誰にも出会わず、初夏の幌尻岳に一人登る
- GPS
- 44:00
- 距離
- 22.5km
- 登り
- 1,665m
- 下り
- 1,663m
コースタイム
6/25 4:50幌尻山荘-7:00命の泉-9:30-10:00幌尻岳山頂
-14:40幌尻山荘(泊)
6/26 6:10幌尻山荘-8:50取水口ゲート-10:40林道ゲート
天候 | 6/24 曇りのち雨 6/25 晴れのち曇り 6/26 曇り、のち時々雨 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛行機
(この当時は、振内(ふれない)から林道を約35km先まで行ったところ、奥幌尻橋にゲートあり) 所要時間;約3時間。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・取水口ゲートからは、糠平沢の沢沿いに登るが、徒渉が10回以上ある。 登山用の靴とは別に、濡れてもよい靴を準備する必要がある。 ・6月下旬のこの時期、幌尻山荘から幌尻岳までのルート上には残雪は ほとんどなく、アイゼン、ピッケル等の雪山装備は無くてもよかった。 |
写真
感想
【山行No 214】
四国からだとはるかに遠い日高山脈の幌尻岳だが、たまたま月曜日が休みとなり、
3連休となったので、強行軍だが3日で行ってみることにした。
6月24日(土)
・前日夜に、四国をフェリーで出発し大阪へ、
9:00 大阪
・伊丹空港発の飛行機で、一気に北海道へ
10:40-11:40 千歳空港
・空港でレンタカーを借り、出発。車種はスターレット4WD。
13:30 振内(ふれない)
・ここまでは舗装道で快適なドライブだったが、ここからは林道となり、
砂利道なので、スピードも出ず、結構時間がかかる。
所々に廃屋があるだけの寂しい林道だ..
所どころにゲートがあり、今日は開いているが帰りにしまっていたらどうしよう、と少し不安に思う。
14:50-15:00 奥幌尻橋ゲート(標高=約500m、気温=15℃)
・ここにゲートがあり、ここからは歩きとなる。
てっきり車でいっぱいかと思っていたが、車は一台もなく、ただゲートが
黙って閉じているだけの、妙に不安な雰囲気だった。
しかも、待っていたかのように、急に雨もザアザアと降り出した。
雨のなか、雨具を着て、片手にはプラブーツを手に提げて、黙々と歩く。
16:40-50 取水口
・ようやく林道は終わりとなり、ここから糠平沢に入ってゆくことになる。
・いきなり10mの泥壁を登ったり、きわどい岩をへつったりで結構怖い思いをさせられる。赤テープあり。
・雨はいつの間にか止んだが、霧がでて谷の中は薄暗く、見通しも悪い。
17:40 洗心の滝(四の沢出合)
・ここからいよいよ、渡渉の多い個所となる。
スニーカーで十分とタカをくくっていたが、水に入ると、足がもげるほどの冷たさ!1回渡渉するだけで疲れた。
その後も休む間もなく次々と渡渉箇所が現れる。
次第に足が冷えたせいか、水の冷たさもあまり感じなくなってきた。
水量は膝のあたりまで。幅はだいたい5〜10mで、冷たいので10秒くらいでさっとわたる。
・時刻が18時を過ぎると、天気も悪いせいで、谷の中は薄暗くなってきた。
谷に流れ込む小沢で現在位置を推定し、そろそろ小屋が近づいているはずだが、なかなか小屋が見えない。
ひょっとして気付かぬうちに小屋を行き過ぎたのか? 戻るべきか?ひょっとしてビバークをすることになるか?と少々焦る。
おまけに、14番目の渡渉で足を滑らせ、なんとか転倒は防いだが、へそのあたりまで水に浸かり、危なかった。
19:00 幌尻山荘 着(気温=15℃)
・ようやく小屋が見えたときには、本当にほっとした。思わず万歳。
・百名山の小屋なので少しは人がいるかと思っていたが、今日はなんと自分ひとり!
2Fに上がり、ずぶぬれの服を着替えてやっと一安心した。
毛布がおいてあり、毛布とシュラフで寝床づくり。
カップラーメンとおにぎりの夕食を取ると、疲れているせいか、一人の山小屋の不安も感じる間もなく、寝付いた。
6月25日(日)
・4時に起床。さすがに北海道は朝が早く、すでに明るい。
夜中に少し星が見えていたので少し期待していたが、上空は予想どおり青空が見てていてアタック日和となっている。気温=9℃(室内)。
4:50 幌尻山荘 発(気温=5℃)
・サブザックに少量の荷物を入れ、出発。
・爽快な朝の空気の中、鳥の声と沢の音が初夏の爽やかさをよけいに感じさせる。
いきなりあきれるほどの急登が続くが、鳥の声に励まされ、調子は上々。
・天気が良いせいか、鳥の声もにぎやか。
コマドリ、エゾセンニュウ、ウソ、ヒガラ、ミソサザイなど
ノゴマも見えたし、マミジロらしき声も聞こえた。
途中から林相はダケカンバ林となり明るくなってきた。
7:00 命の泉
・水場の表示はあるが、急な雪渓の先にあり、行くのは難しい感じ。
・少し行ったところの残雪状に、クマらしき足跡が点々と残っている。
・だんだんとハイマツ帯となり、眺めもよくなってきた。
上空はクラゲ雲が出ているのは気になるが、遠く、夕張岳、芦別岳あたりも見える。
8:00 1740ピーク
・ここより、北カールの縁を行く道となる。
残雪をため込んだカールと、その先に幌尻山頂が大きく見える。戸蔦別山も鋭い姿を見せている。
・カール縁の道には残雪が少し残っていた。アイゼンを着けるほどのことはないが、ピッケルはまずまず役立った。
雪の上には古い踏み跡があるが、ひょっとしてゴールデンウイークのころか?と思えるほど古そう。
8:30 1829ピーク
・この先は雪があまりなく、お花畑状。キバナシャクナゲが多い。
ほかにはあまり種類はないが、結構きれいだった。
幌尻山頂手前は、岩がゴロゴロとしていて割と歩きにくく、足も重くなってきた。
9:30-10:10 幌尻山頂(標高=2052m、気温=12℃)
・憧れの山頂にようやくたどり着いた。
残念ながら、ガスが去来して展望は少ない。膝が重苦しい感じがするので、戸蔦別岳への縦走は止めにして戻ることにした。
10:30-11:30 1850ピーク
しばらくすると霧も晴れてきた。展望の良いこのピークで休憩。
南日高の、よく名前も知らない山々が、遠く近くに、重層としてそびえている。
なんだか遠くに来たなあ..と感慨も深い。
草の上にのんびりと寝転んで空を見ながら、少しお昼寝。
・下りは来た道を淡々と下る。
12:50 命の泉
・持ってきたお茶が少なくなりのども乾いたので、雪渓を渡り、水場に到達。
努力の甲斐もあって、雪解けの水はすごく美味しかった。
・この後、膝がだんだんと痛くなり、かなりペースダウン。
14:40 幌尻山荘 着
・昼下がりに山荘着。今日もどうやら泊り客はなく、自分ひとり。
午後はなんとなく時間を持て余した。
小屋の前のモミの木の上に、ノビタキか、鳥が4〜5羽いて、飛んでいる虫を
フライキャッチしていた。
ガスボンベの残量が少なくてちょっと困ったが、何とかお湯を沸かして、夕食はラーメン
6月26日(月)
・今朝もよく晴れている。昨日の膝の痛みはだいぶ回復した感じだが、
沢沿いの渡渉を考えると少し不安が残る。がとりあえず出発。
6:10 幌尻山荘 発
・またまた渡渉が始まる。おとといの渡渉でだいぶ慣れたつもりだったが、
やはり水は切れるほど冷たい。それでも朝だし、天気も良いし、道もわかっているので、おとといのような不安はない。
7:50-8:00 四の沢出合
・ようやく15回の渡渉を終わり、一安心。
8:50-9:00 取水ゲート
・ここから林道歩きとなる。単調で長い歩きだが、一昨日とは異なり気持ちに余裕があるので、鳥の声を聴きながら歩く。
ノビタキ、キビタキ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、オオルリなど..
・今回、予想以上に鳥を見聞きすることができた。合計23種。
10:40-11:10 奥幌尻橋ゲート
・ようやく車のところに戻り、ほっと一安心。
・帰りは、気軽なドライブ。
少し時間に余裕があるので、ウトナイ湖のサンクチュアリにもよる。
16:00-17:30 千歳空港
19:30 伊丹空港
・新大阪駅まで出て、JRで四国に帰る。自宅に着いたのは、0時を少し回っていた。
だいぶ強行軍で、膝が痛くなるアクシデントもあったが、
なんとか3日で念願の幌尻岳を登れて、満足、満足..
(ただし、その後数日は、自転車をこぐのも大変なほど膝が痛く、
痛みが完全になくなるまで、3週間ほどかかった。
3週連続の登山で膝に無理がかかったのかナ)
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