記録ID: 1463670
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沢登り
丹沢
鬼石沢右俣〜畦ケ丸南東尾根
2018年05月12日(土) [日帰り]


- GPS
- --:--
- 距離
- 7.9km
- 登り
- 790m
- 下り
- 782m
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・登山計画書は神奈川県警オンライン提出 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■中川川水系 鬼石沢右俣 鬼石沢は大滝沢本流とされ、この界隈ではマスキ嵐沢の次のステップとして登られて いる初級沢だが、ほとんどのパーティは980m二俣から左俣を遡行しており、 右俣の記録はほとんど見ない。 地形図を見てもそう大きな滝はなさそうだが、高さこそないものの意外に登りにくい 滝が複数出現し、一般的ルートである左俣よりも少し難しく面白い渓。 遡行グレード:2級下 ^豸家避難小屋から右(北北東)の鬼石沢右岸に付けられた植林作業径路を使う。 840mで沢は左(北西)に向きを変え、12m滝と15m滝が連続しているが、 今日の目的は右俣に絞っているので、向きを変える手前の830mから右岸の径路を そのまま使って高巻く。径路は明瞭。この右岸径路は沢沿いを880m堰堤上まで 付けられており時間的にショートカットができた。 900m変形三俣は中央を、930mの5m滝は流芯右をスメア(ヌメリはない)で 登り、960m胎内潜りの岩小屋は洞窟に入らず右コーナーを登る。(掘 少しで980m二俣となり今日の水量比は1:1であった。 水が少ない時には右俣は涸れていることもある。 右俣にはナメ滝と奥の方に堰堤が見える。 最初の4×10mと2×5mはほとんど手も使わず楽に登る。 次に小釜を持った4m滝。左からテイクオフし上部で少し右を登る。(掘檗 さらに8m滝。右から小さく巻くように登れるかもしれないが、いかんせん 水捌けのよい苔岩なので、当然崩落しやすいであろう。 ここは左小尾根状を登り上部をトラバースして、さらにその上の堰堤も一緒に 巻いた。 堰堤上なので水は一旦涸れていた。 1030mで沢は北西から北北東へ向きを少し変え、4+6+2mの三段滝だ。 4mは流芯左を落ち口へ登る。(掘 6mは下から見ると易しそうで、左の細いバンドに流芯側から上がるが、 上のホールドは外傾しておりガバもあまりなく、ちょっと思案した。 右上のあまり深くはないフレークホールドを持ち替えたりして何とか登る。 (掘棔銑検檗 なお左壁を巻こうともしたが、こちらはスラブの上に土が乗っているだけで よいホールドもなかったので止めた。 け手にモスラ状露岩帯で出合う2本の支沢の先の5mを越え(供棔法 2段2m小滝を越えると、ナメの先で沢は西に向きを変え4m滝が水を飛ばす。 流芯左側のカンテを使って登る。(掘次 すぐ上流には3つの大岩が転がっている。 1115mで右(北東)から右傾側壁を抱くCS3mの支沢が合わさり少しで のっぺりした何とも登りにくそうな滝が三段続いている。 2+2+5で3段9mといったところ。 両岸を見ても高巻きはちょっと悪い印象だ。 近づくと最初の2mは登れそう。左を靴らいで登る。 中段2mは掘次 最後の5mは中央を登れそうで取り付くが、不覚にも負荷耐久力が弱い砂岩質 とわかっていながら、一応チェックしたホールドをマッチして保持したため こいつが崩れる。条件反射的に体勢を保持したもののモチベは失せてしまう。 やはり不安定要素の高い沢やトラディッショナルクライミングではマッチで ホールディングは避けるべきだった。 仕方なく左の脆い砂岩をトラバース気味に巻く。 1140mで登れそうにない5m。右のザレリッジから逆くの字状に少し藪漕ぎ気味 に巻いて、落ち口へ落ち込む小尾根を数mクライムダウンする。 続く4mは左バンドを小さく巻く。(掘次 Ш2m右5m岩を越えると次第に巨岩帯になる。 明瞭な1185m二俣で、奥に一見白崩れに見える砂岩壁のある右沢へ進んだ。 草付きもないスッキリした白砂岩壁(棚)を過ぎると正面に稜線も近い。 が、最後は崩壊ザレになっている。ザレも右隅をキックステップして詰め 畦ケ丸南東尾根(バリエーション尾根)1225mコルに出て遡行終了した。 ■畦ケ丸南東尾根(鬼石沢・下棚沢中間尾根) ・今回畦ケ丸には立ち寄らなかったが、下降点は少々笹薮を掻き分ける。 鬼石沢と下棚沢の中間尾根なので、両方の沢の流れ落ちる方向を予め地形図に カスタマイズして見極める。 やや急斜面を下りれば1225mコルに出られ、すぐに1240mピークに向かって 登り返す。 1240mピークとその南南東の1225m平地は太っており、一見下るべき尾根形は 判断しづらい。 1240mは南南東へ、1225mは東〜東南東へコンパスワークして進む。 なおこの間の西側はミツバツツジとシロヤシオが競演していて和んだ。 ・1060mはほぼ南北に股裂き状になった尾根分派点。 ここを左(北東)に伸びる尾根に入ると下棚沢途中に下りてしまうので注意。 右の南南西へ進めば下にコルが見えている。 再び南南東に登り返せば1079mピーク。大きな木が幹だけ残して折れている。 その先、東へ進むと植林帯によって尾根が分派しているのがわかる。 ここも植林帯の左(東北東)尾根に進んでしまうと、下流部に大きな滝を持つ 深い下棚沢に下りてしまうので要注意。 植林帯右の南東尾根を下りる。 下りたコル部のみ木の土留めを使った割と明瞭な植林作業径路が出てくる。 少し登り返して馬酔木群の尾根を南南東へ向かう。 右手下に木の土留め群、そして植生保護柵が見え、ちょっと登り返せば 一軒家避難小屋方向に向かう鬼石沢・マスキ嵐沢中間尾根との分岐。 この分岐は稜線上1035m小ピークの少しだけ南側にある。 東側はマスキ嵐沢によって展望が開け、正面に箒沢権現山が聳えている。 ・鬼石沢マスキ嵐沢中間尾根は出だしが植林尾根だが、急下降はほとんどなく 地形図を見てもわかるように割と平坦な尾根。 もし注意することがあるとしたら、1005m小ピークは進行方向正面に現れる 植生保護柵の左側(南南東)に下りること(右の南西尾根は鬼石沢に落ち込む)、 続く975m小ピークは左側の東南東尾根に進むこと、であろうか。 ・880mで進行方向正面には植林帯が扇状に広がっている。 植林沿い左側(南南西)は少々急ながら下降すれば大滝橋に続く登山道に下り られるし、植林沿い右側(西南西)に下りれば伐採材の少しうるさい植林帯を 下り、下部に張られた植生保護柵の右側を巻いて一軒家避難小屋の見える下部で 同じ登山道(東海自然歩道)に出られる。 ■鬼石沢左俣および他の丹沢の沢については・・・ 拙著『丹沢の谷200ルート』(山と溪谷社) ※検索すればamazon等で売られています。 および下記URLの丹沢沢記録にまとめています。 (最近はちょっと怠けていますが) http://mt-farm.info/ |
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感想
今日は予定していた読図講習が受講者さん体調不良で中止。
ただこんな良い天気は勿体ないと
そそくさ計画書を作り、会と県警に提出して
未踏の鬼石沢右俣へ行ってきました。
一般的ルートである左俣は十数回登っているけど
ずっと気にかけていた右俣は今回がチャンス。
出だしにナメ滝と奥に堰堤があるのはわかっていたけれど
地形図見ても所々5m級滝くらいしかないかなぁ。
実際遡行して、確かに大物はないものの
登りにくそうな滝が結構出て来て
本流である左俣よりもムズくもあり面白かった。
記録のない、または疎い沢は、時々宝物が埋まってたりするので
やはり楽しい。
何よりも自分の技術と今まで培ってきた経験則や危険察知能力を
五感を以て発揮できる。
今失われつつある原始登山が本来の登山だと思うし
それを実現できる一番手近なものが沢だしね。
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