焼石連峰 牛形山~天竺山~経塚山 夏油温泉から周回
- GPS
- --:--
- 距離
- 17.0km
- 登り
- 1,482m
- 下り
- 1,478m
コースタイム
- 山行
- 9:50
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 11:10
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ルート図は概略です。 |
その他周辺情報 | 元湯夏油に入浴、600円。日帰りは午後3時までとありましたが、入らせていただきました。感謝。 |
写真
感想
焼石連峰の金明水より少し北西側の主脈縦走路上には「牛形分岐」があるが、そこから牛形山へは、現在廃道になっているようだ。ヤマレコでも、ここを歩いた記録を見たことがなかった(レコを書く段階で一つ見つけた)。昔はしっかりした踏み跡があって、若い頃グリーンシーズンに歩いた記憶がある。牛形山から主脈縦走路まで3時間くらいかかったように思う。残雪期も終盤だが、焼石連峰ならまだ残雪豊富で、ずっと温めてきたルートも歩けるだろうと考え、早朝に家を出発した。
久しぶりに訪れた夏油温泉。登山者用?駐車場やトイレがあり、案内板や登山道もしっかりしている。牛形山への登山道を行くと、標識番号「二」を過ぎたあたりから、早くも残雪が現れた。薄くトレースが残っている。
やがて、急登して残雪豊富な尾根に上がった。さらに上には、崖状の斜面の上に稜線が見える。残雪をトラバースしてその稜線の末端に上がり、少し藪に入って登ると、登山道が現れた。牛形山山頂直下で回り込むトラバース部分は、ほとんど雪に覆われていた。スパイク付きとはいえ、長靴で通過するのは少しきつかった。登山靴ならアイゼンが必要だろう。牛形山と白子森を繋ぐ稜線に上がると、秋田・岩手県境稜線から三界山、焼石本峰にかけて大きく視界が広がる。風が強い。
牛形山から主脈縦走路に向けて、夏道の無い稜線踏破へ出発。山頂東側の残雪に下りるが、間もなく途切れて、灌木の藪に入る。以後、可能な限り残雪を拾いながら進む。牛形山からの下りでは藪に入る部分が長く、ピッケルのカバーを紛失してしまった。
雪が解けて登山道が現れ始めるこの時期、登山道があれば、それを探しながら歩くことになる。この稜線は登山道はないから、残雪が切れたら潔く藪に入るだけだ。臨機応変に自分でルートを見つけ出して進む、その世界にどっぷりとつかって楽しい。ただ、残雪歩きは稜線東側の傾斜のややきつい斜面のトラバースが多く、次第に足にこたえてくる。トラバース途中で、ピッケルにすがりながら休むことも多くなった。ようやく主脈縦走路に抜け出した時は、達成感よりも、ほっとした気持ちが大きかった。
金明水避難小屋前で休憩。好天の土曜日だが登山者は他になく、とても静か。目の前に立つ、これも登山道のない天竺山へこの機会に登ってみることにしよう。少し東側へ歩いてザックをデポ、可能な限り上へ伸びる残雪を拾って登る。残雪の切れた所にピッケルをデポし、30m程藪の中を登ると、天竺山の山頂部に上がった。天竺山山頂からは、焼石本峰と周囲の塊が、まだ白い部分をまだらに抱えながら横たわっている姿に圧倒される。
ザックをデポした所に戻り、スマートな姿を見せる経塚山へ向かう。途中のP1,221東側は広い雪原になっており、そこからの経塚山の姿は、今回最も印象的な山容だった。経塚山西側斜面に残雪はほとんどなく、可憐な花々に慰められる。風の強い山頂は避けて、東側に少し下って休憩した。
経塚山からの下りでは、登山道を辿るつもりだったが、一部藪に入りつつ残雪の広い緩斜面を下ってきて、下降ポイントであるP1,188は過ぎた所に出た。地図を改めて見直し、無理して経塚山からの登山道を探して急下降と夏油川渡渉、その後の林道歩きをするよりも、このまま駒ヶ岳方面への尾根を辿り、P1,132から北西側へ伸びる尾根を進み、残雪の切れた適当な所で夏油温泉~駒ヶ岳登山道に下りるというルートを考えた。
これはうまくいった。残雪豊富なたおやかな尾根は続き、ピークに登る時には、どうぞとばかりに雪堤が伸びている。新緑がその雪堤の脇にあって、歓迎してくれているようにも感じる、楽しい春山歩きだ。P1,132とP1,034の中間にある、P約1,110の下りは雪が無い上に急だったが、運良く踏み跡があった。
だが、うまくいくことだけではない。失敗したのはP1,034からの下り。西に寄り過ぎてしまい、結局藪の急斜面を登り返す羽目になった。前のピークにはあった踏み跡に期待したのも良くない。山頂から仕切り直し、雪堤を50m程下った所でトレースとリボン、そして登山道を見つけた。以後、しっかりした登山道が夏油温泉まで続いた。
焼石連峰は豊富な残雪で迎えてくれる、ルーファイの少し難しいフィールド。地形判断も難しい方だと思う。周回で歩ききることができたのは、好天に恵まれたお陰だ。好きな残雪期の終盤に、存分に歩くことができた充実感に満たされて、新緑に包まれる夏油温泉から帰路についた。
コメント
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kamadamさん、初めまして、土曜日に金明水避難小屋に30分程遅れて着いたものです
当日は経塚山まで行くつもりが、へばってしまって、ずっと昼寝💤
夏油温泉からの色んなヤマ旅は挑戦して見たいですが、まだまだ登山道を辿るだけで精一杯でレベルが足りません
その日一緒させていただいたAさん達は、雪の季節に牛形山に行っていると言っていました
引き続き、kamadamさんのヤマレコを楽しみにしています
kesensugo6さん、コメントありがとうございます。
私が天竺山へ登らずに、金明水小屋で昼寝していたらお会いできましたね〜
金明水小屋は本当に立派なつくりで、私も泊まっていきたいと思いました。
kesensugo6さんが羨ましいです。
kesensugo6さんのレコに熊の一物が載っていますが、私も経塚山からの下りでスゴイのを見かけました。やっぱり焼石は自然度も高いですね。
夏油温泉からの各登山口は、道標などもしっかりしていると感じました。歩いてみてください。私も中沼からの金明水小屋はまだ歩いたことがないので、いつか小屋泊まりで行きたいと思っています
kamadamさん、こんにちは。いつもながら貴重なヤマレコを共有して頂き、ありがとうございます。
東北のゼブラ模様に癒されます。さらに、カタクリロードだとか、キクザキイチゲロードだとか、さらには、環水平アークまで登場し、コメントしないわけには参りません(笑)
実は、焼石連峰は山を始めた高校1年生の最初の夏合宿の場所でして、栗駒山から入山し、フィナーレが夏油温泉でした。未成年なのに、成人のようなスタイルで打ち上げしちゃったりしてましたね(古き良き時代)。その時は、栗駒山でのキャンプではテントの中に蛍が舞い込んだり、焼石連峰では雪渓の上を歩く親子の熊を見かけたり、中学を卒業したばかりの都会っ子少年には強烈なインパクトがありました。(その影響を未だに引きずって山を歩いているような…)
とても避難小屋とは思えない金明水ホテルですとか、幕営適地まで教えて頂いたので、うん十年ぶりとかで私の聖地に再訪しないといけないと痛感するきっかけになりました。
ありがとうございました。
nomoshinさん、こんばんは。日光白根山レコも絶景の数々ですね やっぱり高い山へも登ってみたいです。
nomoshinさんの印象深い初登山は焼石でしたね。私も昔を思い出しました。
今回のルートをグリーンシーズンに歩いた時の記憶は薄いのですが(夏油温泉の国民宿舎みたいな宿に前泊したことぐらい)、初めて焼石連峰を歩いた時の印象は鮮明です。
大学3年(36年前!)の体育の日の連休に、夏油温泉から入山したのですが、経塚山では体ごと持っていかれそうな強風に見舞われました。
金明水小屋は改築中で、登山者は地下に寝ることになったこと。金明水で会った炊事当番のおねえちゃんが可愛かったこと。その夜は床上の大工さんたちのどんちゃん騒ぎでなかなか眠れなかったこと。帰りの新幹線までご一緒した方は、その日が奥さんの出産予定日だったこと、などなど・・
現在の金明水避難小屋は、もちろん36年前の小屋を新しく建て替えたものだと思いますが、本当にホテルと呼びたいようなつくりでしたよ
kamadamさん、さらに丁寧な返信をありがとうございます。
そうでしたか、36年前の愉快な思い出がたくさん詰まった地だったのですね。いつまでもその貴重な環境が維持され、子や孫の世代にまで引き継がれて欲しいものです。
## 左ひざ、大事にして下さい。
nomoshinさん、再度のコメントありがとうございます。
こちらこそ、昔を思い出すきっかけをいただきました。
nomoshinさんの「里帰り」、雄大なレコを楽しみにしています
kamadamさんにかかると廃道とか、そんなの関係ねー状態ですね。まったくいつも壮大でタフでチャレンジングなレコに圧倒されます。私も金名水行きたくなりましたよ。小屋泊まりして、経塚のチングルマ群、見てこようかな。
ちなみに私の初幕営も確か焼石でしたよ ソロだったと思う。
焼石は本当に花の山ですね。雪が消えた経塚山ではもうたくさん咲いていました。
ソロでの初幕営は焼石でしたか。奥様とご一緒の初幕営も焼石が良いのでは
金明水小屋は水場も最高ですね。ジャアジャア出ていました。管理してくださる方々に感謝です。
先日歩いた秋田岩手県境の地森で長靴のキックステップをした時から、左ひざに少し痛みがあります。欲張りなルートは控えたいと思います
kamadamさんが前におっしゃっていたルートですね。天竺山に向けて藪漕ぎ開始された辺りで、僕は三界山にいたことになりますね。素晴らしい眺めでした。写真を拝見すると三界山の北東斜面は雪が豊富ですね。やっぱり東側の残雪が多い印象です。
それにしても未知のこの周回ルートを日帰りで…
最後まで気が抜けなかったんじゃないですか。僕はピストンなので、復路はダラダラでしたよ
中間地点に金明水小屋という立派な小屋があるのだから、一泊二日でゆっくり歩けば良いのですが・・
経塚山から駒ヶ岳方面の尾根を進んだ時、駒ヶ岳も行こうか・・とチラと思ったのですが、止めておいて正解でした。夏油温泉〜駒ヶ岳登山道の状況もわからなかったし。
レコに書いたように、P1,034からの下りでルートミス、かなり時間と体力を使いました。いくら日の長い時期とはいえ、未知のルートの下りでは、やっぱり余裕を持っておかないといけませんね。tooleさんのスピードがあれば、駒まで行けたと思います
阿部陽子著「岩手の山150」の中に、三界山に登る際に「ああでもない、こうでもない・・」と仲間とルートを検討したという記述があります。「白い昇竜ルート」の他にも、色々ありそうですね
kamadamさん、こんばんは。
いつもながら・・・素晴らしいレコを・・・ありがとうございます。
楽しませてもらいました。
さすがは焼石・・・まだまだ雪もあるようですが・・・
藪もあるようですね。
正直なところ・・・雪も終盤のこの時期・・・
どこに行くのか迷ってしまいますが・・・
藪を覚悟で臨まれるあたり・・・さすがです。
私は焼石連峰と言えば主峰界隈のみで・・・
牛形山、天竺山、経塚山あたりはすべて未踏です。
行ってみたいと思っていますが・・・
かなりハードな山行ですよね。
かなりの覚悟とスタミナを必要とする山行ですね。
それにしても・・・避難小屋・・・立派ですね。
こんな立派な小屋がここにあるなんて・・・
岩手県自然保護課もさすがです。
ご苦労さまでした。
そうですね、中途半端に登山道が見えたり消えたり・・という状態は、ルートを探し回るのに苦労しますね。登山道がしっかりしたものであれば良いのですが、踏み跡が薄かったり、藪っぽかったりするとまた大変です。もう面倒くさくなって、いっそ道の無い、藪漕ぎの山だと腹が座った方が良かったりもします
夏油温泉ベースのルートは未踏でしたか
ぜひ行ってみてください。(経塚山ルートの夏油川を渡る橋は壊れているとのことなので、ご確認の上で)
しっかり整備されていて、岩手の方々の焼石への愛着を感じます。特に金明水小屋は避難小屋と言うよりも、nomoshinさんのようにホテルと呼びたいくらいです
でも、私にはとても歩けないすごいルートですね。
残雪期も終盤。
雪がないところが多いかもしれないのに
こんなルートに挑戦できるのは、kamadamさんだからですね。
雪と藪が交互に現れるルートは、そーとーな気合が必要そう。
雪の斜面をグリセードするクマさん、見てみたい
nyororoさん、おはようございます。
そうそう、グリセードの跡にはビックリしました クマがグリセードする所、想像すると笑っちゃいますよね 近い場所にいるのは遠慮しますが。
今回はちゃんと磁北線も入れた地図を持参したのですが、下山でルートミス。まだまだ修行が足りません
ところで、残雪期にテントを設営する際のアンカーについてですが、nomoshinさんのGWの平ヶ岳・尾瀬のレコをご覧ください。説明をいただいています。
和賀山塊で私は「こっちが聞きたいくらいだよ」なんて誤魔化してました
kamadamさん おはようございます
今年は焼石イチゲロ−ドにと考えています
ten-no-kiさん、おはようございます。返信が遅くなってスイマセン。
tenさんが前回焼石に登ったのは、4年前でしたね。ハクサンイチゲワンマンショーレコ、改めて見てみました
焼石のお花畑の規模は日本最大級と書いてあるガイドブックもありますね。
tenさんは経塚山方面への縦走をしたことはあるでしょうか?
夏油川を渡る橋が壊れているとのことで、要確認ですが・・
銀明水小屋も素晴らしいですが、金明水小屋もいいですよ。その上、ベースとなる夏油温泉がまたいい。
元湯夏油の人には、全部お湯が違う露天風呂が7つあって、全部源泉かけ流し・・と説明されました。私は山歩きの汚れ落としが主目的なので、内湯にしましたが・・
雨や曇りの日には温泉巡りに来てみたいと思いましたよ。
たっぷり日程をとって、銀明水・金明水・夏油温泉と泊まり歩きたい・・そんな日は?
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