室堂から浄土山、薬師岳、折立 ‐1.5day-
- GPS
- 13:33
- 距離
- 28.6km
- 登り
- 2,261m
- 下り
- 3,326m
コースタイム
- 山行
- 11:23
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 12:36
天候 | 8日: 晴れ夕方後、9日: 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト) 自転車
|
写真
感想
アルペンルート室堂ターミナルは言わずと知れた立山・剱岳の登山口。一方有峰林道の折立は薬師岳の代表的登山口で雲の平、黒部五郎岳等にも通じている。この2ヶ所を結ぶ長い縦走路は途中に里に下りる分岐がなく、ガイドブック的には3泊4日で踏破するのが標準である。2泊でやってしまう人はかなり多いだろうが、1泊、増して0泊は相当ハードになる。僕は本ルートを2011年7月初めにテント装備2泊で歩き、違う季節にまた来たいと思いつつ特に計画は立てずにいた。今年8月4-5日にChikauさんがテント1泊で踏破したレコに刺激を受けてまた行きたくなり、テント装備で五色ヶ原-折立が1日で行けるなら、日帰り軽装備なら浄土山辺りから折立まで行けるのではと思い立った。浄土山南峰の施設に泊まれる僕の特権も活かしたいと思った。浄土山までは1時間位の行程なので、1泊だけど2日ではなく1.5dayということにしよう。
10月7-9日で世間的には3連休だが、僕は7日に信州で別用があり8日はその帰り道で、安房トンネルを抜けて国道471号線を富山に向かうが、神岡まで行かずに山之村方向に折れ、飛越トンネルから有峰林道東谷線に入り、折立の薬師岳登山口に上がってそこに自転車をデポ、今度は有峰林道小見線を下ってアルペンルートのケーブル立山駅へ。最終16:00のケーブルに乗って室堂に上がった。
室堂を出発したのが17:10頃、室堂山方面に登り、浄土山北峰への分岐からヘッ電を点けた。すると丁度浄土山側から男性一人が下りて来て、挨拶したら外国人と判り、アジア系と思われるが中国でも韓国でもなさそうだ。明りを持ってないのかと英語で聞いたら携帯があるだけだと言う。あと少しだから何とかなるかと、気を付けてと言って別れた。18時過ぎに南峰の富大施設に到着。8月の時と同様に、S先生が先着していて、暖房も使われて暖かく過ごすことができた。日の入りの時刻には生憎西側から雲が沸いて夕焼けは見られなかったが、夕食後には星空が眺められ、天頂には白鳥座があり、天の川も認められた。ここまではビール、日本酒、鍋焼きうどんとスーパー総菜のつまみ、水3リットルを担ぎ上げてきたが、明日は水気のある食材はなくなり、完全に日帰りと同じ軽量荷物で出かけられる。
9日: 計画書では午前3時出発としていたが、1時間早めて2時に小屋を出た。満月の4日後の月が真上にあり、見通しがついて歩き易い。行く先の左手にオリオン座、シリウスが煌いている。小屋を出て直ぐに龍王岳の肩、竜王の南斜面を大きく下って鬼岳東面のトラバース、そして獅子岳へ登り返す。この間の残雪は、登山道上では完全に消滅している。ザラ峠を通過して五色ヶ原に登り返すと、木道には霜が下りている。五色ヶ原山荘前に4:20着。営業は10月上旬までとなっていて未だやっていると思うが、この時間には真っ暗で外目には人の気配はしなかった。さてここでChikauさんの2日目スタートに並んだ。今のところ元気一杯だが、どこまで続くか。さらに木道を伝って鳶山へ。その先が6年ぶりに足を踏み入れる領域だ。
鳶山からの下り道で大分夜が白けてきて、後立山方面のシルエットが綺麗だ。鞍部辺りで明りが要らなくなり、越中沢岳への登りの途中で夜明けを迎えた。行く手先の薬師岳が、振り返ると五色ヶ原の鷲岳、鳶山が、赤く染まる。
すっかり明るくなって越中沢岳からずんずん下ってスゴ乗越。ここが標高2150mで薬師岳までの最低点、ここから約800m登るのだ。ほぼ同じ出で立ちで臨んだ先日の大日岳では1時間当たり500m登ったが、今日ここまで6時間行動した後の僕では精々1時間400mのペースだ。順調な登りでその位で、北薬師岳へは全体として急ではなく、なだらかな区間もあるのでもう少しかかる。途中スゴ乗越小屋は営業を終えてひっそりしている。水もポンプが止まっていて小屋の場所では入手できない。間山に登るまでに森林限界を超え、間山を過ぎるとすっかり高山の雰囲気になる。ザレた岩屑の道が多いが、北薬師岳の手前には角ばった岩の多いゴーロ帯がある。北薬師岳までスゴ乗越からは2時間半かかった。
北薬師岳から薬師岳本峰はもう目と鼻の先、正味の標高差もあまりないが、途中割と落ち込んでいて100m登り返さないといけない。さすがにもう嫌だという気もしてきたが、あそこまで頑張ればその先は楽になると自分に言い聞かせ、カールの眺めにも気を紛らわせて、遂に薬師岳に到達。正午より前に着けた。と言うことは、捻挫したりとかのよほどへまをしなければ、確実に明るい内に下山できる。そう気づいたら大分気が楽になった。
薬師岳からは道の整備状況も格段に良くなり、緊張を続けなくても下っていける。足の疲れの状況はと言うと、登りでダッシュしたらへばってしまうだろうけど、マイペースで下る分には辛くない。ストックを活用し、後足に踏ん張りを残して着地する足に衝撃が来ないように気を付ける。これで下りの疲れ方が全然違う。薬師峠まで順調に下り、太郎平までの最後の登り返して一踏ん張り、太郎平で休憩したら三角点ベンチまでの緩斜面帯を快調に飛ばし、三角点から下の急斜面もこけずに持ちこたえて、鮮やかな紅葉にも助けられ、心地よい範囲の疲れ感程度で折立に着くことが出来た。
最後は自転車で立山駅の車まで、事故なく終わらないといけない。今回はロードバイクを持ち込んだが、レーサーパンツではない腰回り、軽量とは言え背中の荷物、腹側にはウエストポーチの状態で前傾姿勢では股間への負担が案外あると乗って見て気づいた。有峰林道区間は僅かな登り返しを除いて殆どダウンヒルなので問題ないが、有峰口から立山駅までの登りがこれでは嫌だと感じ、亀谷温泉の白樺ハイツに荷物を置き去りにし、空身で上り坂をこなして、車で白樺ハイツに戻って入浴して帰った。
爽やかな秋晴れ、大汗かかず水の消費も少ない気温にも助けられたが、終始破綻なく、疲れ、足の痛みで我慢辛抱になることも殆どなく歩き通せた。ペース配分も丁度良く成功だったと言えるだろう。強いて挙げれば、木の出っ張りなどで膝や脛を何回かぶつけて痛い思いをした位で、そう言えば今回は木に頭をぶつけることはなかったな。
浄土山小屋の特権をもつNishidenさんらしい計画ですが、それにしてもこの行程を1.5日で駆け抜けるのは容易ではないと思います。
僕もまだ立山-薬師間は未踏なのでぜひ歩きたいと思います。
でもせっかくならオートルートとしてスキーで行く感じでしょうかね。
日本オートルート.. いよいよ俎板に乗せますか。
自転車を上げておいて、亀谷温泉で荷物デポですか。装備背負って自転車で立山に戻るよりこちらの方が負担が少なそうですね。参考になります。小屋泊装備なら1泊でイケるかもしれないけど、ゆっくりテン泊でいこうかな。
でも関東に移ったら移動にもう一日必要になるかなぁ。悩ましいところです。
車を折立において自転車で下りてから登山に入るChikau方式もありましたが、諏訪から戻ってくる今回の僕の事情では車で立山駅に向かわないと最終ケーブルに間に合わなかったので。
2014年9月に折立-雲の平-水晶-赤牛-平の渡し-五色ヶ原-室堂と歩いたときは、折立に車を置いて登山開始し、室堂から公共交通機関で一旦帰宅して翌日自転車で車を取りに行きました。
計画があがっていたので、すごいな〜って思っていたのですが、見事に遂行されました。あそこを一日はありえないと思います。ちなみに室堂からスタートしても結果として、暗くなる前に折立まで戻れましたね。ニシデンさん、こんどは1.5ではなくて1日でチャレンジしてみては?(前にサブさん達が成し遂げてます)
室堂から1日のためには、朝バスで室堂着いてからという訳にはいきませんね。どうせ泊まるなら浄土山で、僕はこれで良いのです。室堂ワンデイは、チカさんでもさんちゃんでもやってくれたら良いと思いますよ。
あ、折立発もあるか!
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