雲ノ平・黒部五郎岳・笠ヶ岳
- GPS
- 56:00
- 距離
- 49.7km
- 登り
- 4,191m
- 下り
- 4,591m
コースタイム
7/16 電車とバスで折立へ、折立〜太郎平〜薬師沢出合〜雲ノ平山荘(行動時間:8時間)
7/17 雲ノ平小屋〜祖父岳〜黒部源流〜三俣山荘〜黒部五郎小舎〜黒部五郎岳〜黒部五郎小舎〜三俣蓮華岳〜双六岳〜双六小屋(行動時間:12時間)
7/18 双六小屋〜弓折岳〜秩父平〜抜戸岳〜笠ヶ岳山荘〜笠ヶ岳〜クリヤ谷〜槍見温泉〜中尾温泉口(行動時間:9時間30分)、バスで高山に出てJR・新幹線で帰還。
天候 | 7/16 晴れ 7/17 晴れ 7/18 晴れのち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
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コース状況/ 危険箇所等 |
クリヤ谷は全般に足元が悪いので十分注意。あと秩父平の弓折岳側は転落すると大事に至ります。 |
写真
感想
7/16(土) 晴れ 折立〜太郎平〜薬師沢出合〜雲ノ平山荘(8時間)
富山地鉄の有峰口駅からの登山バスは12人しか乗っていなかった。こりゃ今日は空いてるかなと思ったら終点の折立は大混雑。駐車場も溢れてしまっていて人だらけだ。ほとんどが薬師岳の登山者で、テントを担いでいる人も多い。意外なことに沢登り装備の人もちらほら。聞けば赤木沢を溯行するそうだ。赤木沢は上の廊下と合わせて奥黒部ヒュッテから入る人が多いと思っていたが、赤木沢だけが目的なら確かにこちらからの方がアクセスは楽だ。
太郎平から薬師沢に下る路は素晴らしく良かった。薬師沢とはつかず離れず黒部本流へと下ってゆくが、所々綺麗な原っぱがあり飽きさせない。小さな流れも豊富なため、水筒不要なほど。更に薬師沢小屋は小屋も周りの雰囲気もとてもよい。赤木沢決戦前夜にここに泊まるのもいいだろう。
雲ノ平への登りは暑さとの戦いで意識もうろう。今日は死ぬほど暑い。とても北アルプスの山ん中とは思えない。登り着いた台地から見る水晶岳は本当に素晴らしく疲れも吹っ飛んだ。雲ノ平小屋はそれほど混雑しておらずこの日宿泊は30名ほど。リフォーム中のようで中はすごく綺麗だったが、炊事スペースが工事で使えず外で自炊した(雨じゃなくて良かった…)。しかし雲ノ平から見る水晶岳ってほんと最高。見る角度によってずいぶん違うものだ。
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7/17(日) 晴れ 雲ノ平山荘〜祖父岳〜黒部源流〜三俣山荘〜黒部五郎小舎〜黒部五郎岳〜黒部五郎小舎〜三俣蓮華岳〜双六岳〜双六小屋(12時間)
今日登る山を悩んでいた。11年前に悪天候だった黒部五郎岳をリベンジするか、昨日心動かされた水晶に登るか。結局黒部五郎に決定。理由はぐるっと見渡して残雪が一番多かったから。涼しいかなと思って。あとは高瀬ダムに抜けるか新穂高に抜けるかも決めていなかった。これは新穂高に決定。未踏の笠ヶ岳も踏めるチャンスなのだ(少々欲張りだが)。
祖父岳はなんてことない山だが、雰囲気が非常に雲ノ平っぽい(うまく言えないが)。そしてその後黒部源流へと下ってゆく登山道の雰囲気がまたよい。この辺は残雪が多く花もチングルマ、イチゲなど真っ盛りで素晴らしい。
黒部源流には標識があるが沢はまだ深く雪渓に埋もれておりそれとはわからない。しかし昨日の薬師沢出合では轟々たる大河だった黒部川が数時間歩いただけでこれほどちっぽけな小沢になってしまうとは…
三俣山荘へ登り、三俣蓮華岳はトラヴァースして黒部五郎方面に進む。ここからは往復になるので不要な荷物はデポして更に身軽になって飛ぶように進む。黒部五郎はカールを真正面から見る角度(つまり東)からが最高にかっこいい。この山の形はなんて個性的なんだろう。山自体が巨大なカール壁で構成されていると言ってよい。まるで黒部五郎劇場。カール底コンサートも可能(笑)。
カールの奥深くに入るにつれ、カール壁にある山頂部がそびえ立って迫ってくる。大口を開けているゴヂラの胎内に入ってゆくがごとく奥へ奥へ進む。カール壁の傾斜は非常に急なので十分注意。山頂からの絶景は言うまでもなく、特に黒部源流の様子と周りを囲む山々が見事。11年前は濃いガスと強風だった。ここは絶対にまた来るぞと誓ったがようやく実現。それも雲ひとつない快晴の中頂上に立てたことが最高にうれしい。
あとは一目散に三俣蓮華まで戻るだけだが、黒部五郎小舎から三俣蓮華の肩までの登りがきつい。何よりくそ暑い。息も絶え絶えで三俣蓮華山頂に到着。ここからは富山県におさらばだ。黒部水系の山々も再見!
双六岳に着いたときにはだいぶ曇ってしまったが、ここまで来れば楽勝。しっかし双六界隈は人が多い。双六小屋も人人人でこれはすし詰めでは?とびびったが、何とか布団1枚の領域を与えられてホッとした。
11年前もここで幕営した。その時との大きな違いは若い女の子が圧倒的に増えたことだ。それも単独行の人もちらほらいるから驚きだ。昔はたまに見かけたアマゾネス的な猛者風の女子はとんと見なくなった。山は変わらぬが時代は変わる…
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7/18(月) 晴れのち曇り 双六小屋〜弓折岳〜秩父平〜抜戸岳〜笠ヶ岳山荘〜笠ヶ岳〜クリヤ谷〜槍見温泉〜中尾温泉口(9時間30分)
最終日、急遽計画を変え新穂高ではなくクリヤ谷に下りてみることにした。双六からはあまりにも人が多く、新穂高温泉でモミクチャになるのが目に見えていたので。中尾温泉口発14時58分のバスに乗るのが目標なのでかなり早いが4時出発。久しぶりにヘッ電歩きだ。
樅沢岳をトラバースするとやがて槍穂高がドドーンと現れる。同時に日の出。さすがこの距離から見る槍穂高は迫力が違う。朝早くなのにずいぶん人が多かったが皆ことごとく鏡平方面に下ってしまい、笠ヶ岳まで一人旅になった。笠ヶ岳まではずっと尾根通しなのかと思っていたら、実は一度尾根は消失している。ここが秩父平で、ゆるい傾斜の小さな原になっており雰囲気が素晴らしい。ここから抜戸岳に取り付くとあとはアップダウンはほとんどなく、特急並みのスピードで笠ヶ岳山荘までいける。
途中、雷鳥の調査をしている2人組み会った。雷鳥に逢いましたか?と聞かれて初めて今回の旅で雷鳥を一回も見ていないことに気づいた。やはり天気が良すぎたからだろう。それともこの一帯も雷鳥生息数は減少の一途をたどっているのか… 2人の表情は少し複雑そうだった。
笠ヶ岳についたときには天気は曇ってしまった。北アルプスの最後の展望に別れを告げる。下り口があまりに急で驚いたが躊躇せずクリヤ谷へと下る。クリヤ谷のルートは全体的に足元が悪いので注意がいるが、整備状態は思ったよりよかった(笠ヶ岳山荘の方がきちんと整備を行ってくれているそうである。有難いことだ)。上部は完全な岩登り、中腹は急な斜面のトラヴァース、そして下部はクリヤ沢の沢沿いと非常にバラエティに富んだルートで長さをあまり感じさせなかった。ただしクリヤ谷下部では渡渉があり、雨天のときは鉄砲水が出るので絶対に入ってはいけない。
天気の崩れは思ったより早く、時々パラパラと雨にも遭ったが、なんとか無事に槍見温泉まで降りた。槍見館で入浴しようと思ったら日帰り入浴は14時で終わりだそう。仕方なく中尾温泉口まで出て予定より1本早いバスに乗り、平湯温泉で降りて汗を流してから高山・名古屋経由で帰途に着いた。
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最後に感想をひとつふたつ。
北アルプスは飲み水の入手が難しい山域が多いですが、今回のルートはどこもかしこもおいしい水だらけで、とても充実した気分でした。今回の旅は冷たい水を飲むために行ったようなもんででした。
暑くて死にそうでしたが、ドライマンゴーを持って行ったのがすごくよかった。喉の渇きも和らぐような気がしたが気のせいだろうか。200gも持っていったがほとんど食い尽くしてしまった…
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