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Yamareco

記録ID: 134816
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
日高山脈

誰にも出会わず、初夏の幌尻岳に一人登る

1995年06月24日(土) ~ 1995年06月26日(月)
 - 拍手
GPS
44:00
距離
22.5km
登り
1,665m
下り
1,663m

コースタイム

6/24 15:10奥幌尻橋(林道ゲート)-16:40糠平沢ルートへの入り口(取水口ゲート)-19:00幌尻山荘着
6/25 4:50幌尻山荘-7:00命の泉-9:30-10:00幌尻岳山頂
   -14:40幌尻山荘(泊)
6/26 6:10幌尻山荘-8:50取水口ゲート-10:40林道ゲート
天候 6/24 曇りのち雨
6/25 晴れのち曇り
6/26 曇り、のち時々雨
アクセス
利用交通機関:
自家用車 飛行機
千歳空港よりレンタカーで、登山口の林道ゲートまで行った。
(この当時は、振内(ふれない)から林道を約35km先まで行ったところ、奥幌尻橋にゲートあり)
所要時間;約3時間。
コース状況/
危険箇所等
・取水口ゲートからは、糠平沢の沢沿いに登るが、徒渉が10回以上ある。
 登山用の靴とは別に、濡れてもよい靴を準備する必要がある。

・6月下旬のこの時期、幌尻山荘から幌尻岳までのルート上には残雪は
 ほとんどなく、アイゼン、ピッケル等の雪山装備は無くてもよかった。
糠平川 取水口付近より
2011年09月18日 09:51撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
9/18 9:51
糠平川 取水口付近より
初日は、午後7時にようやく幌尻山荘に到着、ほっとした
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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9/18 9:52
初日は、午後7時にようやく幌尻山荘に到着、ほっとした
幌尻への登りより稜線
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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幌尻への登りより稜線
登り道より、残雪の残る北カールの眺め
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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登り道より、残雪の残る北カールの眺め
幌尻への登り道
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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幌尻への登り道
戸蔦別岳を望む
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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戸蔦別岳を望む
北カールと、戸蔦別岳方面(中景 左)を望む。遠くは、ピパイロ岳など日高北部の稜線
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
9/18 9:52
北カールと、戸蔦別岳方面(中景 左)を望む。遠くは、ピパイロ岳など日高北部の稜線
幌尻岳山頂より、東カール
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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幌尻岳山頂より、東カール
幌尻岳山頂に到着
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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幌尻岳山頂に到着
幌尻岳山頂より、東カール
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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幌尻岳山頂より、東カール
幌尻岳山頂より、南の方向、眼下は幌尻湖、その先の山塊は?
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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幌尻岳山頂より、南の方向、眼下は幌尻湖、その先の山塊は?
幌尻岳山頂より、日高中央部の遠望、おそらくカムエクなどが見えている
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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幌尻岳山頂より、日高中央部の遠望、おそらくカムエクなどが見えている
幌尻岳山頂より、北カール沿いの登ってきた稜線を望む、雪は少ない
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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幌尻岳山頂より、北カール沿いの登ってきた稜線を望む、雪は少ない
(名前不明)矮小な植物で白い花、幌尻岳山頂にて
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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(名前不明)矮小な植物で白い花、幌尻岳山頂にて
花と残雪、幌尻岳山頂にて
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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花と残雪、幌尻岳山頂にて
岩の間に咲く花
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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岩の間に咲く花
命の泉は、急斜面の残雪の影にあった
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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命の泉は、急斜面の残雪の影にあった
糠平川、ここを下る
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
9/18 9:52
糠平川、ここを下る
(名前不明の)花、糠平沢にて
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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(名前不明の)花、糠平沢にて
糠平沢の風景
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
9/18 9:52
糠平沢の風景
糠平沢より、戸蔦別岳あたりの稜線を振り返る
2011年09月18日 09:52撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
9/18 9:52
糠平沢より、戸蔦別岳あたりの稜線を振り返る
撮影機器:

感想

【山行No 214】

四国からだとはるかに遠い日高山脈の幌尻岳だが、たまたま月曜日が休みとなり、
3連休となったので、強行軍だが3日で行ってみることにした。

6月24日(土)
 ・前日夜に、四国をフェリーで出発し大阪へ、
9:00 大阪
 ・伊丹空港発の飛行機で、一気に北海道へ
10:40-11:40 千歳空港
 ・空港でレンタカーを借り、出発。車種はスターレット4WD。
13:30 振内(ふれない)
 ・ここまでは舗装道で快適なドライブだったが、ここからは林道となり、
  砂利道なので、スピードも出ず、結構時間がかかる。
  所々に廃屋があるだけの寂しい林道だ..
  所どころにゲートがあり、今日は開いているが帰りにしまっていたらどうしよう、と少し不安に思う。

14:50-15:00 奥幌尻橋ゲート(標高=約500m、気温=15℃)
 ・ここにゲートがあり、ここからは歩きとなる。
  てっきり車でいっぱいかと思っていたが、車は一台もなく、ただゲートが
  黙って閉じているだけの、妙に不安な雰囲気だった。
  しかも、待っていたかのように、急に雨もザアザアと降り出した。
  雨のなか、雨具を着て、片手にはプラブーツを手に提げて、黙々と歩く。

16:40-50 取水口
 ・ようやく林道は終わりとなり、ここから糠平沢に入ってゆくことになる。
 ・いきなり10mの泥壁を登ったり、きわどい岩をへつったりで結構怖い思いをさせられる。赤テープあり。
 ・雨はいつの間にか止んだが、霧がでて谷の中は薄暗く、見通しも悪い。
17:40 洗心の滝(四の沢出合)
 ・ここからいよいよ、渡渉の多い個所となる。
  スニーカーで十分とタカをくくっていたが、水に入ると、足がもげるほどの冷たさ!1回渡渉するだけで疲れた。
  その後も休む間もなく次々と渡渉箇所が現れる。
  次第に足が冷えたせいか、水の冷たさもあまり感じなくなってきた。
  水量は膝のあたりまで。幅はだいたい5〜10mで、冷たいので10秒くらいでさっとわたる。
 ・時刻が18時を過ぎると、天気も悪いせいで、谷の中は薄暗くなってきた。
  谷に流れ込む小沢で現在位置を推定し、そろそろ小屋が近づいているはずだが、なかなか小屋が見えない。
  ひょっとして気付かぬうちに小屋を行き過ぎたのか? 戻るべきか?ひょっとしてビバークをすることになるか?と少々焦る。
  おまけに、14番目の渡渉で足を滑らせ、なんとか転倒は防いだが、へそのあたりまで水に浸かり、危なかった。

19:00 幌尻山荘 着(気温=15℃)
 ・ようやく小屋が見えたときには、本当にほっとした。思わず万歳。
 ・百名山の小屋なので少しは人がいるかと思っていたが、今日はなんと自分ひとり!
  2Fに上がり、ずぶぬれの服を着替えてやっと一安心した。
  毛布がおいてあり、毛布とシュラフで寝床づくり。
  カップラーメンとおにぎりの夕食を取ると、疲れているせいか、一人の山小屋の不安も感じる間もなく、寝付いた。

6月25日(日)
 ・4時に起床。さすがに北海道は朝が早く、すでに明るい。
  夜中に少し星が見えていたので少し期待していたが、上空は予想どおり青空が見てていてアタック日和となっている。気温=9℃(室内)。

4:50 幌尻山荘 発(気温=5℃)
 ・サブザックに少量の荷物を入れ、出発。
 ・爽快な朝の空気の中、鳥の声と沢の音が初夏の爽やかさをよけいに感じさせる。
  いきなりあきれるほどの急登が続くが、鳥の声に励まされ、調子は上々。
 ・天気が良いせいか、鳥の声もにぎやか。
  コマドリ、エゾセンニュウ、ウソ、ヒガラ、ミソサザイなど
  ノゴマも見えたし、マミジロらしき声も聞こえた。
  途中から林相はダケカンバ林となり明るくなってきた。
7:00 命の泉
 ・水場の表示はあるが、急な雪渓の先にあり、行くのは難しい感じ。
 ・少し行ったところの残雪状に、クマらしき足跡が点々と残っている。
 ・だんだんとハイマツ帯となり、眺めもよくなってきた。
  上空はクラゲ雲が出ているのは気になるが、遠く、夕張岳、芦別岳あたりも見える。
8:00 1740ピーク
 ・ここより、北カールの縁を行く道となる。
  残雪をため込んだカールと、その先に幌尻山頂が大きく見える。戸蔦別山も鋭い姿を見せている。
 ・カール縁の道には残雪が少し残っていた。アイゼンを着けるほどのことはないが、ピッケルはまずまず役立った。
  雪の上には古い踏み跡があるが、ひょっとしてゴールデンウイークのころか?と思えるほど古そう。

8:30 1829ピーク
 ・この先は雪があまりなく、お花畑状。キバナシャクナゲが多い。
  ほかにはあまり種類はないが、結構きれいだった。
  幌尻山頂手前は、岩がゴロゴロとしていて割と歩きにくく、足も重くなってきた。

9:30-10:10 幌尻山頂(標高=2052m、気温=12℃)
 ・憧れの山頂にようやくたどり着いた。
  残念ながら、ガスが去来して展望は少ない。膝が重苦しい感じがするので、戸蔦別岳への縦走は止めにして戻ることにした。

10:30-11:30 1850ピーク
  しばらくすると霧も晴れてきた。展望の良いこのピークで休憩。
  南日高の、よく名前も知らない山々が、遠く近くに、重層としてそびえている。
  なんだか遠くに来たなあ..と感慨も深い。
  草の上にのんびりと寝転んで空を見ながら、少しお昼寝。

 ・下りは来た道を淡々と下る。
12:50 命の泉
 ・持ってきたお茶が少なくなりのども乾いたので、雪渓を渡り、水場に到達。
  努力の甲斐もあって、雪解けの水はすごく美味しかった。
 ・この後、膝がだんだんと痛くなり、かなりペースダウン。

14:40 幌尻山荘 着
 ・昼下がりに山荘着。今日もどうやら泊り客はなく、自分ひとり。
  午後はなんとなく時間を持て余した。
  小屋の前のモミの木の上に、ノビタキか、鳥が4〜5羽いて、飛んでいる虫を
  フライキャッチしていた。
  ガスボンベの残量が少なくてちょっと困ったが、何とかお湯を沸かして、夕食はラーメン

6月26日(月)
 ・今朝もよく晴れている。昨日の膝の痛みはだいぶ回復した感じだが、
  沢沿いの渡渉を考えると少し不安が残る。がとりあえず出発。


6:10 幌尻山荘 発
 ・またまた渡渉が始まる。おとといの渡渉でだいぶ慣れたつもりだったが、
  やはり水は切れるほど冷たい。それでも朝だし、天気も良いし、道もわかっているので、おとといのような不安はない。

7:50-8:00 四の沢出合
 ・ようやく15回の渡渉を終わり、一安心。
  
8:50-9:00 取水ゲート
 ・ここから林道歩きとなる。単調で長い歩きだが、一昨日とは異なり気持ちに余裕があるので、鳥の声を聴きながら歩く。
  ノビタキ、キビタキ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、オオルリなど..
 ・今回、予想以上に鳥を見聞きすることができた。合計23種。

10:40-11:10 奥幌尻橋ゲート
 ・ようやく車のところに戻り、ほっと一安心。

 ・帰りは、気軽なドライブ。
  少し時間に余裕があるので、ウトナイ湖のサンクチュアリにもよる。
  
16:00-17:30 千歳空港
19:30 伊丹空港
 ・新大阪駅まで出て、JRで四国に帰る。自宅に着いたのは、0時を少し回っていた。

  だいぶ強行軍で、膝が痛くなるアクシデントもあったが、
  なんとか3日で念願の幌尻岳を登れて、満足、満足..

 (ただし、その後数日は、自転車をこぐのも大変なほど膝が痛く、
  痛みが完全になくなるまで、3週間ほどかかった。
  3週連続の登山で膝に無理がかかったのかナ) 



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