【日和作戦】唐松岳(八方尾根)〜不帰キレット〜天狗ノ頭【甲63.2】
![情報量の目安: S](https://yamareco.org/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
![都道府県](/modules/yamainfo/images/icon_japan.png)
- GPS
- 12:51
- 距離
- 22.7km
- 登り
- 2,398m
- 下り
- 2,387m
コースタイム
- 山行
- 11:27
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 12:52
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
黒菱駐車場〜鎌池間:リフト脇の「ペット連れ立入禁止」看板のあるゲートから入る。「八方尾根・唐松岳登山口」といった案内が無いので、他に道が無いにもかかわらず、どこから登るのかと暫く右往左往。 鎌池〜第3ケルン辺り:石敷きの道、木道等、比較的歩きやすい。 八方尾根上方:ここまで来てようやく「八方尾根登山口」の看板。ここまでは登山ではないらしい。その後は本格的な山道ということで、徐々に傾斜を増していくが、展望が良いので全く苦にならなかった。 唐松岳〜不帰キレット:唐松岳から最初はヤセた箇所もあるが、岩峰をほぼ巻いていく。その後に岩峰を登ったり下ったり。そういう意味では徐々に難度が増していく感じで、初めてで心配だという人は南から北に抜けるのが良いだろう。 不帰キレット〜天狗ノ頭:唐松岳よりも標高の高い天狗ノ頭へキレットまで下った分を一気に登り返す。 |
その他周辺情報 | 白馬・八方には温泉がたくさんある。 第一郷の湯:消費税5%の時は500円だったが、今はかなり強気で800円。 おびなたの湯:外湯のみ。600円。 |
写真
感想
前々週に曇天の御前山、前週に熱射の六甲を納め、遂に待望の山行日和を得る。
前の週の六甲で大枚をはたき、財政的には厳しい面もあったが、この機会を逃しては今までの晴天勧請の努力が無に帰してしまう。山行を決意したのは木曜日のことであった。
ああ、お前は私のフトコロを叩いている!お前は私のフトコロを叩いている!
【山行前夜】
寝付けない場合に備えて睡眠薬を持っていこうとしたが家にあるはずの薬が見当たらなかったことと、同行のヒロシ氏のイビキ防止のためにブリーズライトを買って持っていったが現地で紛失したことで、山行前に十分な睡眠をとれるかどうかという重要な点に黄信号が灯っていたが、8月末ともなると夜の八方尾根は寒く、懸念は現実のものに。
寝られないなら山行開始した方が良いかと考えるまでに至ったが、若干ウトウトしていた頃合に起床予定時刻を迎えた。
【八方尾根】
当初は3時前には山行開始する予定だったが、入山口を探すのに手間取って端から2〜30分の遅れである。地図上では道がリフトに沿って上がっていくのに対し、実際は90度ほどずれている。向かう方向が違うので道を誤ったのではないかと一旦引き返す。しかし、もう少し様子見で先まで歩いていれば道が大きく右カーブしているのがわかったところで、未明夜間山行の難しさはここにある。
鎌池からジグザグに上っていくと木道になる。歩きやすい道だなと思ったが、八方池に至ってようやく「八方尾根登山口」の看板。それまでの道は遊歩道だったらしい。
その先はガレているものの、唐松岳が2700m未満とやや低めなこともあり気負わずに歩く。そしてご来光は稜線の西側を巻いていたためにお目にかかれなかったが、朝焼けの五竜〜白馬はしっかりと目に焼き付けた。
【不帰の稜線〜天狗ノ頭】
大抵の人は北ア縦走で通過するのだろうが、我々は最初からキレットを歩きに来ているので往復。どっちから歩くのが賢明かという考えも無く、単純に八方尾根から近そうだということで選択(天狗山荘に泊まって白馬とセットでやることを考えたこともあったが、今季休業なので)。
遠くから見ると確かにキレッキレである。しかし、人と比べものにならないほどの大きな岩稜だ。実際に歩いてみると、痩せている箇所もそれなりに幅がある。そして越えるのかと思っていた岩峰も巻く。本格的に岩場に取り掛かるのは不帰二峰南峰から先である。
所々、きれ落ちた箇所をよじ登ったり降りたりする。高度感があり、確かにまともに下を見たら怖くなる。特に復路はそうだ。また、若干水がしみ出ている所があった。
しかし、足の置き場、手で掴む所は豊富かつシッカリしており、鎖もある。目の前の岩場と足元に集中して落ち着いて取り組めば、難なく通過できるだろう(三点支持等基本ができていることが前提。腰が引けて体がくの字になるような人は滑落の危険性が高いので、もっと胆力をつけてから来るべし。)。
自分自身について言えば、三大キレットということで、どんな所か耳知識として入ってきてはいたものの、実際に歩いてみると前評判で恐れ過ぎていたかな、という気はした。百聞は一見にしかず。馬には乗ってみよ人には添うてみよ山には登ってみよだ。
道中、キレットを南から抜けるのと北から抜けるのは、どちらが賢明か人に訊かれる。初めてで復路の岩場に入る直前だったため、その時は答えを持ち合わせなかったが、体力があるうちに危険箇所をさっさと通過したいという場合は北側から、段々と感覚を岩場に慣らしていきたいなら南側から抜けるのが良いというのが私の答えだ。
来た道を戻るので帰路も大きく下って大きく上る。しかしそれは覚悟の上のこと。二峰を上り返す時に下を見るとキレッキレに切れ落ちているので冷や汗をかく場面もあったが、無事乗り越える。二峰を越えれば後はただのガレた山道だ。
【八方尾根下山】
唐松岳に戻ると朝よりも賑やかで、続々と山荘から人がやって来る。遅めに出発した人達が山頂に着く頃合にぶち当たったらしい。その山頂で暫く休むが、午後になっても南は槍・穂高・五竜、西に立山・剱、北に白馬と雲も少なくスッキリ見えるのは稀有なことだ。これこそまさに有難し。
翻って東側は雲が増えたが、昼を過ぎて汗ばんでくるようになった身に雲は逆にありがたい。陽光が遮られて汗も引いた。
下山は多くの登山者と同道で行列が生じるほどだったが、逆にペースを抑えられて最後まで歩ききることができた。
【総括】
今回の山行は最近では非常に稀有な大好天。8月中、耐えに耐え、待ちに待って、満を持して迎えた不帰山行は、乾いた秋の風に雲も抑えられ、最後の最後まで展望山歩を楽しむことができた。まさに天神地祇の恩寵と言うべきであり、真にありがたく感謝の念に耐えない。本山行を嚆矢としてさらに山行を展開し、全国各地に戦果を拡大したいものである。
(ここから反省)
睡眠不足(というより不眠)対策は急務。
登山口の確認は事前に。
新靴が長距離のガレ道には合わないことが判明。
〜おしまい〜
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する