黒部別山(富山百山 70座目)
- GPS
- 56:00
- 距離
- 21.1km
- 登り
- 2,570m
- 下り
- 2,568m
コースタイム
天候 | 1日目晴れ、霧、雨など終始変化 2日目曇り時々晴れ 3日目曇り時々晴れ、後半晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2017年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
ケーブルカーと高原バスを乗り継いで室堂へ 立山駅と室堂往復乗車券4310円。 10圓鯆兇┐覯拱の有料扱いはなくなりました。 手荷物ルールはこちらをご覧ください。 https://www.alpen-route.com/baggage/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山届のボックスは室堂ターミナル階段上がったところにあります。 室堂ターミナル到着時に登山指導員が声をかけてきますのでそちらに提出しても良いと思います。 山行当日の様子です。 1日目 室堂〜剱御前小舎 浄土橋(今は撤去されています、というか浄土沢は雪に埋もれています)まで標高差150m降り、剱御前小舎まで500mほど登る行程です。雷鳥荘遊歩道が露出しているとこがありますがあとはほぼ雪上歩行です。。雷鳥沢キャンプ場までは積雪地の観光レベルなので問題ないと思われます。雷鳥坂は斜面に竹竿(上部に赤旗)が刺さっていて道標が整備されています。 冬道は夏道より西側にあります。最初の竹竿が結構遠いのでガスっているときは斜面を新室堂乗越側へトラバースするように移動すればなんとか見つかると思います。尾根に合流する直前はハイマツの踏み跡を行くように指定されています。 剱御前小舎〜剱沢キャンプ場〜剱澤小屋〜真砂沢ロッジ(キャンプ場) 剱沢を標高差1000mほど降下する行程です。 剱御前小舎〜剱澤小屋も赤旗竹竿の目印があります。 剱澤小屋のしばらく後から(無雪期の)雪渓取り付きまでトラバース気味に降りていきます。すべて雪上歩行です。 雪渓に到達したら道なり(雪渓なり)に降りていきます。 長次郎谷出合から少し降って左岸に寄ってナムの滝を回避します(ほんの僅かな距離ですが夏道が露出しています)。その後、また雪渓に戻り、降れば真砂沢ロッジです(今は雪に埋もれています)。 真砂沢ロッジのある大地は風が直接あたりそうなので幕営地は少し下のところにしました。 2日目 真砂沢ロッジ(キャンプ場)〜ハシゴ谷乗越 ルートミスをしたのですがそのルートをそのまま記しておきます。 無雪期のルートである三の沢出合まで降り、劔沢を横断します。 ハシゴ谷乗越に直登する尾根の一つ西側尾根を上ります。適当なところで斜面をトラバースしたり、直登したりして尾根に乗り上げます(この辺りは急斜面です)。乗り上げた尾根は真砂尾根でハシゴ谷乗越から目視で70mほど上部でした。 ハシゴ谷乗越まで降ります。ハシゴ谷乗越は中央部が盛り上がっています(夏道だと「展望台」と名付けられています)。 ハシゴ谷乗越〜黒部別山 主稜線へ乗り上げる尾根はほとんどが藪漕ぎです(時々雪上歩行もあり)。最初の強烈な急登が終わるとほんの僅か降りがあります。藪漕ぎ個所は薄い踏み跡やマーキングがあります。主稜線近くになってようやく雪上歩行です。 主稜線に乗り上げたら北に進路を変え、なだらかで快適な雪稜歩きになります。小ピークを過ぎて少し降り、登りへかかるときにわずかに藪漕ぎ個所があります。あとはそのまま頂上へ至ります。 ハシゴ谷乗越からキャンプ地までの帰路 ハシゴ谷乗越東側から北方向の谷筋を南俣へ向けて降りていきます。南俣へ到達したら左折して劔沢沿いに登っていきます。流れが露出しているところから十分距離をとってから劔沢を横断してキャンプ地に戻ります。 3日目 往路をそのまま帰ります。 |
その他周辺情報 | 下山後の立ち寄り湯は立山山麓近辺に複数あったと思います。 |
予約できる山小屋 |
剱澤小屋
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写真
装備
備考 | 浄土橋まではツボ足にストック。それ以降はアイゼンにストック。ピッケルは急斜面で適宜使用(帰路、雷鳥坂の降下もピッケル使用) 雨に降られた今回は着替えを持って行ったので助かりました。 「沢水は補給できるときにしたほうが良い」というのもわかりました。雪から水を作る作業は思いのほか時間がかかり、ガスの消費も多いので。 |
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感想
(長文注意)
2013年6月に富山百山が新聞発表されてその中に黒部別山という山が入っていたのを確認した時、「黒部別山?、いったいどこの山?」と思いました。
いろいろ調べた結果、どこの山かは分かったのですが登山道がないことも判明しました(というか新聞発表の時点で登山道なし、と書いてありました)。
同年8月、室堂から劔沢を経由して黒部ダムへ行くルートを歩き、黒部別山の下見をしました。その際、真砂沢ロッジの主人(今では先代主人です)から残雪期の真砂尾根のルートを示されました。「快適な稜線歩き」だそうです。
それも踏まえて攻略法として考えついたのは下記のルートです。
1 黒部ダムから往復
2 室堂から別山乗越を経て剱沢を降りてきて黒部別山に登り、黒部ダムへ降りる。
3 剱沢ルートの往復
4 室堂から大走ルートで真砂岳へ、そこから
A真砂沢を降りて黒部別山へ、あとは黒部ダムへ降りるか剱沢を登る。
B真砂沢を2000m付近まで降りて真砂尾根の斜面をトラバースして高度の損失を防ぐ。帰りは前記2択
C真砂尾根を降下。帰りは前記2択
D内蔵助谷を降下。帰りは前記2択
それぞれの評価
1 最も記録が多いルート。せこい話ですが富山県に住んでいる者からすると室堂を素通りして黒部ダムまで行ってからスタートというのはものすごく抵抗があります。歩き出しの出発時間も遅くなるし。かといってわざわざ扇沢まで車で行くのもなんか癪です。
2 多分、体力的に最も楽なルートと思われます。しかし、ハシゴ谷乗越に乗り上げる尾根をどう攻略するかが問題。さらに下山ルートで雪渓が崩壊して通行不能になっていたりすると泣きを見ます。黒部ダムから登ってくる登山者に遭遇するなりトレースがあって通行可能がわかればラッキーなのですが。
3 多分、最も堅実なルート。これも2と同様、ハシゴ谷乗越までが問題。
4A これも有力ルート。真砂沢は剱沢より斜度はありそうですが時間は短縮されそうです。
4B 自分の力では滑落コース。死亡フラグ
4C これも自分では「快適な稜線歩き」どころではなくどこかのピークで進退窮まる可能性高いです。準死亡フラグ
4D 斜度がきついところがあるので滑落の恐れあります。
慎重派の自分としては3を採用です。
早速といいましょうか、2014年のゴールデンウィークにトライしましたが悪天候のため序盤(別山乗越)で撤退しました。
2014年8月に富山百山のガイドブックが発行されました。書店へ行って購入し、真っ先に立山の項目をさらっと読み、次に「どんなルートが紹介されているのだろう?」と黒部別山のページを開きました。紹介されていたコースは「室堂ターミナルから劔沢、真砂沢ロッジを経てハシゴ谷乗越へ行き、内蔵助平を経て黒部ダムへ下る(黒部別山は登頂しない)」というものでした(前年に自分が辿った下見コースと全く同じ)。
がっかりしました。
同書でピークについては「残雪期6月ごろならばハシゴ谷乗越から雪稜越しに頂上に立つことは難しくないが登山道はまだ雪の下で山小屋も閉まっているので注意が必要だ」などとさらっと書いてあるに過ぎませんでした。
2015、2016のシーズンは諸事情により見合わせをして雪の状態がよさそうな今期に再トライすることとしました。
初日のピンチは雨に降られたことです。雨の中でのテント設営にもたもたして服を濡らしてしまい、低体温症になりかかりました。
雨の日の設営って「とにかくテント本体にフライを取り付けて中に避難して天候の回復を待ってペグを設置」かな、と思いました。
2日目は湿った服を着用しての行動開始でテンション低めでした。ガスって周囲の様子が分かりにくく、ガスが晴れて気づいたときにはルートをミスしていました。どのようなコース取りをしても急斜面は避けられず、四つん這いの登りやらカニ歩きのトラバースなどが続き、リタイヤも頭をよぎりましたが「撤退するにしても、次回に繋げる為とりあえずハシゴ谷乗越までは行こう」と肚を決めたのが良かったのだと思います。
藪漕ぎも想定外でしたが振り返ってみると安全面で藪のほうが良かったのかもしれません。
帰路の南股へ降りるルートは事前知識があったわけではないのですが下山中に上から眺めた様子や地形図の等高線、「登り返しが必要になったら潔くそうする」という覚悟を総合的に考慮してトライしたら「当たり」だったのでとてもラッキーでした。
今回、無事に登頂できてとてもうれしく思います。立山連峰と後立山連峰に挟まれた場所なのでロケーションも良いのですが登頂時の天候に恵まれなかったのが心残りです。
仮に再トライということになったら時期は今と同じ頃、ルートは南股からにして行きたいです。
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