る赤い屋根、憧れの 小屋を見る。コバルトの空に、そびえる岩峰を、笑顔で眺める。二十余年の 歳月を経て、いま憧れの山に、私は来た、妻と来た。

     反歌
蝉鳴きやむ日仙人の榛む池に登り来て山靴の夢かなう
小窓の雪渓、右端が池平山の稜線
小窓の雪渓、右端が池平山の稜線
耐えぬくという意志あり ついにわけいる仙人の嶺に
耐えぬくという意志あり ついにわけいる仙人の嶺に
後立山をバックに仙人池の小屋の赤い屋
後立山をバックに仙人池の小屋の赤い屋
仙人峠で
池の平へ
池の平小屋から池の平を望む
正面の山は鹿島槍かも、手前の尾根はハシゴ谷乗越かも
1
池の平小屋から池の平を望む
正面の山は鹿島槍かも、手前の尾根はハシゴ谷乗越かも
   長歌 池ノ平に遊ぶ
アルプスの 小さなコルに 池の平小屋。雪の重みに耐えかねて、いまにも 崩れ落ちそうに 傾いている。
小屋には 人もなく、静かに 風だけが 渡っていく。
紺碧の空は 穏やかに 透きとおり、笹の絨毯敷きつめられた池平山。転ずれば、大窓雪渓に 深く切り立つ岩の壁、白ハゲ、赤ハゲ、荒々しく、鳥もとまらぬ。見上げれば、劒岳ハツ峰、雲湧くチンネ、小窓の王、小窓雪渓。雲の湧く ハツ峰を 背に、たおやかな草の原、池の平。
この大自然を 穏やかに映して、池糖の水面、きらきらと輝く。
ああまさに、この国に あらざるこの景色。ここは、仙人の棲まう雲上の桃源郷。一筋の道を下り、池糖に至り
草のしとねに 寝ころがれば、静寂のなかに 時が止っていく。
    反歌
雲烟ゆるやかに岩峰にかかり我が夏の盛り過ぎていく
池糖のほとり夏草にまどろめば青春いまも高嶺にやどる
   長歌 池ノ平に遊ぶ
アルプスの 小さなコルに 池の平小屋。雪の重みに耐えかねて、いまにも 崩れ落ちそうに 傾いている。
小屋には 人もなく、静かに 風だけが 渡っていく。
紺碧の空は 穏やかに 透きとおり、笹の絨毯敷きつめられた池平山。転ずれば、大窓雪渓に 深く切り立つ岩の壁、白ハゲ、赤ハゲ、荒々しく、鳥もとまらぬ。見上げれば、劒岳ハツ峰、雲湧くチンネ、小窓の王、小窓雪渓。雲の湧く ハツ峰を 背に、たおやかな草の原、池の平。
この大自然を 穏やかに映して、池糖の水面、きらきらと輝く。
ああまさに、この国に あらざるこの景色。ここは、仙人の棲まう雲上の桃源郷。一筋の道を下り、池糖に至り
草のしとねに 寝ころがれば、静寂のなかに 時が止っていく。
    反歌
雲烟ゆるやかに岩峰にかかり我が夏の盛り過ぎていく
池糖のほとり夏草にまどろめば青春いまも高嶺にやどる
池平山 赤ハゲ、白ハゲをみる。
池平山 赤ハゲ、白ハゲをみる。
2002年08月16日 18:10撮影
8/16 18:10
   仙人池ヒュッテ
闇に山々つつまれて灯ともりやさしく生きること考える
夜霧につつまれて眠る雲海の果てにめぐる銀河あり
あさひに光るアルプスの峰今日をまた美しい命と思う
この小屋の母の笑い顔雪降るまで山まもるたくましく
愛する妻と恋する山にきて青々ひろがる空にとけこむ
   仙人池ヒュッテ
闇に山々つつまれて灯ともりやさしく生きること考える
夜霧につつまれて眠る雲海の果てにめぐる銀河あり
あさひに光るアルプスの峰今日をまた美しい命と思う
この小屋の母の笑い顔雪降るまで山まもるたくましく
愛する妻と恋する山にきて青々ひろがる空にとけこむ
   (仙人池ヒュッテ)
二十年憧れつづけた山小屋にきてハツ峰仰ぎ立ちつくす
耳すませば岩峰に打った青春のハーケンの響きこだまする
剣岳の岩と雪を映す仙人池に恋心十八の夏に陽が落ちる
剣岳に茜さして黄昏るこころしずまれば忍びよる秋
2002年08月16日 18:10撮影
8/16 18:10
   (仙人池ヒュッテ)
二十年憧れつづけた山小屋にきてハツ峰仰ぎ立ちつくす
耳すませば岩峰に打った青春のハーケンの響きこだまする
剣岳の岩と雪を映す仙人池に恋心十八の夏に陽が落ちる
剣岳に茜さして黄昏るこころしずまれば忍びよる秋
2002年08月16日 18:10撮影
8/16 18:10
2002年08月16日 18:10撮影
8/16 18:10
仙人温泉小屋
仙人谷コースが歩けた時代
仙人谷コースが歩けた時代
妻より大きな石が転がっている路
2002年08月16日 18:11撮影
8/16 18:11
妻より大きな石が転がっている路
妻より大きな石が転がっている路
妻より大きな石が転がっている路
仙人沢を下ってきた。(現在は通行不可)
仙人沢を下ってきた。(現在は通行不可)
阿曽原へちかづく。渓谷
阿曽原へちかづく。渓谷
阿曽原の小屋番さんに見送られる。
阿曽原の小屋番さんに見送られる。
水平動への道に取りつく
水平動への道に取りつく
谷をそって道は掘られている
谷をそって道は掘られている
黒部の谷の一本の道
黒部の谷の一本の道
志合谷の手前の大滝
この先に150mのトンネルがあり、水が流れている
志合谷の手前の大滝
この先に150mのトンネルがあり、水が流れている
迫力のある道だ。
1
迫力のある道だ。
欅平の黒部渓谷鉄道のアナウンスが聞こえてくる
欅平の黒部渓谷鉄道のアナウンスが聞こえてくる
恐らくこの水平動が無ければ、今日の賑わいはないかもしれない。
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恐らくこの水平動が無ければ、今日の賑わいはないかもしれない。
しかし、最後の150m以上の急なくだりには泣かされた。
しかし、最後の150m以上の急なくだりには泣かされた。
登山列車で宇奈月へ。この後事件が。
登山列車で宇奈月へ。この後事件が。
欅平の駅に忘れ物をしたのだ。富山からバスで帰る時間にはなんと間に合ったが、宇奈月の駅で次の列車を待ったのだ。
欅平の駅に忘れ物をしたのだ。富山からバスで帰る時間にはなんと間に合ったが、宇奈月の駅で次の列車を待ったのだ。

感想

剣岳仙人池短歌紀行(1990年夏)
(youTube)
http://www.youtube.com/user/tabioyaji30#p/u/106/FlfYTxcItgM

8月22日 池袋23:00 西武バスで富山へ 
8月23日  富山6:00-6:30室堂8:45-9:00雄山11:30-12:15御前小屋15:30
1990年の夏、憧れの仙人池に、このさい行ってしまおうと、8月23日から27日までの予定を立てた。妻には仙人池の写真を見せて、立山・剣・仙人池への山行を煽った。
1990年8月23日、私と妻は夜行バスで富山に着き、そこから電車とバスを乗り継いで、弥陀ヶ原から室堂にむかった。早朝、日の出間際の剣岳稜線は、黒々として、徐々に金色に雲が染まっていくなかで美しくいシルエットを描き出していた。

     長歌 仙人池憧撮
層々の 岩の鎧を 身につけて、紺碧の空に 衝き立つ 劒岳八シ峰。
その峻烈な姿を、華麗に映す 鏡のような 止水の小池、仙人池とよ
ばれ、岩と雪、奥山深く、天界近い 高見の 地にある 楽園の小池
に 憧れた山行は、胸に秘められ 二十余年がすぎた。最愛の同行者
をえた今、憧れの 地を 訪れる時と 決める。夏の終わり、一路北
陸道を 富山へと走る 夜行パス。夜明けま近の 空の端に、黒々と、
天と地を 分かち 連なる大窓小窓の 稜線。その頂点に ひと際尖
る 高峰を、劒岳と 見すえれば、幾層もの 紫雲に 金色の陽が
射しこむ。口許はゆるみ、待ち焦がれた 日の 訪れに、胸に ひろ
がる歓喜。妻と行く登山、この日の 穏やかで あることを、朝明け
ていく 空の 劒の峰に 祈る。

    反歌
昧爽の空に劒岳黒々と天と地をわけて饗えたつ

23日は立山に登り、御前小屋に泊った。立山の稜線は低気圧の影響で風雨が荒れ狂い、遭難の不安さえ感じられるほどであって、その記録は「立山』の項に記す。

8月24日御前小屋7:00別山7:45-8:00 御前小屋8:30-8:50黒百合のコル9:50-10:15剣山荘
剣沢11:30雪渓終わり尋12:15-12:30真砂沢ロッジ

翌日は晴、小屋の前から日の出を見る。剣岳の上部は雲がちぎれるくらいに早くながされていて登るには危険なので諦めることにする。裕子に休養をあたえないといけない。精神的ダメージ大きい。別山まで登りかえして、昨日のルートを辿る。立山の稜線がきれいに見えた。昨日と章違う天気にほっとする。今日は真砂沢へ下る。
御前小屋から黒百合のコルをめざしてのんびりと剣山荘への道をゆく。お花畑にはいろとりどりの花をみることができた。途中、道の前を横切る動物が現われた。「いたち」のようなリスのような動きですばしっこい。さっと岩をめぐって跳ねていく。「おこじよ」だ。はじめて出会ったが、その動きのユーモラスさに二人見惚れていた。

   (黒百合のコルから剣岳を真近に見上げる)
おしよせる雲剣の峰に湧いて遠く見送ればさらば青春
ふきでる汗に若者が仰いだ剣岳かわらぬままに陽にかがやく

黒百合のコルから山荘によって、剣沢の雪渓にとりつく。たっぷりと雪渓がついている七念のためにアイ
ゼンを着ける。「キュキ己 と気持ちよく雪を鳴らして歩く。

さかさまに劒嶽よりくだる霧この雪渓を低く過ぎつつ    佐藤佐太郎
大股にくだりつつ行く雪の渓底ごもる水の音聞こゆる
いきほひて雪の下よりほとばしる水のひびきの中に休らふ   

歌人佐藤住太郎が昭和26年ごろの夏に立山を登り、この劒沢を下りている。その時の歌で歌集『地表』のはじめの方にある歌。天下の歌人と自作の歌を平然と並べている自分の気がしれないが、これも山を愛する故であるとご勘弁願いたい。負けないような歌を詠んでみたいと思うのだが。歌人でこの劒沢の雪渓を下った人はめずらしいと思う。

   (剣沢を下り、真砂沢ロッジ)
雪解けの水に手を浸す妻との馴初めを問う郭公の声
笑い声あげて夏の雪渓アイゼンの爪鳴らし濃い影が下る
雪解の水に光がはねる微睡めばこころははるか頂きを踏む
革命歌唄ったころの血のながれ体内にひびく剣沢の轟音

真砂沢ロッジには、昼過ぎに着いた。ロッジとは名ばかりのプレハブの小屋である。戦前から}Eには売店としての小屋があった。真砂沢の出合にある小屋の周囲は、広い河原となってひらけて明るい。水音は勢いのある音をたてている。河原にでて遅い昼食をとる。ラーメンがうまい。河原の岩に、濡れたシャツなどを全部並べて干した。そしてしばし昼寝をする。こんな豪勢な時間を過ごしていいのだろうかと思えるほど、のんびりとすごした。これで裕子の疲れもすっかりとれたようであった。夕食どき客は数人にしかなく、湯をもらいにいったおりに小屋番さんと気が合い、そんなことから夫婦して部屋に招かれてコーヒーをご馳走になる。小屋番さんは新潟の人で、栂池で.ヘンションをやっていると言う。是非遊びにきてと誘われた。深夜、見上げた空はまさに満天の星空であった。

単身の山番がかたる里の家妻のこと子のこと寂しい夜は
灯消えて星辰図頭上にひろがれば深い静寂にしずむ

8月25日 晴れ
真砂沢ロッジ6:10へずりの先の河原6:55-7:00二股7:15-7:45 大窓の踊り場8:45二つのコプの手前 9:10-9:20二のコプの間9:40-9:50小屋が見える地点10:20仙人池ヒュッテ10:55-12:55池の平小屋13:25-13:30 池の平13:45-14:15 仙人池ヒュッテ15:20

いよいよ仙人池に向かう。剣沢の轟音を聞きながら沢にそって歩く。ケルンが多い。途中剣沢をヘズる個所がある。身体が沢の投げ出されるように岩をヘズるのだ。一瞬緊張した。二股のつり橋を渡ると真っ白に輝く小窓の雪渓が目にとびこんできた。岩峰と雪渓がひとつ解けた景観は美しい。池ノ平への道は行ってみたいが、裕子とでは難しそうなので、一般路の仙人新道の尾根道を登る。

人生の苦しみをみな背負うのか木の根にすがり登る道
耐えぬくという意志あり ついにわけいる仙人の嶺に

この尾根道は一直線に峠に向かっており、休む平なところがまったくない。裕子はあえぎあえぎ登る。5分登っては休憩を繰り返す。展望のきかない樹木の問を登っているときはつらいものがあったが、時折風が通りぬける所で、ふと目をやるとハツ峰の特徴ある姿が見え、気分がわくわくとしはじめる。まだかまだかと思いながら、小さなコブを越えて、視界が開けて、谷をへだてた尾根の上に仙人ヒュッテの赤い屋根が見えた時、「とうとう来た」と思った。道も緩み、ひょいと仙人峠に出た。仙人ヒュッテまで 自然に足が早くなった。

    長歌 仙人新道を登る
劒沢の 水音離れ、仙人池への 道に 取り付く。痩せ尾根を、
木の枝にすがり、足をかけ、黙々と 登る。晃通とせる 景色
もなく、額に垂れる 汗を拭き、木の間を 抜ける 風をまつ。
一息入れる 場所もなく、ひたすらひたすら登る、胸つきの尾
根道 仙人池が 写し出す、劒岳の、気高い姿、一目見るためと
言い聞かせては また登る。突然、樹木が切れて、三の窓の
雪渓と 八シ峰の 岩峰、眼前に現れる。ああこれが、夢にみた
光景と、思えば 胸は高鳴って、|歩一歩に力が込もる。
息切らし、汗ふき拭い、仰ぐ空。どこまでも青く、下界のこと
何一つ 思い患うこともない。大自然の なかに、私は小さい。
山深く 菅める空と 濃い緑、大地が歌う 賛美歌を聴く。
仙人峠に到る時F緑の稜線に、夏の日ざしを 受けて 光る
赤い屋根、憧れの 小屋を見る。コバルトの空に、そびえる
岩峰を、笑顔で眺める。二十余年の 歳月を経て、いま憧れの山に、
私は来た、妻と来た。

     反歌
蝉鳴きやむ日仙人の榛む池に登り来て山靴の夢かなう

仙人ヒュッテに到着したのは、昼であった。
「こんにちは」
「ごくろうさんです。はやいお着きで、まずお茶でも召し上がって下さい。」
と中年の男性が、我々をねぎらいながら出迎えてくれて、茶椀にお茶を入れて差し出した。もう思わずこの対応に感激してしまう。こんな親切な出迎えを受けた小屋は初めてであった。全国で一番気分のいい小屋だ。
「ずいぶんと早いですね」
「真砂沢に泊まったもんですから、こんなもてなしを受けたのはじめてです。感激しちゃいますね」
「そうですか、ゆっくりお昼をとってから、池ノ平にでかけるといいですよ。そこのテーブルで食事していって下さい。」
食堂のテーブルで自炊をしてよいという。
「お客さん、夕食は唐揚げととんかつとてんぷらとどれがいいですか」
「山菜のてんぷらがいいですよね」
「わかりました。どうぞお茶」と言って、年配の婦人が急須のお茶を入れてくれた。女主人である。志鷹さんである。
「はじめて来たんですよ。来たい来たいと思っていて。池に写る剣を見たくて。
「みなさんそう言います。何日も泊まっていく人もいます。昨日は、たった四人のお客さんだったですけれど、そういう日にかぎって朝焼けがきれいでね。明日もそうなるといいんだけれど」と、言いながら、窓から剣の小窓の方を見つめている。
「あの小窓のテント、一週間あるんですよ。死んでなきやいいだけれど。毎日みているんだけどね。でも大丈夫でしょう」
大丈夫だという根拠はないが、長年の感なのだろうbこの山小屋はあったかい。
「お風呂に入ってくださいな」
「エッ、お風呂あるんですか」
「檜のお風呂ですよ、去年二百万でつくったんだから」
「ぜひ、入れさせてください。うれしくなっちゃいますね」
「池ノ平から帰ったら入ってくださいな・とうちゃんが作らせたんだから」
「はい。」と答えて、食事の始末をし、ザックにコーヒーセットだけ入れて、池ノ平にでかけることにした。
「ではすみません、行ってきますから」
「いいとこですから、ゆっくりしていらっしゃい」
こんなに登山客を大事にしてくれる人情味あふれる山小屋はめったにない、北アルプスの小屋ではできない。やはりいいところに来たとつくづく思った。

   (仙人池ヒュッテ)
二十年憧れつづけた山小屋にきてハツ峰仰ぎ立ちつくす
耳すませば岩峰に打った青春のハーケンの響きこだまする
池剣岳の岩と雪を映す仙人池に恋心十八の夏に陽が落ちる
剣岳に茜さして黄昏るこころしずまれば忍びよる秋

雄大な裏剣の景観を目の前にしながら、おだやかな稜線を歩く。
池ノ平の小屋は雪に押しつぶされたとかで、斜めに傾いで、数本の支え木でかすかに壊れずにあるが、もうみるからに時間の問題のように思えた。小屋の脇ではホースから水がふんだに無がれ出している。小高い丘の上にあり、左に剣岳ハツ峰の岩と緑、右にはそれとは対象的に、赤ハゲ、白ハゲと呼ばれる毛勝岳に連なる赤っ茶けた切り立った崖になっている。正面は池ノ平山の緑の山頂があり、足もとには、穏やかに蝋塘がひろがっている。池ノ平は天国だ。
ここから見る『剣』は素晴らしい。アルペン的風貌とはこのようなことであろう。日本的な風景とは少し趣きが違う。ともかく来てよかった。小屋の前から、池塘へと一筋の道が下っている。眼前に黒々とした剣岳のハツ峰が右から左へとワニの歯のように並んでいる。三ノ窓や小窓の雪渓が白く光る。池塘のまわりは緑のジュウタンを敷きつめたような庭園のようであり、また、そこを通りすぎる風の心地よさ。ゆったりとした雰囲気を楽しみながらコーヒーを漢かした。こんな極上のコーヒーはなかった。

   長歌 池ノ平に遊ぶ
アルプスの 小さなコルに 池の平小屋。雪の重みに 
耐えかねて、いまにも 崩れ落ちそうに 傾いている。
小屋には 人もなく、静かに 風だけが 渡っていく。
紺碧の空は 穏やかに 透きとおり、笹の絨毯 
敷きつめられた池平山。転ずれば、大窓雪渓に
深く切り立つ岩の壁、白ハゲ、赤ハゲ、荒々しく、
鳥もとまらぬ。見上げれば、劒岳ハツ峰、雲湧くチンネ、
小窓の王、小窓雪渓。雲の湧く ハツ峰を 背に、
たおやかな草の原、池の平。この大自然を 穏やかに
映して、池糖の水面、きらきらと輝く。ああまさに、
この国に あらざるこの景色。ここは、仙人の 
棲まう雲上の桃源郷。一筋の道を下り、池糖に至り
草のしとねに 寝ころがれば、
静寂のなかに 時が止っていく。

    反歌
雲烟ゆるやかに岩峰にかかり我が夏の盛り過ぎていく
池糖のほとり夏草にまどろめば青春いまも高嶺にやどる

仙人池のヒュッテにもどったのは、午後三時半ごろで 部屋には大阪からきたという官庁勤めのご夫婦と一緒になった。部屋の小窓からあかず剣岳を眺めている。
さっそく自慢の風呂に入れてもらった。風呂場として整理された場所とは言いがたいが、立派な槍の湯船がどんと設えてあって、その湯船に首までつかりながら、窓から五竜岳の黒々とした姿を見ていた。もう満足そのものである。
夕食になると、食堂は泊り客で満席になった。それでも20人くらいだろう。料理は山菜のてんぷらであった。
私が昼間、てんぷらがいいと言ったので 今日は山菜のてんぷらになったのだ。私たちだけのオーダーと思って言ったのだが、夕食のメ一ニューを決めさせてしまったらしい。みんな席につくとごはんと味噌汁、それにシチュー、富山のいか墨を振舞う。たくさんおかわりをしろと、女主人が言う、 外は暗闇になったが、食堂は女主人のサービスににぎわった。食事がほんとに美味しいのだ。そんな時ランプを着けて到着した登山客がきた。
「遅いじゃないの、大丈夫へまだ誰かくるかね」
「もうひとり来ます。行くからと伝言を頼まれているから。いま仙人新道を登っていると二一だろう。かなりの歳の人だったよ。ゆっくり行くからって」
「八時過ぎるね」
「たぶん、室堂からだからね」
「まあ、ゆっくり休みましょう、食事もあるから」
ほんとに優しい心つかいの山小屋である。実際、その夜八時過ぎに相当年配の人が到着したのだが、室堂から一日で入ってくるというのは相当のことだ。じつにすごいと思った。
客のなかに、剣の北方稜線を越えてきた人がいて、
「山なれた人なら誰でも大丈夫ですよ。仙人池にくるのには、こっちの方が早いからね」と簡単に言われてしまったが、いつか実現したいと思った。食堂でなにかと山の話に花をさかせて、九時近くなる前に部屋にもどる。明日の朝、きれいな朝焼けに金色に反射する剣岳が眺められることを願いながら眠りに着く。
まったく天国みたいなところだ、ここは!

闇に山々つつまれて灯ともりやさしく生きること考える
夜霧につつまれて眠る雲海の果てにめぐる銀河あり
あさひに光るアルプスの峰今日をまた美しい命と思う
この小屋の母の笑い顔雪降るまで山まもるたくましく
愛する妻と恋する山にきて青々ひろがる空にとけこむ

8月26日 晴れ
仙人池小屋5:55沢出合い6:10-6:15仙人温泉小屋7:30-7:45 第二の沢の出合い8:20-8:30 黒四分岐 10:05阿曾原小屋10:20-11:10 平道取りつき11:40-11:50大滝12:50-13:00欅平が見える地点 13:40-13:45志合谷トンネル14:15-14:20下りにかかる15:35 橇平16:20-16:31宇奈月17:50-20:11 
富山21:21-2230
8月27日 池袋 5:00
翌朝、日の出前に仙人池に行くと、池のまわりにズラーとカメラを抱えて写真を撮りに来たとばかりに並んでいる。期待通りのとは言えなかったが、朝日が昇るにつれて、八シ峰の岩壁が光りだす。私もシャッターを何回も押した。美しい写真の通りの眺めで、池はほんとうに鏡のように止水の水面であった。名残り惜しいが帰らなければならない。志鷹さんに「こんなに素敵な山小屋はない、必ずまた来ますから」
と、言って仙人池ヒュッテに別れを告げた。
仙人温泉は道の端に露天風呂がある。五竜岳が正面に見える。阿曾原までは沢筋の道を下る。長い道だ。阿曽原までもかなりきつい。小屋の近くの沢で食事をとった。阿曽原の小屋もプレハブの小屋である。いよいよ水平道だ。しかしこの、水平道への取り付きが結構きつい。そして、ともかくこの水平道は長い。しかし眺めはすごい。絶壁の壁をくり抜いて作った道だけのことはある。幅一メートルの道の片側はすっぽり切れ落ちている。志合谷のトンネルは真暗なうえに水が流れていて、浅い川を渡るような水量があった。道は山檗にそってくり抜いてあるから、檸平の駅も見え、駅のアナウンスも聞こえてくるのだが、実に遠いのだ。そして散々歩かされたあげくに、駅のすぐちかくにきてから「シジミ坂」という急坂を下らされる。駅まで200メートルも下る。いいかげん足がまいってしまった。
かくして私たちの剣岳仙人池への旅は終わりに近づいた。あとは観光客と一緒に黒部渓谷のトロッコ列車を楽しんで宇奈月に出て、温泉に入り、帰宅の途につくだけとなった。妻にも何事もなく、無事、長年の夢を果たせたことに大満足したのであった。
(水平道については、別の機会に書くことがあるだろう。)

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