木曽駒ヶ岳のチングルマ―湧き立つ雲に友人たちのシルエット



- GPS
- 17:40
- 距離
- 4.0km
- 登り
- 418m
- 下り
- 434m
コースタイム
- 山行
- 1:40
- 休憩
- 2:10
- 合計
- 3:50
天候 | 1日目:曇ときどき晴 2日目:曇ときどき雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
中央道駒ケ根IC 11:00(※定刻は10:18) 女体入口バス停 11:07(伊那バス※30分間隔) しらび平 11:50/12:19(中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイ) 千畳敷 12:26 |
写真
感想
結局関東地方は雨が続かないまま梅雨明け発表があり始まった今年の夏。
太平洋高気圧の張り出しは弱く南の海上にはいくつも熱帯低気圧があり、そこから大量に湿った空気が流れ込み不安定な天気になりそうな今週末、予定通り木曽駒ヶ岳へ。
木曽駒ヶ岳に登るのは実に13年ぶりで、その時も7月のこの時期だった。
その時も天気が不安定で、帰りがけにロープウェイ駅に落雷しロープウェイが停止してしまった。
予備電源で運転再開されたものの、通常片道7分のところが20分もかかり、しかも1台体制になってしまったため40分間隔になり、千畳敷で8時間も待たされるという散々な目にあったのだった。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-175725.html
それ以来木曽駒ヶ岳はロープウェイがネックだなと思い足が向かなくなってしまっていたのだが、今回久しぶりに登ってみようと思ったのには2つ理由があった。
1つ目は一緒に行くメンバーが新しく知り合った人たちが多いので親交を深めたいということであり、2つ目はテント泊を再開するのに登りが短い木曽駒ヶ岳は最適ではないかと思ったからである。
が、結局ここ数週間の蒸し暑さにやられてしまいちょっと夏バテ気味になってしまったので、テント泊はやめ山小屋泊にすることにした。
当日は友人の1人が予約してくれた高速バスで駒ヶ根ICに向かう。
一緒に行く6人中3人がバスタ新宿から、自分ともう1人は中央道日野バス停から、そしてもう1人は車で現地集合だ。
そしてさらにもう1人、別の友人が偶然にも同じバスに乗り合わせている。
この友人とは1ヶ月前くらいに一緒に出掛けているのだが、その時同じ日の高速バスを予約していることを聞き、驚いたものである。
駒ヶ根ICから路線バスに乗り換えて、しらび平へ。
山に行くときは高速バスは渋滞するというイメージから電車しか頭になかったが、確かに渋滞で多少は遅れるもののけっこう快適だったので次から選択肢にもっと入れていこうと思った。
しらび平でロープウェイにかなり並ばなくてはならないかなと思っていたのだが、天気がそんなに良くないためか、昼近くになっているためかすぐにロープウェイに乗れた。
ただ、車で来る1人がひどい渋滞に巻き込まれてしまい遅れていたので、千畳敷で1時間近くゆっくりとする。
周囲はミヤマキンポウゲが花盛りで、その中にクロユリも咲いていた。
千畳敷から見える宝剣岳には時折雲がかかり、雨がぱらついたり陽が射してきたりと落ち着かない天気である。
13時過ぎにいよいよ千畳敷をスタート。
ミヤマキンポウゲとハクサンイチゲが咲き誇る中を登っていく。
今回友人の1人はチングルマを楽しみにしていたのだが、千畳敷では花は終わってしまっているものが多かった。
途中から登山道が渋滞し、ゆっくりとしたペースで登ったためかなんだかあっけなく乗越浄土へ到着。
下界での夏バテが嘘のように体が軽い。
中岳山頂で岩を見つけてそれによじ登ったり、中岳からは大きな花崗岩を伝って
飛び跳ねながら頂上山荘のある鞍部まで走り下ったりちょっとしたハイ状態になった。
こんなに元気になるならテント泊にすればよかったかなとも思ったが、この身の軽さは山小屋泊ならではの荷物の少なさにも因るため、やはり山小屋泊でよかったかもしれない。
下界の蒸し暑さを逃れられる夏場の高山はやっぱり最高だ。
頂上山荘では山小屋に泊まる自分を含めた4人と、テント組の2人に分かれてそれぞれチェックインし、布団を敷いたりテントを張ったりの準備が終わったところで、今日のうちに木曽駒ヶ岳山頂へ行ってみることにした。
山頂はときおり雲に隠れたりという状態だったが、明日は天気が下り坂の予報だったので、行けるうちに行っておこうということになったのだ。
山頂に向かって歩き出すと、左手の砂礫地にコマクサがたくさん咲いていた。
通常の淡い桃色のものではなく、紅色の濃いものもあり、そういえば大学生の時の研究室で木曽駒ヶ岳のコマクサは植栽されたものだという話が出ていたことを思い出し、これはもしかしたら園芸種なのかもしれないと思う。
植物に興味のある友人から、高山植物の名前を聞かれ、最初はなかなか名前が出てこないものもあったが、ここ木曽駒ヶ岳は大学時代に指導教授の初期の論文の場所ということで2回地形と植生を観察しに来た場所だけあって、少しずつ名前を思い出すことができた。
クロマメノキやアオノツガザクラなんて久しぶりに見た気がする。
今回最後まで名前が思い出せなかったのはタカネツメクサで、これはイワツメクサより花弁が太くよりナデシコ科っぽい花である。
何ツメクサだったか全然出てこず、結局家に帰ってから調べてああそうだったという感じだった。
山頂に向かっていくと、次々と満開のチングルマが現れた。
千畳敷とは標高が違うので、ちょうど今が見頃だったようだ。
チングルマが目的だった友人も大満足のようで、こちらも嬉しくなる。
山頂で1時間以上ゆっくりとしていると、たまに雲が切れ、中岳や格好のいい伊那前岳、そして宝剣岳の尖った姿も見ることができた。
山頂で写真撮影をしたりしていると、今回偶然高速バスに乗り合わせた友人もその同行者と登ってきた。
湧き立つ雲で夕陽が見えなかったからだろうか、最初数人いた他の登山者たちは下山して行ってしまい、山頂は貸し切り状態となった。
湧き立つ雲の合間から峰々が見える。
そしてその前でシルエットになった友人たちを眺めながらいい風景だなと思う。
貸切りの山頂に後ろ髪を引かれながら、山小屋の夕食の時間があるため山頂を後にした。
夜、激しい雨の音がした後静かになったので外を見ると満天の星空。
久しぶりの満天の星空で星が多すぎて、カシオペア座と夏の大三角くらいしか分からなかった。
この星空なら明日、日の出の頃くらいまでは天気は持つかなと思っていたのだが、起きてみると、外は真っ白。
山頂に行っておいてよかったねと話しながら、まっすぐ千畳敷に戻ることにした。
宝剣岳や伊奈前岳に登りにまた来ようと思う。
千畳敷に戻ると、ちょうど雨も降りだして、いいタイミングで下りてくることができた。
天気はいまいちだったが、新しく知り合った友人たちとも親交を深めることができ、満足のいく山行となった。
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