上高地〜西穂高〜ジャンダルム〜奥穂高〜北穂高〜大キレット〜槍ヶ岳〜上高地 縦走


- GPS
- 80:40
- 距離
- 34.0km
- 登り
- 3,009m
- 下り
- 2,993m
コースタイム
またガイドマップのコースタイムの定義が40〜50代の2・3人のパーティとしか記載されていないので、具体的休憩時間等を含めた比較が正確に把握できないので単純に比較できないが、下記のタイムは実測タイムを掲載している。
1日目。上高地バスターミナル⇒西穂高岳山荘。
上高地バスターミナル6:41-西穂高岳登山口7:07-旧道分岐8:07-中尾根8:37-西穂高山荘着10:10。
2日目。西穂高岳山荘⇒穂高岳山荘。
山荘出発4:39-西穂丸山5:10-西穂独標5:57-ピラミットピーク6:35-チャンピオンピーク6:56-西穂高岳7:26-赤石岳8:46-間ノ岳9:34-間天のコル9:59-逆スラブ10:21-天狗岳10:50-天狗のコル11:33-(一峰)11:47-(一峰)13:19-コブノ頭13:31-ジャンダルム13:57(休憩23分)-(一峰)15:39-(一峰)15:53-ロバの耳15:59-ナイフリッジ馬の背16:07-16:31-奥穂高岳
山頂16:37(休憩17分)-穂高岳山荘17:27。
3日目。穂高岳山荘⇒南岳山荘。
山荘出発6:14-涸沢岳6:59-最低コル9:26-北穂分岐9:40-北穂高岳9:55-(ランチ)11:22発-D沢のコル11:40-涸沢槍11:49-飛騨鳴き11:53-大キレット11:56-12:19-A沢のコル12:20(休息27分)長谷川ピーク13:24-シシバナ14:24-14:50-南岳小屋15:00。
4日目。南岳山荘⇒上高地バスターミナル。
山荘出発4:55-南岳5:26-天狗原分岐5:46-中岳6:55-大喰岳7:35-槍平分岐8:01-槍ヶ岳山荘8:18(休憩23分)-播降窟8:55-槍沢ロッジ10:37(休憩32分)-一の俣11:32-横尾山荘12:15(休憩38分)新村橋13:25-徳沢ロッジ13:35-明神館14:16-ビジターセンター14:54-河童橋15:19-上高地バスターミナル15:23。
翌日15日から「天気が崩れる事」を聞いて、予定を2日繰り上げての行程。バスの時間に間に合わせるため歩調は速め。荷は軽くなったとはいえ15Kg程。コインシャワーを使い、サッパリした身なりで16:30発の新宿行きのバスで家路に着いた。
天候 | 8月11日:到着時からポツポツと言うより、時折ザァーっと降る雨。終日ガス混じりのぐずった天気模様。 8月12日:天気は15時過ぎのガス発生を除いては、普通に居れば寒く感じる位の北風。極めて好天気であった。 8月13日:この日も引き続き好天気。風は終日北西〜西の風・前日より早めに濃いガスに包まれ気味の中での大キレット下り。最後のシシバナアタック時には一旦天候は回復。5時頃、まとまった降雨有。 8月14日:この日も夜明から天候は極めて好天気。しかし案の定、午後から時折バラバラと夕立を思わせる降雨有。 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
「西穂高岳」下りから「ナイフリッジ・馬の背」までの至る所、気を抜けないそれ相応の高度感があって常に緊張感を強いられる。 手掛かりホールドとステップの置き所は常にしっかり、浮石等に注意して決して人為的な落石等を起こさない様に集中する事。 手掛かりなきステップオンリーで綱渡りのような局面(実際3・4箇所有)では意識を集中させて、一気に軽やかステップで渡りきる事。 (途中で躊躇して足が止まるとボディバランスのみだけの渡り切りになるので危険。) 特に天狗岩の手前の「逆スラブ」「コブノ頭の巻き」「ジャンダルムの登り・巻き」「ロバの耳の下り」及び「ナイフリッジ・馬の背」にはかなりの注意&集中力が必要。 |
写真
感想
今回の山行で・・・・
特に前半に対しては、それなりの「装備」と「個人の技量」を問われる事は言うまでも無い。
が、「では気楽に装備を最低限に削って・・・」と負荷を軽くしてと言うわけにもいかない。理由は万一、ビバーグのような事態になった時に泊まれる山荘がない上に、一切の水場が無いからである。(本編の日記にはビバークできる詳しい場所(9箇所)を記載しておく。
登り降りの基本・三点支持は絶対厳守。
鎖・梯子が殆ど無いので、正確なライン取り・間違いの無い手掛かり&ステップキープの連続にかなりの緊張感を長時間強いられる。
コースタイムはガイドマップ序盤3時間(核心部)7時間で計10時間となっているが、実際は12時間8分(休憩時間除く。)かかった。
心を和ませるものと言えば、それは「爽快な景色」と「雄大なパノラマ」。そして「非常にパンチの効いたクーラーのような冷風」。と「神風のような心に沁みる音をたてて旋回する、イワツバメの滑空の音」。位のものである。
難所々々のコース取り(ライン取り・目利き)をしっかりやらず、目前の手掛かりステップに夢中になっていると、いつの間にか本来のコースを外れて身動きが取れないトンでも無い事態に陥る。(実際に一回やってしまった。)
とにかく両側がスッパリ切れているのでチョット間違えると、その先が絶壁断崖で先が無く・戻ろうにも戻れない状況になる事がある(私は後から来たハイカーにステップの位置を見上げてもらい、助けられた。)ので十分に注意が必要。
ハイキングコースとして「日本屈指の難所と言われるだけの事は十分にある」という手応え。
「ジャンダルム」(gens d'armes,フランス語で憲兵。転じて前衛峰の事。)を代表とするこの難所コースは「やり遂げた達成感はこの上ない」感動を得る事ができた。
またジャンダルムの上から穂高岳山荘がハッキリ見て取れることから、達成感と同時に安堵感も得られ、奥穂高岳登頂後は心にゆとりをもって山荘まで着く事が出来た。
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後半2日目。
まずは北穂高岳へのルートで、山荘を出た早々昨日のジャンダルム周辺の雄姿を目の当たりにする。そんな中・朝霧に浮かんだ自らの影から発する「ブロッケン現象」がハッキリ見てとれたのは思わず感動!!
それもつかの間、涸沢岳から北穂高岳のルートもそれなりの難所の部類である感触。ただ違うのは、手掛かりの代わりに補助をするクサリ・ハシゴはしっかり整備されている事だ。
この状態は、やがて「飛騨鳴き」「大キレット」「長谷川ピーク」も同様である。つまり逆を返せば、これらのコースからクサリとハシゴを取っ払ったのが、「天狗岩〜逆スラブ〜ジャンダルム〜ナイフリッジ・馬の背」であり大キレットでもクサリを使わずしっかり3点ホールドでやりきる自信があれば前半のコースも問題ないと思われる。
後半にはもう1つ大きな問題があった。
それは槍ヶ岳方面から、南岳までの比較的緩い稜線伝いでやってきたハイカー達であり、急激に変わるコースの豹変ぶりに「怯み・狼狽気味のハイカー」の中にはダブルストックを仕舞わずそのまま小脇に抱え込み、それを振り回すような有様でアッチコッチで人為的落石の発生があった。
中には「ラクっ!!」と大声で叫ぶ事すら「知らない輩」もいて、急にガラガラと降ってくる落石には、本当の意味で恐怖より怒りすら感じた。
大キレットも基本は前半と同様。確実なステップと手掛かりで進むが、クサリがある分しっかり体をホールドさえすればかなりのハイペースで下る事が可能。
長谷川ピークも前半のナイフリッジ・馬の背に、クサリの補助がついたと思えばちょうど良く、その後は暫くなだらかな稜線が続く。
ココで失敗したのはその先に垂直にそびえ建つシシバナであって、物理的にはそう負担は無くとも精神的に一旦緩んでしまった心には多大な負担となった。
先日のように長谷川ピークの上からも南岳山荘が見えることも無く、つまりはシシバナを超えるまで全く安堵の地が見えない訳でコレがまた精神的に拍車を掛けた。
南岳山荘はこじんまりしながらも、それなりに休む事が出来た。
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最終日3日目。
この日は技術力・緊張感と言うより、走力と距離の問題がテーマである。同じ同僚の仲間がこの日は上高地から槍ヶ岳へ上がってくる事もあって、予め途中行き交う時には会う約束をしていた。
南岳山荘を出た時は前半同様、かなりキツメの北風が吹きつけセパレート式の防寒服を着込んでの出発となった。南岳山頂付近でご来光を拝み。360度広がる大パノラマを楽しんだ。
その後中岳⇒大喰岳⇒槍ヶ岳と進み、同僚との約束もあって時間の関係で槍ヶ岳の登頂はパスした。
山荘で小休止の後はトレランに近い速度での歩調でコースマップで南岳山荘⇒槍が岳経由⇒槍沢ロッジ(590分)を実績319分で歩き通した。
こういう時、自分のやり遂げた達成感を改めてかみ締めて逆に、これから雲の平まで縦走する仲間を励まし、何よりこういう場面で身近な人物とお会いできる事に感謝&励みの勇気つげには多いに弾みがついた。
仲間とお別れを告げた後は、ますます「距離の問題」が課題で、感覚的に岩登りよりマラソンの感覚になってくる。
途中、横尾でランチ・そこからはほぼ無休憩で、コースマップタイム270分の処を207分で歩き切った。
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まずは、このような順調な好天気に感謝すべきである。コレが荒れただったりしたら、どれだけ自分の心が折れていただろうに・・・
加えて、道中偶然に出会った数々のハイカーの皆さん。日本海を目指し14泊で120Lザックで単独行のKさん。同じくして西穂から北穂までご一緒で、槍を越えて雲の平を目指すSさん・愛知から来たワンダーフォーゲルの3人パーティの皆さん。大阪からやってきて奥穂からの4人パーティの皆さん。同様に北穂山頂でTVのインタビューを受けていた、これまた上高地から北穂までご一緒であったカップルの方々。
多分あなた方が居なければこういう風に順調には行程が進まなかったと思います。
ココに感謝に意を記述しておきます。
所変わって一方で、途中の山小屋や、帰りの高速バスの中で、確かに「自分は難所の部類を歩き切った」類であり、廻りの皆は「絶賛したり」「褒めて頂き」嬉しい限りの事でもあるが、何かしら「違和感もかなり感じる事」は否めなかった。
人はそれぞれの「力量」・「技量」・「経験」がある上での目標を立てるわけであって、それが単純に「カッパ橋周辺の散策」であっても、私のような「縦走」であっても達成して成し遂げれば「全て人は皆・同じである。」と実態として切に感じたような気がする。
12日に奥穂から西穂へ縦走しました。
山行時間と服装から察しますに、私の「天狗の頭」の写真の中程に写っている方でしょうか?気持ちよく挨拶して頂いた覚えがあります。
常時飛騨側から涼しい風が吹く登山日和でしたね。
ご指摘の通り、その人物が私です。
その前の方とは西穂高から同行するようになり、私より刻んで、最終的には雲の平までの縦走と言っていました。
行き違いとはいえ、こうしてこの場でお声を掛けていただくと非常に嬉しい限りであります
それにしてもこの日は非常に天候に加勢していただきました。
お陰で、良い山行にも相成りました。
こんにちは、コブ尾根の頭辺りでお会いした、亀足の夫婦です、遅いながらもなんとか無事に山行を終了する事が出来ました。
本当に天気に恵まれてよかったです。
私達は、槍まで行く元気がなく白出沢を降りてしまいました。
確かに山行記録を拝見しまして、見覚え有りましたので読ませていただきました。
あの日の天候は文句のつけようのない好天気でしたよね。
ペースは人それぞれなので、どんなペースでも完歩行できればその達成感は言い尽くせない感動のモノになる事は間違いないです。
「築地三丁目の会」とは羨ましい限りですね(^^
私は個人的に地元のプチハイククラブと事業所の山友会に席をおいていますが、今回のようなスケジュールにはダレも付き合ってくれず、単独行になってしまいました。
また、ベース地が近傍なのでまた何処かの山でお会い出来たら嬉しい限りです。
8月末の中ア・木曽駒⇒パス。
9月2週目の富士山(3人)と3週目の涸沢経由奥穂高(7名)は決行予定です。
今後ともどもよろしくお願いします♪♪
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