ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 132134
全員に公開
ハイキング
谷川・武尊

【台風一過】保渡野沢コース・天神平・谷川岳・西黒尾根【谷川岳強襲作戦】

2011年09月06日(火) [日帰り]
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
07:51
距離
18.2km
登り
2,005m
下り
1,747m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

08:27水上駅ー09:09ホワイトバレースキー場ー10:47天神平ー10:54天神平駅11:11ー11:27天神峠ー12:03熊穴沢避難小屋ー12:24天狗の留まり場ー12:46肩の小屋ー12:52トマの耳ー13:07オキの耳(谷川岳山頂)ー13:17富士浅間神社奥の院ー13:35谷川岳山頂ー13:47トマの耳ー13:51西黒尾根分岐ー13:57四ノ沢の頭ー14:04ザンゲ岩ー14:49西黒尾根ガレ沢の頭(巌剛新道分岐)ー14:52ラクダの背ー16:09西黒尾根登山口ー16:14谷川岳登山指導センターー16:17土合口ロープウェイ駅
天候 晴れ、但し谷川岳山頂付近曇時々小雨
過去天気図(気象庁) 2011年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
往路:JR水上駅
復路:土合口ロープウェイ駅からバスでJR水上駅へ
コース状況/
危険箇所等
道の状況:直前までの降雨により往路・保渡野沢コースの沢は増水し、丸太橋が流されるなど渡渉が困難。無理と思ったら引き返すのが無難。
帰路、西黒尾根前半部分は濡れた岩場で数回足がスリップする。滑りそうだと思ったら手で近くの岩をしっかりと掴み体を支えるべし。
天神平以北は冷たい風が吹く。着るものプラスワン。
下山後:ロープウェイ駅に何かしらある。水上には温泉街あり。
水上駅を出発。風が強く少々心配。
2011年09月06日 08:19撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 8:19
水上駅を出発。風が強く少々心配。
北側の空
2011年09月06日 08:32撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 8:32
北側の空
南側の空。利根川の水は濁っている。
2011年09月06日 08:33撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 8:33
南側の空。利根川の水は濁っている。
ホワイトバレースキー場
2011年09月06日 09:09撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:09
ホワイトバレースキー場
本格的な山道へ。
2011年09月06日 09:12撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:12
本格的な山道へ。
早速渡渉ポイント。
2011年09月06日 09:14撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:14
早速渡渉ポイント。
沢渡りが続く。
2011年09月06日 09:17撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:17
沢渡りが続く。
水浸しになった道。
2011年09月06日 09:18撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:18
水浸しになった道。
人が通らないとはこういうことだ。
2011年09月06日 09:20撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:20
人が通らないとはこういうことだ。
丸太橋が壊れている。慎重に突破。
2011年09月06日 09:28撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:28
丸太橋が壊れている。慎重に突破。
また沢を渡る。
2011年09月06日 09:37撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:37
また沢を渡る。
丸太がツルツルする。注意して渡る。
2011年09月06日 09:39撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:39
丸太がツルツルする。注意して渡る。
勢いよく流れている。
2011年09月06日 09:39撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:39
勢いよく流れている。
足の置き場をよく見極めて渡渉。
2011年09月06日 09:43撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:43
足の置き場をよく見極めて渡渉。
此処が一番厄介だった。強行突破。
2011年09月06日 09:44撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:44
此処が一番厄介だった。強行突破。
白く泡立っている。
2011年09月06日 09:50撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:50
白く泡立っている。
沢から離れたかなと思ったところで、
2011年09月06日 09:50撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:50
沢から離れたかなと思ったところで、
最後の沢を渡る。
2011年09月06日 09:57撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:57
最後の沢を渡る。
おお素晴らしい。
2011年09月06日 09:59撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 9:59
おお素晴らしい。
完全に晴れたり。
2011年09月06日 10:16撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 10:16
完全に晴れたり。
岩がゴロゴロしてきた。
2011年09月06日 10:23撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 10:23
岩がゴロゴロしてきた。
大して難易度は高くない。
2011年09月06日 10:26撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 10:26
大して難易度は高くない。
吾妻耶山とかその辺りかな。
2011年09月06日 10:40撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 10:40
吾妻耶山とかその辺りかな。
天神峠を見上げる。もう少し。
2011年09月06日 10:44撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 10:44
天神峠を見上げる。もう少し。
最後に一登りして、
2011年09月06日 10:45撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 10:45
最後に一登りして、
天神平到達。冷たい風が吹いている。
2011年09月06日 10:47撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 10:47
天神平到達。冷たい風が吹いている。
天神平駅
2011年09月06日 10:54撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 10:54
天神平駅
冷たい風に備えて熱量確保。
2011年09月06日 11:00撮影 by  MOND, KDDI-SN
1
9/6 11:00
冷たい風に備えて熱量確保。
天神峠展望台
2011年09月06日 11:27撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 11:27
天神峠展望台
谷川岳へ向けて漸進。
2011年09月06日 11:36撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 11:36
谷川岳へ向けて漸進。
雨の影響で大きな水溜り。
2011年09月06日 11:39撮影 by  MOND, KDDI-SN
1
9/6 11:39
雨の影響で大きな水溜り。
木道が整備されていて歩きやすい所もある。
2011年09月06日 11:48撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 11:48
木道が整備されていて歩きやすい所もある。
時折雨が降る。
2011年09月06日 11:58撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 11:58
時折雨が降る。
熊穴沢避難小屋
2011年09月06日 12:03撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 12:03
熊穴沢避難小屋
急登一段階、
2011年09月06日 12:05撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 12:05
急登一段階、
二段階、
2011年09月06日 12:06撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 12:06
二段階、
三段階
2011年09月06日 12:08撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 12:08
三段階
岩場上りが続く。
2011年09月06日 12:12撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 12:12
岩場上りが続く。
ここで高度を稼ぐ。
2011年09月06日 12:14撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 12:14
ここで高度を稼ぐ。
南側は絶景かな。
2011年09月06日 12:14撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 12:14
南側は絶景かな。
眼下に広がる水上の町。
2011年09月06日 12:24撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 12:24
眼下に広がる水上の町。
天狗の留まり場
2011年09月06日 12:24撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 12:24
天狗の留まり場
谷川岳山頂付近は相変わらず。
2011年09月06日 12:26撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 12:26
谷川岳山頂付近は相変わらず。
もう少しで西黒尾根分岐。
2011年09月06日 12:28撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 12:28
もう少しで西黒尾根分岐。
肩の小屋。雨がまた降りだす。
2011年09月06日 12:46撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 12:46
肩の小屋。雨がまた降りだす。
視界も悪い。
2011年09月06日 12:50撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 12:50
視界も悪い。
トマの耳はすぐに着く。
2011年09月06日 12:54撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 12:54
トマの耳はすぐに着く。
オキの耳を目指す。
2011年09月06日 13:01撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 13:01
オキの耳を目指す。
大きな岩を縫って進む。
2011年09月06日 13:02撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 13:02
大きな岩を縫って進む。
谷川岳山頂(オキの耳)
2011年09月06日 13:07撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 13:07
谷川岳山頂(オキの耳)
一つ先の岩のてっぺんからオキの耳。
2011年09月06日 13:12撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 13:12
一つ先の岩のてっぺんからオキの耳。
も少し進んでみる。
2011年09月06日 13:15撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 13:15
も少し進んでみる。
一時的に青空が顔を出す。
2011年09月06日 13:17撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 13:17
一時的に青空が顔を出す。
富士浅間神社奥の院に参拝。
2011年09月06日 13:19撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 13:19
富士浅間神社奥の院に参拝。
三々五々と登山者がやってくる。
2011年09月06日 13:37撮影 by  MOND, KDDI-SN
1
9/6 13:37
三々五々と登山者がやってくる。
下山開始。
2011年09月06日 13:49撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 13:49
下山開始。
西黒尾根分岐
2011年09月06日 13:51撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 13:51
西黒尾根分岐
ふーん。
2011年09月06日 13:56撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 13:56
ふーん。
四ノ沢の頭
2011年09月06日 13:57撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 13:57
四ノ沢の頭
ザンゲ岩
2011年09月06日 14:04撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:04
ザンゲ岩
濡れている。滑る。
2011年09月06日 14:10撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:10
濡れている。滑る。
当分、こうした道が続く。
2011年09月06日 14:16撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:16
当分、こうした道が続く。
視界もよくない。
2011年09月06日 14:20撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:20
視界もよくない。
そろそろ雲の下に抜ける。
2011年09月06日 14:29撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:29
そろそろ雲の下に抜ける。
これから谷川岳へ向かう夫婦。
2011年09月06日 14:29撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:29
これから谷川岳へ向かう夫婦。
ああいう所をクライムする人もいるのだろうか。
2011年09月06日 14:29撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:29
ああいう所をクライムする人もいるのだろうか。
西黒尾根から天神平。
2011年09月06日 14:30撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:30
西黒尾根から天神平。
西黒尾根。だんだん雲から脱却。
2011年09月06日 14:31撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:31
西黒尾根。だんだん雲から脱却。
最後に晴れ渡った景色を見られてよかった。
2011年09月06日 14:32撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:32
最後に晴れ渡った景色を見られてよかった。
慎重を要する岩場が相変わらず続く。
2011年09月06日 14:38撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:38
慎重を要する岩場が相変わらず続く。
白毛門方面
2011年09月06日 14:41撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:41
白毛門方面
下ってきた所を振り返る。
2011年09月06日 14:44撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:44
下ってきた所を振り返る。
巌剛新道分岐。
2011年09月06日 14:49撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:49
巌剛新道分岐。
空が青い。カメラのせいではなく本当に青い。
2011年09月06日 14:50撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:50
空が青い。カメラのせいではなく本当に青い。
ラクダの背から南方。
2011年09月06日 14:52撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:52
ラクダの背から南方。
西黒尾根を振り返る。
2011年09月06日 14:53撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:53
西黒尾根を振り返る。
僅かにある残雪。
2011年09月06日 14:54撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:54
僅かにある残雪。
山頂は結局雲取れず。
2011年09月06日 14:54撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:54
山頂は結局雲取れず。
鎖場もクライマックス。
2011年09月06日 14:57撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 14:57
鎖場もクライマックス。
結構高度がある。
2011年09月06日 15:00撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 15:00
結構高度がある。
谷川岳から最後に素敵なプレゼント。
2011年09月06日 15:06撮影 by  MOND, KDDI-SN
1
9/6 15:06
谷川岳から最後に素敵なプレゼント。
ここを下れば後は比較的楽になる。
2011年09月06日 15:11撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 15:11
ここを下れば後は比較的楽になる。
道も平坦になる。
2011年09月06日 15:37撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 15:37
道も平坦になる。
L字に伸びる生命力たくましい木。
2011年09月06日 15:50撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 15:50
L字に伸びる生命力たくましい木。
ここも道が沢と化している。
2011年09月06日 16:05撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 16:05
ここも道が沢と化している。
西黒尾根登山口。無事下山。
2011年09月06日 16:09撮影 by  MOND, KDDI-SN
1
9/6 16:09
西黒尾根登山口。無事下山。
谷川岳登山指導センター
2011年09月06日 16:14撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 16:14
谷川岳登山指導センター
土合口ロープウェイ駅
2011年09月06日 16:15撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 16:15
土合口ロープウェイ駅
水上の町で足湯を楽しむ。
2011年09月06日 17:10撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 17:10
水上の町で足湯を楽しむ。
谷川岳よ有難う。また来ることもあろう。
2011年09月06日 17:19撮影 by  MOND, KDDI-SN
9/6 17:19
谷川岳よ有難う。また来ることもあろう。
撮影機器:

感想

今回の山行は、顧みれば、慎重に進めたとはいうものの、端からみれば、かなり強引だったと思う。
そんな私でも受け入れ、最後に素敵なプレゼントをもって送り出してくれた谷川岳には、ただ感謝あるのみ。

今年の夏を振り返ると、とにかく車を利用することが多かった。通常は月1ドライバーなのが今年の8月は5回も乗っている。それだけ乗ればお金もかかるわけで、軌道修正しようと台風一過の今回選択したのが谷川岳である。
都心から約4時間、たまには電車の旅も良い。道中ほとんど寝てしまうのだが。
電車で行ける所というと他にも候補はあるのだが、残暑厳しい中で涼しい所で、かつ、この機を逃すとなかなか行けない所となると谷川岳が群を抜いてダントツだった。
前日夜にイソイソと地図を頭に叩き込み準備をする。保渡野沢コースを案内するガイドがなかなか無い。諦めて寝る。昼前から晴れるとしていた天気予報が直前のものでは雨雲が残るとなっており、一抹の不安はあったものの、天気の様子をみつつ漸次前進することとし、予定どおり出発した。関東平野がスッキリ晴れ渡っていたのも私を後押しした。
電車内で二回ほど寒いなと感じたが、水上駅を降りるとやはり冷たく強めの風が吹きわたっていた。本当に大丈夫だろうか?南の空は晴れ渡っているが、北の空は分厚い雲が居座り空も薄暗い。
まあ、行けるところまで行くさ。早速谷川温泉方面へ向けて歩き出す。道は谷川温泉の界隈を過ぎると草ぼうぼうとなり、ホワイトバレースキー場という開けた場所に至る。ここが登山道入口と言ってよい。
保渡野沢コースはその名の通り沢沿いのコースで、急な段差を梯子で降りて沢を渡るところから始まる。直前まで雨が降っていたこともあって道も水浸しになっており、濡れないように慎重に歩く。
そして、沢の連続。雨上がりとあって、濁流にはなっていないものの水量多く、水流にも勢いがある。最初はもともと浅くて水量が多いと言っても難無く渡れる沢が続いていたのだが、丸太橋が壊れている沢以降は難易度がグンと上がる。足腰やバランス保持に自信が無い人は丸太橋落橋地点で引き返し、土合に回るか一日おいて再トライすることをお勧めする。
丸太橋損壊地点では足を何処に置くか、次の一歩はどうするかを慎重に見極めて大胆に渡渉する。

【濡れた丸太橋を渡る】
丸太橋はあるものの半分は水に洗われている。もちろん濡れてツルツル。ここは橋があるので滑らぬよう少しずつ進む。水をかぶっている箇所は波を立てないようゆっくり足を動かせば浸水することはない。もちろん防水仕様なら無問題。

【足の置き場が無い沢を強行突破】
石が完全に水没している箇所。濡れることなく足を置ける所はない。幅も微妙にあって「よいしょ」とひとまたぎで渡れる所でもない。近くには他に渡れそうな所はない。今回一番足止めをくった所である。深さも数十cmはあり、白く泡立っている。引き返すとすると、先ほど辛うじて渡った沢をまた渡って戻らないといけない。進むも難、退くも難だ。同じ難なら進もう。渡る方策としてはツルッといく危険を冒し、靴が濡れるのも甘受して水没した石に足を置いてわたるか、或いは、水流に流される危険を冒して、完全に足を沢の中に入れて渡るか。しかし足が濡れるのは避けたい。さて、どうしようと思った時に、もう一つの方法を思いつく。危険だが足が濡れることは無い。河童の川流れになる図しか頭に浮かばなかったが、蛮勇を振り絞って断行、何とか渡るのに成功。複数人で来てロープなどあると良いだろう。

その後は急な登りとなるが、危険な沢を離れられるぞと苦にならない。もう一つ慎重を要する沢を渡ると、岩がゴロゴロした乾いた山道となる。青く晴れ渡った空に水上の町や近隣の山々が映える。見晴らしの良い所で一休みして、もう一登りすると天神平に至る。

天神平で、まず思ったのが「風が冷たい」ということ。そしてこれから向かう頂は雲に覆われている。これはいかん。そうだ、まずは熱量確保と天神平駅併設の展望レストランでカロリーと水分を補給。
その後天神峠まで登るが、スキー場の斜面を歩くのは生半可な山道よりもしんどい。峠から行くか、どうするかと様子を窺い、様子を見つつ西黒尾根分岐まで漸進することとした。体がもたないとなれば尾根を下るか天神平に引き返すかだ。
大きな水溜りを迂回して山頂へ向け歩を進める。道は一部木道になっていて歩きにくいということはない。しかし、時々強い風と小雨が襲う。
なあに、岩手山ほどではないと歩いているとあっという間に熊穴沢避難小屋を通過。ここから先は岩場の急登となるが、距離的に短いこともあり難無くクリア。
肩の小屋までくれば山頂まではあと僅か。断固断行だ。雨が降り出すが身体の状態もよいので臆せず前進、あっけなくトマの耳に到達。あいにく周りは真っ白。しばらくぶらぶらしていれば晴れ間もあるかもしれないとオキの耳を目指す。だが、当然のことながら天気は相変わらず。雲間に見え隠れする岩の頂を先に進めば何かが待っているような気がして先へ進むとあったのが富士浅間神社奥の院。参拝前に青空がほんの少しだけ顔を見せたのを見て「今日はこのくらいで」と引き返す。

西黒尾根を下りる直前には「健脚者向け」と記した看板がある。どのくらいハードなのかと思ったが、とにかく滑りやすい。足が少なくとも数回は軽くスリップする。したがって最初は慎重に降りる必要がある。それも数十分すると眼下に日の当たる部分が見えてくる。否、自分が雲から抜けたのだ。雲を抜けた後の西黒尾根は、それまでと打って変わって展望に恵まれる。急な岩場の下りは相変わらずだが、精神的な疲れも吹き飛ぶ。あまりにも展望がすばらしいので、巌剛新道に降りることなく尾根を直進。ラクダの背の先にある岩の頂では虹を拝むことができた。最後に素敵なプレゼント。また来たいと思うのであった。
最後に長い鎖場を下りれば岩場は終了。帰りの土合発の登り電車を検索すると次は18時台だ。2時間は軽く余る。どうしよう。歩くか、タクシーか、そもそもタクシーなんかいるのか。と思いながら土合口ロープウェイ駅まで降りてきたところ、ちょうど路線バスがやってきた。16時20分土合口発水上駅まで650円。幸いなるかな。なんというタイミングの良さだろう。
谷川岳の恩寵に感謝しつつ、再訪を約してバスで現地を去ったのであった。

〜おしまい〜

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1126人

コメント

三々五々と登山者がやってくる。
それが私です
この時はもう腹が減ってヘロヘロでしたね。

最後の虹はほんとにプレゼントだと思いました
2011/9/11 11:42
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走 谷川・武尊 [日帰り]
技術レベル
3/5
体力レベル
3/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら