ツウ好みの餓鬼・唐沢岳と表銀座縦走…槍ヶ岳は台風のため断念
- GPS
- 80:00
- 距離
- 47.8km
- 登り
- 3,646m
- 下り
- 3,143m
コースタイム
6:30登山開始-最終水場9:15-大凪山12:25-餓鬼岳小屋15:50
7月18日 餓鬼岳小屋テン場5:15-餓鬼岳5:30-展望台5:55-唐沢岳7:50-
餓鬼岳小屋テン場10:00(テント撤収)10:30-東沢乗越14:30-
燕岳-燕山荘17:45
7月19日 燕山荘テン場5:30-大天井ヒュッテ8:15-ヒュッテ西岳11:00-
水俣乗越12:40-槍沢大曲13:35-徳沢園17:00
7月20日 徳沢園テント場7:20-上高地散策
天候 | 7月17日:曇り 7月18日:晴れ→曇り→雨 7月19日:雨 台風による風もあり 7月20日:雨→晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
白沢登山口までタクシー20分 3900円 駐車10台ほど可能、仮設トイレ1基あり 上高地から松本駅はバスと電車(新島々駅乗り換え)で約2時間2400円 http://www.alpico.co.jp/access/route_k/honsen |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポスト:白沢登山口に用紙とともに登山ポスト設置されています。 道の状況:白沢から餓鬼岳小屋への道は長くかなり急登です。 道幅狭く、段差激しく、きついです。 何て言ったって1600m以上の標高差です! 餓鬼岳から唐沢岳の道のりもさらに急登の連続です。 ポールはない方がいいです。両サイドの枝や根をつかみながら 上り下りする必要があります。体力いりますが危険ではありません。 餓鬼岳から東沢岳への道はハシゴ、鎖場の連続です。 何度も登り返しあり、きついです。足場悪く悪天候時注意です。 でも裏銀座縦走路の眺望抜群です♪ 東沢乗越から燕岳は樹林帯を抜けてから雪渓を1か所通ります。 お花畑見ながらきつい登りをひたすら登り続けなければいけません。 一度稜線に出てからまた北燕岳東側を下り、また上ります。きつい。 燕岳から大天井分岐は小さなアップダウンあるものの歩きやすいです。 大天井分岐から大天井ヒュッテまでは崖っぷちで鎖場あり、ハシゴあり で危険度高いです。滑落に要注意です。 西岳手前にはやせ尾根あり、強風に注意です。 ヒュッテ西岳から水俣乗越までは鎖場、ハシゴあります。 槍ヶ岳の雄姿に圧倒される素晴らしい眺めです。 下山後の温泉:上高地のホテル清水屋にて入浴しました。 外来入浴時間11:30〜14:00、1070円(タオル付)です。 http://www.kamikochi.or.jp/modules/weblinks/singlelink.php?lid=50 |
写真
感想
去年に烏帽子岳から見た唐沢岳がとってもかっこよくて、是非ともこのコマクサの時期に渋い餓鬼岳と唐沢岳の縦走をしてみたかったので計画。
槍ヶ岳へと延びる表銀座縦走コースはまだ行ったことなかったので槍の展望も
期待しながらそちらもついでにまとめて計画したら大縦走のプランができあがった。
どこまで実現できるかと楽しみに上り始めた初日。白沢からの道はかなり厳しかった。登山地図より大幅に時間が超過している。このザックが重いからか…。最終水場の川で水を3L補給。さらに重さを増し、ずっしり肩に足に重さがのしかかる。
長い長い上り道、でもどっちみちテントだから暗くなる前に着けばいいやと気楽に構えてゆっくり上っていく。花もなく眺望もなく少し退屈な道。だけど上るしかなく忍耐と辛抱強さを培って上る。
ようやく着いた餓鬼岳小屋。なかなか渋い小屋〜。おや?水は1L200円で売ってるし!何も担ぎあげることなかった。テン場まで3分。7〜8張すでにされていてもう場所がない…。一番奥に行かせてもらい、草の上に何とかスペースを見つける。これが意外に快適でふかふかで気持ち良かった。
2日目、唐沢岳往復をする。となりのテントのおじさんは唐沢往復でこのテン場連泊したそうだ。往復最低5時間。次の燕岳まで7時間。なかなか微妙な時間…。唐沢をやめて予定通り大天井まで行こうか、それとも餓鬼に連泊して中房に下山しようかかなり悩む。でも今回唐沢岳を行かなかったら後悔するだろうと思ったので短縮になってもいいから唐沢を行こうと決断する。そしてもし10時までにテン場に帰って来られたら燕まで頑張って足を延ばして予定通り表銀座縦走することにする。
唐沢岳までの道のりはこれまた超きつい。ハイマツの根っこや茎、頼りない細い根までつかみながら上ったり下ったりしないといけない。超急勾配。でもとっても味わい深いいい山。コマクサが大群落をなしている。高瀬ダムをはさんで不動岳・船窪岳が見える。あの、去年苦労した山行を思い起こす。そしてその向こうには立山や剱岳が近く迫ってきている。北アルプスの北部と南部のちょうど境目にいるという実感がわいてくる。誰とも会わない山道。また餓鬼岳へと戻る。
なんとちょうど10時!よし、テント片づけて出発することに決定。
東沢岳への丸山新道、これがまた鎖、ハシゴの連続で西側には切れ落ちてるしとっても危ない危ない。手足全部使いながら岩をよじ登ったり下ったり、慎重に気をつけて。でもこのスリル感がとっても楽しい。やっぱり渋いルートだなぁとほくそ笑む。
東沢乗越から燕岳への上り返しがまたきつい。でも今日のテン場はとりあえずこの道を進まなければたどり着けない。ビバークするほどでもない。それより燕山荘の生ビールが早く飲みたい。生を楽しみに、励みに頑張る。森林限界を越えるとお花畑。チングルマやハクサンチドリ、ハクサンイチゲ、いろんな花が一面咲き乱れていて本当にきれい。だけどこれでもかという追い打ちをかけるような急登。
そしてこれまでの山人生初の12時間歩きを達成!小雨降る中、なんとか燕山荘に到着。とりあえずまずテント張って宿こしらえて、それから燕山荘に受付と生ビール飲みに行く。展望喫茶コーナーがある。はりきって生ビール大1000円頼んでしまった。雨が強くなってきたから展望は全くなかったけれど寝るところはもうできているから安心してゆっくり楽しんだ。
その晩は台風のおかげでけっこう風が強かった。
3日目、雨風の中出発。いよいよ念願の表銀座縦走。コマクサ咲く中を歩いて行く。メジャーなコースだけあってとっても良く整備されている。昨日までの道とは大違い。大天井岳分岐から大天井ヒュッテまでの道はけっこう険しい。しっかりした鎖が付けられているけれど40分間緊張し通し。慎重に滑落に注意しながら進む。
西岳への道。楽しみにしていた槍の展望が全くナシ…がっくり。台風なんだし仕方ないよね…。だけど昨日のうちに丸山新道の展望楽しめて良かったぁと考える。しかもこの雨風だとあの道はけっこうきつかったかも。
ヒュッテ西岳へ到着。なんと、東側の谷のガスが晴れてきた!!そしたら蝶〜常念〜大天井の山脈がどーんと出現!常念岳の美しいこと!そしてヒュッテでしばし小屋のお兄さんと会話を交わす。昨晩はかなり荒れてテン場は吹きっさらしだからテントの人は何度も場所移動してたとか…。今から東鎌尾根で槍に向かうと言ったら、まぁ自己責任で行けなくはないけどかなり上は風がきついだろうからテント張るところ気をつけて…といわれる。殺生ヒュッテのテン場にしようかと尋ねるもそう変わらないという。それより明日の雨予報が200〜300mm出てるからそっちの方が心配だと。下山するときかなり危ないから今日は槍やめたら?と言われる。
そう言われるとだんだん行く気力が萎えてきてしまった。確かにこの尾根、きつそうだ。風があると危なそうだ。展望もないし残念だし、表銀座少しでも歩けて今回満足できたし、何と言ったって昨日は唐沢岳行けて12時間歩行も実行できてとっても充実した山旅だった。今回は槍が目的ではない。何も槍にこだわっていない…そう考えると考えるほどもう下山モードが高まってきて、水俣乗越から下山することに変更した。
お礼を言ってからヒュッテ西岳をあとにする。そして槍を正面に見据える。まだガスがかかっているけど東鎌尾根がバーンとそびえる。切り立った尾根。超かっこいい。槍が大きい。そして左手には穂高連峰。すり鉢状の涸沢カール、穂高の峰々が間近に見える。北アルプスの代表選手、槍と穂高をこんなに目の前にできるなんてこんなこと初めてで、超感動した。感動しすぎてなかなか前に進めない。
そうこうしているうちになんと槍のガスが切れてきた。そして槍の穂先がドーンと現れた!!ギザギザの北鎌尾根が続いている。すごい!すごい!感動の連続。
ここに来て良かった、本当に良かったと何度も思った。そしていつか近いうちにこの東鎌から槍を目指そうと思った。
水俣乗越から槍沢へとおりる。どんどんおりる。そしてあとは退屈な平坦な道をどんどん進む。槍沢ロッジ、横尾山荘、そして徳澤園の芝生テン場を目標に一生懸命進んでいく。これが退屈で面白くなくて疲れた。槍沢の澄んだ美しい水の流れがあっただけ良かった。
雨の中びちょびちょになりながらようやく徳澤園に到着。ここは水もあってトイレもあって快適。わたし以外にはテント2張り。徳沢ロッジのお風呂に行こうかと思ったけどまたこの濡れた靴をはかないといけないと思うとテントから出るのが面倒でそのまま就寝。
最終日。雨の中遅めに起床。徳澤園で500円もするビニール傘を購入して傘さしながら上高地へと向かう。そうこうしているうちに雨がやんでしまった。なんやねん、そんなら買わんかったら良かったと悔しがりながらも雨がやんでくれたことに感謝。ビジターセンターで遊んだり、早朝の河童橋訪れたり、そして天気良くなってきたので気分も良くなってソフトクリームを食す。五千尺ロッジ併設の喫茶店にて生乳ソフト350円。ワッフルコーンでとってもおいしかった。
ちょうど11:30だったのでその時間唯一あいていた外来入浴の温泉、ホテル清水屋へ行く。歴史あるホテル、お客様扱いをしていただいてとってもご機嫌。親切に靴を乾かす新聞紙もいただく。2時までのんびり温泉を楽しんだ後、晴れた梓川沿いにてガス・コッフェル出して昼食。ついでに濡れたテントも広げて干す。
顔を出してきた西穂や独標の山並みを楽しみながら雲に隠れた穂高連峰眺めつつ読書。
夕方観光客もほとんどいなくなって静かになった河童橋へ移動。ふたたび穂高見ながら時間を過ごす。本当にいつまで見てても飽きなくて、わたしって穂高が好きだなぁとしみじみ実感。そして6時出発のバスに乗り、松本へ…。
今回の山旅、とってもきつかったけど目標は達成できて満足感、充実感いっぱいでよく歩いた山行でした〜。そして上高地で一日つぶしたけどその時間ものんびりできて良かったです〜。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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minkistさん、初めまして!
前半は随分とシブいルートでしたね
東鎌尾根は、今回歩かないで正解だと思います。
風雨の中で危険ということもありますが、スリルある岩稜を辿って徐々に迫ってくる槍を見ながら歩くのがこのコースの楽しみですから
ところで過去レポ見て思い出しましたが、南ア南部縦走の記録、昨秋全く同じ行程で歩こうと思い参考にさせてもらってました。
結局、台風の影響で赤石までとなってしまいましたが…
今後の計画も盛り沢山のようですが、北岳〜塩見は去年歩きましたが凄く良かったです!
ぜひ行ってみて下さい
minkistさん、おかえりなさい!
やはりかなり渋くてすごいコースでしたね。
テント担いではさすがですね。
台風で残念なお天気でしたが、とても充実した旅だったようで良かったです。
コマクサも見ごろできれいだったでしょうね。
記録を見ながら気持ちは私も一緒に登ってました。
私も来週、雲ノ平へのんびり行ってきま〜す!
燕岳とは山も小屋も対照的ですね。
昨年、初めて秋に登ってみましたが
紅葉の餓鬼岳も良い山でした。
春と秋もいいので機会があったら
楽しんでください。
こんにちは、はじめまして
コメントありがとうございました。
kengamineさんの記録をいろいろ読ませていただいてたら面白くってあっという間に時間が過ぎてました。
写真豊富でとってもわかりやすくて参考になります。
特に北岳〜塩見岳の記録、わたしは逆コースで向かいたいのですが水場やテン場の様子など助かります。また計画が煮詰まったら参考にさせていただきます。
常念から槍、笠と向かう大胆な縦走コースも見事ですね!すばらしかったです。kengamineさんは晴れ男さんなようでいつも最高のお天気に恵まれておられて羨ましいです。わたしはたいてい雨に降られますし。台風発生したら必ずわたしの方に来ますし
でもいつかリベンジします
また記録を楽しみにしてますね
こんにちは
そう!ホントに地味〜で静か〜な渋〜いいい山でした 山はいいですね、最高です
雲ノ平ですか?!いいなぁ、いいなぁ
お花畑が最高でしょうね
こんにちは!
そうですね、紅葉の時期もいいでしょうね!
だけどしばらく再訪は無理みたいです…
だって他に行きたい山がたくさんあるんですもの
基本、まだ歩いてないルートで行きたい山を制覇していくっていうのが目標なのでこのペースだとまだまだ暇かかりそうです…
無事下山、安心しました。
槍は残念でしたね。でも最後の過ごし方は、じっくり穂高とお別れができて、想い出深い時間になったのではないでしょうか。
槍・穂高を見ながらの稜線闊歩は至福のときですね。
何度か燕に行っていますが、最後の一歩の時、ジャ〜〜ンといって、槍を見るのですが、見えないときの絶望感といったら、ありません。
南アも楽しみですね〜
こんにちは〜
ほんっとにわたしはいつもお天気に恵まれないというか
俗に言う“雨女”なのでしょう・・・
ま・いつも降られるのでいいんですけどね、
でも今度は槍を望みながら登って行きたいですね。
来年に持ち越しかな〜。
少し休んで、また次の山行の計画しないと〜
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