八ヶ岳 赤岳 中岳 阿弥陀岳
- GPS
- 28:29
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 1,675m
- 下り
- 1,671m
コースタイム
天候 | 一日目 終日快晴 二日目 朝は濃霧と強風 9時過ぎより徐々に晴れ但し遠方は見えず |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ところどころ腐れた雪はありますが、アイゼンは必要としませんでした。地蔵尾根-地蔵の頭-赤岳頂上小屋のあたり、霧と強風のため、鎖場やはしごで手間取りました。 中岳のコルから行者小屋へ下りる途中、道が崩落しているところがあります。ロープが渡してあって迂回路ができています。 |
写真
感想
初めて八ヶ岳に行って来ました。
土曜日、朝一番の電車で新宿に行き、特急あずさで茅野駅まで。茅野で10時25分だったかのバスに乗り、美濃戸口へ。この時点ですでに11時でした。
美濃戸口〜美濃戸〜北沢〜赤岳鉱泉小屋〜行者小屋、が今日のコース。
天気がとても良くて、でも高度が高いためか暑くは無く、歩いていてとても気持ちが良かったです。
そうそう、忘れていたけれど、写真を見て思い出しました。
ちょっと見にくいですが、カモシカがいるのを見たのです。
今までカモシカなんて見たことなかったのですが、見た瞬間、「カモシカだ!」と思いました。ほかの動物には見えなかったので。それでも、「カモシカって天然記念物だろ? こんなところにいるの?」と目を凝らして見ましたが、やはりカモシカでした。動画も撮りましたが、この動物、身じろぎもしないんです。川の向こう岸の崖から、こちらを見ていました。帰宅後ウィキペディアで調べてみると、カモシカには人をじっと見つめ続ける性質があるんだそうです。へぇ。
さて、赤岳鉱泉小屋には、名物のアイスキャンデー(冬季にアイスクライミングするための人工氷壁)の残骸が、まだかなり残っていました。冬にここに来ればアイスクライミングの練習ができるんですね、やりたいな。
鉱泉小屋から行者小屋に行く途中、コースから外れたところに展望台があり、横岳、赤岳、阿弥陀岳の大パノラマが拝めて大興奮でした。
行者小屋でテン泊。ここは山に囲まれて良い幕営地ですね。小川もあるし。生ビールもあるし。
山は良いなあと思います。もう、本当にみんな笑顔でリラックスしていて。山を見ながらお酒飲んでたり、新田次郎の『強力伝』読んでたり。僕はおでんで生ビールをいただいてました。こういう気持ちの良いところに来ると、しまった彼女連れて来てやれば良かったと思います。
日が落ちると、気温は零度近くまで下がりました。テントの中で新田次郎の『孤高の人』を読んでました。この小説の中に八ヶ岳のことが書いてるんで。九時くらいに寝ました。明日早いのでね。
二日目は、朝4時50分起床。
寝る前に見た外気温は零度くらいで、テント内は八度くらいでした。寒くなかったです、全然。
ただ、朝起きると、なんとなく頭が重く感じました。軽い二日酔いみたいに。前に富士山で同じことがあったんですぐわかりました、軽い高山病の症状です。ここの高さは2400メートルぐらいでしたっけ。弱いのかな、自分は?
それでも動けないほどではないので、準備を始めました。朝飯を軽目にすませ、昼飯用にフリーズドライのおこわにお湯を入れて、テン泊道具をそのままにして6時10分に出発。
外は、ものすごい霧が出ていました。昨日目の前にそびえて見えた横岳も赤岳も阿弥陀岳も、何にも見えませんでした。
でも、「朝霧の時は晴れ」っていう昔の人の言葉もあるんで、地蔵尾根目指して登り始めました。今日の予定は、地蔵尾根から赤岳登頂です。登るに従い風も強くなり、稜線に出る頃には、「やばいかも」と思うような天気になりました。
鎖場もあり、岩場を登りました。
稜線に出たところにお地蔵さんがいました。だから地蔵尾根と言うんでしょうか。お地蔵さんに、無事の下山を祈願し、痩せ尾根を赤岳方面に向かいました。
霧は非常に濃く、10メートル先も見えません。風が強く、横から来るので、不意の突風にとばされないよう、踏ん張りながら進みました。ちょっととばされたら、滑落です。「やべぇ〜、落ちたら死ぬ〜」と思いながら。幸い、吹き続ける強風だけで、不意の突風ありませんでした。
行き交う人と、「いや、たいへんな天気だよね」とか言い合いながら、ようやく、赤岳頂上山荘へ。
そして、頂上、8時5分到着。
天気は悪く、周りは真っ白で何にも見えません。
せっかくここまで来て、あとは下りるだけなんですが、時間が経てば霧が晴れるかもと思い、頂上山荘で休むことにしました。中はストーブがたいてあり、暖かくて、とても助かりました。
ココアをいただき、お土産にバッヂと手ぬぐい物色。散財しました。
ココアを飲んでると、中学生ぐらいの女の子とお母さんのペアが入ってきました。当然登山者です。二人ともおそろいのバンダナを頭にかぶり、お母さんは大きなカメラを持ってました。「なんでも食べていいよ」というお母さん。ラーメンを食べる女の子。息子と親父のペアは良く見受けられますが、母娘のペアを見たのは初めてかもしれません。しかも、さっきの霧と強風の中を上がってきたのです。僕は、偏見かもしれず申し訳ないですが、かっこいいなぁ!と、とても感心しました。そして、そういう母娘関係をとってもうらやましく思いました。
さてさて、ココアだけ飲んで一時間もその食堂にいたつもりも無いのですが、どうもそれぐらい時間をつぶしていたようです。
少し、霧が晴れてきました。あくまで、すこし、ですが。
外へ出ると、先ほどより少し景色が見通せるようになってきました。尾根を列になって上がってくる人たちが見えました。
尾根上で、カメラを構えている一団がいました。
「あれは、ブロッケンが出るのを待ってるんだ」と、隣のおじさん。
へぇ、ブロッケン出るんだ? ちょっと興味ありましたが、どんどん登ってくる人たちを見て、人の群れに飲み込まれるのも嫌だなぁと思い、動き出すことにしました。
そうだ、昼から赤岳頂上山荘で開山際が行われるって聞いたんです。
でも、それまで待ってるのもなと思い、動き出すことにしたのです。
当初は、登ったことのない赤岳だったので、きついようなら登頂後文三郎道を通ってすぐ行者小屋に下山して撤収しようと思っていました。
でも、ここに来て、まだ全然歩けると思い、隣の中岳と阿弥陀岳にも足を伸ばすことにしたのでした。
阿弥陀岳。見た感じたいしたこと無さそうかもしれませんが、これ、たいへんでした。きつかったです。はしごもあるし、鎖もあるし、急斜面の岩場だし、ボルダリングみたい。前を行くパーティで、どうやらバテちゃったようでなかなか登れない女性が一人いて、泣きそうになっていいました。パーティじゃなく一人だったら助けてあげるのになぁと思ったのですが、同行の男性がいたんで、「ゆっくりでいいですからね、気をつけて」って声かけるだけでした。
で、阿弥陀岳頂上です。
阿弥陀岳頂上は、人が多くてびっくりしました。
僕ははじっこに座り込んで、腹が減って腹が減ってたまらなかったんで作り置きの昼飯のおこわを食べようとしてたんですが、団体の人が「それではみなさん、時刻になりましたので、阿弥陀岳開山祭を始めます!」と大きな声で言い始めました。時刻は11時になるところでした。
なんだなんだと思ってみていると、
「せっかくですので何かの縁ですので皆さんもご参加ください! 御協力をお願いします!」
なんて言ってます。願っても無いことです。
原村の村長さんが挨拶をした後、なんとなく武田鉄矢似な神主さんが出てきて、頂上にいるみんなで二礼二拍手一礼をしました。
そして、祝詞を詠む神主さん。そして御幣を振って塩を360度にまきました。
最後に頂上にいる全員で雪山賛歌を斉唱。僕、初めて歌いました。
お神酒が配られました。白鶴まるです。頂上でお酒が飲めるとは思わなかったんで、うまかったです! 下山が心配でしたがおかわりもいただいちゃいました。
記念品にオルゴールもいただきました。音楽は何種類かあるようで、僕のはとなりのトトロのテーマソングでした。ありがとうございました!
そんなことをやってるともう昼近くなってきたんで、急いで下山します。
行者小屋のテントまで戻ってきて、テントを撤収しました。
とたんにザックが重くなりました。ぐはぁ〜。
そんで、二時間半くらいかけて美濃戸口まで下りてきました。南沢のルートが、長く感じて辛かったなぁ。美濃戸から美濃戸口まではすぐでした。
八ヶ岳山荘で500円でお風呂に入れてもらい、ビールとカツカレーを食べ、新宿行きのツアーバスの空きに乗せてもらい、帰ってまいりました。
お風呂はありがたかったです。
初めての八ヶ岳。
山小屋がたくさんある八ヶ岳。
生ビールが飲めて、鉱泉小屋ではお風呂まで入れるらしい八ヶ岳。
次回は硫黄岳から赤岳まで縦走したいなと思います。
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