【台風一過】保渡野沢コース・天神平・谷川岳・西黒尾根【谷川岳強襲作戦】
- GPS
- 07:51
- 距離
- 18.2km
- 登り
- 2,005m
- 下り
- 1,747m
コースタイム
天候 | 晴れ、但し谷川岳山頂付近曇時々小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
復路:土合口ロープウェイ駅からバスでJR水上駅へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況:直前までの降雨により往路・保渡野沢コースの沢は増水し、丸太橋が流されるなど渡渉が困難。無理と思ったら引き返すのが無難。 帰路、西黒尾根前半部分は濡れた岩場で数回足がスリップする。滑りそうだと思ったら手で近くの岩をしっかりと掴み体を支えるべし。 天神平以北は冷たい風が吹く。着るものプラスワン。 下山後:ロープウェイ駅に何かしらある。水上には温泉街あり。 |
写真
感想
今回の山行は、顧みれば、慎重に進めたとはいうものの、端からみれば、かなり強引だったと思う。
そんな私でも受け入れ、最後に素敵なプレゼントをもって送り出してくれた谷川岳には、ただ感謝あるのみ。
今年の夏を振り返ると、とにかく車を利用することが多かった。通常は月1ドライバーなのが今年の8月は5回も乗っている。それだけ乗ればお金もかかるわけで、軌道修正しようと台風一過の今回選択したのが谷川岳である。
都心から約4時間、たまには電車の旅も良い。道中ほとんど寝てしまうのだが。
電車で行ける所というと他にも候補はあるのだが、残暑厳しい中で涼しい所で、かつ、この機を逃すとなかなか行けない所となると谷川岳が群を抜いてダントツだった。
前日夜にイソイソと地図を頭に叩き込み準備をする。保渡野沢コースを案内するガイドがなかなか無い。諦めて寝る。昼前から晴れるとしていた天気予報が直前のものでは雨雲が残るとなっており、一抹の不安はあったものの、天気の様子をみつつ漸次前進することとし、予定どおり出発した。関東平野がスッキリ晴れ渡っていたのも私を後押しした。
電車内で二回ほど寒いなと感じたが、水上駅を降りるとやはり冷たく強めの風が吹きわたっていた。本当に大丈夫だろうか?南の空は晴れ渡っているが、北の空は分厚い雲が居座り空も薄暗い。
まあ、行けるところまで行くさ。早速谷川温泉方面へ向けて歩き出す。道は谷川温泉の界隈を過ぎると草ぼうぼうとなり、ホワイトバレースキー場という開けた場所に至る。ここが登山道入口と言ってよい。
保渡野沢コースはその名の通り沢沿いのコースで、急な段差を梯子で降りて沢を渡るところから始まる。直前まで雨が降っていたこともあって道も水浸しになっており、濡れないように慎重に歩く。
そして、沢の連続。雨上がりとあって、濁流にはなっていないものの水量多く、水流にも勢いがある。最初はもともと浅くて水量が多いと言っても難無く渡れる沢が続いていたのだが、丸太橋が壊れている沢以降は難易度がグンと上がる。足腰やバランス保持に自信が無い人は丸太橋落橋地点で引き返し、土合に回るか一日おいて再トライすることをお勧めする。
丸太橋損壊地点では足を何処に置くか、次の一歩はどうするかを慎重に見極めて大胆に渡渉する。
【濡れた丸太橋を渡る】
丸太橋はあるものの半分は水に洗われている。もちろん濡れてツルツル。ここは橋があるので滑らぬよう少しずつ進む。水をかぶっている箇所は波を立てないようゆっくり足を動かせば浸水することはない。もちろん防水仕様なら無問題。
【足の置き場が無い沢を強行突破】
石が完全に水没している箇所。濡れることなく足を置ける所はない。幅も微妙にあって「よいしょ」とひとまたぎで渡れる所でもない。近くには他に渡れそうな所はない。今回一番足止めをくった所である。深さも数十cmはあり、白く泡立っている。引き返すとすると、先ほど辛うじて渡った沢をまた渡って戻らないといけない。進むも難、退くも難だ。同じ難なら進もう。渡る方策としてはツルッといく危険を冒し、靴が濡れるのも甘受して水没した石に足を置いてわたるか、或いは、水流に流される危険を冒して、完全に足を沢の中に入れて渡るか。しかし足が濡れるのは避けたい。さて、どうしようと思った時に、もう一つの方法を思いつく。危険だが足が濡れることは無い。河童の川流れになる図しか頭に浮かばなかったが、蛮勇を振り絞って断行、何とか渡るのに成功。複数人で来てロープなどあると良いだろう。
その後は急な登りとなるが、危険な沢を離れられるぞと苦にならない。もう一つ慎重を要する沢を渡ると、岩がゴロゴロした乾いた山道となる。青く晴れ渡った空に水上の町や近隣の山々が映える。見晴らしの良い所で一休みして、もう一登りすると天神平に至る。
天神平で、まず思ったのが「風が冷たい」ということ。そしてこれから向かう頂は雲に覆われている。これはいかん。そうだ、まずは熱量確保と天神平駅併設の展望レストランでカロリーと水分を補給。
その後天神峠まで登るが、スキー場の斜面を歩くのは生半可な山道よりもしんどい。峠から行くか、どうするかと様子を窺い、様子を見つつ西黒尾根分岐まで漸進することとした。体がもたないとなれば尾根を下るか天神平に引き返すかだ。
大きな水溜りを迂回して山頂へ向け歩を進める。道は一部木道になっていて歩きにくいということはない。しかし、時々強い風と小雨が襲う。
なあに、岩手山ほどではないと歩いているとあっという間に熊穴沢避難小屋を通過。ここから先は岩場の急登となるが、距離的に短いこともあり難無くクリア。
肩の小屋までくれば山頂まではあと僅か。断固断行だ。雨が降り出すが身体の状態もよいので臆せず前進、あっけなくトマの耳に到達。あいにく周りは真っ白。しばらくぶらぶらしていれば晴れ間もあるかもしれないとオキの耳を目指す。だが、当然のことながら天気は相変わらず。雲間に見え隠れする岩の頂を先に進めば何かが待っているような気がして先へ進むとあったのが富士浅間神社奥の院。参拝前に青空がほんの少しだけ顔を見せたのを見て「今日はこのくらいで」と引き返す。
西黒尾根を下りる直前には「健脚者向け」と記した看板がある。どのくらいハードなのかと思ったが、とにかく滑りやすい。足が少なくとも数回は軽くスリップする。したがって最初は慎重に降りる必要がある。それも数十分すると眼下に日の当たる部分が見えてくる。否、自分が雲から抜けたのだ。雲を抜けた後の西黒尾根は、それまでと打って変わって展望に恵まれる。急な岩場の下りは相変わらずだが、精神的な疲れも吹き飛ぶ。あまりにも展望がすばらしいので、巌剛新道に降りることなく尾根を直進。ラクダの背の先にある岩の頂では虹を拝むことができた。最後に素敵なプレゼント。また来たいと思うのであった。
最後に長い鎖場を下りれば岩場は終了。帰りの土合発の登り電車を検索すると次は18時台だ。2時間は軽く余る。どうしよう。歩くか、タクシーか、そもそもタクシーなんかいるのか。と思いながら土合口ロープウェイ駅まで降りてきたところ、ちょうど路線バスがやってきた。16時20分土合口発水上駅まで650円。幸いなるかな。なんというタイミングの良さだろう。
谷川岳の恩寵に感謝しつつ、再訪を約してバスで現地を去ったのであった。
〜おしまい〜
それが私です
この時はもう腹が減ってヘロヘロでしたね。
最後の虹はほんとにプレゼントだと思いました
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