南アルプス南部縦走
- GPS
- 128:00
- 距離
- 56.6km
- 登り
- 4,834m
- 下り
- 4,822m
天候 | 30日晴れ 31日晴れのち曇り 1日晴れ 2日晴れ 3日暴風雪のち晴れ 4日晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
技術的に難しいのは聖岳の下り。 ルートファインディング、体力、凍傷などの予防。総合力が試されるルート |
写真
感想
南アルプス南部縦走。
比較的穏やかと言われている南アルプス。
雪山2年生の自分にとっては最大の挑戦かもしれない。
4泊5日予備日3日の日程を組み予備日を使いながらでも前進する。強い気持ちで前に進む。
この山行の成功のために、日向八丁尾根→甲斐駒ヶ岳の周回や中央アルプス周回をやって来た。平日も仕事終わりや仕事前に近くの低山に歩荷に行ったが、パートナーに対して自分の力は全然足りていない。
畑薙ダムにつき少し仮眠をとって、出発。
鳥小屋尾根は急で雪がなくても歩きにくい、道は明瞭で意外にテープなどが貼ってある。
2000mを超えたあたりから雪が出ててき、2200mからは腿ラッセルとなって全然進まない。
かなりキツイが初日なので頑張って茶臼岳へ。
茶臼小屋では、先客者一名。
ウソッコ沢はトレースがついてたそうだ。
2日目茶臼小屋→聖平小屋
この日は天気はあまり良くない予報。朝は晴れている。上河内岳の取付きまではトレースが消えてる場所がありラッセルが強いられる。
キツイが頑張って進み、上河内岳へ。
上河内岳の登りはあまり雪はついてなく登りやすい。
南岳に着きた頃前方から人が、単独の方で聖平小屋から来た人だった。あとからわかった事かだが、この単独の方相当に強い。聖平からのラッセルはかなり大変だった筈だ。
その後も2人グループの方とすれ違った。このグループは聖岳東尾根を登って21時に聖平小屋に着いたそうだ。
この時期の南アルプスに入る人は、強いのか?
自分もいい刺激を受けた。
3日目聖平小屋→兎岳小屋
今日は、冬季初3000m、そして、一番南の3000mの聖岳に登る。
小聖岳まではトレースがあり、聖岳は雪はあまりついていない。人が自分たちを含め5人ほどいる。
みんなほぼ同時に山頂に着き、山頂はすごい風。山頂が混み合っていたので自分たちは、写真も撮らずに兎岳へ。
聖岳の下りで、暴風を受け両人差し指が動かなくなる。怖くなり、止まってオーバーグローブを脱ぎ脇の下に入れずっと指を動かしていた。
なんとか治って心底安心。
聖岳の下りの1箇所は、悪くクライミングをやった事ない人であるならロープが必要に思える。
聖兎のコルでハーネスをつけた。もしかしたら、さっきの下りより悪いところが出てくるかもしれないので。
聖兎は基本的にナイフリッジ。
ルートファインディングをミスらなければそんなに難しくないが、基本的にラッセルで体力的にはかなり厳しい。
やっとの思いで兎岳小屋。
兎岳小屋は入り口が埋まっており雪掻きから、疲れた体にはキツイ。
4日目兎岳小屋→赤石小屋
兎岳小屋からはアップダウンがキツイ。
百間平は風がしのげるところがない為、少々怖いが問題なく通過し、赤石岳へ。
赤石岳の登りはキツイ…喘ぎながら、息を切らしながらゆっくり登る。
赤石小屋に着くと山頂に人影が。赤いヤッケかザックの40代くらいなら男の人か…
かなり疲れていたので、あとから小屋に来るだろうと小屋で待っていたが一向にこない。
疲れていたので、幻覚だったのだろうか…夜はかなり荒れる予報だったので小屋以外の宿泊は、相当に厳しいように思える。
なんだったんだろうか
5日目赤石小屋→荒川中岳避難小屋
赤石小屋から出ると爆風が吹く。
少し出発を遅らせたがあまり変わらない。
辺りは凍りつき死の世界。
風速はどうだろうか、立って歩くのが精一杯だ。お互いの顔を見ると僕は左頬が白くなっている、パートナーは鼻が凍り、左頬が白くなっていた。
初期の初期で発見できたからなんともなかったが、凍傷の意識が低かったらまずかったかもしれない。
赤石の下りでは、アイゼンが外れる。
こういう時には、試練が訪れるものなのか…落ち着いて付け直す。こういう時は、何故か普段より落ち着くことができる。
3030m付近では視界がない為苦労した。
立ち止まると寒くて死にそうになるが、間違った尾根に迷い込むわけにはいかない。コンパスと地形を見て進む。
なんとか大聖寺平へ行く。
大聖寺平では、少し風が弱くなった気がした。
標高が落ちて風が落ち着いたのか…もう安心だっと思って荒川岳のトラバースに行くと今まで体感したことない爆風。
体が浮く。耐風姿勢をとらないと飛ばされる。
体の軽いパートナーはぶっ飛ばされて斜面を登って行く。
ここは、恐ろしい場所だ。
なんとかトラバースし、荒川岳へ登るがここもキツイ。荒川中岳の避難小屋に着くと、千枚小屋まで行こうとしていたが、自分の体力のなさから中岳避難小屋で泊まる事にした。
朝からキツイことの連続、荒川岳の登り、さらに後順調にいっても4時間の行動はちょっと考えられなかった。相当疲れていた。
中岳避難小屋は寒い。手元の温度計はマイナス10度以下は表示できないのでそれ以外か…
寝れなかったが、自分の体力のなさが招いたものだ。仕方ないと受け入れた。
6日目中岳避難小屋→畑薙ダム
悪沢岳の登りではなんとも言えない気持ちになった。キツイことばっかりだったが、いろんな感情が込み上げてくる。
この縦走の前にもキツイ訓練はたくさんやった。全てが上手くいったわけではないが、ここまで来たのだ、頑張ったのだと涙が出てきた。
悪沢岳登頂し、下山。
冬靴で林道18キロには足に6箇所マメをつくったがもう今はどうなってもいい。
成し遂げたんだ…4時間かけて下山。
辛く長い山行だった。
もっと強くなりたいとも思った。
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