モンブラン登頂(Mont Blanc)
- GPS
- 15:33
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 2,122m
- 下り
- 2,498m
コースタイム
- 山行
- 2:21
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 2:28
- 山行
- 10:25
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 11:41
天候 | 7/25 雨のち曇のち雪 7/26 雪のち晴れ 7/27 小雪のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
レズーシュ〜ベルビュー ロープウェイ ベルビュー〜ニーデーグル 登山電車 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【二ーデーグル〜テートルース小屋】 通常のハイキングコースのため特に危険個所なし。 【テートルース小屋〜グーテ小屋】 モンブラン登山の危険個所はこの区間に集約されます。 なんといっても落石地帯のグランクーロワール。我々が通った時は結構な積雪のため安定していました。その後の急峻な岩稜帯は雪が付いているとやらしい感じです。特に下りは注意が必要です。 【グーテ小屋〜モンブラン山頂】 危険なのはクレバスですが、我々が登った時は前日まで雪の日が多かったことと、視界が不良であったため見かけませんでした。ホワイトアウトの時には特に注意が必要でしょう。 |
その他周辺情報 | スタートのログはニーデーグルとテートルース小屋の間で記録していないことに気づき途中で取得を開始しました。 |
写真
感想
グーテ小屋から山頂へ。
ここ数日の中では比較的天気が良いと思われた。
日本では経験できない4000辰魃曚┐襪箸なり息苦しさを感じる。風と雪でウエアや手袋に霜が付く。寒さに弱いのに手袋チョイスと交換タイミングが悪かった。
風と雪の中黙々と足を前に出しているとバロ避難小屋に到着する。
小屋でウエア調整とエネルギー補給をするが狭くて暗く人がごちゃごちゃいる中固まった手で作業を行うのは至難であった。
避難小屋を出ると外はホワイトアウト状態。
引き返してくるパーティーが多い中ガイドのピエールは躊躇する事でなく進んで行く。
ゆっくり進んでくれていたと思うが呼吸は苦しく、風と雪でゴーグルに霜がつきよく見えない。
その霜を取る気力もなく歩いていたのが悪かった。
左足を滑らせ滑落、、、
ナイフリッジの場所ではなかったのが幸い。
自力で這い上がるが余計なエネルギーを使った為に更に息苦しくなり疲れも半端ない。
ガイドと主人にいろいろ声を掛けられるが答える気力もなくただうなずくだけ💧
もう帰りたいと悪魔の囁きが。
そんな状態の中ただ足を出していると同じツアーで一緒になった男性が引き返してきてタッチをしてくれる。
山頂が近い事を感じ、それから数分で登頂。
勿論、山頂には標識も景色もない。
ただ自分達を撮影するだけだった。
5分くらいで下山に入る。
ホワイトアウトの中ガイドのピエールの的確な判断によって我々は山頂を踏む事ができた。
感謝しかない。
今年も昨年のマッターホルン同様、AGにお世話になることにした。我々二人はガイド1名、ほぼ同じ工程を共にすることになる他3名はそれぞれにガイド1名を手配していた。
到着してからシャモニーの天気はいまひとつ。高度順応を兼ねたバレーブランシュ氷河歩行の7/24も朝から雨のためミディのロープウェイが動かず、場所をグランモンテに変更して、みぞれ交じりの強風の中、2時間程歩くのがやっと。計画より500m程低い標高に加え、歩行時間も半分程。事前に4回行った富士山での順応に期待するしかない。
翌日の7/25も朝起きると雨。7:30に集合場所のレズーシュに着くとガイドのピエールが手でバツ印を作っている。しばらく天気の様子を見て、回復しないようなら明日に仕切り直しすると言う。2時間程待ちもう仕切り直しだなと思っていると天気が少し回復してきたので出発するらしい。気持ちの切り替えが大変だ…
ベルビューからテートルース小屋までは標高差800m
程のハイキングコース。テートルース小屋で昼食後に宿泊予定のグーテ小屋に登ることになる。ところが、昼食中にまた雪が降り出し天気が悪くなったため、ピエールが今日はテートルース小屋に泊まろうと言ってきた。この天気ならしょうがない。明日のグーテ小屋は予約していないので、テートルース小屋からのアタックになるなと覚悟していたら、ピエールが明日のグーテ小屋の宿泊をなんとかしたようだ。こんな時、現地ガイドは柔軟に対応できるのかもしれない。翌日のグーテ小屋が予約できたことでアタック日が2日確保できたことになる。
.董璽肇襦璽江屋から山頂アタック、グーテ小屋泊。この場合、グーテ小屋泊があるので、山頂アタックの出発時間を天気の様子を見ながら遅くすることができる。
▲董璽肇襦璽江屋からグーテ小屋泊のみ。この場合はさらに翌日にグーテ小屋から山頂アタック、そのまま下山となる。
7/26、4時からの朝食のために起きると外は雪… またまた天気待ち。まったく予定通りに進まない。8時過ぎに雲が切れ始め急遽出発。テートルース小屋からグーテ小屋までは標高差600m。アイゼンを装着して歩き始める。時々強い風が吹いてくる。おそらくグーテ小屋より上は強風だろう。少し登り上げると落石地帯のグランクーロワールに着く。先人の記録をみると走るように通過しているようだが、この日は膝下のラッセル。走るどころではない。雪のおかげで静まりかえっているのが不気味だ。クーロワールを過ぎると急な岩稜帯に入る。雪岩ミックスとなり、マッターホルンを思い出しながら登る。疲れたなと思い始めた頃にようやくグーテ小屋に到着した。晴れ間はあるが風は強い。ちょうど山頂方面から下ってきたパーティに聞いてみると、やはり強風で撤退してきたそうだ。雪の次は強風。本日のアタックはなく、明日に全てをかけることになる。
これまで順調と思われた高度順応だが、グーテ小屋の夕飯時にほとんど食べ物がのどを通らない。ダイアモックスも服用していたのに…どうも高所には強くないようだ。朝食は食べられたのでまあ良しとしよう。
7/27、朝食後、3時過ぎにグーテ小屋からアタック開始。空を見上げると星は見えず真っ暗。風は昨日よりは少し弱くなっている。ボス山稜の風が強くないことを祈りながら登る。標高を上げていくとガスで視界が徐々に悪くなってくる。ガスの水分が風でシェルやグローブにあたることで凍りつきバリバリ。いつも晴れた日にしか山に登らないので、この状況に心が折れそうになる。なんとか歩を進めバロ避難小屋に着き中に入る。小屋の中は満員だ。みなこれからのボス山稜に備え着る物を増やしている。自分もシェルの中にフリース、薄手のシェルの2枚、オーバーグローブを追加で装備し、行動食を補給し出発する。
バロ避難小屋を出て登り始めると、かなりのガイドパーティが撤退している。視界も悪く、風もあるからだろう。ピエールが撤退しようと言ったら素直に従う覚悟をこの時点で決めた。ところがピエールはまったく迷うことなく進んでいく。それを見て迷っていた数組のガイドパーティが後に続く。ボス山稜に入ってもガスで視界は悪いが、風は強まることはない。標高4700を越え、あと少しではと思っていると知っているガイドが下りてくる。お互いに拳を合わせる。山頂がすぐそこであるとわかった。モンブラン登頂。
先に下りたガイドはボス山稜で付いてきた他のAG参加者のガイドの一人だ。manoalanipoがボス山稜で足を滑らせもがいている時に先行していたのだ。山頂ではもう一人のAG参加者がガイドと写真を撮っている。このガイドはモンブラン登頂250回のレジェンドだ。やはり途中で先行していた。山頂はガスで視界はほとんどない。思い描いていた登頂ではないが、登れてよかった。また、天候が悪い中での登山経験がないことを痛感させられた山行でもあった。
天候を見ながら、その時その時でベストな状況判断をしてくれたガイドに感謝したい。来年、日本で会おうピエール。
また行動を共にした3名の方がいたからこそ、予定が二転三転する中、楽しく過ごすことができた。この場を借りて感謝したい。
コメント
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ヤマレコ読ませて頂きました。コンディションは本当に厳しい状況でしたね。この状況では、ガイドから撤退宣言されても、仕方ないなと諦めざるを得ないところですが、ガイドがベテランのピエールさん(2年前のモンブラン登山時、同じツアーの他メンバーのAGのガイドだった方と思います)で良かったですね。この状況で無事に登頂されたお二人の気力も素晴らしかったと思います。
masacsさん、おはようございます。
出発前に多くの有益なアドバイスをいただき、本当にありがとうございます。不安を解消してチャレンジできました。
登山中は天候に悩まされました。登頂できたのはガイドの的確な判断によるところが大きいです。我々だけなら即撤退ですね。
今後もよろしくお願いします。
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