(過去レコ)広河内岳〜白河内岳〜黒河内岳〜伝付峠
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- GPS
- --:--
- 距離
- 29.6km
- 登り
- 2,815m
- 下り
- 2,814m
コースタイム
- 山行
- 14:10
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 15:10
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
南アルプス主脈から外れた白根(白峰)三山の南に連なる山々を白峰(白根)南嶺という。 一般的には広河内岳から青薙山(赤崩ノ頭)までだが、広義には山伏・八紘嶺・七面山など安倍奥の山域が含まれる。 今回歩いた大門沢下降点から伝付峠までの間に危険個所はないが、広河内岳から黒河内岳までは一部にルート不明瞭の所がある。 奈良田越から伝付峠までは全区間廃林道歩き。 |
写真
感想
【山行記録投稿=2018年4月27日】
12日は雨。午後から寝て夜に起き、22時半頃自宅を出る。ずっと一般道を走り、コンビニで朝露対策用の合羽のズボンを買う。
広河内橋たもとに車を置き、おにぎり一個を食って1時28分にスタート。
昨夜は遅くまで雨だったのでハイマツ帯はびしょ濡れになるだろうと思い、登山靴に履き替えた際、合羽のズボンも着用していた。
夜空には半月の月明かりがあり、所々に雲が出ている。歩き出しから風が強い。
小古森沢と大古森沢の丸太橋は濡れていて滑りやすいので慎重に渡る。
大門沢小屋には明かりが点いていたが、テン場には人影は全く見当たらない。ずっと上で5時10分頃ライト不要となる。
最終水場で沢水500ミリを飲み、朝食として牛丼を食す。そこから富士山が大きく見えていたが、空は灰色の曇り空。ここまで汗はかいていなかったが、合羽のズボンは通気性がないのでべとべとに蒸れていた。
沢で500㎖の水を補充し、家から持参のオレンジジュースと、計2本(1000㎖)での縦走となる。
水場で食事をしていた時、大門沢小屋泊という単独の男性が上がって来る。昨日は土砂降りだったらしい。彼が先行する形となったが、樹林帯の上りで追い越す。どこへ行くのか聞くと大籠岳までと。
森林限界を出て上空の尾根筋を見上げるとガスが掛かり、どんよりした曇り空だが、風が強く急速に回復する気配。
大門沢下降点へ着き、富士山を撮ったりして5分の小休止後、いよいよ大縦走の始まり。広河内へ向かっている際、稜線は風が非常に強くて寒いので、風下の幕営適地で防寒用のジャケットを着る。
広河内岳でも風が極めて強く、寒さで流れ出た鼻水が強風で吹き上げられてメガネレンズが汚れる。写真だけ撮って先へ進む。
赤テープに従って進んでいたがどうも変だ。尾根から外れてだんだん下へ下がる。この目印はどうも池ノ沢経由で大井川東俣に行くものらしい。左にトラバースして尾根に上がるとこちらにも赤テープがあり、これが縦走路を示すものだと分かる。踏み跡は可成り細い。
相変わらず風は非常に強く、岩場では体がふらつくほど。
大籠岳付近は尾根が平らで幅が広く、どこを歩いても良さそうな感じなので踏み跡は薄い。小さなケルンや古びた赤テープ、所々にある黄色のペンキマークを追って進む。広河内岳も大変好展望。大変寒い中で10分いた。
ここから先で、この縦走路で唯一尾根から外れてガラガラの岩場を下る。尾根から外れる入口には小さなケルンや赤テープがあるのでルートミスはないだろう。尾根にはハイマツが茂っているのでそれを避ける形となっていた。下った所で左の尾根に入り、短区間の樹林の後、猛烈なハイマツ漕ぎとなるが、踏み跡は明瞭だ。
ハイマツを抜け出て黒河内岳の北峰に着く。東海フォレストの標柱では笹山北峰と標示されている。展望は極めて良い。10分いて写真を撮った後、灌木帯を抜けて南峰へ着く。”笹山”とのみ表示され、山梨百名山の標柱が立つ。南峰にも北峰にも黒河内岳とは一切書かれていない。
南峰は灌木に囲まれた円形の裸地で、展望が得られるのは北側のみ。右から北岳〜農鳥岳〜間ノ岳〜西農鳥岳だが、ある程度見慣れてないと同定は間違いやすい。
今回の山行前に早川町役場へTELして、笹山へのルートを聞いた。山地図には出てないが、ネットには奈良田から往復したという記録があるから。
笹山から奈良田湖へ下るルートをのぞき込んで見ると、ルートそのものは明瞭だが大きなハイマツの幹が登山道を塞ぐように横たわり、刈り払いから取り残されているかのように見えた。『山梨百名山』として、地域振興の一環として地元の早川町が拓いたものだろうか。
山梨百を目指す人には、展望絶景の笹山北峰まで是非足を運ぶことをお勧めする。
南峰を南へ少し下った所に悪沢岳がよく見える所があり、風も弱くなったので防寒用のジャケットを脱ぐ。この辺はルートが分かりにくく、数少ない目印を追ってか細い踏み跡を辿る。
やがて樹林帯に入り、以降は奈良田越で廃林道に出るまでの間は、樹林帯の中ではルートが大変分かり易かった。白剥山も林の中だが、悪沢岳や蝙蝠岳はよく見えた。
奈良田越は東海フォレストの標柱には1980mと書かれており、伝付峠とほぼ同じ。既に11時間以上歩き、多少疲れてはいたが体調は悪くなかった。
林道にまでカラマツが植林され、その間を縫うように人の踏み跡が続く。
タクシー会社へ連絡しなきゃいけないのだが、携帯はずっと圏外だった。
伝付峠近くの林道で単独行の男性に会う。南嶺を縦走中、今日は他の登山者と会うことはないと確信していたが…
その男性はザックは背負ってなく登山らしからぬ格好の好青年だった。話をすると、大阪から来て伝付峠の水場でテン泊する予定であり、時間があるのでここまで様子を見に来たと言う。
彼と話をしながら峠へ向かう途中(14時33分頃)携帯が通じ、タクシーを手配。
下山するまで他の人と出会うことはないと思うと一抹の不安や心細さも感じていたが、彼と山の話などで気分が高揚し、かなり元気を取り戻した。
水場では暴飲するかの如くに飲み、涸れたのどを潤す。この長丁場、ザックは軽いに越したことはないが、水500ミリ2本だけでは少なすぎた。
水場の少し上からよく見える富士山は右半分が雲に覆われていた。
稜線にほど近い鞍部で涸れる心配のない水が得られる伝付峠は、テン泊縦走者には是非お勧めしたい幕営地だ。
広河原(伝付峠入口)までの下りは歩きやすいこともあって足取りは軽かった。
車道終点は工事中で、一般車両のゲートには16時38分に下る。タクシーは待たせると申し訳ないので17〜18時に頼んでいた。車道を歩いていたら少し早めに来てくれ、16時43分に乗り込む。(奈良田第一発電所まで7900円)
今回の山行は山梨百名山の(最難関だと思う)笹山登頂が主目的だったが、どうせなら大門沢下降点から伝付峠まで日帰りで縦走しようと計画した。
それを成し遂げた今、極めて強い目的達成感に心は満たされている。
登山所要時間(休憩含む)=15時間10分 標準コースタイム=21時間20分
最大標高差=(上り)約2040m (下り)約2100m 歩数=53700歩
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