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Yamareco

記録ID: 1143908
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
栗駒・早池峰

焼石連峰 牛形山~天竺山~経塚山 夏油温泉から周回

2017年05月20日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
17.0km
登り
1,482m
下り
1,478m

コースタイム

日帰り
山行
9:50
休憩
1:20
合計
11:10
6:10
152
スタート地点
8:42
8:55
85
10:20
10:35
35
P1.254付近で休憩
11:10
0:00
16
牛形分岐(主脈縦走路)
11:26
11:45
10
11:55
0:00
22
ザックをデポ、天竺山へ向かう
12:17
0:00
18
天竺山
12:35
0:00
82
ザックデポ地点に戻る
13:57
14:20
94
経塚山(東側で休憩)
15:54
16:04
33
P1,034で休憩
16:37
0:00
43
ルートミス、改めてP1,034
17:20
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2017年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
夏油温泉の牛形山・経塚山登山口に駐車場やトイレあり。
コース状況/
危険箇所等
ルート図は概略です。
その他周辺情報 元湯夏油に入浴、600円。日帰りは午後3時までとありましたが、入らせていただきました。感謝。
牛形山・経塚山登山口から出発。
2017年05月20日 06:12撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/20 6:12
牛形山・経塚山登山口から出発。
標識番号「二」付近から早くも残雪が現れるが、薄くトレースも残っている。
2017年05月20日 06:46撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/20 6:46
標識番号「二」付近から早くも残雪が現れるが、薄くトレースも残っている。
里には朝靄がかかっている。
2017年05月20日 06:54撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/20 6:54
里には朝靄がかかっている。
残雪の間に芽を出した水芭蕉。
2017年05月20日 07:22撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5
5/20 7:22
残雪の間に芽を出した水芭蕉。
次第に急な登りになる。
2017年05月20日 07:25撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/20 7:25
次第に急な登りになる。
豊富な残雪の尾根に上がった。
2017年05月20日 07:44撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/20 7:44
豊富な残雪の尾根に上がった。
鷲ヶ森山が見える。
2017年05月20日 07:49撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
4
5/20 7:49
鷲ヶ森山が見える。
藪に入って尾根を行く。
2017年05月20日 07:51撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5/20 7:51
藪に入って尾根を行く。
やがて登山道を見つけた。踏まずに歩くのが大変なカタクリロード。標識番号「六」付近。
2017年05月20日 08:05撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
8
5/20 8:05
やがて登山道を見つけた。踏まずに歩くのが大変なカタクリロード。標識番号「六」付近。
トラバースする斜面には残雪がある。
2017年05月20日 08:13撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
3
5/20 8:13
トラバースする斜面には残雪がある。
何度か小尾根に乗越ながら長く続くトラバース。アイゼンがあるなら、直登した方が楽かもしれない。
2017年05月20日 08:20撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
3
5/20 8:20
何度か小尾根に乗越ながら長く続くトラバース。アイゼンがあるなら、直登した方が楽かもしれない。
トラバースの途中で鷲ヶ森山方面を眺めて。
2017年05月20日 08:22撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/20 8:22
トラバースの途中で鷲ヶ森山方面を眺めて。
尾根上に標識が見える。藪を突っ切って上に上がる。
2017年05月20日 08:29撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/20 8:29
尾根上に標識が見える。藪を突っ切って上に上がる。
尾根に上がった。白子森と鷲ヶ森山。
2017年05月20日 08:36撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
3
5/20 8:36
尾根に上がった。白子森と鷲ヶ森山。
牛形山山頂の立派な三角点。
2017年05月20日 08:43撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/20 8:43
牛形山山頂の立派な三角点。
三界山(左)。右の蟻巣山の上にうっすらと鳥海山が見える。
2017年05月20日 08:43撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
15
5/20 8:43
三界山(左)。右の蟻巣山の上にうっすらと鳥海山が見える。
残雪豊富な焼石岳。
2017年05月20日 08:44撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
10
5/20 8:44
残雪豊富な焼石岳。
天竺山(右)と経塚山。
2017年05月20日 08:44撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5
5/20 8:44
天竺山(右)と経塚山。
入畑ダム湖とその手前に夏油温泉の建物が見える。
2017年05月20日 08:44撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/20 8:44
入畑ダム湖とその手前に夏油温泉の建物が見える。
これから辿る稜線。やはり東側には雪が残っている。
2017年05月20日 08:58撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
12
5/20 8:58
これから辿る稜線。やはり東側には雪が残っている。
牛形山からの下りで藪を進む。
2017年05月20日 09:05撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
4
5/20 9:05
牛形山からの下りで藪を進む。
残雪に出たが、あまりに急斜面なので、土の上を藪に掴まりながら下りる。
2017年05月20日 09:08撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
8
5/20 9:08
残雪に出たが、あまりに急斜面なので、土の上を藪に掴まりながら下りる。
残雪のまだら模様と天竺山。
2017年05月20日 09:09撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
3
5/20 9:09
残雪のまだら模様と天竺山。
これから辿る稜線と焼石本峰。
2017年05月20日 09:09撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
8
5/20 9:09
これから辿る稜線と焼石本峰。
牛形山を振り返って。
2017年05月20日 09:41撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/20 9:41
牛形山を振り返って。
残雪と藪では歩くスピードがまったく違う。可能な限り残雪を拾って進む。
2017年05月20日 09:41撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5
5/20 9:41
残雪と藪では歩くスピードがまったく違う。可能な限り残雪を拾って進む。
突然、グリセードの跡を見つけた。
2017年05月20日 09:52撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5
5/20 9:52
突然、グリセードの跡を見つけた。
下に向かっている。熊か・・
2017年05月20日 09:53撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5
5/20 9:53
下に向かっている。熊か・・
急傾斜のトラバースが続く。
2017年05月20日 09:57撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
7
5/20 9:57
急傾斜のトラバースが続く。
正面のピークは、主脈縦走路まで残り三分の一となるP1,254。
2017年05月20日 10:05撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/20 10:05
正面のピークは、主脈縦走路まで残り三分の一となるP1,254。
雲が虹色に見える。これが環水平アーク?
2017年05月20日 10:16撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
15
5/20 10:16
雲が虹色に見える。これが環水平アーク?
牛形山も遠くなった。
2017年05月20日 10:20撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/20 10:20
牛形山も遠くなった。
P1,254付近で休憩。これからは尾根東側が急斜面になって、藪に入る所も多くなりそうだ。
2017年05月20日 10:21撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5
5/20 10:21
P1,254付近で休憩。これからは尾根東側が急斜面になって、藪に入る所も多くなりそうだ。
P1,254付近から眺めるスマートな経塚山。
2017年05月20日 10:21撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
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5/20 10:21
P1,254付近から眺めるスマートな経塚山。
藪は笹よりも灌木が邪魔をする。
2017年05月20日 10:47撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
3
5/20 10:47
藪は笹よりも灌木が邪魔をする。
歩いてきたルートを振り返って。主脈縦走路到着も近い。
2017年05月20日 11:02撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
3
5/20 11:02
歩いてきたルートを振り返って。主脈縦走路到着も近い。
主脈縦走路に到着。
2017年05月20日 11:11撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5
5/20 11:11
主脈縦走路に到着。
天竺山。金明水避難小屋周辺は残雪が多い。
2017年05月20日 11:21撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
7
5/20 11:21
天竺山。金明水避難小屋周辺は残雪が多い。
立派な金明水避難小屋。
2017年05月20日 11:26撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
7
5/20 11:26
立派な金明水避難小屋。
内部もきれいだ。
2017年05月20日 11:28撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
4
5/20 11:28
内部もきれいだ。
金明水はジャアジャア出ていた。軟らかい美味しい水。
2017年05月20日 11:31撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
6
5/20 11:31
金明水はジャアジャア出ていた。軟らかい美味しい水。
金明水から少し登り、ザックをデポ。空身で天竺山へ向かう。
2017年05月20日 11:58撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/20 11:58
金明水から少し登り、ザックをデポ。空身で天竺山へ向かう。
できるだけ残雪を拾って上に登る。
2017年05月20日 12:01撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/20 12:01
できるだけ残雪を拾って上に登る。
天竺山の稜線に上がり、南側斜面を覗いてみた。
2017年05月20日 12:14撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
3
5/20 12:14
天竺山の稜線に上がり、南側斜面を覗いてみた。
天竺山山頂へ向かう。
2017年05月20日 12:14撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5
5/20 12:14
天竺山山頂へ向かう。
天竺山山頂の三角点。
2017年05月20日 12:18撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
8
5/20 12:18
天竺山山頂の三角点。
天竺山山頂からの眺め。焼石本峰方面。
2017年05月20日 12:19撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
7
5/20 12:19
天竺山山頂からの眺め。焼石本峰方面。
険しい南側斜面の先に経塚山。
2017年05月20日 12:20撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5
5/20 12:20
険しい南側斜面の先に経塚山。
牛形山(右)と辿ってきた稜線。
2017年05月20日 12:23撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
8
5/20 12:23
牛形山(右)と辿ってきた稜線。
経塚山へ向かう登山道も所々で雪に隠れる。
2017年05月20日 12:54撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/20 12:54
経塚山へ向かう登山道も所々で雪に隠れる。
P1,221を過ぎたあたりの雪原から眺める経塚山。
2017年05月20日 13:11撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/20 13:11
P1,221を過ぎたあたりの雪原から眺める経塚山。
カタクリ&キクザキイチゲロード。癒されながら経塚山を登っていく。
2017年05月20日 13:31撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/20 13:31
カタクリ&キクザキイチゲロード。癒されながら経塚山を登っていく。
ミヤマキンバイも。
2017年05月20日 13:33撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/20 13:33
ミヤマキンバイも。
シラネアオイも。
2017年05月20日 13:40撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
6
5/20 13:40
シラネアオイも。
経塚山山頂手前で眺める、牛形山。右に白子森と鷲ヶ森山。
2017年05月20日 13:48撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
9
5/20 13:48
経塚山山頂手前で眺める、牛形山。右に白子森と鷲ヶ森山。
牛形山(右)からの辿った稜線を眺める。
2017年05月20日 13:49撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
4
5/20 13:49
牛形山(右)からの辿った稜線を眺める。
遠く栗駒山。
2017年05月20日 13:50撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
3
5/20 13:50
遠く栗駒山。
山頂まであと一息。風が強い。
2017年05月20日 13:52撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
7
5/20 13:52
山頂まであと一息。風が強い。
経塚山山頂から焼石本峰方面。
2017年05月20日 13:58撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
11
5/20 13:58
経塚山山頂から焼石本峰方面。
風の強い山頂は避け、東側に少し下りて休憩。八郎沼が見える。
2017年05月20日 14:21撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/20 14:21
風の強い山頂は避け、東側に少し下りて休憩。八郎沼が見える。
経塚山東斜面は残雪に覆われている。正面のピークは金ヶ崎駒ヶ岳。
2017年05月20日 14:28撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
6
5/20 14:28
経塚山東斜面は残雪に覆われている。正面のピークは金ヶ崎駒ヶ岳。
途中藪漕ぎを挟みながら、残雪を下った。経塚山を振り返る。
2017年05月20日 15:07撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
8
5/20 15:07
途中藪漕ぎを挟みながら、残雪を下った。経塚山を振り返る。
P1,132付近から北側。幕営適地だ。
2017年05月20日 15:18撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5
5/20 15:18
P1,132付近から北側。幕営適地だ。
P1,132から北西に伸びる尾根を行く。
2017年05月20日 15:23撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/20 15:23
P1,132から北西に伸びる尾根を行く。
途中のピークには踏み跡があった。
2017年05月20日 15:41撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
2
5/20 15:41
途中のピークには踏み跡があった。
P1,034に向かって雪堤が伸びている。
2017年05月20日 15:50撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
3
5/20 15:50
P1,034に向かって雪堤が伸びている。
P1,034に上がって、越えてきたピークを振り返る。
2017年05月20日 15:56撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
5
5/20 15:56
P1,034に上がって、越えてきたピークを振り返る。
p1,034から下る尾根を間違えて登り返し、休憩含めて45分ほどロス。改めて北側に伸びる雪堤を下る。
2017年05月20日 16:39撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/20 16:39
p1,034から下る尾根を間違えて登り返し、休憩含めて45分ほどロス。改めて北側に伸びる雪堤を下る。
トレースとリボンを発見。登山道に移る。この後、登山道が残雪に隠れることはほとんどなかった。
2017年05月20日 16:41撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
3
5/20 16:41
トレースとリボンを発見。登山道に移る。この後、登山道が残雪に隠れることはほとんどなかった。
白さが目立つタムシバ。
2017年05月20日 16:48撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/20 16:48
白さが目立つタムシバ。
小沢を一ヶ所渡る。
2017年05月20日 17:02撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
1
5/20 17:02
小沢を一ヶ所渡る。
夏油温泉の駒ヶ岳登山口に下山。
2017年05月20日 17:18撮影 by  FinePix XP60, FUJIFILM
7
5/20 17:18
夏油温泉の駒ヶ岳登山口に下山。
撮影機器:

感想

焼石連峰の金明水より少し北西側の主脈縦走路上には「牛形分岐」があるが、そこから牛形山へは、現在廃道になっているようだ。ヤマレコでも、ここを歩いた記録を見たことがなかった(レコを書く段階で一つ見つけた)。昔はしっかりした踏み跡があって、若い頃グリーンシーズンに歩いた記憶がある。牛形山から主脈縦走路まで3時間くらいかかったように思う。残雪期も終盤だが、焼石連峰ならまだ残雪豊富で、ずっと温めてきたルートも歩けるだろうと考え、早朝に家を出発した。

久しぶりに訪れた夏油温泉。登山者用?駐車場やトイレがあり、案内板や登山道もしっかりしている。牛形山への登山道を行くと、標識番号「二」を過ぎたあたりから、早くも残雪が現れた。薄くトレースが残っている。

やがて、急登して残雪豊富な尾根に上がった。さらに上には、崖状の斜面の上に稜線が見える。残雪をトラバースしてその稜線の末端に上がり、少し藪に入って登ると、登山道が現れた。牛形山山頂直下で回り込むトラバース部分は、ほとんど雪に覆われていた。スパイク付きとはいえ、長靴で通過するのは少しきつかった。登山靴ならアイゼンが必要だろう。牛形山と白子森を繋ぐ稜線に上がると、秋田・岩手県境稜線から三界山、焼石本峰にかけて大きく視界が広がる。風が強い。

牛形山から主脈縦走路に向けて、夏道の無い稜線踏破へ出発。山頂東側の残雪に下りるが、間もなく途切れて、灌木の藪に入る。以後、可能な限り残雪を拾いながら進む。牛形山からの下りでは藪に入る部分が長く、ピッケルのカバーを紛失してしまった。

雪が解けて登山道が現れ始めるこの時期、登山道があれば、それを探しながら歩くことになる。この稜線は登山道はないから、残雪が切れたら潔く藪に入るだけだ。臨機応変に自分でルートを見つけ出して進む、その世界にどっぷりとつかって楽しい。ただ、残雪歩きは稜線東側の傾斜のややきつい斜面のトラバースが多く、次第に足にこたえてくる。トラバース途中で、ピッケルにすがりながら休むことも多くなった。ようやく主脈縦走路に抜け出した時は、達成感よりも、ほっとした気持ちが大きかった。

金明水避難小屋前で休憩。好天の土曜日だが登山者は他になく、とても静か。目の前に立つ、これも登山道のない天竺山へこの機会に登ってみることにしよう。少し東側へ歩いてザックをデポ、可能な限り上へ伸びる残雪を拾って登る。残雪の切れた所にピッケルをデポし、30m程藪の中を登ると、天竺山の山頂部に上がった。天竺山山頂からは、焼石本峰と周囲の塊が、まだ白い部分をまだらに抱えながら横たわっている姿に圧倒される。

ザックをデポした所に戻り、スマートな姿を見せる経塚山へ向かう。途中のP1,221東側は広い雪原になっており、そこからの経塚山の姿は、今回最も印象的な山容だった。経塚山西側斜面に残雪はほとんどなく、可憐な花々に慰められる。風の強い山頂は避けて、東側に少し下って休憩した。

経塚山からの下りでは、登山道を辿るつもりだったが、一部藪に入りつつ残雪の広い緩斜面を下ってきて、下降ポイントであるP1,188は過ぎた所に出た。地図を改めて見直し、無理して経塚山からの登山道を探して急下降と夏油川渡渉、その後の林道歩きをするよりも、このまま駒ヶ岳方面への尾根を辿り、P1,132から北西側へ伸びる尾根を進み、残雪の切れた適当な所で夏油温泉~駒ヶ岳登山道に下りるというルートを考えた。

これはうまくいった。残雪豊富なたおやかな尾根は続き、ピークに登る時には、どうぞとばかりに雪堤が伸びている。新緑がその雪堤の脇にあって、歓迎してくれているようにも感じる、楽しい春山歩きだ。P1,132とP1,034の中間にある、P約1,110の下りは雪が無い上に急だったが、運良く踏み跡があった。

だが、うまくいくことだけではない。失敗したのはP1,034からの下り。西に寄り過ぎてしまい、結局藪の急斜面を登り返す羽目になった。前のピークにはあった踏み跡に期待したのも良くない。山頂から仕切り直し、雪堤を50m程下った所でトレースとリボン、そして登山道を見つけた。以後、しっかりした登山道が夏油温泉まで続いた。

焼石連峰は豊富な残雪で迎えてくれる、ルーファイの少し難しいフィールド。地形判断も難しい方だと思う。周回で歩ききることができたのは、好天に恵まれたお陰だ。好きな残雪期の終盤に、存分に歩くことができた充実感に満たされて、新緑に包まれる夏油温泉から帰路についた。

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コメント

焼石連峰、牛形山縦走路は羨ましい道ですね〜〜
kamadamさん、初めまして、土曜日に金明水避難小屋に30分程遅れて着いたものです
当日は経塚山まで行くつもりが、へばってしまって、ずっと昼寝💤
夏油温泉からの色んなヤマ旅は挑戦して見たいですが、まだまだ登山道を辿るだけで精一杯でレベルが足りません
その日一緒させていただいたAさん達は、雪の季節に牛形山に行っていると言っていました
引き続き、kamadamさんのヤマレコを楽しみにしています
2017/5/23 7:22
Re: 焼石連峰、牛形山縦走路は羨ましい道ですね〜〜
kesensugo6さん、コメントありがとうございます。
私が天竺山へ登らずに、金明水小屋で昼寝していたらお会いできましたね〜
金明水小屋は本当に立派なつくりで、私も泊まっていきたいと思いました。
kesensugo6さんが羨ましいです。

kesensugo6さんのレコに熊の一物が載っていますが、私も経塚山からの下りでスゴイのを見かけました。やっぱり焼石は自然度も高いですね。

夏油温泉からの各登山口は、道標などもしっかりしていると感じました。歩いてみてください。私も中沼からの金明水小屋はまだ歩いたことがないので、いつか小屋泊まりで行きたいと思っています
2017/5/23 18:35
東北のゼブラ模様
kamadamさん、こんにちは。いつもながら貴重なヤマレコを共有して頂き、ありがとうございます。

東北のゼブラ模様に癒されます。さらに、カタクリロードだとか、キクザキイチゲロードだとか、さらには、環水平アークまで登場し、コメントしないわけには参りません(笑)

実は、焼石連峰は山を始めた高校1年生の最初の夏合宿の場所でして、栗駒山から入山し、フィナーレが夏油温泉でした。未成年なのに、成人のようなスタイルで打ち上げしちゃったりしてましたね(古き良き時代)。その時は、栗駒山でのキャンプではテントの中に蛍が舞い込んだり、焼石連峰では雪渓の上を歩く親子の熊を見かけたり、中学を卒業したばかりの都会っ子少年には強烈なインパクトがありました。(その影響を未だに引きずって山を歩いているような…)

とても避難小屋とは思えない金明水ホテルですとか、幕営適地まで教えて頂いたので、うん十年ぶりとかで私の聖地に再訪しないといけないと痛感するきっかけになりました。

ありがとうございました。
2017/5/23 13:39
Re: 東北のゼブラ模様
nomoshinさん、こんばんは。日光白根山レコも絶景の数々ですね やっぱり高い山へも登ってみたいです。

nomoshinさんの印象深い初登山は焼石でしたね。私も昔を思い出しました。
今回のルートをグリーンシーズンに歩いた時の記憶は薄いのですが(夏油温泉の国民宿舎みたいな宿に前泊したことぐらい)、初めて焼石連峰を歩いた時の印象は鮮明です。
大学3年(36年前!)の体育の日の連休に、夏油温泉から入山したのですが、経塚山では体ごと持っていかれそうな強風に見舞われました。
金明水小屋は改築中で、登山者は地下に寝ることになったこと。金明水で会った炊事当番のおねえちゃんが可愛かったこと。その夜は床上の大工さんたちのどんちゃん騒ぎでなかなか眠れなかったこと。帰りの新幹線までご一緒した方は、その日が奥さんの出産予定日だったこと、などなど・・
現在の金明水避難小屋は、もちろん36年前の小屋を新しく建て替えたものだと思いますが、本当にホテルと呼びたいようなつくりでしたよ
2017/5/23 18:53
Re[2]: 東北のゼブラ模様
kamadamさん、さらに丁寧な返信をありがとうございます。
そうでしたか、36年前の愉快な思い出がたくさん詰まった地だったのですね。いつまでもその貴重な環境が維持され、子や孫の世代にまで引き継がれて欲しいものです。
## 左ひざ、大事にして下さい。
2017/5/24 6:54
Re[3]: 東北のゼブラ模様
nomoshinさん、再度のコメントありがとうございます。
こちらこそ、昔を思い出すきっかけをいただきました。
nomoshinさんの「里帰り」、雄大なレコを楽しみにしています
2017/5/24 7:09
廃道
kamadamさんにかかると廃道とか、そんなの関係ねー状態ですね。まったくいつも壮大でタフでチャレンジングなレコに圧倒されます。私も金名水行きたくなりましたよ。小屋泊まりして、経塚のチングルマ群、見てこようかな。
ちなみに私の初幕営も確か焼石でしたよ ソロだったと思う。
2017/5/23 20:02
cheezeさんへ
焼石は本当に花の山ですね。雪が消えた経塚山ではもうたくさん咲いていました。
ソロでの初幕営は焼石でしたか。奥様とご一緒の初幕営も焼石が良いのでは
金明水小屋は水場も最高ですね。ジャアジャア出ていました。管理してくださる方々に感謝です。
先日歩いた秋田岩手県境の地森で長靴のキックステップをした時から、左ひざに少し痛みがあります。欲張りなルートは控えたいと思います
2017/5/24 5:36
焼石周回
kamadamさんが前におっしゃっていたルートですね。天竺山に向けて藪漕ぎ開始された辺りで、僕は三界山にいたことになりますね。素晴らしい眺めでした。写真を拝見すると三界山の北東斜面は雪が豊富ですね。やっぱり東側の残雪が多い印象です。

それにしても未知のこの周回ルートを日帰りで…
最後まで気が抜けなかったんじゃないですか。僕はピストンなので、復路はダラダラでしたよ
2017/5/23 21:40
tooleさんへ
中間地点に金明水小屋という立派な小屋があるのだから、一泊二日でゆっくり歩けば良いのですが・・
経塚山から駒ヶ岳方面の尾根を進んだ時、駒ヶ岳も行こうか・・とチラと思ったのですが、止めておいて正解でした。夏油温泉〜駒ヶ岳登山道の状況もわからなかったし。
レコに書いたように、P1,034からの下りでルートミス、かなり時間と体力を使いました。いくら日の長い時期とはいえ、未知のルートの下りでは、やっぱり余裕を持っておかないといけませんね。tooleさんのスピードがあれば、駒まで行けたと思います

阿部陽子著「岩手の山150」の中に、三界山に登る際に「ああでもない、こうでもない・・」と仲間とルートを検討したという記述があります。「白い昇竜ルート」の他にも、色々ありそうですね
2017/5/24 5:52
焼石連峰
kamadamさん、こんばんは。
いつもながら・・・素晴らしいレコを・・・ありがとうございます。
楽しませてもらいました。
さすがは焼石・・・まだまだ雪もあるようですが・・・
藪もあるようですね。

正直なところ・・・雪も終盤のこの時期・・・
どこに行くのか迷ってしまいますが・・・
藪を覚悟で臨まれるあたり・・・さすがです。

私は焼石連峰と言えば主峰界隈のみで・・・
牛形山、天竺山、経塚山あたりはすべて未踏です。
行ってみたいと思っていますが・・・
かなりハードな山行ですよね。
かなりの覚悟とスタミナを必要とする山行ですね。
それにしても・・・避難小屋・・・立派ですね。
こんな立派な小屋がここにあるなんて・・・
岩手県自然保護課もさすがです。
ご苦労さまでした。
2017/5/23 21:44
750RSさん、おはようございます
そうですね、中途半端に登山道が見えたり消えたり・・という状態は、ルートを探し回るのに苦労しますね。登山道がしっかりしたものであれば良いのですが、踏み跡が薄かったり、藪っぽかったりするとまた大変です。もう面倒くさくなって、いっそ道の無い、藪漕ぎの山だと腹が座った方が良かったりもします

夏油温泉ベースのルートは未踏でしたか
ぜひ行ってみてください。(経塚山ルートの夏油川を渡る橋は壊れているとのことなので、ご確認の上で)
しっかり整備されていて、岩手の方々の焼石への愛着を感じます。特に金明水小屋は避難小屋と言うよりも、nomoshinさんのようにホテルと呼びたいくらいです
2017/5/24 6:04
うらやまし〜 (^^)/
でも、私にはとても歩けないすごいルートですね。
残雪期も終盤。
雪がないところが多いかもしれないのに
こんなルートに挑戦できるのは、kamadamさんだからですね。
雪と藪が交互に現れるルートは、そーとーな気合が必要そう。

雪の斜面をグリセードするクマさん、見てみたい wink
2017/5/24 6:43
Re: うらやまし〜 (^^)/
nyororoさん、おはようございます。
そうそう、グリセードの跡にはビックリしました クマがグリセードする所、想像すると笑っちゃいますよね  近い場所にいるのは遠慮しますが。

今回はちゃんと磁北線も入れた地図を持参したのですが、下山でルートミス。まだまだ修行が足りません

ところで、残雪期にテントを設営する際のアンカーについてですが、nomoshinさんのGWの平ヶ岳・尾瀬のレコをご覧ください。説明をいただいています。
和賀山塊で私は「こっちが聞きたいくらいだよ」なんて誤魔化してました
2017/5/24 7:05
焼石岳♪
kamadamさん おはようございます

今年は焼石イチゲロ−ドにと考えています
2017/5/24 7:51
Re: 焼石岳♪
ten-no-kiさん、おはようございます。返信が遅くなってスイマセン。

tenさんが前回焼石に登ったのは、4年前でしたね。ハクサンイチゲワンマンショーレコ、改めて見てみました
焼石のお花畑の規模は日本最大級と書いてあるガイドブックもありますね。
tenさんは経塚山方面への縦走をしたことはあるでしょうか?
夏油川を渡る橋が壊れているとのことで、要確認ですが・・
銀明水小屋も素晴らしいですが、金明水小屋もいいですよ。その上、ベースとなる夏油温泉がまたいい。
元湯夏油の人には、全部お湯が違う露天風呂が7つあって、全部源泉かけ流し・・と説明されました。私は山歩きの汚れ落としが主目的なので、内湯にしましたが・・
雨や曇りの日には温泉巡りに来てみたいと思いましたよ。
たっぷり日程をとって、銀明水・金明水・夏油温泉と泊まり歩きたい・・そんな日は?
2017/5/25 6:48
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