2回目のハセツネ完走
![情報量の目安: S](https://yamareco.org/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
![都道府県](/modules/yamainfo/images/icon_japan_white.png)
- GPS
- 16:06
- 距離
- 62.8km
- 登り
- 4,976m
- 下り
- 4,959m
コースタイム
- 山行
- 10:48
- 休憩
- 0:11
- 合計
- 10:59
- 山行
- 4:59
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 5:02
天候 | 晴れ→小雨→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
レインジャケット(ノースフェイス)
シェルパンツ フーディニパンツ(パタゴニア)(→後ほど装備から削った) エマージェンシーキット 手袋(ノースフェイス) インナー手袋(ファイントラック) ヘッドライト ペツルnao +(予備電池×1) ハンドライト(ジェントス) ムサシ NI ×10 Mag-on×19(梅×10 レモン×9) ザバスピットインジェル×1 味覚糖ココロ×2 塩熱サプリ×1 薄皮クリームパン ベスパハイパー×4 コーラ(280ml) 飲料2L(麦茶1L ポカリスエット500ml ソルティライチ500ml) ストック(ブラックダイヤモンド) |
---|
感想
(はじめに)
昨年初めて出た日本山岳耐久レース長谷川恒男CUP(ハセツネ)。大会中に自分で使用する水、行動食、雨具、ライトなどの装備品は全て背負う、他のトレイルランニングレースとは一線を画する、まさに「山岳耐久レース」という名がふさわしい衝撃的なレースだった。
昨年は、気温が高かったのと、序盤、飛ばしすぎたのが原因で、一時は完走も危ぶまれるほど疲弊したが、休息と補給を取りつつ、何とか17時間18分かけ完走することができた。正直、とてもしんどかったが、不思議なもので、レース終了後にすでに次回のハセツネに出ることを考え始めるていた。
その後、4月に開催されるハセツネの入門編、ハセツネ30K(大会完走者の男子1,000位以内、女子100位以内の選手はハセツネへの優先エントリー権を獲得できる。)に出場し、879位で辛くも、ハセツネ優先エントリー権をゲット。あとは半年後のハセツネに向け練習に励むばかりだった。昨年はハセツネコースの試走やら箱根外輪山やら、結構山に行っていたが、今年は山に行く回数が激減、結局、不安を残しつつ、大会当日を迎えてしまった。ただ3月からジムに通い始めたので、全体的に筋力がついたのが唯一の救いだった。
(スタート)
今年も、昨年と同様、最高気温26度と日中は暑い。スタート地点の五日市中学校は総勢2332名からなる参加者がひしめいていた。ハセツネも、マラソン大会のように目標タイムごとに参加者はスタート前に整列するのだが、渋滞を避ける目的で、目標タイム10時間台に大多数が並ぶという特殊な大会だ。昨年は目標タイム11時間台後半あたりのグループからスタートしたけど、今年は12時間台後半あたりからぼちぼちスタート。
(浅間峠まで)
昨年の経験を踏まえ、序盤はマイペースで、補給食と水分はこまめに取ることを意識した。特に急登では、度々渋滞になったので、その際はここぞとばかり、補給食を食べまくった。だいたい、浅間峠に行き着く頃にはヘトヘトになりそうなもんだが、今回登りはハムストリングスの力を効率的に使うように努めた結果、結構楽に進めた。
前回、醍醐丸(15km地点)出前では、すでに立ち止まったりしていたが、立ち止まらず、頂上にいる応援の人たちの声援に応える余裕も残しつつ、前回苦戦した浅間峠までの、あのいやらしい小ピークも無事走破し、無事第1関門浅間峠(22.66km地点)に到着した。
決して余裕はないが、前回より30分早く(今年17:59,昨年18:33)到着できた。
(浅間峠を後にして)
浅間峠ではストックの取り外しと補給食を頬張る程度で出発。 浅間峠から先は、強力な助っ人、ストックが使用できる。登りでは特に心強い。ここからは、比較的人がまばらになる区間。おまけにより闇が深くなるので、孤独な時間が長く感じる。コースもあまりはっきりとした記憶がないほど、三頭山付近まではダラダラとしたシングルトラックが続く。
こんな時は、行列の最後尾について行くことで、ペースと途切れそうな気持ちを維持した。普段は行列で走るのは嫌なものだが、ペースメーカーとして最後尾について行くのも、こんな時は悪くない。ここら辺でコンスタントに走れたら、タイムを短縮できるんだろうけど、今年も常時走り続けるのは無理だった。
この区間で気になったのは、数名、第1関門へ帰る人がいたことだ。水がなくなったのか、これ以上いける見込みがないほど疲弊したのか、多分、前者の方の気がした。自分も第2関門まで水が持つかどうか、少し不安になった。
闇夜の中で目標物がない中、黙々と進むのに飽きてきた頃、彼方から大きな応援の声と明かりが見えてくる、西原峠(32.1km,標高1,158m)に到着だ。当然補給を受けられるわけもなく、何もないのだけれども、ロッキー4の音楽(Survivor - Eye Of The Tiger)がかかっていて、気持ちを奮い立たせてくれた。コース最高地点の三頭山(36.32km,標高1,527m)まであと約4kmで369m登らないといけない。本レース最大の難関だ。
(最高峰 三頭山)
前回の三頭山への登りは、今回より前後に人が多く、ガンガン登って人を追い抜いていった気がしたが、今回は動き続けるのが精一杯で、後ろからガンガン抜かれる始末。とにかく心拍数が上がってとてもしんどかった。
三頭山の手前に偽ピーク(大沢山)があるんだけど、偽ピークを登り切る頃には、左足先が攣ってきた。今回は補給食をエネルギーと同時にマグネシウムを素早く摂れるエナジージェル(Mag-on)と塩熱サプリを随時摂取して、これまで結構、補給には成功してきた気がしたが、急登続きで多量の汗をかき、電解質不足で足が攣ったのだろう。
このため、ここでとっておきのベスパーハイパー(体脂肪を運動エネルギーに効率的に転換できるらしい。持参分2/4個消費)を摂取。すぐには効かないけど、とにかくこのほかジェルなどのエネルギー源を飲みまくることにした。ここを登り切れば、あと半分コースも下り基調になるはずだ。
偽ピークまでは、案外近かった気がしたが、そこからが長い、上を見ると先が長くてがっかりするから、できるだけ足元を見ながら、ひたすら歩き続けた。さっき、いろいろ補給食を食べまくったけど、なかなか楽には登らせてくれないよね。三頭山の避難小屋を過ぎ、もどかしい九十九折の木段を過ぎてやっと最高峰三頭山へ到着した。ほんと疲れた。
(補給食などの装備)
頂上では、ベンチに腰掛けて、ご褒美のコーラを飲み、ミニクリームパン2個を食べた。山で飲む赤いコーラ(ゼロカロリーではないもの)はほんとうまいよね。山に行くときは必ずお守りで持って行く。固形食を携行するのは、エイドステーションのあるレースではあまりしないので、これもハセツネならではだよね。今回は固形食でおにぎり1個、ミニクリームパン3個を携行した。ミニクリームパンは小ぶりで食べやすいので、とてもお気に入りだ。
(三頭山からの下り)
三頭山からは鞘口峠(38.02km,標高1140m)まで1.7km,380mひたすら下る。ここら辺から小雨が降り始め、霧も濃くなり視界もかなり悪くなった。足場もぬかるみ、登山道も歩きずらいので、ここで滑って転んで、お尻が泥だらけになってしまった。
鞘口峠までは下りなので、重力に任せれば下れた。行列の後につき下って行ったが、鞘口峠から登りになった途端、先行者からは一気に離された。ここからしばらく単独での走行が多くなった。
(転倒、滑落?)
暗闇を一人で走っているといろいろぼーっと考えるもので、集中力が切れると、何てことのない登山道の木の根につまづき、たまによろける。
緩やかな尾根道に出て、特に危険なところではないのだが、「連休明けから仕事だけど、遭難したらいろいろ迷惑かけるし、気をつけないとなぁ」なんて、ぼーっと考えていたら、派手に木の根につまづき、左側の藪に派手に滑落した。
すぐさま、しばらくして後ろから来た集団に「滑落かー、大丈夫ですか?」と声がけされたが、幸い大丈夫なようである。「大丈夫です」と返事をし、先に行ってもらう。幸い、左足が攣ったくらいで、大事には至らなかった。ほんと集中を切らした時は危険だと感じた。
その後、気付いたのだが、この時ザックの前ポケットに入れていたジェルとドリンクのソフトフラスコを落としていたようだ。
(第2関門)
そうこうしているうちに、第2関門の月夜見山第2駐車場(42.09km)に到着。
ゴールまで残りあと29.41km。ここではハセツネでは唯一水またはスポーツドリンクの補給(1.5L)が受けられる。ここまでなんとか、水切れにならず、進んでこれた。
すでにジェルなどの甘いものばかり食べて、口の中が甘ったるく感じる時だ。なので、補給はハイドレーションに水1L、シフトフラスコにポカリスエット500mlを補給した。
ここにはブルーシートが敷いてあるので、腰を下ろし、おにぎり(1個)などを食べ、このあと登るラスボス 御前山(標高1405m)に備えた。
ここまでくれば、ほぼゴールは間違いないが、このあとのダラダラ続く御前山がまだ気の抜けないところだ。
ただ、前回のタイムより到着時間(今回22:45前回23:46)が約1時間早いので、タイムにはこだわらず、あまり無理しないようにはと考えていた。
(霧とライト)
第2関門を出ると霧もさらに濃くなり、視界も1m前後となった。これほどの視界が悪いのは初めてだ。ヘッドランプには黄色のセロハンを貼り、ライトの乱反射を防ぐ対策をしていたが、ここまで霧が濃いと、ハンドライトで下を照らすのが有効であった。
今年はヘッドライトを「ペツルnao +」(最大750ルーメン)に変えたので、夜間走はだいぶストレスがなくなった。ただし、バッテリーが残量が少なくなり、照射力もこの先低下したので、第2関門でバッテリーを交換すれば良いと思った。
(御前山)
三頭山にも偽ピークがあったが、ここ御前山に偽ピーク(惣岳山(標高1340m))がある。
これには前回騙されたが、今回は認識していたので、惣岳山までは登りで立ち止まらず、自分のペースで進めた。惣岳山までは想定していたより早く着いた。ただし、御前山へは、そこから意外と長かった気がした。御前山を過ぎれば、あとの大岳山、日の出山はそれほどの急登ではないので、我慢してストックをつき、黙々と登った。ストックを持たずに登っている人もいるが、ほんとよくスイスイ登れるなぁと尊敬してしまう。
惣岳山、御前山では、それぞれベンチに腰を下ろして、ジェルをしっかりとり、前へ進むようにした。
(登山道脇で寝ている人)
ここら辺あたりから、登山道脇で寝ている人が増え出すのだけれども、前回より1時間ほど早いせいか、小雨が降っているせいか、それも少なく感じた。前回はエマージェンシーシート(銀紙みたいなシート)に包まって寝ている人がちらほらいたが、今回は皆無だった。今年は暖かいのかな? しかし、闇夜に登山道脇にうつ伏せに倒れている(寝ているのだが)人を見るとドキッとする。見慣れてくると、それにも驚かなくになってくるんだけどね…。
御前山からの下りは相変わらず、自分にとっては悪路な感じがするので、あまり好きではない。うっかりすると怪我をしそうで、先ほどの転倒の件もあるので慎重に下った。
大ダワから先は、ナイトランで走ったこともあるし、比較的お馴染みで、比較的走れるコース設定なのだが、今回は腰が痛かったり、タイム的に16時間台ではゴールできる見通しだったので、早歩き、時々小走りで、無理せず進んだ。
とはいうものの、大岳山までは意外とあっさり登れた感があった。
大岳山からは富士山が見えるのだが、今夜は月夜だし、もしかしたら、富士山が見えるのではないかと思ったが、ボランティアの人曰く、少し前までは月夜に雲海と富士山が見えていたようであった。ちなみに早朝は以下の写真とおり雲海と富士山が綺麗に見えたそうである。絶景だっただろうなぁ。残念。
大岳山を後にすると、ゴールまで残り17.79km。いよいよさらに下り基調となり、もうハセツネも終わりかって思ってしまうが、余力がなくガツガツと下りは攻めなかった。
今回は水の減りが早く、綾広の滝の水場で初めて水を補給した。ここで飲んだ水は生涯でも3本の指に入るほど冷たくて美味しい水だった。ほんと水のありがたみを感じたひと時だった。
綾広の滝から第3関門(長尾平 58km)までは、下りもこれまでに比べ緩やかになるので、ここだけはいつも走ることにしている(ただし、第3関門で盛大に応援してくれる人たちの目の前までしっかり走って、その後の登りはしっかり歩いた(笑))。
御岳神社を過ぎ、お土産屋街に入ると撮影スポットがあるんだけど、昨年はジェルを食べながら、歩いているところを取られて間抜けだったので、今年は笑顔で走って撮影してもらった。
(日の出山〜金比羅尾根)
最後のピーク、日の出山(60.55km)に到着。ここからの夜景はいつも綺麗だ。持参したコンパクトカメラで写真を撮るけど、一眼レフカメラじゃないとなかなか綺麗に写らないんだよね。
写真を撮っていよいよ最後のご褒美のくだり、金比羅尾根を下るだけだ。ここからあと約11km。前回膝が痛くなったけど、今回はテーピングのおかげで膝痛はない。ストックがない方が気持ちよく走れると思い、ストックをしまい下ろうと思ったが、思ったほど力が残っておらず、途中から一本だけストックを出し、何とか本当の下りだけトボトボ走ることとなった。
結構、時間がかかるんだろうなと思ったが、そこは下り基調。意外とあっという間に残り2km地点までたどり着いた。ここから先は、今までにない速度で下りをゴール目指して駆け抜けた。
日の出山(60.55km) あとはほんとに下るだけ(残り10.95km)
残り2km,山道を過ぎ、住宅街に入る頃、頭が一瞬クラっとした。今年もランニングハイになったみたいだ。ここまで余力があるんだったら、頑張ってもう少し早めにペースアップして16時間切れたんじゃないかと思うけど、まあ、いいよね。
ひとまず、今年も大きな怪我なく、完走できたことが、自分にとっては大きな財産だ。
また明日から、1年後のハセツネに向けて、また頑張ろうと思う。
【タイム】
第1関門 1016 / 1985人 4:59:25
第2関門 771 / 1619人 9:44:30
第3関門 636 / 1482人 13:56:41
Finish 637 / 1474人 16:06:14 ※順位は男子総合の順位
(昨年度タイム 17時間18分21秒)
エントリー総数2,605名 出走者2,332名
第1関門2,285名 第2関門1,883名 第3関門1,737名 フィニッシュ1,729名
完走率74.1%
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する